分野 T|ビジネス・技術
サービスマネジメントの基本(SLA・サービスデスク・インシデント管理と問題管理)
今の制度の過去問(6回分)では、サービスレベル目標の説明、インシデントの該当、サービス満足度の計算が3問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『1 サービスマネジメント/サービスマネジメントの目的と考え方』『2 サービスマネジメントの活動/サービス事業の確立,維持及び改善』『2 サービスマネジメントの活動/サービス要求の実現』
最終更新
問われ方
- サービスレベル目標の説明を選ぶ形
- 運用中の事象から、インシデントに当たるものを選ぶ形
- 満足度の調査結果から、目標達成率を計算する形
- 問われるとしたら:インシデント管理と問題管理の違いを事例で選ぶ形
- 問われるとしたら:エスカレーションの場面や、SLA の運用を選ぶ形
覚えること
- サービス:顧客に価値を提供する手段。サービスマネジメントは、その活動の全体
- SLA:提供者と顧客が、サービスの内容と水準を合意して文書にしたもの
- サービスの要求事項:顧客・利用者などのニーズ。SLA の元になる
- サービスレベル目標:組織が約束する、具体的に測定可能なサービスの特性
- サービスレベル管理:実績を測り、合意した水準を守れているか確かめる
- サービス満足度:顧客満足を、アンケートの平均点などで測った値
- 目標達成率(式が示される形が多い)=満足度の平均点÷満足度の目標値
- 供給者管理:外部の供給者(委託先)が、合意した水準を守るよう管理する
- サービスの報告:実績を顧客へ知らせ、継続的改善(見直しと改善)につなぐ
- サービスデスク:利用者からの問合せや連絡を受け付ける、一元的な窓口
- インシデント:計画外のサービスの中断、品質の低下、又はまだ影響していない事象
- インシデント管理:サービスを、できるだけ早く回復させる活動
- 重大なインシデント:影響が大きく、通常とは別の手順で対応するもの
- エスカレーション:窓口で解決できない時、上位の担当者や管理者へ引き継ぐ
- サービス要求:利用者からの依頼(アカウントの作成など)。障害ではない
- サービス要求管理:サービス要求を、決めた手順で受け付けて実現する
- 問題管理:インシデントの根本原因を調べ、再発を防ぐ活動
- 既知の誤り:根本原因が分かっている、又は回避策(影響を減らす方法)がある問題
- 傾向分析:インシデントの記録から、繰り返す原因を見つける
- 予防処置:起こりうる問題を、起きる前に取り除く対策
ひっかけ
- 回復させるのはインシデント管理、原因を調べるのは問題管理
- サービス要求(依頼)はインシデント(障害)とは別に扱う
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんが、この時点で提供者に求める対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ 影響の大きさと復旧の時間が迫っていることを伝え、上位の担当者へのエスカレーションを求める。
ポイント
提供者と連携する利用部門の立場で、回復しないインシデントへの対応を選ぶ問題です。
考え方と解き方
利用部門は、復旧の作業をする側ではなく、提供者の窓口へ何を伝え、何を求めるかを決める側です。この立場なら、合意した時間に間に合わせるために、何を先に伝えるかを考えます。原因の調査や再発防止は、回復の後です。
- 標準の手順で回復せず、受注の業務が止まり、合意した時間も迫っています。窓口の範囲を超えているので、影響の大きさと時間の制約を伝え、上位の担当者への引継ぎを求めます。
- したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア 原因の調査は、回復の後に問題管理で行います。回復の作業を止めると、合意した時間を守れないので、適切ではありません。
- イ 同じ手順では回復しないことが分かっています。繰り返しを求めても、合意した時間に間に合わないので、適切ではありません。
- エ 期限が過ぎるまで連絡を控えると、提供者が引継ぎの対応を始められません。代替の手順は並行して案内するもので、連絡を控える理由にはならないので、適切ではありません。
覚えておくこと
- サービスデスク:利用者からの問合せや連絡を受け付ける、一元的な窓口
- エスカレーション:窓口で解決できない時、上位の担当者や管理者へ引き継ぐ
- インシデント管理:サービスを、できるだけ早く回復させる活動
(テーマ・覚えること)
C さんが、再発の回数そのものを減らすために提供者に求めることとして、最も適切なものはどれか。
正解:ア 過去の停止の記録を傾向分析して、共通する根本原因を調べるよう求める。
ポイント
繰り返すインシデントに対して、提供者に問題管理を求める問題です。
考え方と解き方
早く回復させる工夫と、回数を減らす工夫は別です。回数を減らすには、原因を調べる活動が先に要ります。利用部門の立場では、回復の時間の短縮ではなく、原因の調査を提供者に求めます。
- 同じ停止が繰り返されているので、記録を傾向分析して共通する根本原因を調べるよう求めます。原因が分かれば、恒久対策や予防処置につなげられます。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 回復の時間を短くするのは、インシデント管理の改善です。停止の回数は減らないので、問いの目的に合いません。
- ウ 回復が 10 分ほどで済む停止は、影響が大きいとは言えません。報告を増やしても、原因は分からないので、適切ではありません。
- エ 停止は障害なので、サービス要求ではなくインシデントです。登録し直しても、停止の回数は減りません。
覚えておくこと
- 問題管理:インシデントの根本原因を調べ、再発を防ぐ活動
- 傾向分析:インシデントの記録から、繰り返す原因を見つける
- サービス要求:利用者からの依頼(アカウントの作成など)。障害ではない
(テーマ・覚えること)
SLA 案を確かめる方針 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 目標が提供者の内部の作業時間で書かれていれば、A 社の業務時間と合っているかは確かめない。
- b 提供者が運用の一部を再委託する場合は、再委託先の水準が SLA を守れる内容かを、提供者に確かめる。
- c 実績を目標と比べた報告を、定期的に受ける項目が含まれているかを確かめる。
正解:エ b、c
ポイント
SLA 案を確かめる方針の適切さを、a〜c の組合せで選ぶ問題です。
考え方と解き方
SLA は、守れているかを顧客の側で確かめられて初めて意味をもちます。再委託先や報告の話は、合意した水準を守らせるための仕組みです。
- a は不適切です。目標が顧客の業務時間と合わなければ、守られていても業務の必要を満たせないので、合っているかを確かめます。b は適切です。再委託先が水準を守れなければ、提供者も SLA を守れないので、供給者管理を確かめます。c は適切です。報告と改善で、継続的に水準を保ちます。
- したがって、適切なのは b、c の全てで、エ です。
ほかの選択肢
- ア a が不適切で、c が適切なので、a、b では組合せが合いません。
- イ a が不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
- ウ a が不適切で、b が適切なので、a、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- サービスレベル目標:組織が約束する、具体的に測定可能なサービスの特性
- 供給者管理:外部の供給者(委託先)が、合意した水準を守るよう管理する
- サービスの報告:実績を顧客へ知らせ、継続的改善(見直しと改善)につなぐ
(テーマ・覚えること)
サービスマネジメントにおけるサービス要求の例として、最も適切なものはどれか。
正解:イ 新入社員のために、メールのアカウントを作ってほしいという依頼
ポイント
サービス要求と、インシデントの違いを選ぶ問題です。
考え方と解き方
サービス要求は、利用者からの依頼で、障害ではありません。計画外の中断や品質の低下がある連絡は、インシデントです。
- アカウントの作成は、利用者の依頼で、サービスが壊れているわけではありません。サービス要求管理の手順で受け付けて実現します。
- したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 共有フォルダーが開かないのは、サービスの中断なので、インシデントです。
- ウ 紙づまりで動かないのは、サービスの中断なので、インシデントです。
- エ 利用者へのサービスにまだ影響していない事象も、インシデントに含まれます。依頼ではありません。
覚えておくこと
- サービス要求:利用者からの依頼(アカウントの作成など)。障害ではない
- インシデント:計画外のサービスの中断、品質の低下、又はまだ影響していない事象
(テーマ・覚えること)
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