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不動産の登記・調査と価格
過去の公開問題では、登記や調査の記述を選ぶ問題が3問、土地の価格が1問、鑑定評価の手法が1問、5回分で合わせて5問出ています。
最終更新
よく出る形
- 登記・調査の記述から適切/不適切を選ぶ(5回分で3問)。甲区・乙区、公信力、登記事項証明書が並ぶ
- 土地の価格の基準日や水準を比べる(5回分で1問)。公示価格・基準地価・路線価・固定資産税評価額が並ぶ
- 鑑定評価の手法の説明から不適切を選ぶ(5回分で1問)。直接還元法とDCF法の説明を取りちがえる
覚えること
- 登記記録:表題部(物理的な現況)と権利部に分かれ、権利部は甲区(所有権)と乙区(所有権以外)
- 乙区に記録:抵当権の債権額・抵当権者、地上権、賃借権など。抵当権は甲区には記録されない
- 登記の効力:第三者への対抗力はあるが、公信力はない(登記を信じて取引しても保護されないことがある)
- 登記事項証明書:所有者以外でも、手数料を納めれば請求できる
- 登記の事務:登記所(法務局)がつかさどる。市区町村の役所ではない
- 床面積の記録:区分建物を除く建物は壁芯面積、区分建物は内法面積
- 所有権保存登記:権利部甲区の最初の登記。申請の義務はない(建物の表題登記には義務がある)
- 調査の資料:公図は地図に準ずる図面(位置関係・形状)、地積測量図は土地の面積などの測量結果の図面
- 借地権:土地と建物の所有者が違えば、借地権の登記がなくても借地権があることがある
- 公示価格:価格時点は毎年1月1日出どころ、土地鑑定委員会が3月出どころに公表。更地としての価格
- 基準地価:価格時点は毎年7月1日出どころ、都道府県知事が9月出どころに公表。公示価格を補う
- 相続税路線価:評価時点は毎年1月1日出どころ、国税局長が決めて7月出どころに公表。公示価格の8割程度
- 固定資産税評価額:公示価格の7割程度出どころ。評価替えは3年出どころに1度
- 原価法:再調達原価(今新しく造る費用)を求め、減価修正(古さの分の差引き)をして価格を求める
- 取引事例比較法:多数の取引事例を集め、事情補正・時点修正をして価格を求める
- 収益還元法:自用の不動産でも、賃貸を想定すれば適用できる
- 直接還元法:一期間の純収益を、還元利回りで還元して価格を求める
- DCF法:連続する複数の期間の純収益と復帰価格(売却時の価格)を、現在価値に割り引いて合計する
ひっかけ
- 直接還元法とDCF法の説明を入れかえた文に注意(連続する複数の期間はDCF法)
- 登記を信じて取引した者が常に保護される、とする文は不適切(公信力がない)
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:2 所有権に関する事項は、不動産の登記記録の権利部乙区に記録される。
ポイント
登記記録の構成と、登記事項証明書などの内容から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
権利部は甲区と乙区に分かれます。所有権は甲区、所有権以外の権利は乙区と、記録先を取りちがえると誤りになります。
- 甲区には所有権に関する事項が、乙区には所有権以外の権利(抵当権・地上権・賃借権など)に関する事項が記録されます。
- 2)は、所有権に関する事項を乙区としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、所有権に関する事項は、権利部甲区に記録される、です。
ほかの選択肢
- 1 登記記録は表題部と権利部に分かれ、権利部は甲区と乙区に区分されます。適切です。
- 3 登記事項証明書は、所有者以外の人も、手数料を納めれば請求できます。適切です。
- 4 区分建物を除く建物の床面積は壁芯面積で記録され、区分建物は内法面積で記録されます。適切です。
覚えておくこと
- 登記記録:表題部(物理的な現況)と権利部に分かれ、権利部は甲区(所有権)と乙区(所有権以外)
- 登記事項証明書:所有者以外でも、手数料を納めれば請求できる
- 床面積の記録:区分建物を除く建物は壁芯面積、区分建物は内法面積
(テーマ・覚えること)
不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:3 地積測量図は、土地の面積などを測量した結果を示す図面で、土地の分筆の登記などの申請に添付される。
ポイント
登記の効力と、調査に使う図面の内容から、最も適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
登記には対抗力はあっても公信力はありません。借地権や保存登記の申請義務も、思いこみで答えやすい所です。
- 登記を信じて取引しても保護されないことがあり、借地権は登記がなくても設定されていることがあります。所有権保存登記には、申請の義務がありません。
- 地積測量図は、土地の面積などを測量した結果を示す図面です。3)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。
ほかの選択肢
- 1 登記に公信力があるとしている所が違います。正しくは、公信力はなく、登記を信じて取引しても保護されないことがあります。
- 2 借地権の登記がなければ借地権はないとしている所が違います。正しくは、登記がなくても借地権が設定されていることがあります。
- 4 所有権保存登記に申請の義務があるとしている所が違います。正しくは、申請の義務はありません(建物の表題登記には義務があります)。
覚えておくこと
- 登記の効力:第三者への対抗力はあるが、公信力はない(登記を信じて取引しても保護されないことがある)
- 借地権:土地と建物の所有者が違えば、借地権の登記がなくても借地権があることがある
- 調査の資料:公図は地図に準ずる図面(位置関係・形状)、地積測量図は土地の面積などの測量結果の図面
(テーマ・覚えること)
土地の価格に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:1 (ア)毎年7月1日、(イ)8割、(ウ)3年
ポイント
基準地価の価格時点、相続税路線価の水準、固定資産税評価額の評価替えの間隔を問う問題です。
考え方と解き方
土地の価格は、基準日や水準、評価替えの間隔がそれぞれ違います。1つずつ、どの価格の話かを見分けます。
- 基準地価の価格時点は毎年7月1日です。相続税路線価は公示価格の8割程度を目安に定められ、固定資産税評価額は3年に1度評価替えが行われます。
- したがって、最も適切なのは 1 (ア)毎年7月1日、(イ)8割、(ウ)3年 です。
ほかの選択肢
- 2 (イ)が違います。7割程度は固定資産税評価額の水準で、相続税路線価は公示価格の8割程度です。
- 3 (ア)が違います。毎年1月1日は公示価格の価格時点で、基準地価は毎年7月1日です。
- 4 (ウ)が違います。5年は実際より長い間隔です。固定資産税評価額の評価替えは3年に1度です。
覚えておくこと
- 基準地価:価格時点は毎年7月1日、都道府県知事が9月に公表。公示価格を補う
- 相続税路線価:評価時点は毎年1月1日、国税局長が決めて7月に公表。公示価格の8割程度
- 固定資産税評価額:公示価格の7割程度。評価替えは3年に1度
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:基準地価(都道府県地価調査)の価格時点・基準地価の公表時期・公示価格の価格時点(基準日)・固定資産税評価額の評価替えの間隔・固定資産税評価額の水準(公示価格に対して)・相続税路線価の評価時点・相続税路線価の公表時期・相続税路線価の水準(公示価格に対して)
不動産の価格を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:2 原価法は、価格時点における再調達原価を求め、この再調達原価について事情補正および時点修正を行って価格を求める手法である。
ポイント
鑑定評価の3つの手法の内容から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
手法ごとに、価格を求めるときの手続きの言葉が決まっています。事情補正・時点修正は取引事例比較法の手続き、減価修正は原価法の手続きです。
- 原価法は、再調達原価を求め、減価修正(古さの分の差引き)をして価格を求めます。事情補正・時点修正は、取引事例比較法で行う手続きです。
- 2)は、原価法の手続きを事情補正と時点修正としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、原価法は、再調達原価について減価修正を行って価格を求める、です。
ほかの選択肢
- 1 取引事例比較法は、多数の取引事例を集め、事情補正・時点修正をして価格を求めます。適切です。
- 3 DCF法は、連続する複数の期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計します。適切です。
- 4 直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りで還元して価格を求めます。適切です。
覚えておくこと
- 原価法:再調達原価(今新しく造る費用)を求め、減価修正(古さの分の差引き)をして価格を求める
- 取引事例比較法:多数の取引事例を集め、事情補正・時点修正をして価格を求める
- DCF法:連続する複数の期間の純収益と復帰価格(売却時の価格)を、現在価値に割り引いて合計する
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第41問不動産鑑定評価基準における不動産の価格を求め…四答択一式
- 2024年9月 第41問不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最…四答択一式
- 2025年1月 第41問不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最…四答択一式
- 2025年5月 第41問不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最…四答択一式・まずこの1問
- 2026年5月 第41問土地の価格に関する次の記述のうち、最も不適切…四答択一式
この本文の数字の出どころ
- 基準地価(都道府県地価調査)の価格時点 毎年7月1日
- 基準地価の公表時期 9月
- 公示価格の価格時点(基準日) 毎年1月1日
- 公示価格の公表時期 3月
- 固定資産税評価額の評価替えの間隔 3年に1度
- 固定資産税評価額の水準(公示価格に対して) 7割程度
- 相続税路線価の評価時点 毎年1月1日
- 相続税路線価の公表時期 7月
- 相続税路線価の水準(公示価格に対して) 8割程度
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