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相続税の課税価格と基礎控除

過去の公開問題では、遺産に係る基礎控除額を問う問題が、記述で1問、計算で1問、5回分で合わせて2問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 基礎控除額の算式と、法定相続人の数の数え方を、記述で問う(5回分で1問)
  • 実子の放棄と養子を含めて、基礎控除額を求める計算が出る(5回分で1問)

覚えること

  • 課税価格=相続・遺贈(遺言で渡すこと)で取得した財産(みなし相続財産を含む)-非課税財産-債務・葬式費用
  • 相続時精算課税(贈与時に選ぶ課税方式)の贈与財産も加える。赤字なら0とし、暦年課税の加算分を足す
  • みなし相続財産:被相続人(亡くなった人)が保険料を負担した死亡保険金、死亡退職金(死亡後3年以内出どころに支給が確定したもの)
  • 生前贈与加算:相続・遺贈で財産を取得した人が受けた暦年課税の贈与を、贈与時の価額で加算
  • 加算の期間:相続開始が2026年12月31日までなら、相続開始前3年以内出どころ(贈与税がかからない贈与も加算)
  • 精算課税の贈与財産:贈与時の価額を加算(2024年1月1日以後出どころの贈与は年110万円出どころを引いた残額)
  • 非課税限度額:死亡保険金も死亡退職金も、それぞれ500万円出どころ出どころ×法定相続人の数
  • 非課税が使えるのは、相続人が受け取った分だけ(放棄した人・相続人以外の人は使えない)
  • 各人の非課税額:受取額の合計が限度額を超えるとき、限度額×その人の受取額÷相続人全員(放棄した人を除く)の合計
  • 債務控除:被相続人の借入金・未払金、死亡後に納める所得税などと、葬式費用を引く
  • 引けるのは負担した相続人・包括受遺者(遺言で割合を受けた人)。墓地・仏壇など非課税財産の未払代金は引けない
  • 葬式費用:通夜・火葬・納骨・読経料は入る。香典返し・墓石や墓地の購入費・初七日は入らない
  • 遺産に係る基礎控除額=3,000万円出どころ+600万円出どころ×法定相続人の数
  • 法定相続人の数:相続を放棄した人も、放棄がなかったものとして数える(非課税限度額も同じ数)
  • 放棄した人の子は代襲相続人にならない(代襲は、子の死亡・欠格・廃除のとき)
  • 普通養子の数の限度:実子がいるときは1人、いないときは2人まで出どころ
  • 実子と同じに数える人:特別養子、配偶者の実子で被相続人の養子になった人、代襲相続人(子に代わる孫)
  • 参考:相続開始が2027年1月1日〜2030年12月31日なら、2024年1月1日出どころから相続開始の日までの贈与を加算
  • 参考:相続開始が2031年1月1日以後なら、相続開始前7年以内出どころ(延長分は総額100万円出どころまで加算されない)

数字と計算

  • 例:配偶者、実子3人、普通養子2人。養子は限度まで数えるので、法定相続人は5人
  • 基礎控除額は、3,000万円出どころ+600万円出どころ×5人=6,000万円
  • 例:死亡保険金。法定相続人が5人なら、非課税限度額は500万円出どころ×5人=2,500万円

ひっかけ

  • 放棄した人は、法定相続人の数には数えるが、死亡保険金・死亡退職金の非課税は使えない
  • 遺贈も死亡保険金の受け取りもない、相続人でない孫への贈与は、加算の対象外

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

相続税における遺産に係る基礎控除額の計算上の法定相続人の数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:3 被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者は、普通養子と同じく、養子の数の限度の中で数える。

ポイント

法定相続人の数に含める養子の数の決まりから、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

養子には、数の限度がある普通養子と、実子と同じに扱われて限度の外になる養子があります。どの養子が限度の外かを取りちがえると、適切な記述が不適切に見えます。

  1. 法定相続人の数に含める普通養子の数は、実子がいるときは1人、いないときは2人までです。特別養子、配偶者の実子で被相続人の養子になった人、代襲相続人は、実子と同じに扱われ、この限度の外にあります。
  2. 3)は、配偶者の実子で被相続人の養子になった人を、限度の中で数えるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、配偶者の実子で被相続人の養子になった人は、実子と同じに扱われ、養子の数の限度に関係なく数える、です。

ほかの選択肢

  • 1 特別養子縁組による養子は、実の子供として扱われ、人数の限度なく法定相続人の数に含まれるので、適切です。
  • 2 数に含める普通養子は、実子がいるときは1人、いないときは2人までという限度が決まっているので、適切です。
  • 4 子が先に死亡して代わりに相続人となった孫(代襲相続人)は、実の子供として扱われ、法定相続人の数に含まれるので、適切です。

覚えておくこと

  • 普通養子の数の限度:実子がいるときは1人、いないときは2人まで
  • 実子と同じに数える人:特別養子、配偶者の実子で被相続人の養子になった人、代襲相続人(子に代わる孫)
  • 法定相続人の数:相続を放棄した人も、放棄がなかったものとして数える(非課税限度額も同じ数)

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:法定相続人の数に含める養子の数の限度

想定問題 2四答択一式

相続税における死亡保険金および死亡退職金の非課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:3 死亡保険金の非課税の規定は、相続人が受け取った分に適用され、相続人以外の人が受け取った分には適用されない。

ポイント

死亡保険金と死亡退職金の非課税の決まりについて、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

非課税の規定は、だれが受け取った分に使えるか、各人の額をどう決めるか、死亡退職金の条件は何か、で間違えやすい所です。

  1. 死亡保険金の非課税限度額は、500万円×法定相続人の数で、相続人が受け取った分だけに使えます。相続を放棄した人や、相続人以外の人が受け取った分には使えません。
  2. 3)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。

ほかの選択肢

  • 1 人数で等分するとしている所が違います。正しくは、受取額の合計が限度額を超えるとき、各人の非課税額は、限度額に、その人の受取額が相続人全員の受取額の合計に占める割合を掛けて求めます。
  • 2 確定の時期を問わないとしている所が違います。正しくは、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものが、みなし相続財産になります。
  • 4 死亡保険金と死亡退職金を合わせた限度としている所が違います。正しくは、それぞれに500万円×法定相続人の数の非課税限度額があり、別々に計算します。

覚えておくこと

  • 非課税限度額:死亡保険金も死亡退職金も、それぞれ500万円×法定相続人の数
  • 各人の非課税額:受取額の合計が限度額を超えるとき、限度額×その人の受取額÷相続人全員(放棄した人を除く)の合計
  • みなし相続財産:被相続人(亡くなった人)が保険料を負担した死亡保険金、死亡退職金(死亡後3年以内に支給が確定したもの)

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:死亡保険金の非課税限度額(法定相続人1人あたり)・死亡退職金がみなし相続財産になる期間(被相続人の死亡後、支給が確定するまで)・死亡退職金の非課税限度額(法定相続人1人あたり)

想定問題 3四答択一式

相続税における生前贈与加算に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、相続の開始は2026年(令和8年)10月とする。

相続または遺贈により財産を取得した人が、被相続人から暦年課税の贈与で受けた財産は、相続開始前(ア)以内に取得したものを、(イ)の価額で課税価格に加算する。贈与税がかからなかった基礎控除以下の贈与は、(ウ)。

正解:4 (ア)3年、(イ)贈与時、(ウ)加算される

ポイント

生前贈与加算の期間、加算する価額、基礎控除以下の贈与の扱いを問う問題です。

考え方と解き方

加算の対象かどうかは、いつの贈与か、いくらの価額で加算するかで決まります。期間は相続開始の時期で変わるので、問題文の相続開始の時期を先に見ます。

  1. 相続開始が2026年12月31日までの場合、加算する贈与は相続開始前3年以内に取得した分です。加算する価額は、相続開始時の価額ではなく、贈与時の価額です(ア)(イ)。
  2. 贈与税がかからなかった基礎控除以下の贈与も、加算の対象です(ウ)。したがって、最も適切なのは 4 (ア)3年、(イ)贈与時、(ウ)加算される です。

ほかの選択肢

  • 1 (イ)が違います。加算する価額は、相続開始時ではなく贈与時の価額です。(ア)と(ウ)は合っています。
  • 2 (ウ)が違います。贈与税がかからなかった基礎控除以下の贈与も、加算されます。(ア)と(イ)は合っています。
  • 3 (ア)が違います。相続開始前7年以内は、相続開始が2031年1月1日以後の場合の期間です。2026年の相続開始では、相続開始前3年以内です。(イ)と(ウ)は合っています。

覚えておくこと

  • 生前贈与加算:相続・遺贈で財産を取得した人が受けた暦年課税の贈与を、贈与時の価額で加算
  • 加算の期間:相続開始が2026年12月31日までなら、相続開始前3年以内(贈与税がかからない贈与も加算)

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:生前贈与加算の期間(延長後)・生前贈与加算の期間(相続開始が2026年12月31日まで)

想定問題 4四答択一式

下記の〈事例〉に基づく、Aさんの相続に係る相続税の課税価格の合計額として、最も適切なものはどれか。なお、〈事例〉に記載のない事項は考慮しないものとする。

〈事例〉
・Aさんは2026年(令和8年)10月に死亡した。法定相続人は、配偶者Bさん、子Cさん、子Dさん、子Eさんの4人で、全員が相続により財産を取得した
・土地・建物の相続税評価額:5,000万円
・預貯金・有価証券:3,000万円
・死亡保険金:3,000万円(Aさんが保険料を全額負担した契約で、受取人はBさん)
・借入金:800万円
・葬式費用:通夜・火葬・読経料などが200万円、香典返しの費用が40万円
・Cさんは、2025年(令和7年)にAさんから現金200万円、2021年(令和3年)にAさんから現金300万円の贈与(いずれも暦年課税)を受けた

正解:2 8,200万円

ポイント

非課税財産、債務・葬式費用、生前贈与加算を当てはめて、課税価格の合計額を求める計算問題です。

考え方と解き方

間違えやすい所は、死亡保険金の非課税限度額を使い忘れること、加算する贈与の期間を取りちがえること、加算そのものを忘れることです。

  1. 死亡保険金は、相続人のBさんが受け取るので、非課税限度額が使えます。限度額は、500万円×法定相続人の数で、500万円×4人=2,000万円です。課税される保険金は、3,000万円-2,000万円=1,000万円です。
  2. 引けるのは、借入金800万円と、通夜・火葬・読経料などの葬式費用200万円の合計1,000万円です。香典返しの費用40万円は、葬式費用に入りません。
  3. 相続開始が2026年12月31日までなので、加算する贈与は相続開始前3年以内の分です。2025年の200万円は加算し、それより前の2021年の300万円は加算しません。
  4. 課税価格の合計額は、(5,000万円+3,000万円)+1,000万円-1,000万円+200万円=8,200万円です。したがって、最も適切なのは 2 8,200万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 8,000万円:生前贈与加算を忘れた額です(8,000万円+1,000万円-1,000万円)。相続開始前3年以内に受けた200万円の贈与は、課税価格に加算します。
  • 3 8,500万円:加算する期間より前の2021年の300万円も加算した額です(8,200万円+300万円)。加算するのは、相続開始前3年以内の贈与だけです。
  • 4 10,200万円:死亡保険金3,000万円の非課税限度額を使わず、全額を加えた額です(8,200万円+2,000万円)。相続人が受け取った分は、500万円×法定相続人の数の限度額まで非課税です。

覚えておくこと

  • 課税価格=相続・遺贈(遺言で渡すこと)で取得した財産(みなし相続財産を含む)-非課税財産-債務・葬式費用
  • 加算の期間:相続開始が2026年12月31日までなら、相続開始前3年以内(贈与税がかからない贈与も加算)
  • 非課税限度額:死亡保険金も死亡退職金も、それぞれ500万円×法定相続人の数

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:生前贈与加算の期間(相続開始が2026年12月31日まで)・死亡保険金の非課税限度額(法定相続人1人あたり)・死亡退職金の非課税限度額(法定相続人1人あたり)

1問ずつの画面で解く(4問)

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