分野 F|相続・事業承継 よく出る
会社法と会社の基礎
過去の公開問題では、会社法の基本を問う「最も不適切」の記述問題が、5回分で2問出ています。
最終更新
よく出る形
- 会社法の基本を問う「最も不適切」の記述が出る(5回分で2問)
- 自己株式の取得と株主総会の決議、定時・臨時の株主総会が、2問とも選択肢に出ている
覚えること
- 株主の責任:有する株式の引受価額を限度とする(有限責任)
- 設立:設立時の定款は公証人の認証を受けて効力が生じ、本店所在地での設立登記で会社が成立する
- 資本金:最低資本金の定めはない。払込み・給付額の2分の1出どころまで資本金にしないことができる(残りは資本準備金)
- 公開会社でない株式会社:発行する全部の株式に、譲渡制限(会社の承認が必要)を付けている会社
- 機関:株式会社は取締役を置く。公開会社は取締役会を置く。定款の定めで取締役会などを置くこともできる
- 取締役会設置会社:取締役は3人以上出どころ。原則として監査役を置く(公開会社でない会計参与設置会社を除く)
- 取締役の任期:選任後2年以内出どころに終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
- 取締役の任期は、定款または株主総会の決議で短縮できる。公開会社でない株式会社は定款で選任後10年以内出どころまで伸長できる
- 監査役の任期:選任後4年以内出どころに終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
- 監査役の任期は短縮できない。公開会社でない株式会社は定款で選任後10年以内出どころまで伸長できる
- 取締役の解任:株主総会の決議でいつでもできる。正当な理由がなければ、解任された人は損害賠償を請求できる
- 株主総会:毎事業年度終了後の一定時期に定時株主総会、必要がある場合はいつでも臨時株主総会を招集する
- 普通決議:議決権の過半数出どころの株主が出席(定款で変更可)し、出席した株主の議決権の過半数出どころで可決
- 特別決議:定足数は議決権の過半数出どころ(定款で一定の割合まで引下げ可)。出席した株主の議決権の3分の2以上出どころで可決
- 特別決議が必要な例:特定の株主からの自己株式の取得、株式の併合、資本金の額の減少、監査役の解任、定款変更、合併
- 特殊決議:譲渡制限を設ける定款変更などは、議決権を行使できる株主の半数以上で、その議決権の3分の2以上出どころ
- 招集通知:総会の日の2週間前まで出どころ。公開会社でない株式会社は1週間前出どころまで
- ただし、書面等による議決権行使を定めたときは、公開会社でなくても2週間前出どころまで
- 自己株式の取得:株主との合意による有償取得は、あらかじめ株主総会の決議で取得株式数や対価の総額などを定める
- 株式の種類:譲渡制限株式、議決権制限株式、取得請求権付株式、取得条項付株式、全部取得条項付種類株式、拒否権付株式など
- 会社の種類:株式会社と持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)。合同会社の社員は全員が有限責任
数字と計算
ひっかけ
- 可決の割合は「出席した株主」の議決権が基準。定足数は、議決権を行使できる株主の議決権の総数が基準
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
会社法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:3 株式会社の取締役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。
ポイント
株式会社の設立と機関、取締役の解任の決まりを確かめて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
取締役を解任できるのは、株主総会の決議です。解任を決める機関を、取締役会と取りちがえないよう注意します。
- 取締役は、株主総会の決議によって、いつでも解任できます。解任を決めるのは、取締役会ではなく株主総会です。
- 3)は、解任を取締役会の決議としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、株主総会の決議によって解任することができる、です。
ほかの選択肢
- 1 株式会社の設立の際の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません。適切です。
- 2 株式会社は、本店の所在地で設立の登記をすることによって成立します。適切です。
- 4 株式会社は取締役を置き、定款の定めによって取締役会、監査役、会計監査人などを置くことができます。適切です。
覚えておくこと
- 取締役の解任:株主総会の決議でいつでもできる。正当な理由がなければ、解任された人は損害賠償を請求できる
- 設立:設立時の定款は公証人の認証を受けて効力が生じ、本店所在地での設立登記で会社が成立する
- 機関:株式会社は取締役を置く。公開会社は取締役会を置く。定款の定めで取締役会などを置くこともできる
(テーマ・覚えること)
会社法における取締役および監査役の任期に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢の株式会社は、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社ではないものとする。
正解:4 公開会社でない株式会社は、定款によって、取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる。
ポイント
取締役の任期の決まりと、任期を伸長できる会社を問う問題です。
考え方と解き方
取締役の任期は、原則の2年、短縮できること、公開会社でない株式会社の伸長の3点をセットで覚えます。監査役は任期の長さが違うので、取りちがえると誤りになります。
- 取締役の任期は、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。公開会社でない株式会社は、定款によって、選任後10年以内まで伸長できます。
- 4)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 4 です。
ほかの選択肢
- 1 短縮することはできないとしている所が違います。取締役の任期は、原則として選任後2年以内ですが、定款または株主総会の決議によって短縮できます。
- 2 任期を2年としている所が違います。正しくは、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
- 3 公開会社としている所が違います。任期を選任後10年以内まで伸長できるのは、公開会社でない株式会社です。
覚えておくこと
- 取締役の任期:選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
- 取締役の任期は、定款または株主総会の決議で短縮できる。公開会社でない株式会社は定款で選任後10年以内まで伸長できる
- 監査役の任期:選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:監査役の任期・取締役の任期(原則)・取締役の任期(公開会社でない株式会社の最長)
会社法における株主総会の決議の可決要件に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:1 (ア)出席した株主の議決権の過半数、(イ)3分の2以上、(ウ)3分の2以上
ポイント
株主総会の決議の種類ごとの、可決に必要な割合を問う問題です。
考え方と解き方
決議の種類が重くなるほど、可決に必要な割合が高くなります。特別決議と特殊決議は、何に対する割合かが違うので、取りちがえないようにします。
- 普通決議は、出席した株主の議決権の過半数で可決します。これが(ア)です。特別決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上で可決します。これが(イ)です。
- 株式に譲渡制限を設ける定款変更などの特殊決議は、議決権を行使できる株主の半数以上であって、その議決権の3分の2以上で可決します。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 1 (ア)出席した株主の議決権の過半数、(イ)3分の2以上、(ウ)3分の2以上 です。
ほかの選択肢
- 2 (ウ)が違います。譲渡制限を設ける定款変更の決議は、議決権を行使できる株主の半数以上であって、その議決権の3分の2以上です。4分の3以上は、株主ごとに異なる取扱いを定める定款変更の決議の要件です。(ア)(イ)は合っています。
- 3 (イ)が違います。特別決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上で可決します。4分の3以上は、株主ごとに異なる取扱いを定める定款変更の決議の要件です。(ア)(ウ)は合っています。
- 4 (ア)が違います。普通決議は、出席した株主の議決権の過半数で可決します。3分の2以上は、特別決議の要件です。(イ)(ウ)は合っています。
覚えておくこと
- 普通決議:議決権の過半数の株主が出席(定款で変更可)し、出席した株主の議決権の過半数で可決
- 特別決議:定足数は議決権の過半数(定款で一定の割合まで引下げ可)。出席した株主の議決権の3分の2以上で可決
- 特殊決議:譲渡制限を設ける定款変更などは、議決権を行使できる株主の半数以上で、その議決権の3分の2以上
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:株主総会の普通決議の可決要件・株主総会の普通決議の定足数・株主総会の特別決議の可決要件・株主総会の特別決議の定足数(議決権を行使できる株主の議決権の過半数。定款で3分の1以上まで引下げ可)・株主総会の決議の可決要件(株主ごとに異なる取扱いを定める定款変更)・株主総会の特殊決議の可決要件(譲渡制限の定款変更など)
下記の〈資料〉に基づく、株主総会の特別決議を可決するために必要な賛成の議決権数の最小の個数として、最も適切なものはどれか。
・議決権を行使できる株主の議決権の総数:900個
・株主総会に出席した株主の議決権の数:600個(議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席している)
・定款に、決議の要件についての別段の定めはない
正解:2 400個
ポイント
特別決議の可決に必要な賛成の議決権数を求める問題です。
考え方と解き方
可決に必要な賛成の数は、出席した株主の議決権が基準です。議決権の総数を基準にしたり、普通決議の過半数で計算したりする間違いに注意します。
- 特別決議は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で可決します。出席は600個で、定足数の451個以上を満たしています。
- 必要な賛成は、出席した600個の3分の2以上で、600個×2÷3=400個です。したがって、最も適切なのは 2 400個 です。
ほかの選択肢
- 1 301個:普通決議の要件(出席した株主の議決権の過半数)で計算した個数です。600個の過半数で、301個以上になります。特別決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上が必要です。
- 3 451個:議決権の総数900個の過半数(定足数)を、可決に必要な賛成の個数とした数です。定足数は出席の要件で、可決の要件は、出席した株主の議決権の3分の2以上です。
- 4 600個:議決権の総数900個の3分の2以上(900個×2÷3=600個)で計算した数です。3分の2以上は、出席した600個に対する割合です。
覚えておくこと
- 特別決議:定足数は議決権の過半数(定款で一定の割合まで引下げ可)。出席した株主の議決権の3分の2以上で可決
- 普通決議:議決権の過半数の株主が出席(定款で変更可)し、出席した株主の議決権の過半数で可決
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:株主総会の普通決議の可決要件・株主総会の普通決議の定足数・株主総会の特別決議の可決要件・株主総会の特別決議の定足数(議決権を行使できる株主の議決権の過半数。定款で3分の1以上まで引下げ可)
このテーマの公開問題
公開問題を解く(2問)この本文の数字の出どころ
- 株主総会の普通決議の可決要件 出席した株主の議決権の過半数
- 株主総会の普通決議の定足数 過半数
- 監査役の任期 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
- 監査役の任期(公開会社でない株式会社の最長) 定款で選任後10年以内まで伸長できる
- 株式の払込み・給付額のうち資本金に計上しないことができる額 払込み・給付額の2分の1まで
- 株主総会の招集通知の期限(原則) 総会の日の2週間前まで
- 株主総会の招集通知の期限(公開会社でない株式会社) 総会の日の1週間前まで
- 株主総会の特別決議の可決要件 出席した株主の議決権の3分の2以上
- 株主総会の特別決議の定足数(議決権を行使できる株主の議決権の過半数。定款で3分の1以上まで引下げ可) 過半数
- 株主総会の特殊決議の可決要件(譲渡制限の定款変更など) 議決権を行使できる株主の半数以上であって、その議決権の3分の2以上
- 取締役会設置会社の取締役の員数 3人以上
- 取締役の任期(原則) 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
- 取締役の任期(公開会社でない株式会社の最長) 定款で選任後10年以内まで伸長できる
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