分野 C|金融資産運用 最頻出

ポートフォリオ運用

過去の公開問題では、期待収益率の計算が2問、シャープレシオの比較が2問、ポートフォリオ理論の記述が1問、5回分で合わせて5問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 資産の構成比と期待収益率の表から、ポートフォリオの期待収益率を求める(5回分で2問)
  • 収益率・標準偏差・無リスク金利から、シャープレシオを求めて比べる(5回分で2問)
  • リスクの意味や分散効果など、ポートフォリオ理論の記述を選ぶ(5回分で1問)

覚えること

  • ポートフォリオの期待収益率=各資産の期待収益率×構成比の合計(加重平均)
  • ポートフォリオの期待収益率は加重平均と等しく、分散投資をしても高くも低くもならない
  • 1つの資産の期待収益率=各シナリオの収益率×発生確率の合計
  • 標準偏差(シナリオ型)=√((収益率-期待収益率)の2乗×発生確率の合計)
  • 標準偏差:期待収益率からのばらつきの度合い(リスク)。損失額の大きさではない
  • 相関係数:2資産の値動きの関係を表し、-1から+1までの値をとる
  • ポートフォリオの標準偏差は、各資産の標準偏差の加重平均以下(相関係数が+1なら等しい)
  • 相関係数が小さいほど分散効果は大きく、-1に近いほどリスクを減らせる
  • 非システマティック・リスク(個別銘柄の固有リスク)は、分散投資で減らせる
  • システマティック・リスク(市場全体のリスク)は、分散投資では減らせない
  • シャープレシオ=(収益率-無リスク金利)÷標準偏差。大きいほど効率的な運用
  • アセットアロケーション:資産の種類ごとの配分比率を決めること
  • ドルコスト平均法:毎回一定の金額で買い、安い時に多く・高い時に少なく買うので平均購入単価を下げやすい

数字と計算

  • 例:預金50%(0.1%)、債券30%(1.0%)、株式20%(5.0%)の組み合わせ
  • 期待収益率=0.1%×50%+1.0%×30%+5.0%×20%=0.05%+0.3%+1.0%=1.35%
  • 例:収益率6.0%、無リスク金利1.0%、標準偏差2.5%なら、(6.0%-1.0%)÷2.5%=2.0
  • 例:好況50%で8.0%、不況50%で-2.0%なら、期待収益率は3.0%
  • 標準偏差=√((8.0%-3.0%)の2乗×50%+(-2.0%-3.0%)の2乗×50%)=√25=5.0%

ひっかけ

  • 標準偏差は損失の大きさではなく、ばらつき。期待収益率の列と標準偏差の列を取りちがえない
  • 分散投資で減らせるのは、システマティック・リスクではなく非システマティック・リスク
  • 収益率が高くても、標準偏差が大きければシャープレシオは小さくなりうる

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:3 ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも小さくなる。

ポイント

リスクの意味、分散投資で消せるリスク、期待収益率との関係から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

分散投資で変わるのはリスクで、期待収益率ではありません。リスクと期待収益率の動きを取りちがえると、適切な記述が不適切に見えます。

  1. ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を構成比で加重平均した値と等しくなります。分散投資の効果が出るのは、リスクの方です。
  2. 3)は、期待収益率が加重平均より小さくなるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値と等しくなる、です。

ほかの選択肢

  • 1 標準偏差で表すリスクは、期待収益率からのばらつきの度合いで、損失額の大きさではありません。適切です。
  • 2 分散投資で消去できるのは、個別銘柄に固有の非システマティック・リスクです。市場全体のシステマティック・リスクは消去できません。適切です。
  • 4 ポートフォリオの標準偏差は、各資産の標準偏差の加重平均以下になります。相関係数が+1なら等しく、+1未満なら小さくなるので、適切です。

覚えておくこと

  • ポートフォリオの期待収益率は加重平均と等しく、分散投資をしても高くも低くもならない
  • 標準偏差:期待収益率からのばらつきの度合い(リスク)。損失額の大きさではない
  • ポートフォリオの標準偏差は、各資産の標準偏差の加重平均以下(相関係数が+1なら等しい)

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

ポートフォリオ理論とシャープレシオに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:3 シャープレシオは、ポートフォリオの収益率から無リスク金利を引いた値を、標準偏差で割って求める。

ポイント

相関係数と分散効果、アセットアロケーション、シャープレシオの式と見方を問う問題です。

考え方と解き方

分散効果は、相関係数が小さいほど大きくなります。向きを逆にした記述と、シャープレシオの大小を逆にした記述に注意します。

  1. シャープレシオは、収益率から無リスク金利を引いた値を標準偏差で割って求め、リスクあたりの超過収益を表します。大きいほど効率的な運用です。
  2. 相関係数が小さいほど分散効果は大きくなります。アセットアロケーションは、資産の種類ごとの配分比率を決めることです。3)はシャープレシオの式と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。

ほかの選択肢

  • 1 分散効果を小さくなるとしている所が違います。正しくは、相関係数が小さいほど分散効果は大きく、-1に近いほどリスクを減らせます。
  • 2 アセットアロケーションを、個別銘柄を選ぶことで、配分比率は決めないとしている所が違います。正しくは、資産の種類ごとの配分比率を決めることです。
  • 4 値が小さいほど効率的としている所が違います。正しくは、シャープレシオは大きいほど、リスクあたりの超過収益が大きく、効率的な運用です。

覚えておくこと

  • シャープレシオ=(収益率-無リスク金利)÷標準偏差。大きいほど効率的な運用
  • 相関係数が小さいほど分散効果は大きく、-1に近いほどリスクを減らせる
  • アセットアロケーション:資産の種類ごとの配分比率を決めること

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

ドルコスト平均法に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ドルコスト平均法は、価格が変動する商品を、毎回(ア)で定期的に買い付ける方法である。価格が高い時は買い付ける口数が(イ)、価格が安い時は買い付ける口数が(ウ)ため、平均購入単価を下げやすい。

正解:2 (ア)一定の金額、(イ)少なく、(ウ)多くなる

ポイント

ドルコスト平均法の買い付け方と、平均購入単価が下がりやすい理由を問う問題です。

考え方と解き方

毎回そろえるのは、金額であって口数ではありません。金額を一定にするから、価格が高い時と安い時で買える口数が変わります。

  1. ドルコスト平均法は、毎回一定の金額で買い付ける方法です(ア)。同じ金額で買うので、価格が高い時は買える口数が少なくなります(イ)。
  2. 価格が安い時は、買える口数が多くなります(ウ)。このため、平均購入単価を下げやすくなります。したがって、最も適切なのは 2 (ア)一定の金額、(イ)少なく、(ウ)多くなる です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。毎回そろえるのは口数ではなく金額です。口数をそろえると、価格が高い時も安い時も同じ口数を買います。(イ)(ウ)は合っています。
  • 3 (イ)と(ウ)が違います。同じ金額で買うと、価格が高い時は買える口数が少なく、安い時は多くなります。(ア)は合っています。
  • 4 (ア)(イ)(ウ)の3つとも違います。正しくは、(ア)一定の金額、(イ)少なく、(ウ)多くなる、です。

覚えておくこと

  • ドルコスト平均法:毎回一定の金額で買い、安い時に多く・高い時に少なく買うので平均購入単価を下げやすい
  • アセットアロケーション:資産の種類ごとの配分比率を決めること

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

下記のシナリオ別の収益率と発生確率に基づく、A社株ファンドの期待収益率として、最も適切なものはどれか。

A社株ファンドの景気見通し別の発生確率と収益率
景気の見通し発生確率収益率
好況20%9.0%
普通50%3.0%
不況30%-5.0%

正解:1 1.8%

ポイント

シナリオ別の収益率と発生確率から、期待収益率を求める計算問題です。

考え方と解き方

期待収益率は、収益率の単純平均ではありません。発生確率を掛けて合計します。不況の収益率が負の数であることも、間違えやすい所です。

  1. 1つの資産の期待収益率は、各シナリオの収益率に発生確率を掛けて合計した値です。
  2. 好況は9.0%×20%=1.8%、普通は3.0%×50%=1.5%、不況は-5.0%×30%=-1.5%です。
  3. 合計は、1.8%+1.5%-1.5%=1.8%です。したがって、最も適切なのは 1 1.8% です。

ほかの選択肢

  • 2 2.3%:発生確率を使わず、3つの収益率を単純平均した値です((9.0%+3.0%-5.0%)÷3≒2.3%)。
  • 3 4.8%:不況の項を引かずに足した額です(1.8%+1.5%+1.5%)。不況の収益率は負の数なので、引きます。
  • 4 7.0%:発生確率を掛けず、3つの収益率を合計した額です(9.0%+3.0%-5.0%)。

覚えておくこと

  • 1つの資産の期待収益率=各シナリオの収益率×発生確率の合計
  • ポートフォリオの期待収益率=各資産の期待収益率×構成比の合計(加重平均)
  • ポートフォリオの期待収益率は加重平均と等しく、分散投資をしても高くも低くもならない

(テーマ・覚えること)

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