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相続税額の計算と申告

過去の公開問題では、配偶者の税額軽減を問う問題が2問、申告と納付を問う問題が2問、2割加算などの税額の計算を問う問題が1問、5回分で合わせて5問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 配偶者の税額軽減の限度額と、適用の条件・手続を問う(5回分で2問)
  • 申告書の期限・提出先・要否と、延納・物納の要件を問う(5回分で2問)
  • 2割加算、未成年者控除、配偶者の税額軽減を並べた記述が出る(5回分で1問)

覚えること

  • 課税遺産総額=課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額
  • 相続税の総額:課税遺産総額を、法定相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定して税額を求め、合計する
  • 各人の税額=相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計額(あん分)
  • 法定相続分:配偶者と子なら、配偶者が2分の1出どころ、子全員で2分の1出どころ(子が複数なら均等)
  • 2割加算:配偶者と一親等の血族以外は、相続税額に20%出どころを加算
  • 被相続人の養子になった孫は2割加算の対象。子に代わる代襲相続人の孫は対象外
  • 配偶者の税額軽減:取得した正味の遺産額が1億6,000万円出どころと法定相続分相当額の多い方まで、税がかからない
  • 軽減の対象は婚姻の届出をした配偶者。内縁関係の人は対象外。放棄しても、遺贈で取得した財産は対象
  • 未分割の財産は軽減の対象外。分割見込書を添えて申告し、申告期限から3年以内出どころに分割すれば対象
  • 軽減で納付税額が0になっても、軽減の明細を書いた相続税の申告書を出す必要がある
  • 未成年者控除:満18歳出どころになるまでの年数×10万円出どころ。引ききれない分は扶養義務者から引く
  • 障害者控除:満85歳出どころになるまでの年数×10万円出どころ(特別障害者は20万円)を引く
  • 申告期限:相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内出どころ。提出先は被相続人の死亡時の住所地の税務署
  • 申告が必要なのは、課税価格の合計額が基礎控除額を超えるとき(小規模宅地等の特例を適用する前で判定)
  • 納付:金銭で一括が原則。延納は、相続税額が10万円出どころを超え、金銭納付が困難で、担保を出すとき認められる
  • 延納の担保:延納税額100万円出どころ以下かつ延納期間3年出どころ以下なら不要。相続人の元の財産も担保にできる
  • 物納:延納でも金銭納付が困難なときだけ。第1順位は不動産・国債・上場株式、第3順位は動産
  • 物納の収納価額:課税価格の計算の基礎となった価額(小規模宅地等の特例後の宅地は特例後の価額)
  • 連帯納付義務:同じ被相続人の相続税は、受けた利益の価額を限度に、ほかの相続人の分も連帯して納める

数字と計算

  • 例:配偶者と子1人。課税遺産総額1億円を法定相続分の各2分の1出どころ出どころで分けると、各5,000万円
  • 算出税額は5,000万円×20%出どころ-200万円出どころ=800万円。2人分で相続税の総額は1,600万円
  • 課税価格が配偶者6,000万円、子4,000万円なら、子の税額は1,600万円×4,000÷10,000=640万円

ひっかけ

  • 2割加算は、父母・子は対象外。兄弟姉妹・おい・めいのほか、養子になった孫も対象

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

相続税の申告・納付および税額の軽減に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:2 相続人は、ほかの相続人の相続税について、受けた利益の価額にかかわらず、全額を連帯して納める義務がある。

ポイント

連帯納付義務、物納の順位、軽減を受けるときの申告、申告書の提出先から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

連帯納付義務は、納める額に限度があるかどうかで間違えやすい所です。ほかの記述は、物納の順位、軽減と申告、提出先という、別々の決まりの正しい言い方です。

  1. 連帯納付義務は、同じ被相続人から財産を取得した人が、受けた利益の価額を限度に、ほかの相続人の相続税も連帯して納める義務です。限度のない全額の義務ではありません。
  2. 2)は、利益の価額にかかわらず全額としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、受けた利益の価額を限度に連帯して納める、です。

ほかの選択肢

  • 1 物納の順位は、第1順位が不動産・国債・上場株式など、第2順位が非上場株式、第3順位が動産と決まっているので、適切です。
  • 3 配偶者の税額軽減は、軽減の明細を書いた申告書を出して受けるので、納付すべき税額が0になる場合も申告書の提出が必要です。適切です。
  • 4 申告書の提出先は、相続人の住所地ではなく、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署です。適切です。

覚えておくこと

  • 連帯納付義務:同じ被相続人の相続税は、受けた利益の価額を限度に、ほかの相続人の分も連帯して納める
  • 軽減で納付税額が0になっても、軽減の明細を書いた相続税の申告書を出す必要がある
  • 申告期限:相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内。提出先は被相続人の死亡時の住所地の税務署

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:相続税の申告期限

想定問題 2四答択一式

相続税の2割加算、税額控除および相続税の総額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:3 被相続人の兄弟姉妹が相続により財産を取得したときは、その人の相続税額に20%を加算する。

ポイント

2割加算の対象者、障害者控除の額、相続税の総額の求め方から、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

2割加算は、だれが財産を取得したかで決まります。父母のような身近な親族でも、一親等の血族は対象外になる所が、取りちがえやすい所です。

  1. 2割加算は、被相続人の配偶者と、一親等の血族(父母・子、代襲相続人となった孫を含む)以外の人が財産を取得したときに、相続税額に20%を加算する決まりです。
  2. 兄弟姉妹は、配偶者でも一親等の血族でもないので、2割加算の対象です。したがって、最も適切なのは 3 です。

ほかの選択肢

  • 1 父母を2割加算の対象としている所が違います。父母は被相続人の一親等の血族なので対象外で、20%は加算されません。
  • 2 乗じる額が違います。正しくは、満85歳になるまでの年数に、一般の障害者は10万円、特別障害者は20万円を乗じた額です。
  • 4 実際に取得した財産の価額で計算するとしている所が違います。正しくは、課税遺産総額を法定相続分どおりに取得したと仮定して、各人の税額を求めて合計します。

覚えておくこと

  • 2割加算:配偶者と一親等の血族以外は、相続税額に20%を加算
  • 障害者控除:満85歳になるまでの年数×10万円(特別障害者は20万円)を引く
  • 相続税の総額:課税遺産総額を、法定相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定して税額を求め、合計する

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:相続税額の2割加算・相続税の障害者控除の額(一般障害者、85歳になるまでの1年につき)・相続税の障害者控除で、相続人が障害者であるときの年齢の基準(この年齢になるまでの年数で計算)・相続税の障害者控除の額(特別障害者、85歳になるまでの1年につき)

想定問題 3四答択一式

相続税の納付に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

相続税は、金銭で一括して納付するのが原則である。納期限までに金銭で納付することが困難なときは、(ア)が認められる。(ア)によっても金銭で納付することが困難なときに限り、(イ)が認められる。(ア)は、相続税額が(ウ)を超えることが要件の1つである。

正解:1 (ア)延納、(イ)物納、(ウ)10万円

ポイント

延納と物納の順序と、延納の要件の金額を、空欄の組み合わせで問う問題です。

考え方と解き方

納付の方法には順序があり、延納の要件の金額は、担保が不要になる金額と似ています。10万円と100万円を、役目で分けて覚えます。

  1. 相続税は、金銭で一括して納めるのが原則です。納期限までに金銭で納めることが困難なときは、まず延納(年賦で納める)が認められます(ア)。
  2. 延納によっても金銭で納めることが困難なときに限り、物納(財産そのもので納める)が認められます(イ)。延納の要件は、相続税額が10万円を超えることなどです(ウ)。したがって、最も適切なのは 1 (ア)延納、(イ)物納、(ウ)10万円 です。

ほかの選択肢

  • 2 (ア)と(イ)が入れかわっています。先に認められるのは延納で、物納は延納でも困難なときに限られます。(ウ)は合っています。
  • 3 (ウ)が違います。100万円は、延納税額がこの額以下で延納期間が3年以下のとき、担保が不要になる額です。延納の要件は、相続税額が10万円を超えることです。(ア)と(イ)は合っています。
  • 4 (ア)と(イ)が入れかわっており、(ウ)も違います。先に認められるのは延納で、延納の要件は相続税額が10万円を超えることです。100万円は、担保が不要になる延納税額の上限です。

覚えておくこと

  • 納付:金銭で一括が原則。延納は、相続税額が10万円を超え、金銭納付が困難で、担保を出すとき認められる
  • 延納の担保:延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下なら不要。相続人の元の財産も担保にできる
  • 物納:延納でも金銭納付が困難なときだけ。第1順位は不動産・国債・上場株式、第3順位は動産

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:相続税の延納の要件(相続税額)・相続税の延納で担保が不要となる延納税額・相続税の延納で担保が不要となる延納期間

想定問題 4四答択一式

下記の〈事例〉に基づく、孫Dさんが納付すべき相続税額として、最も適切なものはどれか。なお、〈事例〉に記載のない事項は考慮しないものとし、Dさんに適用される税額控除はないものとする。

〈事例〉
・被相続人Aさんの相続人は、配偶者Bさん、子Cさん、およびAさんの養子となった孫Dさん(Cさんの子)の3人である。Cさんは存命である
・課税価格は、Bさんが4,000万円、Cさんが4,000万円、Dさんが4,000万円である
・課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を差し引いた課税遺産総額は、7,200万円である
・相続税の速算表(抜粋)は【表1】のとおりとする
【表1】相続税の速算表(抜粋)
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超3,000万円以下15%50万円
3,000万円超5,000万円以下20%200万円

正解:4 384万円

ポイント

相続税の総額を求めてあん分し、2割加算まで当てはめて、孫Dさんの納付税額を求める計算問題です。

考え方と解き方

間違えやすい所は2つあります。あん分を法定相続分でしてしまうことと、被相続人の養子になった孫の2割加算を忘れることです。

  1. 課税遺産総額7,200万円を法定相続分で分けます。配偶者Bさんは2分の1で3,600万円、子Cさんと養子Dさんは、子の2分の1を等分して、それぞれ1,800万円です。
  2. 算出税額は、Bさんが3,600万円×20%-200万円=520万円、CさんとDさんは、それぞれ1,800万円×15%-50万円=220万円です。
  3. 相続税の総額は、520万円+220万円+220万円=960万円です。Dさんの按分後の額は、960万円×4,000万円÷12,000万円=320万円です。
  4. Dさんは、存命のCさんの子で、Aさんの養子になった孫なので、代襲相続人ではなく、2割加算の対象です(被相続人の養子になった孫は対象、代襲相続人の孫は対象外)。320万円×(1+20%)=384万円です。したがって、最も適切なのは 4 384万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 240万円:相続税の総額を、各人の課税価格の割合ではなく、Dさんの法定相続分の4分の1であん分し、2割加算もしなかった額です(960万円×4分の1)。あん分は課税価格の割合で行います。
  • 2 288万円:法定相続分の4分の1であん分した240万円に、2割加算をした額です(240万円×(1+20%))。あん分は、各人の課税価格の割合で行います。
  • 3 320万円:2割加算をしなかった額です(960万円×4,000万円÷12,000万円)。被相続人の養子になった孫で、代襲相続人ではないDさんは、20%の加算の対象です。

覚えておくこと

  • 各人の税額=相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計額(あん分)
  • 2割加算:配偶者と一親等の血族以外は、相続税額に20%を加算
  • 被相続人の養子になった孫は2割加算の対象。子に代わる代襲相続人の孫は対象外

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:相続税額の2割加算・法定相続分(配偶者と子が相続人のとき、配偶者)・法定相続分(配偶者と子が相続人のとき、子)・相続税の速算表:法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円超3,000万円以下の控除額・相続税の速算表:法定相続分に応ずる取得金額が3,000万円超5,000万円以下の控除額・相続税の速算表:法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円超3,000万円以下の税率・相続税の速算表:法定相続分に応ずる取得金額が3,000万円超5,000万円以下の税率

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