分野 L|倫理・法規
請負・準委任・外部委託契約とNDA・ライセンス契約
今の制度の過去問には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『3 取引関連法規/取引関連法規』『3 取引関連法規/企業間の取引に関わる契約』
最終更新
問われ方
- 問われるとしたら:事例で、請負契約と準委任契約のどちらを結ぶかを選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、取適法にもとづく委託事業者の対応を選ぶ形
- 問われるとしたら:NDA、使用許諾契約、ボリュームライセンス契約の記述を a〜c の組合せで選ぶ形
- 問われるとしたら:情報システム・モデル取引・契約書の説明を選ぶ形
覚えること
- 請負契約(民法):仕事の完成を約束し、報酬は仕事の結果に対して支払う
- 準委任契約(民法):法律行為でない事務を委託する。受託者は善良な管理者の注意で処理する
- 請負と準委任の分け方:完成を約束させるなら請負、事務の遂行を任せるなら準委任
- 請負の不適合:契約に合わない物の納品には、報酬の減額などを請求できる(注文者の供した材料や指図による物は除く)
- 取適法(中小受託取引適正化法):製造委託、情報成果物作成委託などの取引を適正にする法律
- 取適法の対象:資本金又は従業員数の区分と、取引の内容(製造委託など)の両方で決まる
- 取適法の明示:委託したら直ちに、給付の内容、代金の額、支払期日などを書面又は電磁的方法で明示
- 取適法の改正:令和8年1月1日の施行で、題名と用語が変わった
- 外部委託契約:業務や開発を外部に任せる契約。範囲、責任、秘密の扱いなどを定める
- 守秘契約(NDA):秘密情報の範囲と、使ってよい目的を定め、開示を受けた側に守らせる契約
- ソフトウェア使用許諾契約(ライセンス契約):使用を許諾する契約。著作権は利用者に移らない
- 使用許諾の範囲:契約で定めた条件(台数、期間、目的)の範囲内でだけ使える
- ボリュームライセンス契約:多数の利用に向けて、使用許諾を数量でまとめて結ぶ契約
- ソフトウェア開発契約:システムの開発を委託する契約。請負か準委任かを決めて結ぶ
- ソフトウェア開発委託モデル契約:開発委託の契約書の雛型。条項の見本として使う
- 情報システム・モデル取引・契約書:システム開発の取引を透明化するための、偏りのない契約書の雛型
- 同モデル契約書の公表:IPA と経済産業省が、第二版を2020年12月に公表した
ひっかけ
- 請負は完成した結果に報酬、準委任は事務の遂行を任せる契約
- 取適法の明示は、口頭では足りない。書面又は電磁的方法で行う
- 使用許諾を受けても著作権は移らない。契約の台数を超える使用は範囲外
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんが選ぶ契約として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ 準委任契約とし、専門家としての助言と作業の遂行に対して報酬を支払う
ポイント
請負契約と準委任契約の、使い分けを問う問題です。
考え方と解き方
成果物の内容を決められない時に、完成を約束させる契約は結べません。委託元の立場なら、求めるのが完成した物か、専門家の作業そのものかを先に考えます。
- 請負は仕事の完成を約束する契約で、完成した結果に対して報酬を払います。成果物の内容を決められないので、完成を約束させる形は合いません。
- 求めるのは、期間中の専門家の助言と作業です。法律行為でない事務の委託なので、準委任契約が合います。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア 成果物の内容を決められないので、完成を約束させる請負契約は合いません。
- イ 完成の責任を問わない契約は、請負ではなく準委任の形です。請負は、仕事の完成を約束する契約です。
- エ 委任は、法律行為をすることを委託する契約です。要件の整理は法律行為ではないので、準委任に当たります。
覚えておくこと
- 請負契約(民法):仕事の完成を約束し、報酬は仕事の結果に対して支払う
- 準委任契約(民法):法律行為でない事務を委託する。受託者は善良な管理者の注意で処理する
- 請負と準委任の分け方:完成を約束させるなら請負、事務の遂行を任せるなら準委任
(テーマ・覚えること)
D さんが行う対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 委託したときに、給付の内容や代金の額などを、書面又は電磁的方法で明示する
ポイント
取適法にもとづく、委託事業者の対応を選ぶ問題です。
考え方と解き方
取適法は、委託側が守る義務を定めています。委託側の立場なら、急ぎかどうかではなく、委託した時にしなければならないことは何かを先に考えます。
- 顧客から請け負ったソフトウェアの一部の作成の委託は、情報成果物作成委託に当たります。委託事業者は、委託をしたときに直ちに、給付の内容、代金の額、支払期日などを、書面又は電磁的方法で明示します。
- この事例では仕様、納期、代金が決まっているので、後回しにできる事情もありません。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 代金などが未確定で正当な理由がある場合に限り、確定後に直ちに明示します。この事例は代金が決まっているので、当てはまりません。
- ウ 口頭では足りません。委託したときに、書面又は電磁的方法で明示する義務があります。
- エ 取適法は製造委託だけでなく、情報成果物作成委託も対象とします。顧客から請け負ったソフトウェアの一部の作成は、その委託に当たります。
覚えておくこと
- 取適法の明示:委託したら直ちに、給付の内容、代金の額、支払期日などを書面又は電磁的方法で明示
- 取適法(中小受託取引適正化法):製造委託、情報成果物作成委託などの取引を適正にする法律
- 取適法の対象:資本金又は従業員数の区分と、取引の内容(製造委託など)の両方で決まる
(テーマ・覚えること)
契約に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 守秘契約(NDA)では、秘密情報の範囲と、使ってよい目的を定めておく。
- b ソフトウェア使用許諾契約を結んでも、そのソフトウェアの著作権は利用者に移らない。
- c ボリュームライセンス契約で購入した台数を超えて複製して使っても、使用許諾の範囲内である。
正解:イ a、b
ポイント
守秘契約と使用許諾契約の、基本的な決まりを問う問題です。
考え方と解き方
契約で認められるのは、契約で定めた範囲と目的だけです。範囲を超えた使い方は、契約の外になります。管理者の立場なら、各記述が契約で許された範囲に収まるかを先に考えます。
- a は適切です。守秘契約では、秘密情報の範囲と、使ってよい目的を定めておきます。b は適切です。使用許諾は使うことを認める契約で、著作権は利用者に移りません。c は不適切です。購入した台数を超える複製と使用は、使用許諾の範囲外です。
- したがって、適切なのは a、b の全てで、イ です。
ほかの選択肢
- ア b も適切なので、a だけでは足りません。
- ウ c は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
- エ c は不適切です。適切なのは a と b です。
覚えておくこと
- 守秘契約(NDA):秘密情報の範囲と、使ってよい目的を定め、開示を受けた側に守らせる契約
- ソフトウェア使用許諾契約(ライセンス契約):使用を許諾する契約。著作権は利用者に移らない
- 使用許諾の範囲:契約で定めた条件(台数、期間、目的)の範囲内でだけ使える
(テーマ・覚えること)
情報システム・モデル取引・契約書の説明として、最も適切なものはどれか。
正解:エ システム開発の取引を透明にする、一方に偏らない契約書の雛型
ポイント
システム開発の委託で使う、モデル契約書の性格を選ぶ問題です。
考え方と解き方
名前の似た契約書や雛型と取りちがえやすい所です。この雛型は、開発を委託する取引の契約書で、どちらか一方に偏らないことを目指した物です。
- 情報システム・モデル取引・契約書は、IPA と経済産業省が公表した、システム開発の取引を透明化するための契約書の雛型で、ユーザー企業とベンダーのどちらか一方に偏らない契約書の作成を目指しています。
- したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 一方に偏らないことを目指しているので、受託者に不利な条項を標準にした雛型ではありません。
- イ 個人情報の取扱いの委託先の監督は、個人情報の保護に関する別の決まりの話です。この雛型は、システム開発の取引の契約書です。
- ウ 使用許諾条件は、ソフトウェア使用許諾契約の内容です。この雛型は、開発委託の取引を扱います。
覚えておくこと
- 情報システム・モデル取引・契約書:システム開発の取引を透明化するための、偏りのない契約書の雛型
- 同モデル契約書の公表:IPA と経済産業省が、第二版を2020年12月に公表した
(テーマ・覚えること)
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