分野 A|データ分析・利活用 重点分野
相関・回帰・検定
シラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたら、相関と因果、回帰直線による予測、検定結果の読み取り、標本からの推定を、文・計算・表・組合せから選ぶ形です。
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『2-9-2 データ分析・データ利活用/データ分析における統計的手法』
最終更新
よく出る形
- 問われるとしたら:相関と因果の説明のうち、不適切な物を選ぶ形
- 問われるとしたら:回帰直線を使った予測値を、表のデータから計算して選ぶ形
- 問われるとしたら:検定結果の表を読み、有意な差かどうかを選ぶ形
- 問われるとしたら:標本から全体を推し量る考え方を、a〜c から選ぶ形
覚えること
- 相関分析:2つの量の直線的な関係の強さを、相関係数(-1 から 1)で調べる分析
- 正の相関と負の相関:1 に近いと正(一方が増えると他方も増える)、-1 に近いと負
- 相関係数が 0 付近:直線の関係が弱いだけ。関係が全くないとは限らない
- 相関と因果:相関が強くても、因果があるとは限らない。偶然や別の要因のこともある
- 偏差の積和と2乗和:Sxy は x と y の偏差(平均との差)の積の合計。Sxx は x の偏差の2乗の合計
- 相関係数 r:Sxy÷√(Sxx×Syy)(Syy は y の偏差の2乗の合計)
- 回帰分析:ある量 y を別の量 x で説明する式を、最小二乗法などで求める分析
- 回帰直線:y=a+bx。傾き b=Sxy÷Sxx、切片 a=y の平均-b×x の平均
- 推定:標本(取り出した一部)から母集団(調べたい全体)の値を推し量る。1つの値で行うのが点推定、幅をもたせるのが区間推定
- 標本誤差:標本が一部であるために生じるずれ。無作為に選んでもなくせない
- 標本の大きさ:4倍にすると、標本平均のばらつきの目安は2分の1になる
- 仮説検定:差が偶然で起こる範囲かどうかを、確率で判断する方法
- 帰無仮説:「差はない」とおく仮説。これを退けることを棄却という
- 有意水準:棄却するかどうかの基準にする確率。5%がよく使われる
- p値:帰無仮説が正しいとしたとき、観測した差以上が偶然に出る確率
- p値が有意水準より小さい:帰無仮説を棄却し、有意な差(偶然と言いにくい差)とする
- p値が有意水準以上:棄却できない。差がないと証明されたわけではない
数字と計算
- 例:x=1、2、3、4 に対し y=2、1、4、3。x の平均も y の平均も 2.5
- Sxy=3、Sxx=5、Syy=5 なので、r=3÷√(5×5)=0.6
ひっかけ
- 相関係数が 1 に近くても、「原因と結果」とは言えない
- 相関係数が 0 でも、「関係が全くない」とは言えない
- 有意でない結果は「差がない」ではない。差があるとは言えない、まで
想定問題
4問(科目A(四肢択一))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
相関係数に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:イ 相関係数が 0.9 と大きければ、他の要因を調べなくても、因果があると言える。
ポイント
相関係数の読み方のうち、言い過ぎになっている記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
相関係数は、2つの量が直線に近い形で一緒に動く強さを表す数で、原因と結果の向きまでは表しません。大きな値を見ると因果まで言いたくなる所で、間違えやすくなります。
- ア は、相関係数の範囲と、1 に近い場合の説明で、適切です。
- イ は、相関が強くても、偶然や別の要因で一緒に動くことがあるので、因果があるとは限りません。別の要因を調べずに因果があると言える、とする点が不適切です。
- ウ は、相関係数が表すのは直線的な関係の強さなので、0 に近くても曲線の関係がある場合があり、適切です。エ は、右下がりは負の相関で、適切です。
- したがって、最も不適切なのは イ です。正しくは、相関係数が大きくても、因果があるとは限りません。
ほかの選択肢
- ア 相関係数の範囲(-1 から 1)と、1 に近いほど正の相関が強いことを述べていて、適切です。
- ウ 相関係数が見るのは直線的な関係なので、0 に近くても、直線以外の関係が残る場合があります。適切です。
- エ 点が右下がりに並ぶのは、一方が増えると他方が減る傾向で、負の相関です。適切です。
覚えておくこと
- 相関分析:2つの量の直線的な関係の強さを、相関係数(-1 から 1)で調べる分析
- 相関係数が 0 付近:直線の関係が弱いだけ。関係が全くないとは限らない
- 相関と因果:相関が強くても、因果があるとは限らない。偶然や別の要因のこともある
(テーマ・覚えること)
広告の回数が 6 回のときの売上の予測値として、最も適切なものはどれか。
| 広告の回数 x(回) | 売上 y(万円) |
|---|---|
| 1 | 3 |
| 2 | 6 |
| 3 | 4 |
| 4 | 8 |
| 5 | 9 |
正解:ウ 売上は 10.2 万円
ポイント
表1 から回帰直線を求め、広告の回数が 6 回のときの売上を予測する計算問題です。
考え方と解き方
回帰直線は、傾きを先に求め、そのあとで切片を求めます。切片を忘れたり、傾きを求める割り算を取りちがえたりすると、予測値が大きくずれます。
- x の平均は(1+2+3+4+5)÷5=3、y の平均は(3+6+4+8+9)÷5=6 です。偏差は、x が -2、-1、0、1、2、y が -3、0、-2、2、3 です。
- Sxy=(-2)×(-3)+(-1)×0+0×(-2)+1×2+2×3=14、Sxx=4+1+0+1+4=10 なので、傾き b=14÷10=1.4 です。切片 a=6-1.4×3=1.8 で、回帰直線は y=1.8+1.4x です。
- x=6 を入れると、y=1.8+1.4×6=10.2(万円)です。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア x に x の平均 3 を入れた値(1.8+1.4×3=6.0)です。求めるのは x=6 のときの値です。
- イ 切片を足し忘れた値(1.4×6=8.4)です。回帰直線は原点を通るとは限りません。
- エ 傾きと切片を入れちがえた値(y=1.4+1.8x に x=6 を入れて 1.4+1.8×6=12.2)です。傾きは Sxy÷Sxx、切片は y の平均-b×x の平均です。
覚えておくこと
- 偏差の積和と2乗和:Sxy は x と y の偏差(平均との差)の積の合計。Sxx は x の偏差の2乗の合計
- 回帰分析:ある量 y を別の量 x で説明する式を、最小二乗法などで求める分析
- 回帰直線:y=a+bx。傾き b=Sxy÷Sxx、切片 a=y の平均-b×x の平均
(テーマ・覚えること)
表1 の検定結果から、有意な差があるとする案として、最も適切なものはどれか。
| 販促案 | p値 |
|---|---|
| X | 0.03 |
| Y | 0.08 |
| Z | 0.50 |
正解:ア 有意な差があるとするのは、案 X だけである。
ポイント
検定結果の表の p値を、有意水準と比べて読み、有意な差とする案を選ぶ問題です。
考え方と解き方
p値が小さいほど有意、と覚えていても、どの値から小さいとするかは有意水準で決まります。p値が大きいものを選んだり、基準の 5%を超える値を有意としたりする取りちがえが起こりやすい所です。
- 有意水準は 5%(0.05)です。表1 の p値の列を見ると、案 X は 0.03、案 Y は 0.08、案 Z は 0.50 です。
- 0.05 より小さいのは案 X だけなので、案 X は帰無仮説を棄却し、有意な差とします。案 Y と案 Z は棄却できないので、差があるとは言えない、までです。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 案 Y の p値は 0.08 で、有意水準 0.05 より大きく、棄却できません。有意な差とはしません。
- ウ 案 Z の p値は 0.50 で最も大きく、棄却できません。p値が大きい案を有意とするのは、向きの取りちがえです。
- エ 案 X の p値は 0.03 で、有意水準 0.05 より小さいので、棄却できます。有意な差とする案があります。
覚えておくこと
- 有意水準:棄却するかどうかの基準にする確率。5%がよく使われる
- p値が有意水準より小さい:帰無仮説を棄却し、有意な差(偶然と言いにくい差)とする
- p値が有意水準以上:棄却できない。差がないと証明されたわけではない
(テーマ・覚えること)
標本から全体を推し量る考え方として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 無作為に400人を選べば、標本の平均は、10万人全体の平均と必ず一致する。
- b 標本の大きさを400人から1,600人に増やせば、標本誤差はなくなる。
- c 標本の大きさを400人から1,600人にすると、標本平均のばらつきの目安は4分の1になる。
正解:エ なし
ポイント
標本から全体の平均を推し量るときの、標本誤差と標本の大きさの関係を、a〜c で判定する問題です。
考え方と解き方
標本は全体の一部なので、無作為に選んでも、選ぶたびに平均が少しずつ違います。無作為なら一致すると思い込みやすく、標本を増やした効果も大きく見積もりやすい所です。
- a は、標本が一部であるために生じるずれ(標本誤差)は、無作為に選んでもなくせません。必ず一致するとは言えず、不適切です。
- b は、標本を増やすと標本誤差は小さくなりますが、一部を調べる限りなくなりません。不適切です。
- c は、標本の大きさを4倍にすると、標本平均のばらつきの目安は2分の1になり、4分の1ではありません。不適切です。したがって、適切なものはなく、エ です。
ほかの選択肢
- ア a も b も不適切なので、適切なものとして挙げられません。
- イ a も c も不適切で、適切なものとして挙げられません。
- ウ b は、標本誤差がなくなるとしているので不適切で、適切なものとして挙げられません。
覚えておくこと
- 標本誤差:標本が一部であるために生じるずれ。無作為に選んでもなくせない
- 標本の大きさ:4倍にすると、標本平均のばらつきの目安は2分の1になる
(テーマ・覚えること)
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