分野 B|リスク管理
リスク管理と必要保障額
過去の公開問題では、家庭のリスク管理で保険の目的と種類の合う使い方を問う問題が、5回分で1問出ています。
最終更新
よく出る形
- 家庭のリスクに合う保険を選ぶ記述から、最も不適切なものを選ぶ(5回分で1問)。保険の目的と種類の取りちがえが入る
- 必要保障額(遺族に必要な死亡保障の額)の計算は、5回分にはまだ出ていませんが、出題範囲にある論点です
覚えること
- リスクの手法:回避(原因をやめる)・軽減(起きにくくする、損害を小さくする)
- リスクの手法:移転(保険などで他者に負担させる)・保有(自分で負担する)
- 保険に向くのは、起こる確率は低いが損害が大きいリスク(移転)。損害が小さいリスクは保有
- 死亡のリスク:遺族の生活資金には、定期保険・収入保障保険・終身保険などの死亡保障
- 医療費のリスク:医療保険・がん保険など。定期保険は死亡・高度障害の保障で、入院の医療費の備えではない
- 賠償責任のリスク:自転車などの日常生活の賠償は、火災保険などに付帯する個人賠償責任補償特約で備える
- 原動機付自転車(原付)の賠償責任は、個人賠償責任補償特約の対象外。自動車保険のファミリーバイク特約で備える
- 必要保障額=死亡後に遺族に必要な支出の総額-遺族の収入の見込額
- 遺族に必要な支出:生活費・葬儀費用・教育費・住宅ローンの返済など
- 遺族の収入の見込額:遺族年金・配偶者の収入・死亡退職金・金融資産など
- 住宅ローンは、団体信用生命保険(ローン残高を完済する保険)で完済される分を支出に入れない
- 必要保障額は、加入中の死亡保険金を考えずに求め、一般に子が成長するほど小さくなる
- 保障の過不足:必要保障額が加入中の死亡保障より大きければ不足、小さければ過剰
数字と計算
- 例:支出は生活費4,000万円+葬儀費用300万円+教育費1,200万円=5,500万円
- 例:収入は遺族年金2,500万円+妻の収入1,200万円+死亡退職金400万円=4,100万円
- 例:必要保障額(支出-収入の見込額)は5,500万円-4,100万円=1,400万円
ひっかけ
- 自転車の賠償は個人賠償責任補償特約、原付の賠償はファミリーバイク特約。取りちがえない
- 死亡保障の定期保険を、医療費の備えに選ばない
- 必要保障額の計算で、加入中の死亡保険金は収入に入れない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
家庭のリスク管理における保険の活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:2 同居の子が原動機付自転車で通学中に他人にケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、火災保険に個人賠償責任補償特約を付帯した。
ポイント
リスクの内容に合う保険や特約かどうかを見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
原動機付自転車の事故も個人賠償責任補償特約で備えられると思うと、2)を適切と見てしまいます。
- 賠償責任の備えは、自転車の事故なら個人賠償責任補償特約、原動機付自転車の事故なら自動車保険のファミリーバイク特約、と分かれます。
- 2)は、原動機付自転車の事故に個人賠償責任補償特約を付帯しているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、自動車保険にファミリーバイク特約を付帯した、です。
ほかの選択肢
- 1 収入保障保険は、被保険者の死亡後、遺族に保険金を年金の形で支払う保険です。遺族の生活資金を確保する目的に合うので、適切です。
- 3 医療保険は、入院や手術などの医療費の負担に備える保険です。目的に合う種類を選んでいるので、適切です。
- 4 自転車の事故による賠償責任は、火災保険などに付帯する個人賠償責任補償特約で備えられます。同居の子の事故も対象になるので、適切です。
覚えておくこと
- 賠償責任のリスク:自転車などの日常生活の賠償は、火災保険などに付帯する個人賠償責任補償特約で備える
- 原動機付自転車(原付)の賠償責任は、個人賠償責任補償特約の対象外。自動車保険のファミリーバイク特約で備える
(テーマ・覚えること)
リスクマネジメントの手法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:4 損害が小さいリスクを、貯蓄などの自己資金で負担することは、リスクの保有に当たる。
ポイント
リスクマネジメントの4つの手法の意味を見分けて、最も適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
4つの手法は、言葉の印象で取りちがえやすい所です。事故をなくすのか、負担を移すのか、自分で負担するのかで分けます。
- 回避は原因そのものをやめること、軽減は起きにくくする・損害を小さくすること、移転は保険などで負担を他者に移すこと、保有は自分で負担することです。
- 4)は、自己資金で負担するので保有に当たります。したがって、最も適切なのは 4 です。
ほかの選択肢
- 1 危険な行為をやめて原因をなくすことは、回避に当たります。移転は、保険などで損失の負担を他者に移すことです。
- 2 燃え広がりにくい建材は、事故が起きても損害を小さくするので、軽減に当たります。保有は、損失を自分で負担することです。
- 3 保険に加入して損失の負担を保険会社に移すことは、移転に当たります。回避は、事故の原因そのものをやめることです。
覚えておくこと
- リスクの手法:回避(原因をやめる)・軽減(起きにくくする、損害を小さくする)
- リスクの手法:移転(保険などで他者に負担させる)・保有(自分で負担する)
- 保険に向くのは、起こる確率は低いが損害が大きいリスク(移転)。損害が小さいリスクは保有
(テーマ・覚えること)
必要保障額に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:1 (ア)遺族の収入の見込額、(イ)不足
ポイント
必要保障額の求め方と、保障の過不足の見方を問う問題です。
考え方と解き方
必要保障額は、保険で備えるべき額を表します。差し引くのは遺族の収入で、加入中の死亡保険金は、求めたあとに比べる相手です。
- 必要保障額は、遺族に必要な支出の総額から、遺族年金や配偶者の収入などの遺族の収入の見込額を差し引いて求めます。加入中の死亡保険金額は、この計算に入れません。
- 求めた必要保障額が加入中の死亡保障より大きければ、差額の分だけ保障は不足しています。したがって、最も適切なのは 1 (ア)遺族の収入の見込額、(イ)不足 です。
ほかの選択肢
- 2 (イ)が違います。必要保障額が加入中の死亡保障より大きいときは、保障は不足です。過剰になるのは、加入中の死亡保障のほうが大きいときです。
- 3 (ア)が違います。差し引くのは、加入中の死亡保険金額ではなく、遺族の収入の見込額です。(イ)の不足は合っています。
- 4 (ア)も(イ)も違います。差し引くのは遺族の収入の見込額で、必要保障額が加入中の死亡保障より大きいときは不足です。
覚えておくこと
- 必要保障額=死亡後に遺族に必要な支出の総額-遺族の収入の見込額
- 遺族の収入の見込額:遺族年金・配偶者の収入・死亡退職金・金融資産など
- 保障の過不足:必要保障額が加入中の死亡保障より大きければ不足、小さければ過剰
(テーマ・覚えること)
下記〈資料〉に基づき、Aさんが死亡した場合の必要保障額として、最も適切なものはどれか。なお、住宅ローンは団体信用生命保険により死亡時に完済されるものとし、必要保障額は、加入中の死亡保険金を考えずに求めるものとする。
・遺族:妻と長男
・死亡後の遺族の生活費の総額:6,200万円
・葬儀費用:300万円
・長男の教育費の総額:1,500万円
・住宅ローンの残高:2,000万円
・遺族年金の総額:3,600万円
・妻の収入の総額:1,800万円
・死亡退職金:400万円
・金融資産:700万円
・加入中の死亡保険金:1,000万円
正解:3 1,500万円
ポイント
遺族に必要な支出と遺族の収入から、必要保障額を計算する問題です。
考え方と解き方
間違えやすいのは、団体信用生命保険で完済されるローン残高を支出に入れることと、加入中の死亡保険金を収入として差し引くことです。
- 住宅ローンは団体信用生命保険で完済されるので、支出に入れません。遺族に必要な支出は、生活費6,200万円+葬儀費用300万円+教育費1,500万円=8,000万円です。
- 遺族の収入の見込額は、遺族年金3,600万円+妻の収入1,800万円+死亡退職金400万円+金融資産700万円=6,500万円です。加入中の死亡保険金は入れません。
- 必要保障額は、8,000万円-6,500万円=1,500万円です。したがって、最も適切なのは 3 1,500万円 です。
ほかの選択肢
- 1 500万円:加入中の死亡保険金1,000万円も、収入として差し引いた額です(8,000万円-6,500万円-1,000万円)。加入中の死亡保険金は、必要保障額を求めたあとで、過不足を見るときに使います。
- 2 1,200万円:葬儀費用300万円を支出に入れなかった額です(7,700万円-6,500万円)。葬儀費用は、遺族に必要な支出に入ります。
- 4 3,500万円:団体信用生命保険で完済される住宅ローンの残高2,000万円も、支出に入れた額です(10,000万円-6,500万円)。
覚えておくこと
- 遺族に必要な支出:生活費・葬儀費用・教育費・住宅ローンの返済など
- 遺族の収入の見込額:遺族年金・配偶者の収入・死亡退職金・金融資産など
- 住宅ローンは、団体信用生命保険(ローン残高を完済する保険)で完済される分を支出に入れない
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
公開問題を解く(1問)同じ分野のテーマ(リスク管理)
- 契約者保護と保険契約のルール過去の公開問題では、損害保険の基本原則を問う問題と、保険法・保険業法を問う問題が、5回分で1問ずつ出ています。
- 少額短期保険過去の公開問題では、少額短期保険の上限・税の扱い・保護機構を問う問題が、5回分で2問出ています。
- 保険料のしくみ過去の公開問題では、生命保険の保険料の仕組みを問う問題が、5回分で2問出ています。
- 生命保険の種類過去の公開問題では、生命保険の商品性を4つの記述から選ぶ問題が、5回分で4問出ています。
- 契約の変更と特約過去の公開問題では、5回分にはまだ出ていませんが、出題範囲にある論点をまとめています。
- 個人年金保険・変額保険・外貨建保険過去の公開問題では、個人年金保険の商品性を4つの記述から選ぶ問題が、5回分で3問出ています。
- 医療保険・がん保険・先進医療・特約過去の公開問題では、第三分野の保険の商品性を4つの記述から選ぶ問題が、5回分で5問出ています。
- 生命保険料控除過去の公開問題では、生命保険料控除の対象になる保険料を選ぶ問題が3問、控除額を求める計算問題が1問、5回分で合わせて4問出ています。
- 保険金・給付金と税金過去の公開問題では、生命保険の税金を問う問題が4問、損害保険の税金を問う問題が2問、5回分で合わせて6問出ています。
- 法人契約の保険料の経理処理過去の公開問題では、法人契約の生命保険の保険料の経理処理を問う問題が4問、損害保険の経理処理を問う問題が2問、5回分で合わせて6問出ています。
- 団体保険と法人の福利厚生過去の公開問題では、総合福祉団体定期保険・団体定期保険の商品性を問う問題が2問、福利厚生の目的に合う保険を選ぶ問題が2問、5回分で合わせて4問出ています。
- 火災保険と地震保険過去の公開問題では、地震保険や火災保険の商品性を問う問題が、5回分で4問出ています。
- 自動車保険と自賠責過去の公開問題では、任意加入の自動車保険の補償を問う問題が3問、自賠責保険を問う問題が1問、5回分で合わせて4問出ています。
- 傷害保険と賠償責任保険過去の公開問題では、傷害保険の商品性が1問、事業活動のリスクに合う損害保険が2問、5回分で合わせて3問出ています。