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小規模宅地等の特例
過去の公開問題では、小規模宅地等の特例の適用条件を問う記述が3問、限度面積と減額割合を問う空欄の問題が1問、5回分で合わせて4問出ています。
最終更新
よく出る形
- 適用できる取得者や宅地の条件を問う記述が出る(5回分で3問)。特定居住用の取得者の問いが2問
- 限度面積と減額割合を空欄で問う問題が出る(5回分で1問)
覚えること
- 小規模宅地等の特例:相続・遺贈で取得した事業用・居住用の宅地等の評価額を、一定面積まで減額する
- 対象は建物・構築物の敷地。農地と、施設のない青空駐車場の土地は対象外
- 特定居住用宅地等:330㎡出どころまで、減額割合80%出どころ
- 特定事業用宅地等:400㎡出どころまで、減額割合80%出どころ
- 特定同族会社事業用宅地等:400㎡出どころまで、80%出どころ(親族等が株式の50%超を持つ法人の事業用)
- 貸付事業用宅地等:200㎡出どころまで、減額割合50%出どころ
- 面積の調整:特定居住用と特定事業用等だけを選ぶなら、合計730㎡出どころまで
- 減額する金額:評価額×(適用面積÷宅地等の面積)×減額割合。限度面積を超える部分は減額しない
- 貸付事業用も選ぶ:事業用等×200/400出どころ+居住用×200/330出どころ+貸付事業用の面積の合計が200㎡以下
- 特定居住用の取得者:配偶者(居住・所有の要件なし。申告期限前に売却しても適用できる)
- 特定居住用の取得者:同居親族(相続開始前から申告期限まで居住し、申告期限まで所有)
- 特定居住用の取得者:別居の親族(家なき子)は、被相続人に配偶者も同居の相続人もいない場合に限る
- 家なき子の要件:相続開始前3年以内出どころに取得者等の所有する家屋に住んだことがなく、申告期限まで所有、など
- 生計一親族の居住用の宅地等:配偶者、または相続開始前から申告期限まで居住し所有する生計一親族が取得
- 特定事業用:事業を申告期限まで営み、宅地等も所有する。不動産貸付業・駐車場業は除く
- 特定事業用:相続開始前3年以内出どころに新たに事業に使った宅地は対象外(上の建物・減価償却資産が宅地の価額の15%以上出どころなら除く)
- 貸付事業用:申告期限まで貸付を続け所有する。相続開始前3年以内出どころに新たに貸し付けた宅地等は原則対象外
- 遺贈でも適用できる。相続時精算課税に係る贈与で取得した宅地等は、適用できない
- 申告:申告書に適用を受ける旨を記載し、書類を添付。申告期限までに未分割の宅地等は、原則適用できない
- 申告期限から3年以内出どころに分割されれば、更正の請求などで適用できる(原則)
- 要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所した場合、入所前に居住した宅地は一定の要件で居住用として扱う
数字と計算
ひっかけ
- 配偶者は居住・所有の要件がない。同居親族・生計一親族は、申告期限までの居住と所有の両方が要る
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、記載のない要件等はすべて満たしているものとする。
正解:1 被相続人と同居していた被相続人の子は、相続開始前から居住していれば、相続税の申告期限前に他の家屋へ転居しても、当該宅地を申告期限まで所有している場合、本特例の適用を受けることができる。
ポイント
特定居住用宅地等になる取得者の要件を見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
特定居住用宅地等は、取得者ごとに要件が違います。同居の親族は居住の継続と所有の継続の両方が要りますが、配偶者には要件がありません。どの取得者の要件かを見分けないと、適切な記述が不適切に見えます。
- 同居していた親族が特定居住用宅地等の取得者になるには、相続開始前から申告期限まで居住し、申告期限まで所有していることが必要です。
- 1)は、申告期限前に転居しているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、申告期限まで引き続き居住していなければ、適用を受けることはできない、です。
ほかの選択肢
- 2 被相続人に配偶者も同居の相続人もいない場合、相続開始前3年以内に取得者等の所有する家屋に住んだことがない別居の親族は、申告期限まで所有すれば適用を受けられます(家なき子)。適切です。
- 3 被相続人が要介護認定等を受けて老人ホームなどに入所した場合、入所する直前まで居住していた宅地は、一定の要件のもと、入所後も居住の用に供されていた宅地として扱われます。適切です。
- 4 被相続人と生計を一にしていた親族が、自己の居住の用に供していた宅地を取得し、相続開始前から申告期限まで居住し、申告期限まで所有していれば、特定居住用宅地等に当たります。適切です。
覚えておくこと
- 特定居住用の取得者:同居親族(相続開始前から申告期限まで居住し、申告期限まで所有)
- 家なき子の要件:相続開始前3年以内に取得者等の所有する家屋に住んだことがなく、申告期限まで所有、など
- 要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所した場合、入所前に居住した宅地は一定の要件で居住用として扱う
(テーマ・覚えること)
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、記載のない要件等はすべて満たしているものとする。
正解:1 被相続人の事業の用に供されていた宅地等を取得した親族が、その事業を申告期限までに承継して申告期限まで営み、かつ宅地等を申告期限まで所有している場合、特定事業用宅地等として本特例の適用を受けることができる。
ポイント
特定事業用宅地等になる要件を問う問題です。
考え方と解き方
特定事業用宅地等は、事業の承継、事業の継続、宅地等の所有の3つがそろって適用されます。不動産貸付業などが事業用の中でも別の区分になる点も、取りちがえやすい所です。
- 特定事業用宅地等は、被相続人の事業の用に供されていた宅地等です。取得した親族が申告期限までにその事業を承継して申告期限まで営み、宅地等を申告期限まで所有していることが必要です。
- 1)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 1 です。
ほかの選択肢
- 2 不動産貸付業や駐車場業の宅地等を、特定事業用宅地等に含めている所が違います。これらは特定事業用宅地等から除かれ、貸付事業用宅地等として200㎡まで50%の減額の対象になります。
- 3 申告期限までの所有を要しないとしている所が違います。特定事業用宅地等は、申告期限まで事業を営むことに加え、申告期限まで宅地等を所有している必要があります。
- 4 建物や減価償却資産の価額にかかわらず対象外としている所が違います。相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等は原則対象外ですが、宅地等の上の建物・構築物と事業用の減価償却資産の価額が、宅地等の価額の15%以上であれば、対象外になりません。
覚えておくこと
- 特定事業用:事業を申告期限まで営み、宅地等も所有する。不動産貸付業・駐車場業は除く
- 特定事業用:相続開始前3年以内に新たに事業に使った宅地は対象外(上の建物・減価償却資産が宅地の価額の15%以上なら除く)
- 貸付事業用:申告期限まで貸付を続け所有する。相続開始前3年以内に新たに貸し付けた宅地等は原則対象外
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:小規模宅地等の特例で、相続開始前に事業の用に供された宅地が対象外になる期間・小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)で、相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等でも対象になる例外の規模(事業に使っていた建物・構築物・減価償却資産の価額が宅地等の価額に占める割合)・小規模宅地等の特例で、相続開始前に新たに貸付事業の用に供された宅地等が貸付事業用宅地等から除かれる期間・小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の限度面積・小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の減額割合
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)における適用面積の調整に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、特定事業用宅地等には、特定同族会社事業用宅地等を含めるものとする。
正解:2 (ア)200/400、(イ)200/330、(ウ)730㎡
ポイント
貸付事業用宅地等を併用するときの、適用面積の調整を問う問題です。
考え方と解き方
貸付事業用宅地等を選ぶと、限度面積が200㎡に絞られ、事業用と居住用の面積を換算する調整式が必要になります。割合を入れかえたり、限度面積を全部足したりする間違いに注意します。
- 貸付事業用宅地等を選ばないときは、特定居住用宅地等(330㎡まで)と特定事業用宅地等(400㎡まで)を、合計730㎡まで選べます。これが(ウ)です。
- 貸付事業用宅地等も選ぶときは、特定事業用等の面積×200/400+特定居住用の面積×200/330+貸付事業用の面積が200㎡以下でなければなりません。これが(ア)(イ)です。したがって、最も適切なのは 2 (ア)200/400、(イ)200/330、(ウ)730㎡ です。
ほかの選択肢
- 1 (ウ)が違います。特定居住用宅地等の330㎡と特定事業用宅地等の400㎡を合わせた730㎡です。930㎡は、貸付事業用宅地等の200㎡まで足した面積で、貸付事業用宅地等を選ぶときは調整式を使います。(ア)(イ)は合っています。
- 3 (ア)と(イ)が入れかわっています。特定事業用宅地等の面積にかけるのは200/400、特定居住用宅地等の面積にかけるのは200/330です。(ウ)は合っています。
- 4 (ア)と(イ)が入れかわり、(ウ)も違います。割合は、特定事業用宅地等が200/400、特定居住用宅地等が200/330で、合計の限度面積は730㎡です。
覚えておくこと
- 面積の調整:特定居住用と特定事業用等だけを選ぶなら、合計730㎡まで
- 貸付事業用も選ぶ:事業用等×200/400+居住用×200/330+貸付事業用の面積の合計が200㎡以下
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の合計の限度面積・小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の特定事業用等宅地等にかける割合・小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の特定居住用宅地等にかける割合・小規模宅地等の特例で特定居住用と特定事業用を選ぶときの合計限度面積(貸付事業用を選ばない場合)・小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の限度面積・小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)の限度面積・小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の限度面積
下記の〈資料〉に基づく、本特例の適用後の、Aさんの自宅の敷地の相続税評価額として、最も適切なものはどれか。
・被相続人Aさんの自宅の敷地:面積400㎡、自用地としての評価額8,000万円(評価額は面積に応じて均等とする)
・Aさんと同居していたAさんの配偶者Bさんが、この敷地の全部を相続により取得した
・本特例の適用を受けるための要件は、すべて満たしている
・ほかに本特例の対象となる宅地等はない
正解:3 2,720万円
ポイント
特定居住用宅地等の減額を適用したあとの、敷地の評価額を求める問題です。
考え方と解き方
特定居住用宅地等の減額は、限度面積までの部分にだけ及びます。敷地が限度面積より広いときに、全体に減額割合をかけてしまう間違いが起きます。減額される金額と、減額後の評価額の取りちがえにも注意します。
- この敷地は特定居住用宅地等で、限度面積は330㎡、減額割合は80%です。敷地は400㎡なので、減額の対象は330㎡の部分だけです。
- 減額する金額は、8,000万円×(330㎡÷400㎡)×80%=5,280万円です。適用後の評価額は、8,000万円-5,280万円=2,720万円です。したがって、最も適切なのは 3 2,720万円 です。
ほかの選択肢
- 1 1,320万円:限度面積330㎡の部分の減額後の評価額だけを答えにした額です(8,000万円×330㎡÷400㎡×(1-80%))。限度面積を超える70㎡の部分は、減額されず評価額に残ります。
- 2 1,600万円:限度面積を考えず、敷地の全体に減額割合80%を適用した額です(8,000万円×(1-80%))。400㎡のうち、減額の対象は限度面積の330㎡までです。
- 4 5,280万円:減額される金額を答えにした額です。問われているのは、減額後の評価額です。
覚えておくこと
- 特定居住用宅地等:330㎡まで、減額割合80%
- 減額する金額:評価額×(適用面積÷宅地等の面積)×減額割合。限度面積を超える部分は減額しない
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第59問小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算…四答択一式
- 2025年1月 第57問小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算…四答択一式
- 2025年5月 第59問「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計…四答択一式・まずこの1問
- 2026年5月 第59問「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計…四答択一式
この本文の数字の出どころ
- 小規模宅地等の特例で、申告期限までに分割されなかった場合に分割が必要な期間(申告期限から) 申告期限から3年以内
- 小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の合計の限度面積 200㎡
- 小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の特定事業用等宅地等にかける割合 200/400
- 小規模宅地等の特例の調整式(貸付事業用を選ぶとき)の特定居住用宅地等にかける割合 200/330
- 小規模宅地等の特例(特定同族会社事業用宅地等)の限度面積 400㎡
- 小規模宅地等の特例(特定同族会社事業用宅地等)の減額割合 80%
- 小規模宅地等の特例(特定同族会社事業用宅地等)で、被相続人と親族等が持つ法人の発行済株式の総数または出資の総額の割合 50%超
- 小規模宅地等の特例で特定居住用と特定事業用を選ぶときの合計限度面積(貸付事業用を選ばない場合) 730㎡
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等、別居の親族)で、自己等の所有する家屋に居住したことがない期間 相続開始前3年以内
- 小規模宅地等の特例で、相続開始前に事業の用に供された宅地が対象外になる期間 3年以内
- 小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)で、相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等でも対象になる例外の規模(事業に使っていた建物・構築物・減価償却資産の価額が宅地等の価額に占める割合) 15%以上
- 小規模宅地等の特例で、相続開始前に新たに貸付事業の用に供された宅地等が貸付事業用宅地等から除かれる期間 3年以内
- 小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の限度面積 200㎡
- 小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の減額割合 50%
- 小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)の限度面積 400㎡
- 小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)の減額割合 80%
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の限度面積 330㎡
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の減額割合 80%
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