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損益分岐点と財務諸表(貸借対照表・損益計算書)

今の制度の過去問(6回分)では、製造原価明細書と損益計算書から売上総利益を求める計算が1問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『3 会計・財務/売上と利益の関係』『3 会計・財務/財務諸表』

最終更新

問われ方

  • 製造原価明細書と損益計算書から、売上総利益を計算する形
  • 問われるとしたら:損益分岐点売上高を、固定費と変動費率から求める形
  • 問われるとしたら:財務諸表の役割や、資産の区分を選ぶ形

覚えること

  • 利益:売上高から、費用を引いた残り
  • 原価:製品を作る、又は商品を仕入れるためにかかった費用
  • 売上総利益(粗利益)=売上高-売上原価
  • 営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
  • 売上原価=期首製品棚卸高+当期製品製造原価-期末製品棚卸高
  • 当期製品製造原価=当期総製造費用+期首仕掛品棚卸高-期末仕掛品棚卸高
  • 当期総製造費用=材料費+労務費+経費
  • 固定費:売上高が変わっても一定の費用(家賃など)
  • 変動費:売上高に比例して増減する費用(材料費など)。変動費率=変動費÷売上高
  • 損益分岐点:売上高と費用が等しく、利益が 0 になる売上高
  • 損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)。固定費か変動費率が下がると下がる
  • 貸借対照表:決算日の資産、負債、純資産の状態を示す表。純資産=資産-負債
  • 損益計算書:一定期間の収益と費用、利益を示す表
  • キャッシュフロー計算書:一定期間の現金の増減を示す表
  • 流動資産:現金や売掛金など、短期(1 年以内が目安)に現金になる資産
  • 固定資産:長く使う資産。有形固定資産(建物など)と無形固定資産(特許権など)
  • 繰延資産:支出の効果が将来に及ぶ費用を、資産として計上できるもの
  • 流動負債:短期(1 年以内が目安)に支払う負債。固定負債:それを超える負債

数字と計算

  • 例:売上高 1,000、変動費 700、固定費 240 なら、240÷0.3=800

ひっかけ

  • 貸借対照表は決算日の状態、損益計算書は一定期間の成績
  • 利益が出ていても、現金が増えているとは限らない

想定問題

4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1科目A(四択)

単位を万円とするとき、この部門の損益分岐点売上高として、最も適切なものはどれか。

A 社の事業部の責任者の B さんは、サービス事業の採算を確かめている。年間の売上高は 4,000 万円、変動費は 2,400 万円、固定費は 800 万円である。

正解:エ 2,000

ポイント

固定費と変動費率から、損益分岐点売上高を求める問題です。

考え方と解き方

変動費率は売上高に対する変動費の割合です。固定費をそのまま答えにしたり、変動費率で割ったりして間違えます。この立場なら、まず変動費率を求めます。

  1. 変動費率は、2,400÷4,000=0.6 です。
  2. 損益分岐点売上高は、800÷(1-0.6)=2,000 万円です。したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 800 は、固定費そのものです。変動費の分を考えていません。
  • イ 1,333 は、固定費を変動費率 0.6 で割った値です。1 から変動費率を引いた値で割る式と合いません。
  • ウ 1,600 は、売上高に 1 から変動費率を引いた値を掛けた額(売上高から変動費を引いた額)です。損益分岐点売上高ではありません。

覚えておくこと

  • 変動費:売上高に比例して増減する費用(材料費など)。変動費率=変動費÷売上高
  • 損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)。固定費か変動費率が下がると下がる

(テーマ・覚えること)

想定問題 2科目A(四択)

財務諸表に関する記述として、最も適切なものはどれか。

正解:イ 損益計算書の利益が出ていても、売掛金の回収が遅れると、手元の現金は減ることがある。

ポイント

財務諸表の役割と、利益と現金の違いを選ぶ問題です。

考え方と解き方

三つの表は、何を示すかで区別します。決算日の状態、期間の成績、期間の現金の増減です。利益は、売上を計上した時点で出ますが、現金は回収した時点で増えます。

  1. 売上を計上しても、売掛金を回収するまでは現金が入りません。このため、利益が出ていても現金が減ることがあります。
  2. したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 一定期間の収益と費用を比べて利益を示すのは、損益計算書の説明です。貸借対照表は、決算日の状態を示します。
  • ウ 決算日の資産、負債、純資産の残高を示すのは、貸借対照表の説明です。キャッシュフロー計算書は、現金の増減を示します。
  • エ 利益と現金の増加額は、売掛金の回収の時期などでずれるので、常に等しいとはいえません。

覚えておくこと

  • 損益計算書:一定期間の収益と費用、利益を示す表
  • キャッシュフロー計算書:一定期間の現金の増減を示す表
  • 貸借対照表:決算日の資産、負債、純資産の状態を示す表。純資産=資産-負債

(テーマ・覚えること)

想定問題 3科目A(四択)

損益分岐点売上高そのものを下げる対応として、最も適切なものはどれか。

A 社のサービス事業の責任者の C さんは、売上高が損益分岐点売上高を下回っていることに気づいた。C さんは、売上の見込みを変えずに、損益分岐点売上高を下げたいと考えている。

正解:ウ 契約している設備の賃借料を下げて、固定費を減らす。

ポイント

損益分岐点売上高を下げる要因を、事例から選ぶ問題です。

考え方と解き方

損益分岐点売上高は、固定費と変動費率で決まります。売上高の目標を上げても、損益分岐点売上高は下がりません。この立場なら、式のどの値を動かすかを先に考えます。

  1. 損益分岐点売上高は、固定費÷(1-変動費率)なので、固定費を減らすと下がります。賃借料は固定費です。
  2. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 増員は固定費を増やし、損益分岐点売上高を上げます。売上高の目標を上げても、損益分岐点売上高は変わりません。
  • イ 単価の高い外注先への変更は、変動費率を上げるので、損益分岐点売上高が上がります。
  • エ 単価を下げると、売上高に対する変動費の割合が上がり、損益分岐点売上高が上がります。

覚えておくこと

  • 損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)。固定費か変動費率が下がると下がる
  • 固定費:売上高が変わっても一定の費用(家賃など)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4科目A(四択)

資産の区分に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の経理担当の D さんは、貸借対照表の資産の区分を、次の a〜c にまとめた。
  • a 事務所の建物は、有形固定資産に区分される。
  • b 特許権は、無形固定資産に区分される。
  • c 決算日から 1 年以内に回収する予定の売掛金は、固定資産に区分される。

正解:ア a、b

ポイント

資産の区分を、a〜c の組合せで選ぶ問題です。

考え方と解き方

資産は、短期に現金になる流動資産と、長く使う固定資産に分けます。固定資産は、形があるかどうかで、有形と無形に分けます。

  1. a は適切です。形のある建物は、有形固定資産です。b は適切です。形のない特許権は、無形固定資産です。c は不適切です。1 年以内に回収する売掛金は、流動資産です。
  2. したがって、適切なのは a、b の全てで、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c が不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
  • ウ a が適切で、c が不適切なので、a、c では組合せが合いません。
  • エ b が適切で、c が不適切なので、b、c では組合せが合いません。

覚えておくこと

  • 固定資産:長く使う資産。有形固定資産(建物など)と無形固定資産(特許権など)
  • 流動資産:現金や売掛金など、短期(1 年以内が目安)に現金になる資産

(テーマ・覚えること)

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