分野 T|ビジネス・技術
クラウドサービスと仮想化(SaaS・IaaS・コンテナ)
今の制度の過去問には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『1 クラウドサービス/クラウドサービスの特徴』『2 基盤技術/クラウド・仮想化基盤技術』
最終更新
問われ方
- 問われるとしたら:部門の要望に、オンプレミスとの違いから意見を選ぶ形
- 問われるとしたら:運用の実態から、提供形態の呼び方を選ぶ形
- 問われるとしたら:仮想マシンとコンテナの分離の違いを選ぶ形
- 問われるとしたら:SaaS・PaaS・IaaS の利用者の管理範囲を区別する形
覚えること
- SaaS:提供者のアプリを使う。基盤は管理せず、アプリの設定だけ行う
- PaaS:提供者がサポートする言語・ツールで作ったアプリを載せる。OS を含む基盤は管理しない
- IaaS:演算・ストレージ・ネットワークを借り、OS やアプリは利用者が管理する
- プライベートクラウド:単一の組織の専用。運用は組織か第三者、場所は内外どちらも
- パブリッククラウド:広く一般の自由な利用に提供される。事業者の施設内に置かれる
- ハイブリッドクラウド:異なるクラウドを組み合わせ、データやアプリを移せるよう結ぶ
- オンプレミスと比べた特徴:初期投資が少なく、処理能力を増減しやすい
- 使った分だけ費用が生じる契約が多い。最初から最大の能力を買う必要はない
- 一方、自社で管理できる範囲が狭く、検知や対応の仕組みを自由に入れられないことがある
- 要望が出たら、組織のルールに照らし、管理できない範囲を確かめて意見を出す
- 仮想マシン:ハイパーバイザーで資源を分離し、それぞれがゲスト OS をもつ
- ハイパーバイザー型は物理機器の上に直接、ホスト型はホスト OS の上に仮想化ソフトを置く
- コンテナ型:複数のアプリが同じ OS カーネルを共有する。分離の度合いは仮想マシンより小さい
- コンテナは OS の系統ごとに作る。Linux 用のコンテナは Linux のホストで動く
- 用語例(名前を押さえる):マルチクラウド、ソブリンクラウド
- 用語例(名前を押さえる):データ保持の方法、リージョン、クラスタ、シンクライアント
ひっかけ
- コンテナ(カーネル共有)と仮想マシン(ゲスト OS ごと)の取りちがえ
- 運用を委託した専用の環境(プライベート)と、一般向け(パブリック)の取りちがえ
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
S さんが部門に伝える意見として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 管理できる範囲が狭く、検知や対応の仕組みを自由に入れられないことがあるので、事前に確認する
ポイント
部門のクラウド利用の要望に、オンプレミスとの違いから意見を選ぶ問題です。
考え方と解き方
クラウドは、初期投資が少なく処理能力を増減しやすい一方、管理できる範囲がオンプレミスより狭くなります。情報セキュリティ管理者の立場なら、まず、利点だけでなく、自社で管理できなくなる範囲に何があるかを考えます。
- クラウドは、オンプレミスと比べて、自社で管理できる範囲が狭く、検知や対応のための仕組みを自由に入れられないことがあります。移す前に、この点を確認するよう伝えます。
- 処理能力を増減しやすく、使った分だけ費用が生じる点は、キャンペーンへの対応に合う利点です。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 物理的な設備はクラウドの提供者の設備になるので、自社だけで備える形にはなりません。提供者側の設備の障害も、確認の対象です。
- ウ 使った分だけ費用が生じる契約が多いので、最初から最大の処理能力を購入する必要はありません。
- エ クラウドは処理能力を増減しやすいので、アクセスが急に増える業務にも向きます。
覚えておくこと
- オンプレミスと比べた特徴:初期投資が少なく、処理能力を増減しやすい
- 使った分だけ費用が生じる契約が多い。最初から最大の能力を買う必要はない
- 一方、自社で管理できる範囲が狭く、検知や対応の仕組みを自由に入れられないことがある
(テーマ・覚えること)
A 社の基幹系の環境と、全体の構成の呼び方の組合せとして、最も適切なものはどれか。
正解:イ 基幹系はプライベートクラウド、全体はハイブリッドクラウドである。
ポイント
クラウドの提供形態の呼び方を、運用の実態から選ぶ問題です。
考え方と解き方
提供形態は、だれが使うか(専用か一般か)で区別します。運用を第三者に委託していても、単一の組織の専用ならプライベートクラウドです。情報システム部の Q さんの立場なら、まず、各環境の使い手を考えます。
- 基幹系は A 社だけが専用で使うので、運用を事業者に委託し、事業者の施設にあっても、プライベートクラウドです。
- 専用の環境と一般向けのクラウドを、データやアプリケーションを移せるように連携させるので、全体はハイブリッドクラウドです。したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 基幹系は A 社の専用なので、広く一般に提供されるパブリッククラウドではありません。専用と一般向けを連携させた全体は、ハイブリッドクラウドです。
- ウ 全体は、専用の環境と一般向けのクラウドを連携させた形で、ハイブリッドクラウドです。オンプレミスとは、自社の設備内で運用する形のことです。
- エ 基幹系は A 社の専用なので、パブリッククラウドではありません。全体をハイブリッドクラウドとする点は合っていますが、基幹系の呼び方が適切ではありません。
覚えておくこと
- プライベートクラウド:単一の組織の専用。運用は組織か第三者、場所は内外どちらも
- パブリッククラウド:広く一般の自由な利用に提供される。事業者の施設内に置かれる
- ハイブリッドクラウド:異なるクラウドを組み合わせ、データやアプリを移せるよう結ぶ
(テーマ・覚えること)
仮想化に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:ウ コンテナ型は、アプリが同じ OS カーネルを共有して動き、分離の度合いは仮想マシンより小さい。
ポイント
仮想マシンとコンテナの分離のしかたの違いを選ぶ問題です。
考え方と解き方
仮想マシンは、ハイパーバイザーで資源を分離し、それぞれがゲスト OS をもちます。コンテナは、同じ OS カーネルを共有します。共有するぶん、分離の度合いは小さくなります。
- コンテナ型は、複数のアプリが同じ OS カーネルを共有して動き、互いに分離されています。分離の度合いは、ハイパーバイザーで分けた仮想マシンよりも小さくなります。
- 他の記述は、仮想マシンの特徴や、別の方式の説明です。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア ゲスト OS をもつのは仮想マシンの特徴で、コンテナ型は OS カーネルを共有します。分離の度合いも、仮想マシンより小さくなります。
- イ 同じ OS カーネルを共有する方式は、コンテナ型の説明です。ハイパーバイザー型は、ハイパーバイザーで資源を分離し、各仮想マシンがゲスト OS をもちます。
- エ 物理機器の上に直接導入するのはハイパーバイザー型の置き方です。ホスト型は、ホスト OS の上に仮想化ソフトを置きます。
覚えておくこと
- コンテナ型:複数のアプリが同じ OS カーネルを共有する。分離の度合いは仮想マシンより小さい
- 仮想マシン:ハイパーバイザーで資源を分離し、それぞれがゲスト OS をもつ
- ハイパーバイザー型は物理機器の上に直接、ホスト型はホスト OS の上に仮想化ソフトを置く
(テーマ・覚えること)
クラウドのサービスモデルに関する a〜c の記述のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a SaaS では、利用者がサーバーの OS を管理し、提供されるアプリの機能も自由に作り替えられる。
- b PaaS では、利用者は、提供者がサポートする言語やツールで作ったアプリを実装し、OS を含む基盤は管理しない。
- c IaaS では、利用者は、基盤にあるインフラストラクチャは管理しないが、OS や実装したアプリは管理する。
正解:エ b、c
ポイント
SaaS・PaaS・IaaS で、利用者が管理する範囲を区別する問題です。
考え方と解き方
SaaS は提供者のアプリを使うだけ、PaaS は自分のアプリを載せる、IaaS は OS から構成する、と整理します。利用者の管理する範囲は、SaaS、PaaS、IaaS の順に広がります。
- a は不適切です。SaaS では、利用者は OS を含む基盤を管理せず、アプリの設定だけを行います。b は適切です。PaaS では、提供者がサポートする言語やツールで作ったアプリを載せ、OS を含む基盤は管理しません。c は適切です。IaaS では、基盤は管理しませんが、OS や実装したアプリは利用者が管理します。
- したがって、適切なのは b、c の全てで、エ です。
ほかの選択肢
- ア a は不適切なので含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
- イ a は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
- ウ a は不適切です。また、b も適切なので、a、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- SaaS:提供者のアプリを使う。基盤は管理せず、アプリの設定だけ行う
- PaaS:提供者がサポートする言語・ツールで作ったアプリを載せる。OS を含む基盤は管理しない
- IaaS:演算・ストレージ・ネットワークを借り、OS やアプリは利用者が管理する
(テーマ・覚えること)
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