分野 F|相続・事業承継 よく出る

金融資産・動産の評価

過去の公開問題では、預貯金・公社債・生命保険契約に関する権利などの評価を問う記述の問題が1問、上場株式の評価額を求める計算問題が1問、5回分で合わせて2問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 預貯金・外貨預金・公社債・生命保険契約に関する権利の評価を、記述で問う(5回分で1問)
  • 上場株式の1株当たりの評価額を、4つの価格から選んで求める計算が出る(5回分で1問)

覚えること

  • 預貯金:課税時期(相続開始の日)現在の預入高に、解約した場合の既経過利子(源泉所得税相当額を引いた額)を加える
  • 普通預金など(定期預金・定額郵便貯金・定期郵便貯金以外):既経過利子が少額なら預入高で評価
  • 外貨預金:課税時期の取引金融機関の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場で円に換算
  • 上場株式:課税時期の最終価格と、課税時期の属する月・前月・前々月の3か月出どころの月平均額のうち、最も低い価額
  • 負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式は、月平均額と比べず課税時期の最終価格
  • 上場の利付公社債:原則として、課税時期の最終価格に、既経過利息(源泉所得税相当額を引いた額)を加える
  • 証券投資信託:課税時期に解約請求または買取請求をしたとして、証券会社などから受け取れる価額
  • 上場されている証券投資信託の受益証券:解約請求を前提とせず、上場株式の評価に準じる
  • 生命保険契約に関する権利:保険事故が未発生の契約(解約返戻金のないものを除く)は、解約返戻金の額
  • 一般動産(家具など):原則として売買実例価額や精通者意見価格を参考に評価。1個または1組5万円出どころ以下は一括評価
  • ゴルフ会員権(取引相場のあるもの):課税時期の通常の取引価格の70%出どころ(取引価格に含まれない預託金等は加算)

数字と計算

  • 例:課税時期が9月12日。最終価格2,030円、月平均は9月2,080円・8月2,010円・7月1,990円
  • 上の4つのうち最も低い1,990円が、上場株式の1株当たりの評価額

ひっかけ

  • 外貨預金は、預入時ではなく課税時期のTTBで換算する。売相場(TTS)や預入時の相場は使わない
  • 生命保険契約に関する権利は、払込保険料の総額や死亡保険金額ではなく、解約返戻金で評価する
  • 普通預金は、既経過利子が少額のときだけ預入高で評価できる。定期預金は利子を加える

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

金融資産・動産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:4 保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利は、原則として、相続開始時までに払い込まれた保険料の総額で評価する。

ポイント

預貯金、外貨預金、一般動産、生命保険契約に関する権利の評価の決まりから、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

生命保険契約に関する権利は、実際に払い込んだ額ではなく、いま解約したら受け取れる額で評価します。払込保険料や死亡保険金額と取りちがえると、誤りに気づけません。

  1. 保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利は、相続開始時にその契約を解約したとした場合に支払われる解約返戻金の額で評価します。払い込んだ保険料の総額ではありません。
  2. 4)は、払い込まれた保険料の総額としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、相続開始時に解約するとした場合に支払われる解約返戻金の額で評価する、です。

ほかの選択肢

  • 1 定期預金は、預入高に既経過利子(源泉所得税相当額を引いた額)を加えて評価するので、適切です。
  • 2 外貨預金は、預入時ではなく課税時期の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場で円に換算するので、適切です。
  • 3 一般動産は、原則として、売買実例価額や精通者意見価格などを参考に評価するので、適切です。

覚えておくこと

  • 生命保険契約に関する権利:保険事故が未発生の契約(解約返戻金のないものを除く)は、解約返戻金の額
  • 預貯金:課税時期(相続開始の日)現在の預入高に、解約した場合の既経過利子(源泉所得税相当額を引いた額)を加える
  • 外貨預金:課税時期の取引金融機関の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場で円に換算

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

金融資産・動産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:4 上場されていない証券投資信託の受益証券は、課税時期に解約請求等をしたとして証券会社などから受け取れる価額で評価する。

ポイント

証券投資信託、ゴルフ会員権、家庭用動産の評価の決まりから、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

評価の方法は、財産の種類ごとに決まっています。上場されているかどうか、取引相場があるかどうかで、評価の基準が変わる所を取りちがえやすい所です。

  1. 上場されていない証券投資信託の受益証券は、課税時期に解約請求または買取請求をしたとした場合に、証券会社などから受け取れる価額で評価します。
  2. 4)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 4 です。

ほかの選択肢

  • 1 上場されている受益証券を、解約請求等を前提に評価するとしている所が違います。正しくは、上場株式の評価に準じて評価します。
  • 2 取引価格に掛ける割合が違います。正しくは、課税時期の通常の取引価格の70%で評価し、取引価格に含まれない預託金等は加算します。
  • 3 一括評価できる上限の金額が違います。正しくは、1個または1組の価額が5万円以下のものです。

覚えておくこと

  • 証券投資信託:課税時期に解約請求または買取請求をしたとして、証券会社などから受け取れる価額
  • ゴルフ会員権(取引相場のあるもの):課税時期の通常の取引価格の70%(取引価格に含まれない預託金等は加算)
  • 一般動産(家具など):原則として売買実例価額や精通者意見価格を参考に評価。1個または1組5万円以下は一括評価

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:取引相場のあるゴルフ会員権の評価割合・家庭用動産などを一世帯ごとに一括して評価できる、1個または1組の価額の上限

想定問題 3四答択一式

上場株式の相続税評価に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

上場株式の価額は、課税時期の(ア)が、課税時期の属する月以前(イ)の各月の最終価格の月平均額のうち最も低い価額を超えるときは、その最も低い価額によって評価する。ただし、(ウ)により取得した上場株式は、課税時期の(ア)によって評価する。

正解:2 (ア)最終価格、(イ)3か月、(ウ)負担付贈与

ポイント

上場株式の評価の基準になる価格、比べる月数、月平均額と比べない場合を、空欄の組み合わせで問う問題です。

考え方と解き方

上場株式は、最終価格をそのまま使うのではなく、月平均額と比べて低い方を使います。比べない場合があるので、どんな取得のときかも合わせて覚えます。

  1. 上場株式の価額は、課税時期の最終価格が、課税時期の属する月・前月・前々月の3か月の毎日の最終価格の月平均額のうち最も低い価額を超えるときは、その最も低い価額で評価します(ア)(イ)。
  2. 負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式は、月平均額と比べず、課税時期の最終価格で評価します(ウ)。したがって、最も適切なのは 2 (ア)最終価格、(イ)3か月、(ウ)負担付贈与 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ウ)が違います。相続で取得した上場株式は、月平均額と比べる評価の対象です。月平均額と比べず最終価格で評価するのは、負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した場合です。(ア)と(イ)は合っています。
  • 3 (イ)が違います。比べる月平均額は、課税時期の属する月・前月・前々月の3か月分です。(ア)と(ウ)は合っています。
  • 4 (ア)が違います。基準になるのは、金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格で、平均値ではありません。(イ)と(ウ)は合っています。

覚えておくこと

  • 上場株式:課税時期の最終価格と、課税時期の属する月・前月・前々月の3か月の月平均額のうち、最も低い価額
  • 負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式は、月平均額と比べず課税時期の最終価格

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:上場株式の評価で比べる月平均額の月数

想定問題 4四答択一式

下記の〈事例〉に基づく、Aさんの相続に係る金融資産等の相続税評価額の合計額として、最も適切なものはどれか。なお、〈事例〉に記載のない事項は考慮しないものとする。

〈事例〉
・Aさんの相続開始日は、X年6月10日である
・普通預金:500万円(課税時期現在の既経過利子の額は少額である)
・米ドル建て定期預金(外貨預金):3万ドル(既経過利子の額は考慮しない)
・為替相場(1米ドル当たり):課税時期の対顧客直物電信買相場(TTB)は150円、課税時期の対顧客直物電信売相場(TTS)は152円、預入時のTTBは140円である
・生命保険契約に関する権利:契約者(保険料の負担者)はAさん、被保険者は妻のBさん(存命)である。保険事故は発生しておらず、相続開始時に解約した場合の解約返戻金は400万円、これまでに払い込まれた保険料の総額は600万円、死亡保険金額は1,000万円である

正解:3 1,350万円

ポイント

普通預金、外貨預金、生命保険契約に関する権利の評価を当てはめて、評価額の合計を求める計算問題です。

考え方と解き方

財産ごとに、評価の基準が決まっています。外貨預金はどの時点のどの相場で換算するか、生命保険契約に関する権利は何の額で評価するかを、取りちがえやすい所です。

  1. 普通預金は、課税時期現在の既経過利子の額が少額なので、預入高の500万円で評価します。
  2. 外貨預金は、課税時期の対顧客直物電信買相場(TTB)150円で円に換算します。3万ドル×150円=450万円です。預入時のTTBや、売相場(TTS)は使いません。
  3. 生命保険契約に関する権利は、保険事故が発生していない契約なので、相続開始時に解約したとした場合の解約返戻金400万円で評価します。払込保険料や死亡保険金額は使いません。
  4. 評価額の合計は、500万円+450万円+400万円=1,350万円です。したがって、最も適切なのは 3 1,350万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 950万円:生命保険契約に関する権利を評価に入れなかった額です(500万円+450万円)。保険事故が発生していなくても、保険料を負担した契約者が被相続人なら、この権利は相続財産として解約返戻金で評価します。
  • 2 1,320万円:外貨預金を預入時のTTB140円で換算した額です(500万円+3万ドル×140円+400万円)。換算は、課税時期のTTBで行います。
  • 4 1,550万円:生命保険契約に関する権利を、払い込まれた保険料の総額600万円で評価した額です(500万円+450万円+600万円)。評価は、解約返戻金の額で行います。

覚えておくこと

  • 普通預金など(定期預金・定額郵便貯金・定期郵便貯金以外):既経過利子が少額なら預入高で評価
  • 外貨預金:課税時期の取引金融機関の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場で円に換算
  • 生命保険契約に関する権利:保険事故が未発生の契約(解約返戻金のないものを除く)は、解約返戻金の額

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

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