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借家権
過去の公開問題では、借地借家法の借家に関する記述を選ぶ問題が、5回分で4問出ています。
最終更新
よく出る形
- 借地借家法の借家について、4つの記述から選ぶ(5回分で4問。最も不適切3問、最も適切1問)
- 定期借家契約で公正証書を求める誤り(契約方法・事前説明の書面)を混ぜる(4問中3問)
- 借家の期間・更新・通知の扱いを混ぜる(4問とも)
- 建物の引渡しによる対抗、原状回復、造作買取請求の記述も出る(4問中2問)
覚えること
- 普通借家:期間を1年未満出どころと定めると、期間の定めがない契約とみなされる
- 普通借家:更新拒絶などの通知は、期間満了の1年前から6か月出どころ前までに行う
- 普通借家:通知をしないと、従前と同じ条件で更新され、更新後は期間の定めがなくなる
- 普通借家:賃貸人の更新拒絶・解約の申入れには、正当事由が必要
- 正当事由:双方が建物を使う必要、利用状況、立退料の申出などを考慮して判断
- 普通借家:期間の定めがない契約は、賃貸人の解約の申入れ(正当事由が必要)の日から6か月出どころで終了
- 定期借家:書面(公正証書に限らない)で契約するときに限り、更新がないとする定めができる
- 定期借家:契約前に、更新がなく終了する旨を書面で交付して説明する(しないと更新なしの定めは無効)
- 定期借家:期間を1年未満出どころとしてもよい
- 定期借家:期間が1年未満出どころでない契約は、期間満了の1年前から6か月出どころ前までに終了を通知する
- 定期借家:通知をしないと、終了を対抗できない。遅れた通知は、通知の日から6か月出どころ後に対抗できる
- 定期借家:期間満了で終了する。当事者が合意すれば、再契約はできる
- 定期借家:居住用で200㎡未満出どころの建物は、やむを得ない事情(転勤・療養・介護など)があれば賃借人から中途解約できる
- 定期借家の中途解約:解約の申入れの日から1か月出どころで終了する
- 賃料の増減請求:賃料が不相当になれば、将来に向かって増額も減額も請求できる
- 賃料の増減請求:一定期間増額しない特約があれば、増額は請求できない
- 定期借家:賃料の改定に係る特約があれば、増減請求の規定は適用されない
- 造作買取請求:賃貸人の同意を得て付けた造作を、賃貸借の終了時に買い取るよう請求できる(請求しない特約は有効)
- 原状回復:通常の使用による損耗(通常損耗)と経年変化は、賃借人が原状回復する義務を負わない
- 対抗要件:建物の引渡しを受けていれば、賃借権の登記がなくても、その後の所有者に賃借権を対抗できる
ひっかけ
- 定期借家の契約方法は書面。「公正証書でなければならない」は誤り(事業用定期借地権とは別)
- 普通借家で期間を1年未満出どころと定めると「期間の定めなし」とみなす(期間が伸びるのではない)
- 更新拒絶の通知がないときの更新後は、前と同じ期間ではなく、期間の定めがない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、特約については考慮しないものとする。
正解:1 普通借家契約において、更新をしない旨の通知がなかったときは、従前と同一の条件で更新され、更新後の期間も従前と同じ期間となる。
ポイント
更新拒絶の通知がないときの、更新後の契約の内容を問う、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
通知がないときの更新では、条件は従前と同じですが、期間は引き継がれません。条件と期間を同じものとして読むと、不適切な記述が適切に見えてしまいます。
- 更新をしない旨の通知は、期間満了の1年前から6か月前までに行います。この通知がないと、従前と同一の条件で更新されたものとみなされますが、更新後の期間は定めがないものになります。
- 1)は、更新後の期間も従前と同じ期間としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、更新後の期間は、定めがないものとなる、です。
ほかの選択肢
- 2 普通借家契約で期間を1年未満と定めると、期間の定めがないものとみなされるので、適切です。定期借家契約は、1年未満の期間も定められます。
- 3 建物の賃貸借は、建物の引渡しがあれば、登記がなくても、その後に建物の物権を取得した者に対して効力が生じるので、適切です。
- 4 定期借家契約の更新がない旨の定めは、公正証書に限らず書面で契約すればできるので、適切です。
覚えておくこと
- 普通借家:更新拒絶などの通知は、期間満了の1年前から6か月前までに行う
- 普通借家:通知をしないと、従前と同じ条件で更新され、更新後は期間の定めがなくなる
(テーマ・覚えること)
借地借家法における借家の賃料と造作に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:1 建物の借賃が、租税その他の負担の増減や経済事情の変動などにより不相当となったときは、当事者は、将来に向かって借賃の増減を請求することができる。
ポイント
借家の賃料の増減請求と、造作買取請求の内容を問う問題です。
考え方と解き方
賃料の増減請求は、貸す側からも借りる側からも、将来に向かってできます。取りちがえやすいのは、請求を受けた側が協議中に何を支払うかと、特約で変えられる規定かどうかです。
- 借賃が不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって借賃の増減を請求できます。ただし、一定の期間は増額しない特約があれば、その定めに従います。
- 3)は造作買取りの特約を無効とし、2)は正当事由を不要とし、4)は請求された額の支払を求めている点で、いずれも誤りです。したがって、最も適切なのは 1 です。
ほかの選択肢
- 2 更新拒絶の通知は、期間満了の1年前から6か月前までに行いますが、それだけでは足りず、正当事由も必要です。正当の事由がなくてもよいとしている所が違います。
- 3 造作買取請求の規定は、賃借人に不利な特約を無効とする規定に入っていません。買取りを請求しない特約は有効なので、無効としている所が違います。
- 4 増額を請求された賃借人は、協議が調わないときは、増額を正当とする裁判が確定するまで、相当と認める額を支払えば足ります。請求された額を支払う必要はありません。
覚えておくこと
- 賃料の増減請求:賃料が不相当になれば、将来に向かって増額も減額も請求できる
- 賃料の増減請求:一定期間増額しない特約があれば、増額は請求できない
- 造作買取請求:賃貸人の同意を得て付けた造作を、賃貸借の終了時に買い取るよう請求できる(請求しない特約は有効)
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:建物賃貸借の更新拒絶等の通知期間
借地借家法における定期借家契約に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、定期建物賃貸借契約を定期借家契約という。
正解:4 (ア)書面、(イ)交付、(ウ)通知
ポイント
定期借家契約の契約方法、契約前の説明、終了の通知を問う問題です。
考え方と解き方
定期借家は更新がない契約のため、契約前の手続と、終了のときの手続が決まっています。どれが書面で、どれが交付で、どれが通知かを取りちがえると、誤りの組み合わせを選んでしまいます。
- 契約の更新がない旨の定めは、公正証書に限らず書面でできます(ア)。賃貸人は、契約の前に、その旨を記載した書面を交付して説明します(イ)。
- 期間が1年未満でない定期借家では、期間満了の1年前から6か月前までの間に、終了する旨を通知しないと、終了を賃借人に対抗できません(ウ)。
- したがって、最も適切なのは 4 (ア)書面、(イ)交付、(ウ)通知 です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)が違います。更新がない旨の定めは、公正証書に限らず、書面でできます。(イ)の交付と(ウ)の通知は合っています。
- 2 (イ)が違います。説明は、書面を交付して行います。提示するだけでは足りません。(ア)の書面と(ウ)の通知は合っています。
- 3 (ウ)が違います。終了を賃借人に対抗するために必要なのは、終了する旨の通知です。催告ではありません。(ア)の書面と(イ)の交付は合っています。
覚えておくこと
- 定期借家:書面(公正証書に限らない)で契約するときに限り、更新がないとする定めができる
- 定期借家:契約前に、更新がなく終了する旨を書面で交付して説明する(しないと更新なしの定めは無効)
- 定期借家:期間が1年未満でない契約は、期間満了の1年前から6か月前までに終了を通知する
(テーマ・覚えること)
借地借家法における借家に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、特約については考慮しないものとする。
正解:2 定期借家契約は、期間の満了により賃貸借が終了するため、契約の当事者間に合意があっても、同じ建物について再び定期借家契約を締結することはできない。
ポイント
定期借家契約の終了と再契約、普通借家契約の正当事由を問う、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
定期借家の「更新がない」ことと、「同じ人と再び契約できない」ことは別です。更新と再契約を同じものとして読むと、誤りに気づきにくくなります。
- 定期借家契約は、期間の満了で終了し、更新はされません。しかし、当事者が合意すれば、新たに契約をする再契約はできます。
- 2)は、合意があっても再契約できないとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、定期借家契約は、当事者間に合意があれば、再契約することができる、です。
ほかの選択肢
- 1 普通借家契約で更新を拒絶するには、正当事由が必要です。双方が建物を使う必要や利用状況などを考慮して判断するので、適切です。
- 3 立退料などの財産上の給付の申出は、正当事由を判断するときの考慮要素の1つなので、適切です。
- 4 通常の使用による損耗と経年変化は、賃借人が原状回復する義務を負わないので、適切です。
覚えておくこと
- 定期借家:期間満了で終了する。当事者が合意すれば、再契約はできる
- 正当事由:双方が建物を使う必要、利用状況、立退料の申出などを考慮して判断
- 原状回復:通常の使用による損耗(通常損耗)と経年変化は、賃借人が原状回復する義務を負わない
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第44問借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切…四答択一式・まずこの1問
- 2025年1月 第45問借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切な…四答択一式
- 2025年5月 第44問建物の賃貸借に関する次の記述のうち、最も不適…四答択一式
- 2026年5月 第44問借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切…四答択一式
この本文の数字の出どころ
- 普通借家(期間の定めがない建物賃貸借)で、賃貸人の解約の申入れから終了までの期間 解約の申入れの日から6か月
- 建物賃貸借で期間の定めがないものとみなす期間(1年未満) 1年未満
- 建物賃貸借の更新拒絶等の通知期間 期間満了の1年前から6か月前まで
- 定期借家の賃借人の中途解約で、解約の申入れから終了までの期間 解約の申入れの日から1か月
- 定期借家で、賃借人が中途解約できる居住用建物の床面積 200㎡未満
- 定期借家で、通知期間のあとに終了を通知した場合に、終了を対抗できるまでの期間 通知の日から6か月
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