分野 B|リスク管理 よく出る
契約者保護と保険契約のルール
過去の公開問題では、損害保険の基本原則を問う問題と、保険法・保険業法を問う問題が、5回分で1問ずつ出ています。
最終更新
よく出る形
- 損害保険の基本原則(超過保険と利得禁止など)から、最も適切な記述を選ぶ(5回分で1問)
- 保険法・保険業法の記述から、最も適切な記述を選ぶ(5回分で1問)。クーリング・オフの対象や比率の基準が入る
覚えること
- 保険法は、生命保険・損害保険・傷害疾病定額保険のほか、共済契約にも適用される
- 保険法の一部の規定(保険金の支払時期など)は、これより契約者側に不利な約款の定めを無効にする
- 告知義務:契約者または被保険者になる者が、保険会社が告知を求めた重要な事項に事実を告げる義務
- 通知義務:告知事項の内容が変わり危険が増した時に、契約で定めた通知をする義務
- 保険募集のルール:保険業法は、虚偽の説明や、重要な事項を告げない勧誘を禁止する
- 保険業法:生命保険と損害保険の兼営は不可。損害保険会社は損害保険と傷害疾病保険を引き受ける
- クーリング・オフ:申込日と書面を受け取った日のいずれか遅い日から8日出どころ以内
- クーリング・オフの対象外:保険期間が1年出どころ以下の契約、法人の契約、自賠責など加入が義務の保険
- 契約者保護機構(生命保険):破綻時点の責任準備金等の90%出どころまで補償(高予定利率契約を除く)
- 契約者保護機構(損害保険):個人などの自動車保険・火災保険は、破綻後3か月出どころ間の事故は全額、その後80%出どころ
- 契約者保護機構(損害保険):自賠責保険・地震保険は100%出どころ
- 契約者保護機構(損害保険):医療保険・介護費用保険などは90%出どころ(短期傷害・海外旅行傷害は除く)
- 早期是正措置:保険会社は、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)が100%出どころを下回ると対象
- 利得禁止の原則:保険で事故による損害以上の利益を得てはならない
- 超過保険(保険金額が保険価額を超える契約)は、超過部分の保険金が原則として支払われない
- 一部保険(保険金額が保険価額に満たない契約)は、比例てん補で保険金=損害額×保険金額÷保険価額
- 給付・反対給付均等の原則:保険料と保険金は、事故の発生確率や損害の大きさに見合うべきとする考え方
- 損害保険の保険料:純保険料は予定損害率、付加保険料は予定事業費率に基づいて計算する
数字と計算
- 例:保険価額4,000万円、保険金額1,000万円、損害額800万円(比例てん補)
- 保険金は800万円×1,000万円÷4,000万円=200万円
ひっかけ
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
保険の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:3 保険業法では、損害保険会社は、損害保険のほかに、生命保険と傷害疾病保険も引き受けることができるとされている。
ポイント
損害保険の基本原則と保険業法の業務範囲を見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
損害保険会社が引き受けられる範囲は、生命保険会社との兼営が禁じられている点が決め手です。ほかの3つは基本用語なので、用語の意味を取りちがえないことが大切です。
- 保険業法では、生命保険業免許と損害保険業免許を、同じ者が受けることはできません。損害保険会社は、損害保険と傷害疾病保険を引き受けます。
- 3)は、損害保険会社が生命保険まで引き受けられるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、損害保険会社は、損害保険のほかに、傷害疾病保険も引き受けることができる、です。
ほかの選択肢
- 1 保険金額が保険価額を超える契約が超過保険です。事故で利益を得てはならないので、超過部分の保険金は原則として支払われず、適切です。
- 2 保険料と保険金が、事故の発生確率や損害の大きさに見合うべきとする考え方は、給付・反対給付均等の原則です。名前と内容が合っているので、適切です。
- 4 損害保険の保険料は、純保険料と付加保険料で構成されます。純保険料は予定損害率、付加保険料は予定事業費率に基づくので、適切です。
覚えておくこと
- 保険業法:生命保険と損害保険の兼営は不可。損害保険会社は損害保険と傷害疾病保険を引き受ける
- 超過保険(保険金額が保険価額を超える契約)は、超過部分の保険金が原則として支払われない
- 給付・反対給付均等の原則:保険料と保険金は、事故の発生確率や損害の大きさに見合うべきとする考え方
(テーマ・覚えること)
保険法における告知義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:1 保険契約者または被保険者になる者は、保険会社が告知を求めた重要な事項について、契約の締結に際して事実を告げなければならない。
ポイント
告知義務を負う人、告知する範囲、告知する時期を見分ける問題です。
考え方と解き方
告知義務は、保険会社の質問に答える義務です。自分から申し出る義務ではない点と、告知する時期が契約の締結に際してである点が、取りちがえやすい所です。
- 告知義務を負うのは、保険契約者または被保険者になる者です。保険会社が告知を求めた重要な事項について、契約の締結に際して、事実を告げます。
- 1)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 1 です。
ほかの選択肢
- 2 告知義務は、保険会社が告知を求めた事項について答える義務です。求められていない事項まで、自ら申し出る義務ではありません。
- 3 告知するのは、保険金を請求する時ではなく、契約の締結に際してです。時期が違います。
- 4 被保険者になる者も、保険契約者と同じく告知義務を負います。保険契約者だけの義務としている所が違います。
覚えておくこと
- 告知義務:契約者または被保険者になる者が、保険会社が告知を求めた重要な事項に事実を告げる義務
(テーマ・覚えること)
保険業法のクーリング・オフに関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:4 (ア)いずれか遅い日、(イ)外である
ポイント
クーリング・オフの数えはじめの日と、対象外になる契約を問う問題です。
考え方と解き方
数えはじめの日を早い方と取りちがえることと、保険期間の短い契約が対象外であることを見落とすことが、間違えどころです。
- 期間は、申込日と書面を受け取った日のいずれか遅い日から8日以内です。保険期間が1年以下の契約は、対象外です。
- したがって、最も適切なのは 4 (ア)いずれか遅い日、(イ)外である です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)も(イ)も違います。数えはじめは遅い日で、保険期間が1年以下の契約は対象外です。
- 2 (ア)が違います。数えはじめの日は、申込日と書面を受け取った日のいずれか遅い日です。(イ)の対象外は合っています。
- 3 (イ)が違います。保険期間が1年以下の契約は、対象となるのではなく対象外です。(ア)は合っています。
覚えておくこと
- クーリング・オフ:申込日と書面を受け取った日のいずれか遅い日から8日以内
- クーリング・オフの対象外:保険期間が1年以下の契約、法人の契約、自賠責など加入が義務の保険
(テーマ・覚えること)
下記〈資料〉に基づき、火災で建物に損害が生じた場合に支払われる保険金の額として、最も適切なものはどれか。なお、保険金は、損害額に保険金額の保険価額に対する割合を掛けた額が支払われるものとし、免責金額はなく、他の保険契約や臨時費用などは考えないものとする。
・建物の保険価額(事故時):3,000万円
・火災保険の保険金額:1,800万円
・火災による損害額:1,500万円
正解:2 900万円
ポイント
一部保険で、比例てん補方式による保険金を計算する問題です。
考え方と解き方
掛ける割合は、保険金額の保険価額に対する割合です。割合の分子と分母の取りちがえと、損害額の全額払いが、間違えどころです。
- 保険金額が保険価額に満たない一部保険では、比例てん補方式により、保険金額の保険価額に対する割合を損害額に掛けて、保険金を計算します。
- 保険金額の保険価額に対する割合は、1,800万円÷3,000万円=0.6です。保険金は、1,500万円×0.6=900万円です。したがって、最も適切なのは 2 900万円 です。
ほかの選択肢
- 1 600万円:保険価額のうち、保険金額で足りない部分の割合(1,200万円÷3,000万円)を損害額に掛けた額です(1,500万円×0.4)。掛けるのは、保険金額の保険価額に対する割合です。
- 3 1,500万円:損害額の全額を支払った額です。比例てん補方式では、保険金額が保険価額に満たないとき、損害額の全額は支払われません。
- 4 2,500万円:保険価額の保険金額に対する割合を掛けた額です(1,500万円×3,000万円÷1,800万円)。割合の分子と分母が逆です。
覚えておくこと
- 一部保険(保険金額が保険価額に満たない契約)は、比例てん補で保険金=損害額×保険金額÷保険価額
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
公開問題を解く(2問)この本文の数字の出どころ
- クーリング・オフの適用除外となる保険期間(この期間以下の契約は対象外) 1年
- 保険のクーリング・オフ期間 8日以内
- 経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)の早期是正措置の基準(保険会社) 100%
- 生命保険契約者保護機構の補償割合(高予定利率契約を除く) 90%
- 損害保険契約者保護機構の補償割合(自賠責保険・地震保険) 100%
- 損害保険の破綻後に保険金が全額支払われる事故の期間 破綻後3か月間
- 損害保険契約者保護機構の補償割合(自動車保険・火災保険など、破綻後3か月経過後の事故) 80%
- 損害保険契約者保護機構の補償割合(疾病・傷害に関する保険:年金払積立傷害保険・医療保険・介護費用保険など) 90%
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