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土地建物の譲渡所得の計算
過去の公開問題では、土地を譲渡した場合の譲渡所得の記述を選ぶ問題が、5回分で3問出ています。
最終更新
よく出る形
- 4つの記述から、最も不適切なものを選ぶ形が2問、最も適切なものを選ぶ形が1問(5回分で3問)
- 取得費が不明なときの概算取得費の割合は、3問とも選択肢にある
- 所有期間(相続の取得時期、長期と短期の境)、税率、仲介手数料の扱いも選択肢になる
覚えること
- 土地・建物の譲渡所得は、ほかの所得と分けて計算する(分離課税)
- 譲渡所得の金額=収入金額(売った金額)-(取得費+譲渡費用)。特別控除があれば、さらに差し引く
- 取得費:購入代金・購入手数料に改良費などを加えた額(建物は、減価償却費相当額を差し引く)
- 譲渡費用:売るために直接かかった費用(仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、立退料、土地を売るための取壊し費用)
- 取得費が不明なとき(売った金額の5%出どころより少ないときも)は、売った金額の5%を取得費にできる
- 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年出どころを超える(それ以外は短期譲渡所得)
- 所有期間は、相続(限定承認を除く)や贈与で取得した土地も、被相続人(亡くなった人)・贈与者の取得日から数える
- 長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計):20.315%出どころ
- 短期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計):39.63%出どころ
- 税額=課税譲渡所得金額(税のかかる額)×税率(長期か短期かで決まる)
数字と計算
ひっかけ
- 相続した土地の所有期間は、相続人の登記の日や相続開始の日ではなく、被相続人の取得日から
- 概算取得費は、売った金額の5%出どころ(10%ではない)
- 仲介手数料は、売るためにかかった譲渡費用で、取得費ではない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:3 建物を取り壊して土地を譲渡した場合に支出した取壊し費用は、譲渡所得の金額の計算上、取得費に含まれる。
ポイント
土地を譲渡した場合の譲渡所得の記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題です。
考え方と解き方
譲渡所得の計算では、買ったときにかかった取得費と、売るためにかかった譲渡費用を分けます。取壊し費用を取得費に入れてしまいやすい所です。
- 売るために直接かかった費用は譲渡費用です。仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、立退料、土地を売るための建物の取壊し費用などがこれに当たります。
- 3)は、取壊し費用が取得費に含まれるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、建物を取り壊して土地を譲渡した場合の取壊し費用は、譲渡費用に含まれる、です。
ほかの選択肢
- 1 譲渡所得の金額は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算するので、適切です。
- 2 取得費が不明なときは、売った金額の5%を取得費にできるので、適切です。
- 4 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるものが長期譲渡所得なので、適切です。
覚えておくこと
- 譲渡所得の金額=収入金額(売った金額)-(取得費+譲渡費用)。特別控除があれば、さらに差し引く
- 譲渡費用:売るために直接かかった費用(仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、立退料、土地を売るための取壊し費用)
- 取得費が不明なとき(売った金額の5%より少ないときも)は、売った金額の5%を取得費にできる
(テーマ・覚えること)
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得の税率と区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:4 長期譲渡所得に区分される場合、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた税率は、20.315%である。
ポイント
土地の譲渡所得の区分と税率を問う問題です。
考え方と解き方
長期と短期では税率が大きく違います。また、土地の譲渡所得は、ほかの所得と合計せず、分けて税額を計算します。
- 土地の譲渡所得は、ほかの所得と分けて税額を計算する分離課税です。長期譲渡所得の税率は、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%です。
- したがって、最も適切なのは 4 です。
ほかの選択肢
- 1 長期の税率が短期より高いとしている所が違います。短期は39.63%、長期は20.315%で、長期のほうが低くなります。
- 2 5年以下を長期としている所が違います。長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるもので、それ以外は短期譲渡所得です。
- 3 総合課税の対象としている所が違います。土地の譲渡所得は、ほかの所得と分けて計算する分離課税です。
覚えておくこと
- 土地・建物の譲渡所得は、ほかの所得と分けて計算する(分離課税)
- 長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計):20.315%
- 短期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計):39.63%
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:土地・建物の譲渡所得の長期と短期の区分・長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)・短期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:2 (ア)取得費、(イ)5%、(ウ)5年
ポイント
譲渡所得の計算式、概算取得費の割合、長期と短期の境を空欄で問う問題です。
考え方と解き方
譲渡所得の計算に出てくる語句と数字を、それぞれ取りちがえやすい所です。差し引くのは、取得費と譲渡費用です。
- (ア)譲渡所得の金額は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引きます。(イ)取得費が不明なときは、売った金額の5%を取得費にできます。
- (ウ)長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるものです。
- したがって、最も適切なのは 2 (ア)取得費、(イ)5%、(ウ)5年 です。
ほかの選択肢
- 1 (イ)が違います。取得費が不明なときに取得費とできるのは、売った金額の5%で、10%ではありません。(ア)と(ウ)は合っています。
- 3 (ア)が違います。差し引くのは取得費と譲渡費用で、必要経費ではありません。(イ)と(ウ)は合っています。
- 4 (ウ)が違います。長期と短期の境は5年です。10年は、居住用財産の軽減税率の特例の所有期間(譲渡した年の1月1日現在で10年を超える)の基準です。(ア)と(イ)は合っています。
覚えておくこと
- 譲渡所得の金額=収入金額(売った金額)-(取得費+譲渡費用)。特別控除があれば、さらに差し引く
- 取得費が不明なとき(売った金額の5%より少ないときも)は、売った金額の5%を取得費にできる
- 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える(それ以外は短期譲渡所得)
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:概算取得費の割合(売った金額に対して)・土地・建物の譲渡所得の長期と短期の区分・居住用財産の軽減税率の特例の所有期間
下記〈資料〉に基づき、土地の譲渡に係る税額(所得税、復興特別所得税および住民税の合計)として、最も適切なものはどれか。なお、特別控除などの特例は考慮しないものとする。
・譲渡した土地の売却価額:4,400万円
・取得費:不明
・譲渡費用(仲介手数料など):180万円
・所有期間:12年(譲渡した年の1月1日現在)
正解:1 8,126,000円
ポイント
取得費が不明な土地の譲渡所得を求め、長期の税率で税額を計算する問題です。
考え方と解き方
間違えやすいのは、取得費が不明なときに概算取得費を使わないこと、譲渡費用の引き忘れ、長期と短期の税率の取りちがえです。
- 取得費が不明なので、売った金額の5%を概算取得費にします。4,400万円×5%=220万円です。
- 譲渡所得の金額は、4,400万円-(220万円+180万円)=4,000万円です。所有期間は12年で、譲渡した年の1月1日現在で5年を超えるので、長期譲渡所得です。
- 税額は、4,000万円×20.315%=8,126,000円です。したがって、最も適切なのは 1 8,126,000円 です。
ほかの選択肢
- 2 8,491,670円:譲渡費用を差し引かない額です((4,400万円-220万円)×20.315%)。譲渡費用180万円は、収入金額から差し引きます。
- 3 8,572,930円:概算取得費を差し引かない額です((4,400万円-180万円)×20.315%)。取得費が不明でも、売った金額の5%を取得費にできます。
- 4 15,852,000円:短期譲渡所得の税率39.63%で計算した額です(4,000万円×39.63%)。所有期間は譲渡した年の1月1日現在で5年を超えるので、長期の20.315%です。
覚えておくこと
- 譲渡所得の金額=収入金額(売った金額)-(取得費+譲渡費用)。特別控除があれば、さらに差し引く
- 取得費が不明なとき(売った金額の5%より少ないときも)は、売った金額の5%を取得費にできる
- 長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計):20.315%
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:概算取得費の割合(売った金額に対して)・土地・建物の譲渡所得の長期と短期の区分・長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)・短期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
このテーマの公開問題
- 2024年9月 第48問個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次…四答択一式
- 2025年1月 第49問個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次…四答択一式
- 2025年5月 第49問個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次…四答択一式・まずこの1問
この本文の数字の出どころ
- 概算取得費の割合(売った金額に対して) 売った金額の5%
- 土地・建物の譲渡所得の長期と短期の区分 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える
- 長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) 20.315%
- 短期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) 39.63%
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