分野 C|金融資産運用 よく出る
為替と外貨建商品
過去の公開問題では、外貨建て金融商品の仕組みの問題が2問、為替相場の変動要因の問題が1問、外貨預金の円換算の利回りを求める計算問題が1問、5回分で合わせて4問出ています。
最終更新
よく出る形
- 外貨建て商品の仕組みで、最も不適切な記述を選ぶ(5回分で2問)。為替差益の課税や、払戻し時のレートを取りちがえさせる
- 為替相場の変動要因で、最も不適切な記述を選ぶ(5回分で1問)。金利差・物価・貿易収支の向きを取りちがえさせる
- 外貨建て定期預金の円換算の利回りを求める計算(5回分で1問)。預入時と払戻し時のレートを使い分ける
覚えること
- 金利差:日本より米国の金利が高くなり金利差が広がると、円安・米ドル高の要因
- 物価:日本の物価が米国より相対的に上昇すると、円安・米ドル高の要因
- 貿易収支:日本の対米貿易黒字が拡大すると、円高・米ドル安の要因
- 購買力平価説:同じ財が同じ価格で買える為替レートが妥当(米国2米ドル、日本300円なら1米ドル=150円)
- 預入時のレート:円を外貨に交換するときは、金融機関のTTS(対顧客電信売相場)
- 払戻し時のレート:外貨を円に交換するときは、金融機関のTTB(対顧客電信買相場)
- TTSは仲値(TTM)より高く、TTBは低い。その差が為替手数料で、金融機関ごとに異なることがある
- 外貨預金は、金額にかかわらず預金保険制度の保護の対象外出どころ
- 外貨建てMMF:主に外国の格付けの高い公社債やCPなど短期金融商品に投資する外貨建ての投資信託
- 外貨預金の為替差益:為替予約なしは雑所得(総合課税)。一時所得や利子所得ではない
- 外貨預金の為替差益:預入時に元本と利子をあらかじめ約定した率で円に換算して払う為替予約付きは源泉分離課税
- 為替予約付きの為替差益の税率:20.315%出どころ(金融類似商品)
- 為替ヘッジ:購入時に償還日にあわせて為替予約をし、為替変動リスクを軽減する(円安の差益も得られない)
- 外国為替証拠金取引(FX):証拠金の一定倍率まで売買できる。個人の倍率は法令で上限25倍出どころ
- 円安・米ドル高は、米ドル建て債券の円換算の運用利回りの上昇要因。円高は低下要因
- 円換算の利回り(単利・年率)=(満期の円手取り額-預入の円額)÷預入の円額÷預入年数
数字と計算
- 例:1万米ドルを預入TTS150円で1年預ける。金利2.00%(年率)、為替予約なし、満期のTTBは152円
- 預入の円額は、1万米ドル×150円=150万円
- 満期は、1万米ドル+利息200米ドル=1万200米ドル。TTB152円で交換して1,550,400円
- 利回りは、(1,550,400円-1,500,000円)÷1,500,000円=3.36%
ひっかけ
- 払戻し時はTTBで、TTSではない。TTSは預入時のレート
- 為替予約なしの外貨預金の為替差益は雑所得で、一時所得や利子所得ではない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
外貨預金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:1 為替予約を締結していない外貨定期預金を満期時に円貨で払い戻した結果生じた為替差益は、利子所得として所得税の課税対象となる。
ポイント
外貨預金の為替差益の課税区分と、為替レート・預金保険・証拠金倍率を問い、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
外貨預金の為替差益は、利子とは別の所得として扱われます。所得の区分を取りちがえると、適切な記述が不適切に見えます。
- 為替予約を付けていない外貨定期預金で、満期に円へ戻して生じた為替差益は、雑所得として総合課税の対象になります。外貨預金の利子とは区分が違います。
- 1)は、利子所得としているので不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、為替差益は雑所得として所得税の課税対象となる、です。
ほかの選択肢
- 2 TTSは仲値より高く、TTBは仲値より低く設定され、その差が為替手数料にあたるので、適切です。
- 3 外貨預金は、金額にかかわらず預金保険制度の保護の対象外なので、適切です。
- 4 個人の外国為替証拠金取引では、証拠金の倍率に法令で上限25倍が定められているので、適切です。
覚えておくこと
- 外貨預金の為替差益:為替予約なしは雑所得(総合課税)。一時所得や利子所得ではない
- TTSは仲値(TTM)より高く、TTBは低い。その差が為替手数料で、金融機関ごとに異なることがある
- 外貨預金は、金額にかかわらず預金保険制度の保護の対象外
(テーマ・覚えること)
外貨建て金融商品に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:3 預入時に満期時の為替予約を付けた外貨定期預金の為替差益は、20.315%の税率による源泉分離課税の対象となる。
ポイント
外貨建て商品の為替レート、外貨建てMMF、為替予約付きの課税、為替ヘッジを問う問題です。
考え方と解き方
外貨建て商品は、レートの高低、投資対象、課税の区分、ヘッジの効果が、それぞれ1つずつ入れかえやすい所です。為替予約の有無と、予約を付ける時期で課税が変わる点を、先におさえます。
- 預入時に、元本と利子をあらかじめ約定した率で円に換算して支払うこととした、為替予約付きの外貨預金の為替差益は、金融類似商品として、20.315%の税率による源泉分離課税の対象です。
- 3)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。
ほかの選択肢
- 1 TTSとTTBの高低が逆です。TTSは仲値(TTM)より高く、TTBは仲値より低く設定され、その差が為替手数料にあたります。
- 2 投資対象が違います。外貨建てMMFは、主に外国の格付けの高い公社債やCPなど短期金融商品で運用される外貨建ての投資信託です。
- 4 為替ヘッジの効果が違います。為替予約でレートを固定するので、為替変動リスクを軽減できる一方、円安・外貨高の為替差益も得られなくなります。
覚えておくこと
- 為替ヘッジ:購入時に償還日にあわせて為替予約をし、為替変動リスクを軽減する(円安の差益も得られない)
- 為替予約付きの為替差益の税率:20.315%(金融類似商品)
- 外貨建てMMF:主に外国の格付けの高い公社債やCPなど短期金融商品に投資する外貨建ての投資信託
(テーマ・覚えること)
円貨を外貨に交換して預ける外貨預金の為替レートに関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:4 (ア)TTS、(イ)TTB、(ウ)高く
ポイント
預入時と満期時に使うレートと、為替差益が生じる条件を問う問題です。
考え方と解き方
外貨を買うときと売るときで、使うレートが違います。預入時と払戻し時を取りちがえると、差益の条件も逆になります。
- 円貨を外貨に交換する預入時は、金融機関が外貨を売るレートなのでTTS(対顧客電信売相場)です。外貨を円貨に交換する満期時は、金融機関が外貨を買うレートなのでTTB(対顧客電信買相場)です。
- 満期時のTTBが預入時のTTSより高ければ、受け取る円貨が預けた円貨より増え、為替差益が生じます。したがって、最も適切なのは 4 (ア)TTS、(イ)TTB、(ウ)高く です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)と(イ)が入れかわっています。預入時はTTS、満期時はTTBです。(ウ)の高くは合っています。
- 2 (ウ)が違います。満期時のTTBが預入時のTTSより低くなると、為替差損が生じます。(ア)と(イ)は合っています。
- 3 3つともが違います。預入時はTTS、満期時はTTBで、差益が生じるのは満期時のレートが高くなったときです。
覚えておくこと
- 預入時のレート:円を外貨に交換するときは、金融機関のTTS(対顧客電信売相場)
- 払戻し時のレート:外貨を円に交換するときは、金融機関のTTB(対顧客電信買相場)
- TTSは仲値(TTM)より高く、TTBは低い。その差が為替手数料で、金融機関ごとに異なることがある
(テーマ・覚えること)
下記の〈条件〉で、円貨を米ドルに交換して米ドル建定期預金に10,000米ドルを預け入れ、満期時に元利金の米ドルを円貨に交換して受け取る場合における利回り(単利・年率)として、最も適切なものはどれか。なお、税金については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
・預入期間:1年
・預金金利:2.50%(年率)
・為替予約なし
・為替レート(米ドル/円)
・預入時:TTS148円、TTB147円
・満期時:TTS151円、TTB150円
正解:2 3.89%
ポイント
外貨建て定期預金の円換算の利回りを、預入時と満期時のレートを使い分けて求める計算問題です。
考え方と解き方
間違えやすい所は、預入時にTTS、満期時にTTBを使うことです。TTSとTTBを取りちがえたり、利息を入れ忘れたりすると、答えがずれます。
- 預入時は円を米ドルに交換するのでTTS148円、満期時は米ドルを円に交換するのでTTB150円を使います。預入の円貨は、10,000米ドル×148円=1,480,000円です。
- 満期の米ドルは、10,000米ドル×(1+2.50%)=10,250米ドルです。円貨は、10,250米ドル×150円=1,537,500円です。
- 利回りは、(1,537,500円-1,480,000円)÷1,480,000円=3.89%(小数点以下第3位を四捨五入)です。したがって、最も適切なのは 2 3.89% です。
ほかの選択肢
- 1 1.35%:利息を入れず、為替の変化だけで求めた率です((150円-148円)÷148円)。満期の元利金は10,250米ドルなので、利息の分も円貨に交換します。
- 3 4.58%:満期時にTTBでなくTTS151円を使った率です((10,250米ドル×151円-1,480,000円)÷1,480,000円)。満期は米ドルを円に交換するので、TTBを使います。
- 4 5.29%:預入時にTTSでなくTTB147円を使い、満期時にTTS151円を使った率です((10,250米ドル×151円-1,470,000円)÷1,470,000円)。預入はTTS、満期はTTBを使います。
覚えておくこと
- 預入時のレート:円を外貨に交換するときは、金融機関のTTS(対顧客電信売相場)
- 払戻し時のレート:外貨を円に交換するときは、金融機関のTTB(対顧客電信買相場)
- 円換算の利回り(単利・年率)=(満期の円手取り額-預入の円額)÷預入の円額÷預入年数
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第27問外貨建ての金融商品の一般的な特徴等に関する次…四答択一式
- 2025年5月 第21問為替相場の変動要因に関する次の記述のうち、最…四答択一式
- 2025年5月 第27問個人(居住者)が国内の金融機関を通じて取引す…四答択一式
- 2026年5月 第27問下記の〈条件〉で、円貨を米ドルに交換して米ド…四答択一式・まずこの1問
この本文の数字の出どころ
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