分野 F|相続・事業承継 よく出る

成年後見制度

過去の公開問題では、任意後見制度が1問、法定後見制度が1問、5回分で合わせて2問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 任意後見の契約の方式、効力が生じる時期、任意後見監督人の欠格の記述で不適切を選ぶ(5回分で1問)
  • 法定後見の仕組みと類型を、空欄の組合せで問う(5回分で1問)

覚えること

  • 成年後見制度(判断能力が不十分な人を法律面で支える制度)は、法定後見と任意後見に分かれる
  • 法定後見:本人の判断能力が不十分になったあとに、家庭裁判所が成年後見人等を選任する
  • 法定後見の類型:後見・保佐・補助の3類型出どころ。判断能力は、後見が欠く常況、保佐が著しく不十分、補助が不十分
  • 後見:成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、取り消せる
  • 保佐:借財・保証、不動産の売買、相続の承認・放棄などは保佐人の同意が必要。同意なしの行為は取り消せる
  • 補助の開始、補助人への同意権・代理権の付与、保佐人への代理権の付与を本人以外が請求するときは、本人の同意が必要
  • 任意後見:本人に十分な判断能力があるうちに、任意後見人になる人と委任する事務を、契約で決めておく
  • 任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書でする
  • 任意後見契約の効力は、本人の判断能力が不十分になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から生じる
  • 任意後見監督人は家庭裁判所が選任する。任意後見人になる人や任意後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹はなれない
  • 任意後見契約が登記されているときは、本人の利益のため特に必要がある場合に限り、法定後見を開始できる
  • 任意後見契約の解除:監督人の選任前は公証人の認証を受けた書面でいつでもでき、選任後は正当な事由と家庭裁判所の許可が必要
  • 任意後見監督人の選任後に本人が法定後見の開始の審判を受けたときは、任意後見契約は終了する
  • 家族信託:委託者が、信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を託す契約。認知症対策に使われる

ひっかけ

  • 任意後見の効力は契約した時ではなく、監督人が選任された時から。法定後見は、判断能力が不十分になったあとに始まる
  • 法定後見の後見人等を選ぶのは家庭裁判所。任意後見人になる人を選ぶのは、契約をする本人

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

任意後見制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:4 任意後見監督人は家庭裁判所により選任されるが、任意後見人の配偶者は、任意後見監督人となることができる。

ポイント

任意後見制度について、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

任意後見監督人になれない人の範囲を、広げたり狭めたりして誤りにする問題です。任意後見人に近い立場の人は、監督人になれません。

  1. 任意後見監督人になれないのは、任意後見受任者や任意後見人本人と、その配偶者、直系血族、兄弟姉妹です。
  2. 4)は、任意後見人の配偶者は任意後見監督人になれるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、任意後見人の配偶者は、任意後見監督人となることができない、です。

ほかの選択肢

  • 1 任意後見は、本人に十分な判断能力があるうちに、任意後見人になる人や委任する事務を、契約で決めておく制度なので、適切です。
  • 2 任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書でしなければならないので、適切です。
  • 3 任意後見契約の効力は、本人の判断能力が不十分になったあとに、任意後見監督人が選任された時から生じるので、適切です。

覚えておくこと

  • 任意後見監督人は家庭裁判所が選任する。任意後見人になる人や任意後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹はなれない
  • 任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書でする
  • 任意後見契約の効力は、本人の判断能力が不十分になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から生じる

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

成年後見制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:2 被保佐人が、民法に定める重要な行為を保佐人の同意を得ずにしたときは、その行為を取り消すことができる。

ポイント

法定後見の後見・保佐・補助について、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

後見・保佐・補助の類型は、本人の判断能力の程度と、保護者に与えられる権限が違います。後見と保佐の対象を取りちがえたり、日常生活の行為まで取り消せると考えたりすると、誤ります。

  1. 保佐人の同意が必要な行為(借財・保証、不動産の売買、相続の承認・放棄など、民法に定める重要な行為)を、被保佐人が保佐人の同意なしにしたときは、その行為を取り消すことができます。
  2. 2)はこの内容と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。

ほかの選択肢

  • 1 成年被後見人の法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて、取り消すことができます。日常生活に関する行為まで取り消せるとしている所が違います。
  • 3 本人以外の請求で補助開始の審判をするには、本人の同意が必要です。同意がなくてもできるとしている所が違います。
  • 4 判断能力を欠く常況にある人が対象なのは後見です。保佐は、判断能力が著しく不十分な人が対象で、対象を取りちがえている所が違います。

覚えておくこと

  • 保佐:借財・保証、不動産の売買、相続の承認・放棄などは保佐人の同意が必要。同意なしの行為は取り消せる
  • 後見:成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、取り消せる
  • 法定後見の類型:後見・保佐・補助の3類型。判断能力は、後見が欠く常況、保佐が著しく不十分、補助が不十分

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:法定後見の類型の数(後見・保佐・補助)

想定問題 3四答択一式

成年後見制度に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

保佐人に代理権を与える審判を本人以外の者の請求でするには、(ア)が必要である。また、後見開始の審判の対象となるのは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者であり、保佐開始の審判の対象となるのは、同能力が(イ)者である。

正解:3 (ア)本人の同意、(イ)著しく不十分である

ポイント

保佐の仕組みを、空欄の組合せで答える問題です。

考え方と解き方

保佐では、代理権を与えるときの同意と、対象となる判断能力の程度を取りちがえやすい所です。判断能力の程度は、後見、保佐、補助の順に軽くなります。

  1. 保佐人に代理権を与える審判を本人以外の者の請求でするには、本人の同意が必要です。これが(ア)です。
  2. 保佐開始の審判の対象は、判断能力が著しく不十分な人です。判断能力を欠く常況にある人が対象なのは後見、不十分な人が対象なのは補助です。これが(イ)です。したがって、最も適切なのは 3 (ア)本人の同意、(イ)著しく不十分である です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。同意が必要なのは配偶者ではなく、本人です。(イ)は合っています。
  • 2 (ア)と(イ)の両方が違います。同意が必要なのは配偶者ではなく本人で、判断能力が不十分な人が対象なのは補助です。保佐の対象は、著しく不十分な人です。
  • 4 (イ)が違います。判断能力が不十分な人が対象なのは補助で、保佐の対象は著しく不十分な人です。(ア)は合っています。

覚えておくこと

  • 補助の開始、補助人への同意権・代理権の付与、保佐人への代理権の付与を本人以外が請求するときは、本人の同意が必要
  • 法定後見の類型:後見・保佐・補助の3類型。判断能力は、後見が欠く常況、保佐が著しく不十分、補助が不十分

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:法定後見の類型の数(後見・保佐・補助)

想定問題 4四答択一式

成年後見制度および家族信託に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:1 任意後見契約が登記されている場合でも、家庭裁判所は、特に必要がなくても、本人について法定後見の開始の審判をすることができる。

ポイント

任意後見と法定後見の関係などについて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

任意後見契約が登記されているときは、任意後見が優先されます。法定後見をいつでも開始できると考えると、誤りに気づけません。

  1. 任意後見契約が登記されている場合、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り、法定後見の開始の審判をすることができます。
  2. 1)は、特に必要がなくても法定後見を開始できるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、特に必要があると認めるときに限り、法定後見の開始の審判をすることができる、です。

ほかの選択肢

  • 2 任意後見契約は、監督人の選任前なら、公証人の認証を受けた書面でいつでも解除できるので、適切です。選任後は、正当な事由と家庭裁判所の許可が必要になります。
  • 3 任意後見監督人の選任後に本人が法定後見の開始の審判を受けたときは、任意後見契約は終了するので、適切です。
  • 4 家族信託は、委託者が信頼できる家族に財産の管理・処分を託す契約で、判断能力が低下したあとも契約の目的に沿って財産を管理してもらえるので、適切です。

覚えておくこと

  • 任意後見契約が登記されているときは、本人の利益のため特に必要がある場合に限り、法定後見を開始できる
  • 任意後見契約の解除:監督人の選任前は公証人の認証を受けた書面でいつでもでき、選任後は正当な事由と家庭裁判所の許可が必要
  • 任意後見監督人の選任後に本人が法定後見の開始の審判を受けたときは、任意後見契約は終了する

(テーマ・覚えること)

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