分野 A|ライフプランニングと資金計画 よく出る
キャッシュフロー表と6つの係数
過去の公開問題では、係数の使い分けを選ぶ問題が5回分で2問出ています。うち1問は、可処分所得やバランスシートの記述も並んでいます。
最終更新
よく出る形
- 係数のうち、目的に合うものを選ぶ(5回分で2問)。乗じる金額(元本・目標額・毎年の額)を取りちがえる
- 可処分所得の範囲やバランスシートの評価額を問う記述が、係数の記述と並ぶ(5回分で1問)
覚えること
- 係数は、一定の利率で複利運用(利息にも利息がつく運用)した場合の倍率。6種類ある
- 終価係数:現在の元本を、将来の元利合計にする。元本に乗じる
- 現価係数:将来の目標額を、いま必要な元本にする。目標額に乗じる
- 年金終価係数:毎年の積立額を、将来の元利合計にする。積立額に乗じる
- 減債基金係数:目標額のために必要な毎年の積立額を出す。目標額に乗じる
- 資本回収係数:元本から、毎年の受取額や返済額を出す。元本・借入額に乗じる
- 年金現価係数:毎年の受取額から必要な元本を、年間返済額から借入可能額を出す。毎年の額に乗じる
- 可処分所得=年収-所得税・住民税-社会保険料(生命保険料は引かない)
- 将来の収入・支出の額=現在の額×(1+変動率)経過年数(変動率は年ごとの増減の率)
- 年間収支=収入合計-支出合計
- 貯蓄残高=前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支
- バランスシート:資産は現在の時価、負債は現在の残高で計上し、純資産=資産-負債
- ライフイベント表:進学・住宅購入・退職などの予定を年ごとに並べ、キャッシュフロー表に反映する
数字と計算
- 例:貯蓄残高500万円、運用利率1%、年間収支60万円。500万円×1.01+60万円=565万円
- 例:年間返済額120万円、年金現価係数9.471。借入可能額は120万円×9.471=1,136.52万円
ひっかけ
- 毎年の積立額を出すのは減債基金係数。積立額から将来額を出すのは年金終価係数
- 借入可能額は年間返済額×年金現価係数。資本回収係数は、返済額を出す側
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングに当たって作成・利用する各種の表や各種係数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:1 一定の利率で複利運用しながら一定期間経過後に目標とする額を得るために必要な毎年の積立額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、年金終価係数である。
ポイント
係数の使い分けと、キャッシュフロー表・バランスシートの作り方のうち、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
毎年の積立額を求めるのか、積立額から将来の額を求めるのかで、使う係数が逆になります。乗じる金額が目標額なのか積立額なのかで見分けます。
- 毎年の積立額を求めるときは、目標とする額に減債基金係数を乗じます。年金終価係数は、毎年の積立額から将来の元利合計を求めるときに、積立額に乗じる係数です。
- 1)は、目標とする額に乗じる係数を年金終価係数としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、目標とする額に乗じる係数は減債基金係数である、です。
ほかの選択肢
- 2 可処分所得は、年収から所得税・住民税・社会保険料を引いた額です。生命保険料は引かないので、適切です。
- 3 バランスシートでは、金融資産や不動産は取得時点でなく現在の時価で計上するので、適切です。
- 4 借入可能額は、年間返済額に年金現価係数を乗じて求めるので、適切です。
覚えておくこと
- 年金終価係数:毎年の積立額を、将来の元利合計にする。積立額に乗じる
- 減債基金係数:目標額のために必要な毎年の積立額を出す。目標額に乗じる
- 可処分所得=年収-所得税・住民税-社会保険料(生命保険料は引かない)
(テーマ・覚えること)
ライフプランニングに用いる表の作成に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:2 貯蓄残高は、前年末の貯蓄残高に(1+運用利率)を乗じた額に、その年の年間収支を加えて求める。
ポイント
キャッシュフロー表の年間収支・貯蓄残高・変動率と、バランスシートの負債の計上を問う問題です。
考え方と解き方
キャッシュフロー表は、収入・支出・年間収支・貯蓄残高の順に、各項目が何から求まるかが決まっています。年間収支は収入と支出から、貯蓄残高は前年末の残高と年間収支から求めます。
- 貯蓄残高は、前年末の貯蓄残高に運用益を加えた額に、その年の年間収支を加えて求めます。式にすると、前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支です。
- 2)は、この式と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。
ほかの選択肢
- 1 年間収支の求め方が違います。正しくは、収入合計から支出合計を差し引いて求めます。貯蓄残高は、年間収支の計算には使いません。
- 3 将来の額の求め方が違います。正しくは、現在の額に(1+変動率)を経過年数の回数だけ乗じて求めます。
- 4 負債の計上のしかたが違います。正しくは、負債は借入時の金額ではなく、現在の残高で計上します。
覚えておくこと
- 貯蓄残高=前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支
- 年間収支=収入合計-支出合計
- 将来の収入・支出の額=現在の額×(1+変動率)経過年数(変動率は年ごとの増減の率)
(テーマ・覚えること)
ライフプランの作成に用いる係数に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:3 (ア)減債基金係数、(イ)年金終価係数、(ウ)現価係数
ポイント
目標額・積立額・元本のどれから何を求めるかで、係数を選ぶ問題です。
考え方と解き方
係数は、知りたい金額と、乗じる金額の組み合わせで決まります。3つの空欄は、目標額から積立額を求める係数、積立額から将来額を求める係数、目標額から元本を求める係数です。
- 目標額から毎年の積立額を求める係数は、減債基金係数です。これが(ア)です。毎年の積立額から一定期間後の元利合計を求める係数は、年金終価係数です。これが(イ)です。
- 将来の目標額から、いま必要な元本を求める係数は、現価係数です。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 3 (ア)減債基金係数、(イ)年金終価係数、(ウ)現価係数 です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)と(イ)が入れかわっています。目標額から積立額を出すのは減債基金係数、積立額から将来の元利合計を出すのは年金終価係数です。(ウ)の現価係数は合っています。
- 2 (イ)と(ウ)が違います。積立額から将来の元利合計を出す係数は、年金現価係数ではなく年金終価係数です。目標額から元本を出す係数は、終価係数ではなく現価係数です。(ア)の減債基金係数は合っています。
- 4 (ア)と(ウ)が違います。目標額から積立額を出す係数は、資本回収係数ではなく減債基金係数です。目標額から元本を出す係数は、終価係数ではなく現価係数です。(イ)の年金終価係数は合っています。
覚えておくこと
- 年金終価係数:毎年の積立額を、将来の元利合計にする。積立額に乗じる
- 減債基金係数:目標額のために必要な毎年の積立額を出す。目標額に乗じる
- 現価係数:将来の目標額を、いま必要な元本にする。目標額に乗じる
(テーマ・覚えること)
下記の〈Aさんの貯蓄〉に基づく、Aさんの2年後の年末の貯蓄残高として、最も適切なものはどれか。なお、運用利率は年2%で、毎年複利で運用するものとし、各年の年間収支は年末に生じるものとする。
・現在の貯蓄残高:500万円
・1年後の年間収支:90万円
・2年後の年間収支:38万円
正解:4 650万円
ポイント
キャッシュフロー表の貯蓄残高を、運用利率と年間収支から求める計算問題です。
考え方と解き方
間違えやすいのは、運用益を数える回数と、利息に利息がつくことです。貯蓄残高は、毎年、前年末の残高に運用利率を反映してから、その年の年間収支を加えます。
- 貯蓄残高は、前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支で求めます。1年後は、500万円×1.02+90万円=600万円です。
- 2年後は、1年後の600万円×1.02+38万円=650万円です。したがって、最も適切なのは 4 650万円 です。
ほかの選択肢
- 1 628万円:運用益を考えず、年間収支だけを足した額です(500万円+90万円+38万円)。貯蓄残高には、運用益も加えます。
- 2 638万円:運用益を最初の1年分しか加えていない額です(500万円×1.02+90万円+38万円)。2年目も、前年末の残高に運用益がつきます。
- 3 648万円:はじめの500万円にだけ2年分の運用益を単利でつけ、1年後の残高にふえた分には運用益をつけなかった額です(500万円×(1+0.02×2)+90万円+38万円)。2年目は、1年後の残高にも運用益がつきます。
覚えておくこと
- 貯蓄残高=前年末の貯蓄残高×(1+運用利率)+その年の年間収支
- 年間収支=収入合計-支出合計
(テーマ・覚えること)
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