分野 L|倫理・法規
著作権法(著作権・引用)
今の制度の過去問(6回分)では、プログラム作成を委託した時の著作権の原始的帰属を問う問題が1問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『1 知的財産権/著作権法』
最終更新
問われ方
- 業務委託で作らせたプログラムの著作権の原始的帰属を選ぶ形(6回分で1問)
- 問われるとしたら:事例で、他人の文章を引用する時の条件を選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、契約書で著作権を移す時の注意点を選ぶ形
- 問われるとしたら:著作権の発生と保護の対象を a〜c の組合せで選ぶ形
覚えること
- 著作権:思想又は感情を創作的に表現した著作物に生じる権利
- 著作権法:著作物と、著作者の権利を定める法律
- 無方式主義:著作権は創作した時に発生し、登録や届出は要らない
- 保護の対象:表現。事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道は言語の著作物でない
- プログラム:著作物として保護。作成に用いる言語、規約、解法には及ばない
- 原始的帰属:著作権が最初にだれのものになるか。原則は作った人(著作者)
- 職務著作:法人等の発意で従業員が職務上作成し、法人等の名義で公表する物は、別段の定めがなければ法人等が著作者
- プログラムの職務著作:公表の名義は問わず、発意と職務上の作成があれば法人等が著作者
- 委託して作らせた物:作った委託先の従業員の職務著作なら委託先が著作者。仕様を示しただけの委託元は著作者でない
- 著作権の譲渡:契約で移せる。翻案権等を特掲しないと、譲渡した側に残ると推定
- 著作者人格権:著作者の一身に専属し、譲渡できない
- 同一性保持権:意に反する変更、切除その他の改変を受けない権利(著作者人格権の一つ)
- 引用:公表された著作物を、公正な慣行に合致し、目的上正当な範囲内で利用
- 引用の出所:引用した著作物の出所を、合理的な方法で明示する
- 引用と許諾:条件を満たす引用は、著作権者の許諾を得なくてよい
ひっかけ
- 著作権は登録で生じるのではなく、創作した時に生じる
- 費用を出した委託元でも、契約がなければ著作権は移らない
- 著作権は譲渡できるが、著作者人格権は譲渡できない
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんが許諾を得ずに報告書の一部を利用する場合に、必要な対応として、最も適切なものはどれか。
正解:エ 公正な慣行に合う方法で、目的上必要な部分だけを使い、出所を示す
ポイント
他人の著作物を許諾なしで利用できる、引用の条件を問う問題です。
考え方と解き方
引用は、許諾が不要になる例外で、条件を満たす時だけ使えます。広報担当の立場なら、手間を省けるかではなく、自分の目的に対して必要な範囲かを先に考えます。
- 引用は、公表された著作物を、公正な慣行に合致し、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で利用する場合に認められます。利用した著作物の出所も明示します。
- B さんの目的は、報告書を取り上げて意見を述べることなので、必要な部分だけを、出所を示して使います。したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 全ページを使うことは、意見を述べる目的上正当な範囲を超えます。出所を付記しても、引用の範囲には収まりません。
- イ 条件を満たす引用は、許諾が不要です。使った後に許諾を求めることは、引用の条件ではありません。
- ウ 出所を示さない利用は、出所の明示という引用の条件を欠くので、適切ではありません。
覚えておくこと
- 引用:公表された著作物を、公正な慣行に合致し、目的上正当な範囲内で利用
- 引用の出所:引用した著作物の出所を、合理的な方法で明示する
- 引用と許諾:条件を満たす引用は、著作権者の許諾を得なくてよい
(テーマ・覚えること)
著作権に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 著作権は、創作した時に発生し、登録がなくても守られる。
- b インターネット上に公開されている文章は、著作物に当たらないので、自由に複製できる。
- c 事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道は、言語の著作物に当たらない。
正解:イ a、c
ポイント
著作権の発生と、保護の対象になる物を問う問題です。
考え方と解き方
著作権は、手続を経て生じる権利ではなく、創作的な表現に創作した時に生じる権利です。公開されているかどうかと、著作物かどうかは別の話です。
- a は適切です。著作権は創作した時に発生し、登録や届出は要りません。b は不適切です。インターネット上で公開されていても、創作的な表現であれば著作物なので、自由に複製はできません。c は適切です。事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道は、著作物に当たりません。
- したがって、適切なのは a、c の全てで、イ です。
ほかの選択肢
- ア c も適切なので、a だけでは足りません。
- ウ b は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
- エ b は不適切なので含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
覚えておくこと
- 無方式主義:著作権は創作した時に発生し、登録や届出は要らない
- 保護の対象:表現。事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道は言語の著作物でない
(テーマ・覚えること)
C さんが契約書の案について行う対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 翻案権等も譲渡の対象に含むと明記するよう、D 社と協議する
ポイント
委託して作らせたプログラムの著作権を、契約書で移す時の注意を問う問題です。
考え方と解き方
作った時点の著作者と、契約で移した後の権利者は別です。委託元の立場なら、改変して使い続けるために、契約書に何が書かれていれば足りるかを先に考えます。
- D 社の従業員が職務上作成したプログラムの著作者は、別段の定めがなければ D 社です。A 社が持つには、契約で著作権を譲渡してもらう必要があります。
- 著作権を譲渡する契約で、翻案権等が譲渡の対象として特掲されていないと、それらの権利は譲渡した D 社に残ると推定されます。機能追加は翻案に当たるので、これを明記してもらいます。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡できません。譲渡の旨を加えても、効力がありません。
- ウ 譲渡を受けても、著作者は D 社のままで、A 社は著作者になりません。翻案権等が特掲されていないと、D 社に残ると推定されます。
- エ 原始的な帰属は、作った D 社です。納品の時点で A 社に帰属するのではなく、契約による譲渡で移ります。
覚えておくこと
- 著作権の譲渡:契約で移せる。翻案権等を特掲しないと、譲渡した側に残ると推定
- 著作者人格権:著作者の一身に専属し、譲渡できない
- 委託して作らせた物:作った委託先の従業員の職務著作なら委託先が著作者。仕様を示しただけの委託元は著作者でない
(テーマ・覚えること)
プログラムの著作物の保護に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ 保護は、プログラムの作成に用いる言語、規約、解法には及ばない
ポイント
プログラムの著作物として、保護される範囲を問う問題です。
考え方と解き方
著作権が守るのは、創作的な表現です。プログラムそのものは守られますが、作る時に使う言語や決まり、手順の考え方まで独占させる仕組みではありません。
- プログラムは著作物として保護されます。ただし、その保護は、プログラムを作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法には及びません。
- したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア プログラム言語と規約は、保護が及ばない物です。
- イ 解法(アルゴリズム)も、保護が及ばない物です。
- エ 保護の対象は、作った人が従業員かどうかで決まりません。職務著作は、著作者がだれになるかの決まりです。
覚えておくこと
- プログラム:著作物として保護。作成に用いる言語、規約、解法には及ばない
- 職務著作:法人等の発意で従業員が職務上作成し、法人等の名義で公表する物は、別段の定めがなければ法人等が著作者
(テーマ・覚えること)
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