分野 C|金融資産運用
投資信託のしくみと費用
過去の公開問題では、5回分にはまだ出ていませんが、出題範囲にある論点をまとめています。
最終更新
よく出る形
- このテーマの問題は5回分に無い(ETFの問題の選択肢に、留保額・信託報酬が出ている)
- 委託会社・受託会社・販売会社の役割を取りちがえた記述を選ぶ
- 購入時・保有中・換金時の費用の払い先やしくみを問う。換金時の手取額の計算もある
覚えること
- 委託会社(運用会社。法律上は委託者):運用方針を決め、信託銀行に運用の指図を出す
- 受託会社(信託銀行。法律上は受託者):運用の指図に従い、株式や債券の売買を行う
- 受託会社は、信託財産(ファンドの資産)を保管・管理し、自社の財産と分けて管理する
- 販売会社(証券会社・銀行など):販売・換金、分配金と償還金(満期の払戻金)の支払い
- 基準価額:投資信託の1口あたりの値段。純資産総額÷総口数で求める
- 基準価額は1日1回算出され、申込み時には当日の基準価額が分からない(ブラインド方式)
- 購入時手数料:購入時に販売会社へ払う費用(申込価額の数%。かからない商品もある)
- 信託報酬(運用管理費用):保有中、信託財産から間接的に差し引かれる費用
- 信託報酬は、委託会社・販売会社・受託会社の3者で配分される
- 信託財産留保額:換金時に払う費用。販売会社の収入にならず、信託財産に残る
- 信託財産留保額=換金時に適用される基準価額×所定の率(率は商品ごとに定める。かからない商品もある)
- 交付目論見書(ファンドの説明書):基本情報を載せ、購入前に投資家へ交付される
- 請求目論見書:沿革や経理状況などの追加情報を載せ、請求があったときに交付される
- 運用報告書(運用状況の情報):計算期間の末日ごとに、知れている受益者(投資信託を持つ人)へ提供する
- 計算期間が6か月出どころ未満の場合は、6か月ごとに提供する
- 交付運用報告書:運用状況の情報のうち重要な事項を、別に受益者へ提供するもの
数字と計算
- 例:基準価額15,000円(1万口あたり)で20万口を換金。留保額率0.2%
- 換金代金=15,000円×20=300,000円、留保額=300,000円×0.2%=600円
- 手取額=換金代金-留保額=300,000円-600円=299,400円
ひっかけ
- 信託報酬は販売会社だけの収入ではない(3者で配分)。購入時手数料の払い先は販売会社
- 信託財産留保額は手数料とは別の費用。換金時に払い、販売会社には入らない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
投資信託の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:3 販売会社は、委託会社の指図に従って信託財産の株式や債券を売買し、保管・管理する。
ポイント
投資信託に関わる3つの会社の役割を見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
委託会社は運用を指図する会社、受託会社は財産を預かる信託銀行、販売会社は投資家との窓口です。保管・管理や売買を販売会社の仕事と取りちがえると、誤りになります。
- 運用の指図に従った売買と、信託財産の保管・管理を行うのは、受託会社(信託銀行)です。販売会社の仕事は、販売・換金と、分配金・償還金の支払いです。
- 3)は、受託会社の仕事を販売会社の仕事としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、受託会社は、委託会社の指図に従って信託財産の株式や債券を売買し、信託財産を保管・管理する、です。
ほかの選択肢
- 1 委託会社は、ファンドを設定して運用方針を決め、信託銀行に運用の指図を出す立場なので、適切です。
- 2 受託会社は、信託財産を保管・管理し、自社の財産と分けて管理します(分別管理)。適切です。
- 4 販売会社は、投資家との窓口として販売・換金を扱い、分配金や償還金の支払いも行うので、適切です。
覚えておくこと
- 委託会社(運用会社。法律上は委託者):運用方針を決め、信託銀行に運用の指図を出す
- 受託会社は、信託財産(ファンドの資産)を保管・管理し、自社の財産と分けて管理する
- 販売会社(証券会社・銀行など):販売・換金、分配金と償還金(満期の払戻金)の支払い
(テーマ・覚えること)
投資信託の費用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:4 信託報酬は、保有中に信託財産から差し引かれ、委託会社・販売会社・受託会社で配分される。
ポイント
信託報酬・購入時手数料・信託財産留保額の、払う時期と払い先を問う問題です。
考え方と解き方
費用は、いつ払うか、だれに入るかで見分けます。販売会社に入る費用と、信託財産に残る費用を入れかえた記述に注意します。
- 購入時手数料は、購入時に販売会社へ払う費用です。信託報酬は、保有中に信託財産から間接的に差し引かれ、委託会社・販売会社・受託会社の3者で配分されます。信託財産留保額は、換金時に払い、信託財産に残ります。
- 4)は、信託報酬の説明と同じです。したがって、最も適切なのは 4 です。
ほかの選択肢
- 1 信託報酬を、委託会社だけが受け取る費用としている所が違います。正しくは、委託会社・販売会社・受託会社の3者で配分されます。
- 2 購入時手数料を、換金時に払い信託財産に残る費用としている所が違います。正しくは、購入時に販売会社へ払う費用です(信託財産に残るのは信託財産留保額です)。
- 3 信託財産留保額を、購入時に販売会社へ払い、販売会社の収入になる費用としている所が違います。正しくは、換金時に払い、信託財産に残る費用です。
覚えておくこと
- 購入時手数料:購入時に販売会社へ払う費用(申込価額の数%。かからない商品もある)
- 信託報酬(運用管理費用):保有中、信託財産から間接的に差し引かれる費用
- 信託報酬は、委託会社・販売会社・受託会社の3者で配分される
(テーマ・覚えること)
投資信託の基準価額と目論見書に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:4 (ア)1口あたり、(イ)できない、(ウ)交付目論見書
ポイント
基準価額の意味と、目論見書の種類を問う問題です。
考え方と解き方
基準価額はファンド全体の額ではなく、1口あたりの値段です。申込み時に当日の基準価額が分からない点と、購入前に交付される目論見書の種類も、取りちがえやすい所です。
- 基準価額は、純資産総額を総口数で割った、1口あたりの値段です(ア)。1日1回算出されるので、投資家は申込みの時点で当日の基準価額を知ることができません(イ)。
- 購入前に投資家へ交付されるのは、交付目論見書です(ウ)。請求目論見書は、請求があったときに交付されます。したがって、最も適切なのは 4 (ア)1口あたり、(イ)できない、(ウ)交付目論見書 です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)(イ)(ウ)の3つとも違います。正しくは、(ア)1口あたり、(イ)できない、(ウ)交付目論見書です。
- 2 (イ)と(ウ)が違います。基準価額は1日1回算出されるので、申込みの時点では当日の基準価額は分かりません。購入前に交付されるのは、交付目論見書です。
- 3 (ア)が違います。基準価額は、ファンド全体の額ではなく、1口あたりの値段です。(イ)(ウ)は合っています。
覚えておくこと
- 基準価額:投資信託の1口あたりの値段。純資産総額÷総口数で求める
- 基準価額は1日1回算出され、申込み時には当日の基準価額が分からない(ブラインド方式)
- 交付目論見書(ファンドの説明書):基本情報を載せ、購入前に投資家へ交付される
(テーマ・覚えること)
下記の条件で投資信託を換金したときの手取額として、最も適切なものはどれか。なお、換金手数料はかからないものとし、税金は考慮しない。
・換金時の基準価額:1万口あたり12,000円
・換金する口数:50万口
・信託財産留保額:換金時の基準価額の0.3%
正解:2 598,200円
ポイント
信託財産留保額を差し引いた、換金時の手取額を求める計算問題です。
考え方と解き方
信託財産留保額は、換金代金から差し引かれる費用です。引き忘れたり、足したり、留保額の額だけを答えたりすると、間違えます。
- 信託財産留保額は、換金時の基準価額に所定の率を掛けた額で、換金時に払います。換金する50万口は、1万口の50倍です。
- 換金代金は、12,000円×50=600,000円です。信託財産留保額は、600,000円×0.3%=1,800円です。
- 手取額は、600,000円-1,800円=598,200円です。したがって、最も適切なのは 2 598,200円 です。
ほかの選択肢
- 1 1,800円:信託財産留保額の額だけを答えた額です(600,000円×0.3%)。手取額は、換金代金から留保額を引いて求めます。
- 3 600,000円:信託財産留保額を引かなかった額です(12,000円×50)。留保額は換金時に払うので、引きます。
- 4 601,800円:信託財産留保額を引かずに足した額です(600,000円+1,800円)。留保額は換金代金から引きます。
覚えておくこと
- 信託財産留保額:換金時に払う費用。販売会社の収入にならず、信託財産に残る
- 信託財産留保額=換金時に適用される基準価額×所定の率(率は商品ごとに定める。かからない商品もある)
(テーマ・覚えること)
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