分野 L|倫理・法規
AI倫理とAIガバナンス(XAI・HITL・AI利用ポリシー)
今の制度の過去問には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『2 AI倫理・AIガバナンス/AI倫理・AIガバナンス』
最終更新
問われ方
- 問われるとしたら:AI の判断に人を関与させる場面を選ぶ形
- 問われるとしたら:AI 利用ポリシーに定める内容を選ぶ形
- 問われるとしたら:AI サービスの入力情報の扱いを確かめる形
- 問われるとしたら:XAI・HITL・AI ガバナンスの意味を選ぶ形
覚えること
- AI ガバナンス:技術的・組織的・社会的システムの設計と運用
- その目的:リスクを受容可能な水準で管理しつつ、便益を最大化する
- AI ガバナンスは、環境・リスク分析、ゴール設定、設計、運用、評価を繰り返す
- AI 利用ポリシー:組織が AI をどう使うかを定めた方針。呼び方は組織による
- 内容の例:承認した AI の一覧、利用希望時の審査の手続、入力してよい情報の分類
- ポリシーは、禁止だけにせず、承認した手段とセットで決める
- 説明可能な AI(XAI):AI の出力の理由を、人が理解できる形で説明できる AI
- ヒューマンインザループ(HITL):AI の判断の過程や結果に、人の判断を介在させる
- AI の出力を鵜呑みにしない。承認する時は、理由や根拠を自分で考える
- AI サービスのオプトアウトポリシー:入力情報を学習に使わせない選択に関する方針
- 利用前に事業者の利用規約やプライバシーポリシーを確認し、入力する情報に合わせて判断
- オプトアウトの確認点:既定で学習に使われるか、設定を誰がどこまで変えられるか
- 参考:生成 AI に理由を言わせても、内部の決定ロジックの説明とは限らない
- AI 倫理は、人間中心、公平性、透明性、アカウンタビリティなどの原則で考える
- 用語例(名前を押さえる):AI 倫理アセスメント
ひっかけ
- XAI(理由を説明)と HITL(人が関与)の取りちがえ
- AI 利用ポリシー(方針)と手順書(具体的な手順)の取りちがえ
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
F さんが決める AI の選び方と使い方として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ 評価に影響した要素が示される AI を選び、最終の合否は人が根拠を確かめて決める
ポイント
AI を人事の判断に使う場面で、説明できることと人の関与を選ぶ問題です。
考え方と解き方
XAI は理由を示す工夫で、HITL は人が判断に加わる工夫です。似ていますが、役割がちがいます。人事部の F さんの立場なら、まず、理由を説明できるか、結果にだれが責任をもつかを考えます。
- 応募者に理由を説明する必要があるので、評価に影響した要素を人が理解できる形で示す AI(説明可能な AI)を選びます。
- 全ての合否は人が確認して決める方針なので、人が根拠を確かめて最終の合否を決める形(ヒューマンインザループ)にします。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア 合否を自動で通知すると、人が確認して決める方針に合いません。問合せがあった分だけ確認する形では、全ての応募者を人が見ることになりません。
- イ 評価の根拠が示されないと、理由を問われても説明できません。出力のとおりに決めるのも、人が確認して決める方針に合いません。
- エ 下位の応募者を AI の判断のまま不合格にすると、全ての合否を人が確認して決める方針に合いません。
覚えておくこと
- 説明可能な AI(XAI):AI の出力の理由を、人が理解できる形で説明できる AI
- ヒューマンインザループ(HITL):AI の判断の過程や結果に、人の判断を介在させる
- AI の出力を鵜呑みにしない。承認する時は、理由や根拠を自分で考える
(テーマ・覚えること)
G さんが AI 利用ポリシーに定める内容として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 承認した AI の一覧、利用の審査手続、入力してよい情報の分類を全社で定める
ポイント
AI 利用ポリシーに定める内容を選ぶ問題です。
考え方と解き方
ポリシーは、何を使ってよいか、どう申請するか、何を入力してよいかを、組織として決めて周知するためのものです。管理者の立場なら、まず、全社で決めておくことは何かを考えます。
- 実態が把握できていないので、全社の決まりとして、承認した AI の一覧、利用希望時の審査の手続、入力してよい情報の分類を定めます。
- これらを文書にして周知することで、組織として利用を管理できます。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 部門ごとの個別の許可だけでは、全社として利用の実態を把握できません。一覧や分類も、全社の決まりとして定める必要があります。
- ウ 入力してよい情報は、提供事業者の範囲ではなく、組織が自社の情報の分類に合わせて決めます。
- エ 全面的な禁止だけで代わりの手段がないと、業務の要望に応えられません。承認した手段を提供しながら決めます。
覚えておくこと
- AI 利用ポリシー:組織が AI をどう使うかを定めた方針。呼び方は組織による
- 内容の例:承認した AI の一覧、利用希望時の審査の手続、入力してよい情報の分類
- ポリシーは、禁止だけにせず、承認した手段とセットで決める
(テーマ・覚えること)
AI ガバナンス・XAI・HITL に関する a〜c の記述のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 説明可能な AI(XAI)は、AI の判断に人の判断を介在させる仕組みを指す。
- b ヒューマンインザループ(HITL)は、AI の判断の過程や結果に人の判断を介在させる考え方である。
- c AI ガバナンスは、AI のリスクを受容可能な水準で管理しつつ、便益を最大化するために、技術的・組織的・社会的システムを設計し運用することである。
正解:エ b、c
ポイント
AI ガバナンス・XAI・HITL の意味を、取りちがえずに選ぶ問題です。
考え方と解き方
XAI は理由を人が理解できるようにする考え方で、HITL は人の判断を介在させる考え方です。a は HITL の説明になっています。
- a は不適切です。XAI は、AI の出力の理由を人が理解できる形で説明できることで、人の判断を介在させる考え方は HITL です。b は適切です。HITL は、AI の判断の過程や結果に人の判断を介在させる考え方です。c は適切です。AI ガバナンスは、リスクを受容可能な水準で管理しつつ便益を最大化するために、技術的・組織的・社会的システムを設計し運用することです。
- したがって、適切なのは b、c の全てで、エ です。
ほかの選択肢
- ア a は不適切なので含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
- イ a は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
- ウ a は不適切です。また、b も適切なので、a、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- 説明可能な AI(XAI):AI の出力の理由を、人が理解できる形で説明できる AI
- ヒューマンインザループ(HITL):AI の判断の過程や結果に、人の判断を介在させる
- AI ガバナンス:技術的・組織的・社会的システムの設計と運用
(テーマ・覚えること)
I さんが採用前に確認する点として、最も適切なものはどれか。
正解:イ 入力情報が既定で学習に使われるかと、使わせない設定を誰がどこまで変えられるかを、規約や管理画面で確認する
ポイント
AI サービスの、学習に使わせない選択に関する方針を、採用前に確かめる問題です。
考え方と解き方
学習に使わせない選択は、設定があるかだけでなく、既定の状態と、だれがどこまで変えられるかで、組織としての管理のしやすさが変わります。情報システム部の I さんの立場なら、採用前に確かめる項目を先に考えます。
- 利用規約や管理画面の説明で、入力情報が既定で学習に使われるか、学習に使わせない設定をだれがどこまで変えられるかを確認します。
- 組織として管理できるかを判断してから採用します。したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 知名度や利用者の多さは、入力情報の扱いの根拠になりません。利用規約の確認を省くのは適切ではありません。
- ウ 各利用者の設定に任せると、組織として学習に使わせない状態を保てません。
- エ 設定の有無だけでは足りません。既定の状態や、変更できる者によって、組織として管理できるかが変わります。
覚えておくこと
- AI サービスのオプトアウトポリシー:入力情報を学習に使わせない選択に関する方針
- オプトアウトの確認点:既定で学習に使われるか、設定を誰がどこまで変えられるか
- 利用前に事業者の利用規約やプライバシーポリシーを確認し、入力する情報に合わせて判断
(テーマ・覚えること)
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