分野 E|不動産 よく出る

居住用財産などの譲渡の特例

過去の公開問題では、居住用財産の3,000万円特別控除と軽減税率の特例を比べる問題が2問、被相続人の居住用財産(空き家)の特例の問題が1問、5回分で合わせて3問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 3,000万円出どころ特別控除と軽減税率の特例を比べ、1か所だけ違う記述を選ぶ(5回分で2問)。期限・所有期間・併用を替える
  • 被相続人(亡くなった人)の居住用財産(空き家)の特例の要件を並べ、不適切な記述を選ぶ(5回分で1問)

覚えること

  • 3,000万円出どころ特別控除:現に住む家屋とその敷地を売ると、譲渡所得から最高3,000万円を控除(所有期間は問わない)
  • 売却期限(控除・軽減税率とも):以前住んでいた家屋は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日出どころ出どころまで
  • 対象外:配偶者や親子など特別の関係がある人への譲渡は、3,000万円出どころ特別控除も軽減税率の特例も使えない
  • 軽減税率の特例:所有期間は、譲渡した年の1月1日現在で10年出どころを超えること(家屋と敷地の両方)
  • 軽減税率の税率:課税長期譲渡所得金額6,000万円出どころ以下の部分は14.21%出どころ(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
  • 軽減税率の税率:課税長期譲渡所得金額6,000万円出どころを超える部分は、通常の長期譲渡所得と同じ20.315%出どころ
  • 併用:3,000万円出どころ特別控除と軽減税率の特例は、重複して適用を受けられる
  • 買換え特例:譲渡益の課税を繰り延べる(非課税ではない)。3,000万円出どころ特別控除・軽減税率の特例と併用不可
  • 買換え特例の所有期間:売却年の1月1日現在で10年を超える(居住期間10年以上出どころ)
  • 買換え特例の要件:2027年12月31日出どころまでに、売却代金1億円以下出どころで売る
  • 空き家特例:譲渡所得から最高3,000万円出どころを控除(相続人が3人以上は2,000万円出どころまで)
  • 空き家特例の対象:昭和56年5月31日出どころ以前に建築、区分所有建物登記なし、相続開始の直前まで被相続人のみが居住
  • 空き家特例の使い方:相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと
  • 空き家特例の売却:相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日出どころまで、売却代金1億円以下出どころ
  • 空き家特例の耐震:耐震基準に適合する家屋を売る(譲渡の日の属する年の翌年2月15日出どころまでの耐震改修・取壊しも可)
  • 空き家特例の適用:2027年12月31日出どころまでの譲渡が対象。取得費加算の特例とは併用できない
  • 取得費加算:相続税が課された人が、相続財産を売ると、相続税額の一部を取得費に加算できる
  • 取得費加算の期限:相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年出どころを経過する日まで
  • 取得費加算の加算額=その人の相続税額×(売った財産の相続税評価額÷課税価格の計算の基礎の財産の価額)。上限は譲渡益

数字と計算

  • 収入1億円、取得費と譲渡費用2,000万円。課税長期譲渡所得金額=1億円-2,000万円-3,000万円出どころ=5,000万円
  • 5,000万円は6,000万円出どころ以下なので、軽減税率(所有期間15年)で税額=5,000万円×14.21%出どころ=710.5万円

ひっかけ

  • 3,000万円出どころ特別控除は所有期間を問わない。10年出どころを超える所有期間が要るのは、軽減税率の特例(と買換え特例)
  • 空き家特例の期限を「相続開始の翌年末」とするのは誤り(相続の開始があった日から3年出どころを経過する年の年末まで)

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

居住用財産の3,000万円特別控除および居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。

正解:3 3,000万円特別控除は、居住の用に供さなくなった日から2年を経過する日までに譲渡しなければ、適用を受けることができない。

ポイント

居住用財産の3,000万円特別控除と軽減税率の特例の要件を比べて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

売却期限は、年数だけでなく、数え始める日と締め切りの日まで決まっています。年数を替えた記述が不適切になります。

  1. 3,000万円特別控除の売却期限は、以前住んでいた家屋では、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日です。所有期間は問われません。
  2. 3)は、期限を短くしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡しなければ、適用を受けることができない、です。

ほかの選択肢

  • 1 3,000万円特別控除には、所有期間の要件がありません。所有期間が短くても適用を受けられるので、適切です。
  • 2 夫婦や親子など特別の関係がある人への譲渡は、軽減税率の特例も、3,000万円特別控除も対象外です。適切です。
  • 4 軽減税率の特例の所有期間は、譲渡した年の1月1日現在で10年を超えることです。これに満たなければ適用を受けられないので、適切です。

覚えておくこと

  • 売却期限(控除・軽減税率とも):以前住んでいた家屋は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで
  • 対象外:配偶者や親子など特別の関係がある人への譲渡は、3,000万円特別控除も軽減税率の特例も使えない
  • 軽減税率の特例:所有期間は、譲渡した年の1月1日現在で10年を超えること(家屋と敷地の両方)

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:居住用財産を譲渡した場合の特別控除・居住用財産の軽減税率の特例の所有期間・居住用財産の3,000万円特別控除の売却期限・居住用財産の軽減税率の特例の売却期限

想定問題 2四答択一式

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)および特定のマイホームの買換え特例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。

正解:4 取得費加算の特例は、相続により取得した財産を、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合に適用を受けることができる。

ポイント

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例と、買換え特例の内容を問う問題です。

考え方と解き方

取得費加算は、売る期間に限りがあります。買換え特例は、課税をなくすのではなく先に送る制度で、ほかの特例と併用できません。この違いを取りちがえると、誤りになります。

  1. 取得費加算の特例は、相続や遺贈で財産を取得して相続税が課された人が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ったときに使えます。加算されるのは、その人の相続税額のうち、売った財産の分として計算した金額です。
  2. 4)は、この期間の内容と同じです。したがって、最も適切なのは 4 です。

ほかの選択肢

  • 1 加算額を、売った財産の相続税評価額そのものとしている所が違います。正しくは、その人の相続税額に、売った財産の相続税評価額が課税価格の計算の基礎になった財産の価額の中で占める割合を掛けた金額で、譲渡益が上限です。
  • 2 買換え特例は、課税の繰延べで、非課税ではありません。買い換えた家屋を将来売るときに、繰り延べた譲渡益も合わせて課税されます。
  • 3 買換え特例は、3,000万円特別控除と併用して適用を受けることができません。正しくは、売った年、その前年および前々年に、3,000万円特別控除などの適用を受けていないことが要件です。

覚えておくこと

  • 取得費加算の期限:相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで
  • 取得費加算の加算額=その人の相続税額×(売った財産の相続税評価額÷課税価格の計算の基礎の財産の価額)。上限は譲渡益
  • 買換え特例:譲渡益の課税を繰り延べる(非課税ではない)。3,000万円特別控除・軽減税率の特例と併用不可

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:居住用財産を譲渡した場合の特別控除・相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例の譲渡期限・特定のマイホームの買換え特例が使えない期間(ほかの特例の適用)

想定問題 3四答択一式

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句または数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、相続人は2人とし、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。

相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋(またはその敷地)を、相続の開始があった日から(ア)を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡し、譲渡対価の額が(イ)以下であるときは、譲渡所得の金額から最高(ウ)を控除することができる。

正解:3 (ア)3年、(イ)1億円、(ウ)3,000万円

ポイント

空き家特例の売却期限、売却代金の上限、控除額を問う問題です。

考え方と解き方

空き家特例は、年数と金額の条件がいくつも重なります。期限、売却代金の上限、控除額のうち、1つだけ替えた組み合わせに引っかからないようにします。

  1. 売却期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです(ア)。売却代金は1億円以下であることが必要です(イ)。
  2. 控除できる額は、最高3,000万円です(ウ)。相続人が3人以上の場合は2,000万円までですが、本問の相続人は2人です。したがって、最も適切なのは 3 (ア)3年、(イ)1億円、(ウ)3,000万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。売却期限は、5年ではなく、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。(イ)と(ウ)は合っています。
  • 2 (イ)が違います。売却代金の上限は、5,000万円ではなく、1億円以下です。(ア)と(ウ)は合っています。
  • 4 (ウ)が違います。控除額が2,000万円までになるのは、相続人が3人以上の場合です。(ア)と(イ)は合っています。

覚えておくこと

  • 空き家特例:譲渡所得から最高3,000万円を控除(相続人が3人以上は2,000万円まで)
  • 空き家特例の売却:相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、売却代金1億円以下

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:空き家特例の売却期限・空き家特例の売却代金の上限・空き家特例の特別控除の最高額・空き家特例の特別控除の額(相続人が3人以上の場合)

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づき、Aさんが居住用財産を譲渡した場合の税額(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)として、最も適切なものはどれか。なお、居住用財産の3,000万円特別控除と軽減税率の特例の両方の適用を受けるものとし、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。

〈資料〉
・譲渡収入金額:1億2,000万円
・取得費と譲渡費用の合計額:1,000万円
・所有期間:譲渡した年の1月1日現在で15年

正解:2 1,258.9万円

ポイント

3,000万円特別控除を引いたあとの金額に、軽減税率の特例の2つの税率を部分ごとに当てはめて、税額を求める問題です。

考え方と解き方

間違えやすい所は2つあります。特別控除を引く前の金額に税率をかけることと、税率を全体に1つだけ当てはめることです。税率は、課税長期譲渡所得金額の6,000万円を境に、部分ごとに分けて当てはめます。

  1. 課税長期譲渡所得金額は、1億2,000万円-1,000万円-3,000万円=8,000万円です。3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、併用できます。
  2. 軽減税率の特例の税率は、6,000万円以下の部分が14.21%、6,000万円を超える部分が20.315%です。
  3. 税額は、6,000万円×14.21%+(8,000万円-6,000万円)×20.315%=852.6万円+406.3万円=1,258.9万円です。したがって、最も適切なのは 2 1,258.9万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 1,136.8万円:8,000万円の全体に14.21%を当てはめた額です(8,000万円×14.21%)。14.21%は、6,000万円以下の部分だけの税率です。
  • 3 1,503.1万円:2つの税率を逆に当てはめた額です(6,000万円×20.315%+2,000万円×14.21%)。6,000万円以下の部分が14.21%で、超える部分が20.315%です。
  • 4 1,625.2万円:8,000万円の全体に20.315%を当てはめ、軽減税率の特例を使わなかった額です(8,000万円×20.315%)。

覚えておくこと

  • 軽減税率の税率:課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分は14.21%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
  • 軽減税率の税率:課税長期譲渡所得金額6,000万円を超える部分は、通常の長期譲渡所得と同じ20.315%
  • 併用:3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、重複して適用を受けられる

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:居住用財産を譲渡した場合の特別控除・居住用財産の軽減税率の特例で税率が変わる境目・居住用財産の軽減税率の特例の税率(課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分、所得税・復興・住民税の合計)・長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)

1問ずつの画面で解く(4問)

このテーマの公開問題

公開問題を解く(3問)

この本文の数字の出どころ

前のテーマ次のテーマ:土地の有効活用の方式

同じ分野のテーマ(不動産)