分野 C|金融資産運用

運用スタイルと収益分配金

過去の公開問題では、株式投資信託の運用手法を選ぶ問題が、5回分で1問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 株式投資信託の運用手法を並べ、名前と中身の組み合わせが適切なものを選ぶ(5回分で1問)
  • トップダウン・ボトムアップ、グロース、マーケット・ニュートラル、ブル型・ベア型を混ぜる
  • 5回分にはまだ出ていないが、普通分配金と元本払戻金を分ける計算も出題範囲にある

覚えること

  • 株式投資信託:約款(運用ルール)で株式に投資できると定めたもの。公社債投資信託は株式を投資対象にしない
  • 単位型:当初の募集期間にだけ購入できる。追加型:原則として運用期間中いつでも購入できる
  • パッシブ運用:ベンチマーク(運用の目標とする指標)に近い成果を目指す
  • アクティブ運用:ベンチマークを上回る成果を目指す。調査費用がかかり、信託報酬は高めの傾向
  • トップダウン・アプローチ:経済や金利の分析から国別・業種別の比率を先に決め、個別銘柄を選ぶ
  • ボトムアップ・アプローチ:個別企業の調査・分析をもとに、投資する銘柄を選ぶ
  • バリュー運用:株価が割安な銘柄に投資する。PER・PBR(割安度の指標)が低い銘柄が中心になる傾向
  • グロース運用:売上高や利益の成長性が高い銘柄に投資する。PER・PBRが高い銘柄が中心になる傾向
  • マーケット・ニュートラル運用:割安銘柄の買建てと割高銘柄の売建てを同程度行い、市場全体の変動に左右されない収益を狙う
  • ブル型はベンチマークの上昇で、ベア型は下落で基準価額が上がるように設計されている
  • 分配金を支払うと、その分だけ純資産総額が減り、基準価額は下がる
  • 個別元本:受益者ごとの購入時の基準価額。元本払戻金を受けると、その分だけ下がる
  • 元本払戻金(特別分配金):個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る部分(上限は分配金)。非課税
  • 普通分配金:分配金から元本払戻金を除いた部分で課税。分配落ち後の基準価額が個別元本以上なら全額

数字と計算

  • 例:個別元本10,800円、分配落ち後の基準価額10,300円、分配金600円(1万口あたり)
  • 元本払戻金=10,800円-10,300円=500円。普通分配金=600円-500円=100円

ひっかけ

  • PER・PBRが低い銘柄が中心になるのはバリュー運用。グロース運用と入れかえた誤りに注意
  • トップダウンとボトムアップは入口が逆。国別・業種別の比率を先に決めるのがトップダウン
  • 分配金のすべてが運用の収益とは限らない。元本払戻金が含まれることがある

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

株式投資信託の一般的な運用手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:1 「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが上昇すると基準価額が上昇するように設計されている。

ポイント

株式投資信託の運用手法や特殊型の説明から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

ブル型とベア型は、ベンチマークとの動きの向きが逆です。向きを取りちがえると、適切な記述が不適切に見えます。

  1. ブル型・ベア型の特殊型のうち、ベア型は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されています。ベンチマークの上昇で基準価額が上がるのは、ブル型の動きです。
  2. 1)は、ベア型の動きをブル型と取りちがえているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている、です。

ほかの選択肢

  • 2 割安な銘柄の買建てと割高な銘柄の売建てを同程度行い、市場全体の変動に左右されない収益を目指すのが、マーケット・ニュートラル運用です。適切です。
  • 3 グロース運用は、成長性の高い銘柄を組み入れるため、株価の割安度を示すPERやPBRが高い銘柄が中心になる傾向があります。適切です。
  • 4 国別・業種別の比率を先に決め、その比率に応じて個別銘柄を選ぶ手法は、トップダウン・アプローチです。適切です。

覚えておくこと

  • ブル型はベンチマークの上昇で、ベア型は下落で基準価額が上がるように設計されている
  • マーケット・ニュートラル運用:割安銘柄の買建てと割高銘柄の売建てを同程度行い、市場全体の変動に左右されない収益を狙う
  • グロース運用:売上高や利益の成長性が高い銘柄に投資する。PER・PBRが高い銘柄が中心になる傾向

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

投資信託の分類と運用スタイルに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:2 アクティブ運用は、ベンチマークを上回る成果を目指す運用で、パッシブ運用より信託報酬が高めの傾向がある。

ポイント

単位型・追加型、株式投資信託、アクティブ運用とパッシブ運用の違いを問う問題です。

考え方と解き方

似た名前の用語は、対になる用語と入れかえて問われます。アクティブ運用とパッシブ運用の目指す成果も、入れかえると誤りになります。

  1. アクティブ運用は、ベンチマークを上回る成果を目指す運用で、調査や銘柄選定の費用がかかるため、信託報酬はパッシブ運用より高めの傾向があります。パッシブ運用は、ベンチマークに近い成果を目指します。
  2. 単位型は当初の募集期間にだけ購入でき、株式投資信託は約款で株式に投資できると定めたものです。2)はアクティブ運用の説明と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。

ほかの選択肢

  • 1 単位型を、運用期間中いつでも購入できるとしている所が違います。正しくは、単位型は当初の募集期間にだけ購入できます(いつでも購入できるのは追加型です)。
  • 3 株式投資信託を、株式を投資対象から外すと明記したものとしている所が違います。正しくは、約款で株式に投資できると定めたものです(株式を外すと明記するのは公社債投資信託です)。
  • 4 パッシブ運用を、ベンチマークを上回る成果を目指す運用としている所が違います。正しくは、ベンチマークに近い成果を目指す運用で、調査費用は抑えられ、信託報酬は低めの傾向です(上回りを目指すのはアクティブ運用です)。

覚えておくこと

  • アクティブ運用:ベンチマークを上回る成果を目指す。調査費用がかかり、信託報酬は高めの傾向
  • 単位型:当初の募集期間にだけ購入できる。追加型:原則として運用期間中いつでも購入できる
  • 株式投資信託:約款(運用ルール)で株式に投資できると定めたもの。公社債投資信託は株式を投資対象にしない

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

追加型株式投資信託の分配金に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

分配金のうち、分配落ち後の基準価額が個別元本を下回る部分を(ア)といい、(イ)。分配金を支払うと、その分だけ投資信託の基準価額は(ウ)。

正解:4 (ア)元本払戻金(特別分配金)、(イ)課税されない、(ウ)下がる

ポイント

元本払戻金の意味と課税、分配金を支払ったあとの基準価額を問う問題です。

考え方と解き方

分配金は、全額が運用の収益とは限りません。元本の払戻しにあたる部分と、収益にあたる部分を分けて考えます。

  1. 個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る部分は、元本払戻金(特別分配金)です(ア)。元本の払戻しにあたるので、課税されません(イ)。
  2. 分配金は信託財産から支払われるので、純資産総額が減り、基準価額は下がります(ウ)。したがって、最も適切なのは 4 (ア)元本払戻金(特別分配金)、(イ)課税されない、(ウ)下がる です。

ほかの選択肢

  • 1 (イ)が違います。元本払戻金は元本の払戻しにあたるので、課税されません。課税されるのは普通分配金です。
  • 2 (ウ)が違います。分配金を支払うと、その分だけ純資産総額が減るので、基準価額は下がります。
  • 3 (ア)と(ウ)が違います。分配落ち後の基準価額が個別元本を下回る部分は元本払戻金で、分配金の支払いで基準価額は下がります。

覚えておくこと

  • 元本払戻金(特別分配金):個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る部分(上限は分配金)。非課税
  • 分配金を支払うと、その分だけ純資産総額が減り、基準価額は下がる
  • 普通分配金:分配金から元本払戻金を除いた部分で課税。分配落ち後の基準価額が個別元本以上なら全額

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

下記の条件で追加型株式投資信託の分配金を受け取ったときの、普通分配金の額(1万口あたり)として、最も適切なものはどれか。

〈条件〉
・個別元本:10,500円
・分配金の支払い前の基準価額:11,000円
・分配金:800円
・分配落ち後の基準価額:10,200円

正解:3 500円

ポイント

分配金を普通分配金と元本払戻金に分けて、普通分配金の額を求める計算問題です。

考え方と解き方

分配金の全額が課税されるのではありません。個別元本と分配落ち後の基準価額を比べて、元本払戻金を先に求めます。

  1. 元本払戻金は、個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る部分で、10,500円-10,200円=300円です。分配金800円は300円を上回るので、元本払戻金は300円になります。
  2. 普通分配金は、分配金から元本払戻金を除いた額で、800円-300円=500円です。したがって、最も適切なのは 3 500円 です。

ほかの選択肢

  • 1 0円:分配金の全額を元本払戻金とした額です。元本払戻金は300円で、残りの500円が普通分配金です。
  • 2 300円:元本払戻金の額を答えた額です(10,500円-10,200円)。普通分配金は、分配金800円からこの額を引いて求めます。
  • 4 800円:分配金の全額を普通分配金とした額です。個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る300円は、元本払戻金です。

覚えておくこと

  • 個別元本:受益者ごとの購入時の基準価額。元本払戻金を受けると、その分だけ下がる
  • 元本払戻金(特別分配金):個別元本が分配落ち後の基準価額を上回る部分(上限は分配金)。非課税

(テーマ・覚えること)

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