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民法の贈与契約

過去の公開問題では、民法上の贈与に関する記述を選ぶ問題が、5回分で3問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 民法上の贈与の4つの記述から、適切または不適切なものを選ぶ(5回分で3問)
  • 3問とも、書面によらない贈与・定期贈与・負担付贈与・死因贈与の4つが並ぶ

覚えること

  • 贈与:贈与者(与える人)が無償で与える意思を示し、受贈者(受ける人)が受諾して成立する契約
  • 書面によらない贈与:各当事者が解除できる。ただし、履行(引渡しなど)の終わった部分は解除できない
  • 書面による贈与:書面によらない贈与の解除の規定は、あてはまらない
  • 定期贈与(定期に給付する贈与):贈与者または受贈者の死亡で効力を失う
  • 負担付贈与(受贈者に負担を負わせる贈与):その性質に反しない限り、双務契約(双方が義務を負う契約)の規定を準用する
  • 負担付贈与:受贈者が負担を履行しなければ、相当の期間を定めて催告し、なお履行がなければ原則として解除できる
  • 負担付贈与:負担の利益を受ける人は、贈与者でも第三者でもよい
  • 負担付贈与:贈与者は、その負担の限度で、売主と同じ担保責任を負う
  • 死因贈与(贈与者の死亡で効力が生じる贈与):その性質に反しない限り、遺贈(遺言による贈与)の規定を準用する
  • 死因贈与:贈与者と受贈者の合意で成立する契約で、贈与者の一方的な意思表示だけでは成立しない
  • 死因贈与の契約書:遺言書ではないので、検認(家庭裁判所による遺言書の確認手続)は必要ない

ひっかけ

  • 書面によらない贈与で解除できないのは、履行の終わった部分だけ。終わった部分も解除できる、は誤り
  • 定期贈与は、どちらか一方が亡くなれば効力を失う。一方が生きていれば続く、は誤り
  • 死因贈与の契約書について、家庭裁判所に検認を請求する、は誤り

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:4 負担付贈与の贈与者は、受贈者の負担の限度においても、売主と同じ担保の責任を負わない。

ポイント

負担付贈与や死因贈与などの民法上のルールから、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

負担付贈与は、受贈者が負担を負う分だけ、売買に近い扱いを受けます。取りちがえやすいのは、贈与者の責任が、まったくないのか、負担の限度であるのかです。

  1. 負担付贈与(受贈者に一定の負担を負わせる贈与)では、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負います。
  2. 4)は、負担の限度でも担保の責任を負わないとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、負担付贈与の贈与者は、受贈者の負担の限度において、売主と同じ担保の責任を負う、です。

ほかの選択肢

  • 1 書面によらない贈与は各当事者が解除でき、解除できないのは履行の終わった部分だけです。この記述は適切です。
  • 2 定期の給付を目的とする贈与(定期贈与)は、贈与者または受贈者の死亡で効力を失います。適切です。
  • 3 死因贈与(贈与者の死亡で効力が生じる贈与)には、その性質に反しない限り、遺贈の規定が準用されます。適切です。

覚えておくこと

  • 負担付贈与:贈与者は、その負担の限度で、売主と同じ担保責任を負う
  • 書面によらない贈与:各当事者が解除できる。ただし、履行(引渡しなど)の終わった部分は解除できない
  • 死因贈与(贈与者の死亡で効力が生じる贈与):その性質に反しない限り、遺贈(遺言による贈与)の規定を準用する

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:2 死因贈与は、贈与者と受贈者の合意によって成立する契約であり、贈与者の一方的な意思表示だけでは成立しない。

ポイント

贈与の成立と、書面による贈与、死因贈与の成立のしかたから、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

死因贈与は、遺贈の規定が準用されるので、遺贈と同じ一方的な行為だと読み違えやすい贈与です。成立に相手の受諾がいるかどうかを見ます。

  1. 贈与は、贈与者が無償で与える意思を示し、受贈者が受諾して成立する契約です。死因贈与も契約なので、贈与者と受贈者の合意が必要で、贈与者の一方的な意思表示だけでは成立しません。
  2. 2)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。

ほかの選択肢

  • 1 贈与の成立に、受贈者の受諾はいらないとしている所が違います。正しくは、贈与者の意思表示に対し、受贈者が受諾して成立します。
  • 3 書面による贈与にも、書面によらない贈与と同じ解除ができるとしている所が違います。各当事者が解除できるのは、書面によらない贈与の履行の終わっていない部分です。
  • 4 受贈者が死亡しても効力を失わないとしている所が違います。正しくは、贈与者または受贈者のどちらが死亡しても、定期贈与は効力を失います。

覚えておくこと

  • 贈与:贈与者(与える人)が無償で与える意思を示し、受贈者(受ける人)が受諾して成立する契約
  • 書面による贈与:書面によらない贈与の解除の規定は、あてはまらない
  • 死因贈与:贈与者と受贈者の合意で成立する契約で、贈与者の一方的な意思表示だけでは成立しない

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

民法上の負担付贈与に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

負担付贈与の受贈者が、その負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めて(ア)をし、その期間内に履行がないときは、原則として、贈与者は当該贈与を(イ)することができる。また、負担付贈与の贈与者は、その負担の限度において、売主と同じ(ウ)の責任を負う。

正解:1 (ア)履行の催告、(イ)解除、(ウ)担保

ポイント

負担付贈与の解除の手続と、贈与者の責任の内容を問う問題です。

考え方と解き方

負担付贈与は、受贈者の義務と引きかえに贈与する点で、売買などの双務契約に近い扱いを受けます。解除の前に何をするかと、贈与者がどんな責任を負うかを分けて覚えます。

  1. 受贈者が負担を履行しないときは、贈与者が相当の期間を定めて履行を催告し(ア)、その期間内に履行がなければ、原則として解除できます(イ)。
  2. 贈与者は、受贈者の負担の限度において、売主と同じ担保の責任を負います(ウ)。したがって、最も適切なのは 1 (ア)履行の催告、(イ)解除、(ウ)担保 です。

ほかの選択肢

  • 2 (イ)が違います。契約の効力をなくす方法は、取消しではなく解除です。(ア)と(ウ)は合っています。
  • 3 (ウ)が違います。贈与者が負う責任は、保証ではなく、売主と同じ担保の責任です。(ア)と(イ)は合っています。
  • 4 (ア)が違います。解除の前に必要なのは、負担の免除ではなく履行の催告です。(イ)と(ウ)は合っています。

覚えておくこと

  • 負担付贈与:受贈者が負担を履行しなければ、相当の期間を定めて催告し、なお履行がなければ原則として解除できる
  • 負担付贈与:贈与者は、その負担の限度で、売主と同じ担保責任を負う
  • 負担付贈与(受贈者に負担を負わせる贈与):その性質に反しない限り、双務契約(双方が義務を負う契約)の規定を準用する

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

民法上の贈与の成立と効力に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:3 死因贈与は、贈与者の生存中から効力を生じ、受贈者は直ちに目的物の引渡しを請求することができる。

ポイント

死因贈与の効力が生じる時期と、負担付贈与の負担の利益を受ける人を含めて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

死因贈与は、契約を結んでも、効力が生じるのは贈与者が亡くなった時です。契約の時と効力の生じる時を取りちがえやすい所です。

  1. 死因贈与は、贈与者の死亡によって効力を生じる贈与です。贈与者の生存中は効力が生じないので、受贈者は引渡しを請求できません。
  2. 3)は、生存中から効力を生じるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、死因贈与は、贈与者の死亡によって効力を生じる、です。

ほかの選択肢

  • 1 解除の規定が当てはまるのは、書面によらない贈与です。書面による贈与はその対象にならないので、適切です。
  • 2 定期の給付を目的とする贈与は定期贈与にあたり、贈与者または受贈者の死亡で効力を失うので、適切です。
  • 4 負担付贈与の負担の利益を受ける人は、贈与者でも第三者でもよく、第三者のための負担でも成立するので、適切です。

覚えておくこと

  • 死因贈与(贈与者の死亡で効力が生じる贈与):その性質に反しない限り、遺贈(遺言による贈与)の規定を準用する
  • 負担付贈与:負担の利益を受ける人は、贈与者でも第三者でもよい
  • 書面による贈与:書面によらない贈与の解除の規定は、あてはまらない

(テーマ・覚えること)

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