科目B|B1 データの適切な取扱い
資料ファイルの命名と版管理
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『B 1-6 非構造化データの特性を踏まえた取扱い』
不動産業のA社は、売買と賃貸の仲介を行っている。物件ごとの図面、調査書、写真は社内の共有フォルダに置かれているが、似た名前のファイルが多く、「どれが最新か分からない」という声が出ている。X部長は、Yさんに、物件102のファイルを例にして整理を進めるよう頼んだ。
A社は、ファイルの名前と版のきまりを表1 に、置き場所のきまりを表2 に決めている。
物件102のファイルの現状を表3 に示す。『更新日』はファイルを最後に保存した日で、『状態』と『個人情報』はファイルに付けたタグである。
ちょうど店頭の担当者から、物件102の購入を考えている人に図面を見せたいという依頼が来た。同じころ、Yさんがスマートフォンで撮った物件102の外観の写真 IMG_3041.jpg が、共有フォルダに置かれた。Yさんは、これらを表1 と表2 のきまりに従って整理することにした。
Yさんの整理は次のとおりである。物件102の図面のうち、購入を考えている人に見せてよい版は【a】である。表3 の調査書は、表2 のきまりに従うと、【b】に置くことになる。写真 IMG_3041.jpg の名前を表1 のきまりに合わせて付け直すと、【c】になる。
表1 ファイルの名前と版のきまり
| No. | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 図面・調査書の名前 | 「物件番号_書類の種類_v版番号」とする。版番号は2桁で、変更のたびに1つ上げる |
| 2 | 写真の名前 | 「物件番号_写真_撮影対象_連番」とする。連番は2桁で、同じ撮影対象の何枚目かを表す。版は付けない |
| 3 | 版の新旧 | 版番号が大きい方が新しい。更新日は、開いて保存し直すだけで変わるので、新旧の判断に使わない |
| 4 | 状態のタグ | 作業中、確定、旧版のいずれかを付ける。確定は責任者が認めた版、旧版は新しい版に置き換えられた版である |
| 5 | 社外への提示 | 購入を考えている人に見せてよいのは、状態が確定の版のうち、版番号が最大のものだけとする |
表2 置き場所のきまり
| 置き場所 | 見られる人 | 置いてよい書類 |
|---|---|---|
| 全社共有 | 全社員 | 個人情報を含まない図面と写真 |
| 営業部 | 営業部員 | 個人情報を含まない調査書 |
| 契約限定 | 契約担当者だけ | 個人情報を含む書類(契約書など) |
個人情報を含まない調査書を契約限定に置くと、必要な営業部員が見られなくなるので、置かない。
表3 物件102のファイルの現状
| ファイル名 | 置き場所 | 状態 | 更新日 | 個人情報 |
|---|---|---|---|---|
| 102_図面_v01.pdf | 全社共有 | 旧版 | 3月10日 | なし |
| 102_図面_v02.pdf | 全社共有 | 確定 | 6月25日 | なし |
| 102_図面_v03.pdf | 全社共有 | 確定 | 5月30日 | なし |
| 102_図面_v04.pdf | 全社共有 | 作業中 | 6月20日 | なし |
| 102_調査書_v01.pdf | 全社共有 | 確定 | 6月2日 | なし |
| 102_写真_外観_01.jpg | 全社共有 | 確定 | 4月8日 | なし |
| IMG_3041.jpg | 全社共有 | 作業中 | 6月13日 | なし |
調査書は、物件の法令や設備の調べをまとめた書類である。個人情報は、氏名や住所など個人を特定できる情報が入っているかを示す。
設問
本文中の【a】〜【c】に入れる字句の組合せとして、最も適切なものを解答群の中から選べ。
- 物件102の図面のうち、購入を考えている人に見せてよい版は【a】である。
- 表3 の調査書は、表2 のきまりに従うと、【b】に置くことになる。
- 写真 IMG_3041.jpg の名前を表1 のきまりに合わせて付け直すと、【c】になる。
| 記号 | 【a】 | 【b】 | 【c】 |
|---|---|---|---|
| ア | 102_図面_v02.pdf | 全社共有 | 102_写真_外観_v02.jpg |
| イ | 102_図面_v04.pdf | 契約限定 | 102_写真_外観_v02.jpg |
| ウ | 102_図面_v02.pdf | 契約限定 | 102_写真_外観_01.jpg |
| エ | 102_図面_v04.pdf | 営業部 | 102_写真_外観_02.jpg |
| オ | 102_図面_v03.pdf | 契約限定 | 102_写真_外観_02.jpg |
| カ | 102_図面_v03.pdf | 営業部 | 102_写真_外観_02.jpg |
| キ | 102_図面_v02.pdf | 全社共有 | 102_写真_外観_01.jpg |
| ク | 102_図面_v03.pdf | 営業部 | 102_写真_外観_01.jpg |
| ケ | 102_図面_v04.pdf | 全社共有 | 102_写真_外観_v02.jpg |
正解:カ a:102_図面_v03.pdf b:営業部 c:102_写真_外観_02.jpg
ポイント
シラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたら、名前と版のきまり、置き場所のきまり、ファイルの現状を見比べ、最新の版・置き場所・付け直す名前を選ぶ力です。
考え方と解き方
最新に見えるファイルは、更新日が新しいもの、版番号が最大のもの、というように、見る列によって変わります。表1 が、どの列で新旧を決め、どの状態の版を見せてよいとしているかを先に確かめます。
- 表1 の No.3 の行で、新旧は版番号で決め、更新日は使いません。No.5 の行で、購入を考えている人に見せてよいのは、状態が確定の版のうち、版番号が最大のものです。表3 の図面で、更新日が最も新しいのは v02(6月25日)ですが、版番号は v03 より小さく、新しい版ではありません。版番号が最大の v04 は、『状態』の列が作業中です。確定は v02 と v03 で、大きい版は v03 です(v02 は v03 に置き換えられたはずですが、タグの付け替え漏れで確定のまま残っています)。したがって a は 102_図面_v03.pdf です。
- 表3 の 102_調査書_v01.pdf の行を見ると、『個人情報』の列はなしです。表2 の全社共有の行は、『置いてよい書類』が図面と写真だけなので、調査書は置けません。今の全社共有のままでは、きまりに合いません。契約限定は個人情報を含む書類のための場所で、表2 の注のとおり、個人情報を含まない調査書は置きません。営業部の行は、個人情報を含まない調査書を置いてよいとしています。したがって b は営業部です。
- 表1 の No.2 の行より、写真の名前は「物件番号_写真_撮影対象_連番」で、版は付けません。表3 の 102_写真_外観_01.jpg の行に、外観の1枚目があります。IMG_3041.jpg は外観の写真なので、2枚目の連番 02 を付けます。したがって c は 102_写真_外観_02.jpg で、カ です。
ほかの選択肢
- a が 102_図面_v02.pdf の組合せ(ア、ウ、キ):v02 は更新日が最も新しいですが、新旧は版番号で決めます。v03 のほうが新しい確定の版です。
- a が 102_図面_v04.pdf の組合せ(イ、エ、ケ):v04 は版番号が最大ですが、状態が作業中で、責任者が認めた確定の版ではありません。
- b が全社共有・契約限定の組合せ(ア、イ、ウ、オ、キ、ケ):全社共有に置いてよいのは図面と写真だけです。契約限定は個人情報を含む書類のための場所で、この調査書は個人情報がないので、営業部員が見られる営業部に置きます。
- c が 102_写真_外観_01.jpg・102_写真_外観_v02.jpg の組合せ(ア、イ、ウ、キ、ク、ケ):01 は表3 にある外観の1枚目と同じ名前です。v02 は、版番号の付け方を写真にも当てはめていますが、写真に版は付けません。
覚えておくこと
- 版番号を付けるきまりがある時は、新旧は更新日ではなく版番号で決める。更新日は、開いて保存し直すだけで変わる。この事例では、購入を考えている人に見せるのは、状態が確定の版のうち、版番号が最大のものだけとする。
- 置き場所は、書類の種類だけでなく、個人情報のタグも見て決める。この事例では、個人情報のない調査書は営業部に置き、個人情報を含む書類だけを契約限定に置く。
- 名前のきまりは、書類の種類ごとに見る。この事例では、図面と調査書は版番号、写真は撮影対象と連番で、写真に版は付けない。新しい連番は、同じ対象の既存の番号の次にする。
(科目B・1-6)