サンプル問題(2022年12月) 問55

サンプル問題(2022年12月) 問55科目B(事例)

事例

A社は,SaaS形式の給与計算サービス(以下,Aサービスという)を法人向けに提供する,従業員100名のIT会社である。A社は,自社でもAサービスを利用している。A社の従業員は,WebブラウザでAサービスのログイン画面にアクセスし,Aサービスのアカウント(以下,Aアカウントという)の利用者ID及びパスワードを入力する。ログインに成功すると,自分の給与及び賞与の確認,パスワードの変更などができる。利用者IDは,個人ごとに付与した不規則な8桁の番号である。ログイン時にパスワードを連続して5回間違えるとAアカウントはロックされる。ロックを解除するためには,Aサービスの解除画面で申請する。

A社は,半年に1回,標的型攻撃メールへの対応訓練(以下,H訓練という)を実施しており,表1に示す20XX年下期のH訓練計画案が経営会議に提出された。

表1 20XX年下期のH訓練計画案(抜粋)
項目内容
電子メールの送信日時次の日時に,H訓練の電子メールを全従業員宛に送信する。
・20XX年10月1日10時00分
送信者メールアドレスAサービスを装ったドメインのメールアドレス
電子メールの本文次を含める。
・Aアカウントはロックされていること
・ロックを解除するには,次のURLにアクセスすること
・偽解除サイトのURL
偽解除サイト・氏名,所属部門名並びにAアカウントの利用者ID及びパスワードを入力させる。
・全ての項目の入力が完了すると,H訓練であることを表示する。
結果の報告経営会議への報告予定日:20XX年10月31日

注記 偽解除サイトで入力された情報は,保存しない。A社は,従業員の氏名,所属部門名及びAアカウントの情報を個人情報としている。

経営会議では,表1の計画案はどのような標的型攻撃メールを想定しているのかという質問があった。

表1の計画案が想定している標的型攻撃メールはどれか。解答群のうち,最も適切なものを選べ。

正解:ウ 従業員を攻撃者が用意したWebサイトに誘導し,従業員の個人情報を不正に取得する標的型攻撃メール

ポイント

表1の訓練計画から、想定している標的型攻撃メールの目的を読み取る事例です。

考え方と解き方

表1の、メールの本文と、偽解除サイトの行を読みます。メールで誘導する先と、サイトで何を入力させるかが決め手です。ロックの解除や回数の上限など、本文の細かい話に引かれて、攻撃の目的を取り違えやすい所です。

  1. 表1で、メールは、A サービスを装った送信元から、アカウントがロックされたと知らせ、偽解除サイトのURLにアクセスさせます。誘導先は、攻撃者が用意したサイトです。
  2. 偽解除サイトでは、氏名、所属部門名、利用者ID、パスワードを入力させます。注記より、氏名、所属部門名、A アカウントの情報は個人情報です。つまり、従業員の個人情報を取得する攻撃を想定しています。
  3. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 誘導先は攻撃者の偽解除サイトで、A サービス本体ではありません。ロックの解除を試すメールでもありません。
  • イ 偽解除サイトは入力させた情報を受け取るだけで、A サービスにログインを試みないので、ロックの回数の上限は探れません。
  • エ 誘導先は A サービスではなく偽解除サイトです。アクセスを集中させて利用不能にする内容は、表1にありません。

覚えておくこと

  • 標的型攻撃メールは、誘導先で何を入力させるかを見ると、攻撃の目的が分かる
  • 偽のログインや解除の画面で、利用者IDとパスワードなどを入力させるのは、情報の不正な取得が目的である

出典:情報セキュリティマネジメント試験 サンプル問題 科目B 問55

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