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贈与税の課税財産と暦年課税

過去の公開問題では、贈与税の課税財産・みなし贈与財産を選ぶ問題が2問、暦年課税の贈与税の計算を選ぶ問題が2問、5回分で合わせて4問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 贈与税の課税財産・みなし贈与財産の記述から選ぶ(5回分で2問)
  • 暦年課税の贈与税の計算(基礎控除・税率)の記述から選ぶ(5回分で2問)

覚えること

  • 贈与税:個人からの贈与(無償で与えること)で財産を取得した人(受贈者)にかかる
  • 法人から贈与で取得した財産:贈与税ではなく所得税がかかる
  • みなし贈与:保険料を負担していない人が受け取る生命保険金(負担者本人の死亡による保険金は相続税)
  • みなし贈与:著しく低い価額で譲り受けた(低額譲受)とき、時価と対価の差額
  • 低額譲受の時価:土地・家屋は通常の取引価額、それ以外の財産は相続税評価額
  • みなし贈与:債務の免除(借金を免除すること)の利益。資力喪失で弁済が困難な部分は課税されない
  • 非課税:扶養義務者から、生活費・教育費として通常必要な分を、必要な都度直接充てる場合
  • 非課税:香典・贈答・祝物・見舞い等で、社会通念上相当と認められるもの
  • 非課税:離婚の財産分与は、社会通念上相当な範囲内なら原則課税なし。多すぎる部分は課税
  • 死因贈与(贈与者の死亡で効力が生じる贈与)で取得した財産:贈与税ではなく、遺贈として相続税がかかる
  • 暦年課税:1月1日から12月31日までの贈与の合計から、基礎控除を引いて税率をかける
  • 基礎控除:受贈者1人につき年110万円出どころ。父母それぞれから受けても合計で110万円
  • 税率:超過累進税率。特例税率と一般税率の2つの速算表がある
  • 特例税率:直系尊属(父母・祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で18歳以上出どころの人への贈与
  • 一般税率:特例税率が使えない贈与(兄弟間・夫婦間の贈与など)
  • 特例と一般の両方の贈与:全体に各税率をあてた税額を、贈与の割合で按分して合計する
  • 申告:贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで出どころ
  • 延納:納付税額が10万円出どころを超え、金銭で納めにくく、担保を出すとき、5年出どころ以内の年賦
  • 延納の担保:延納税額が100万円出どころ以下で、延納期間が3年出どころ以下なら不要

数字と計算

  • 例:25歳の子が父から600万円、母から200万円(特例税率)。800万円-基礎控除110万円出どころ=課税価格690万円
  • 690万円×30%出どころ-90万円出どころ=贈与税額117万円

ひっかけ

  • 基礎控除は受贈者ごとに年110万円出どころ。贈与者ごとに引く、父母で220万円とする、は誤り
  • 法人からの贈与は所得税、死因贈与は相続税。どちらも贈与税の課税対象ではない

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

贈与税の課税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:1 離婚による財産分与により取得した財産は、その額が社会通念上相当な範囲内であっても、原則として、贈与により取得した財産として贈与税の課税対象となる。

ポイント

贈与とみなされる場合と、贈与税がかからない場合を見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

離婚による財産分与は、夫婦の財産関係の清算や、離婚後の生活保障のための給付と考えられ、贈与とは性質が違います。ここを贈与と同じに見ると、適切な記述が不適切に見えます。

  1. 離婚による財産分与で取得した財産は、婚姻中の夫婦の協力で得た財産の額などを考えて、社会通念上相当な範囲内であれば、原則として贈与税の課税対象になりません。多すぎる部分や、税金逃れの離婚による財産分与は課税されます。
  2. 1)は、相当な範囲内でも課税されるとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、社会通念上相当な範囲内の財産分与は、原則として贈与税の課税対象とならない、です。

ほかの選択肢

  • 2 低額譲受(著しく低い価額で財産を譲り受けること)では、時価と対価の差額が贈与とみなされます。土地の時価は通常の取引価額なので、適切です。
  • 3 債務の免除を受けた利益は贈与とみなされますが、資力を失って弁済が困難な部分は課税されません。適切です。
  • 4 扶養義務者から受ける生活費や教育費は、通常必要と認められる範囲で、必要な都度直接充てるなら、贈与税がかかりません。適切です。

覚えておくこと

  • 非課税:離婚の財産分与は、社会通念上相当な範囲内なら原則課税なし。多すぎる部分は課税
  • みなし贈与:債務の免除(借金を免除すること)の利益。資力喪失で弁済が困難な部分は課税されない
  • 非課税:扶養義務者から、生活費・教育費として通常必要な分を、必要な都度直接充てる場合

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

暦年課税に係る贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、受贈者は個人であるものとする。

正解:4 一般税率の対象となる贈与と特例税率の対象となる贈与を同じ年に受けた場合は、各税率による税額を贈与財産の割合に応じて按分し、合計する。

ポイント

暦年課税の基礎控除、税率の形、特例税率の対象、2つの税率が混ざる場合の計算から、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

暦年課税には2つの税率表があり、どちらを使うかは贈与者との関係で決まります。同じ年に両方の贈与を受けると、1つの表では計算できない所を問われます。

  1. 同じ年に一般税率の贈与と特例税率の贈与を受けたときは、全財産に一般税率をあてた税額のうち一般贈与財産の割合の分と、全財産に特例税率をあてた税額のうち特例贈与財産の割合の分を合計して、納付税額を求めます。
  2. 4)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 4 です。

ほかの選択肢

  • 1 基礎控除を贈与者ごととしている所が違います。正しくは、受贈者1人につき年110万円で、父母から受けても合計で110万円です。
  • 2 税率を一律としている所が違います。正しくは、基礎控除後の課税価格が大きいほど税率が高くなる、超過累進税率です。
  • 3 特例税率の対象を兄弟姉妹からの贈与まで広げている所が違います。正しくは、直系尊属(父母・祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で18歳以上の人が受ける贈与です。兄弟間の贈与は一般税率です。

覚えておくこと

  • 基礎控除:受贈者1人につき年110万円。父母それぞれから受けても合計で110万円
  • 特例税率:直系尊属(父母・祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で18歳以上の人への贈与
  • 特例と一般の両方の贈与:全体に各税率をあてた税額を、贈与の割合で按分して合計する

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:贈与税(暦年課税)の基礎控除・贈与税の特例税率が使える受贈者の年齢

想定問題 3四答択一式

贈与税の申告と延納に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

贈与税の申告書の提出期間は、贈与を受けた年の(ア)である。延納は、申告による納付税額が(イ)を超え、金銭で一時に納めにくい事情があり、担保を出す場合に認められ、(ウ)以内の年賦で納める。

正解:3 (ア)翌年2月1日から3月15日まで、(イ)10万円、(ウ)5年

ポイント

贈与税の申告期間と、延納の要件・年賦の期間を、空欄の組み合わせで問う問題です。

考え方と解き方

申告の期間、延納を認める納付税額、年賦の長さは、似た数字が並びます。担保が不要になる数字(100万円以下・3年以下)と混ぜないように分けて覚えます。

  1. 贈与税の申告書の提出期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです(ア)。
  2. 延納は、申告による納付税額が10万円を超え、金銭で一時に納めにくい事情があり、担保を出す場合に認められ、5年以内の年賦で納めます(イ)(ウ)。したがって、最も適切なのは 3 (ア)翌年2月1日から3月15日まで、(イ)10万円、(ウ)5年 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。提出期間は、翌年1月1日からではなく、翌年2月1日から3月15日までです。(イ)と(ウ)は合っています。
  • 2 (イ)と(ウ)が違います。100万円以下・3年以下は担保が要らなくなる数字で、延納の要件は納付税額が10万円を超えること、期間は5年以内です。(ア)は合っています。
  • 4 (ウ)が違います。年賦の期間は、10年ではなく5年以内です。(ア)と(イ)は合っています。

覚えておくこと

  • 申告:贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで
  • 延納:納付税額が10万円を超え、金銭で納めにくく、担保を出すとき、5年以内の年賦
  • 延納の担保:延納税額が100万円以下で、延納期間が3年以下なら不要

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:贈与税の延納の要件(申告による納付税額)・贈与税の延納の期間(年賦の上限)・贈与税の延納で担保が不要となる延納税額・贈与税の延納で担保が不要となる延納期間・贈与税の申告期間

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づく、Aさんが2026年中に受けた贈与に係る贈与税額として、最も適切なものはどれか。なお、贈与はすべて暦年課税によるものとし、【表1】の特例税率の速算表を使うものとする。

〈資料〉
・Aさん(25歳)は、2026年中に、父から現金600万円の贈与を受けた
・Aさんは、2026年中に、母から現金200万円の贈与も受けた
・Aさんは、このほかの贈与を受けていない
【表1】贈与税の速算表(特例税率・抜粋)
基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%―
200万円超400万円以下15%10万円
400万円超600万円以下20%30万円
600万円超1,000万円以下30%90万円

正解:3 117万円

ポイント

父母それぞれから受けた贈与を合計し、基礎控除を引いて、特例税率で贈与税額を求める計算問題です。

考え方と解き方

間違えやすいのは基礎控除の引き方です。贈与者の数だけ引いたり、贈与者ごとに別々に計算したりすると、受贈者ごとの年110万円より多く引くことになります。

  1. 暦年課税の基礎控除は、受贈者1人につき年110万円です。父母から受けた贈与は合計し、600万円+200万円=800万円から110万円を引いた690万円が、基礎控除後の課税価格です。
  2. 父母は直系尊属で、Aさんは贈与を受けた年の1月1日現在で18歳以上なので、特例税率を使います。690万円は600万円超1,000万円以下の区分なので、税率は30%、控除額は90万円です。
  3. 贈与税額は、690万円×30%-90万円=117万円です。したがって、最も適切なのは 3 117万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 77万円:父と母の贈与を別々に計算し、それぞれから基礎控除110万円を引いた額です。父は(600万円-110万円)×20%-30万円=68万円、母は(200万円-110万円)×10%=9万円で、合計77万円です。基礎控除は、贈与者ごとではなく受贈者ごとに年110万円です。
  • 2 86万円:基礎控除を父母それぞれの110万円として、合計220万円を引いた額です。(800万円-220万円)×20%-30万円=86万円となります。基礎控除は、受贈者1人につき年110万円までです。
  • 4 150万円:基礎控除を引かずに、800万円×30%-90万円=150万円とした額です。贈与額の合計から、まず基礎控除を引きます。

覚えておくこと

  • 暦年課税:1月1日から12月31日までの贈与の合計から、基礎控除を引いて税率をかける
  • 基礎控除:受贈者1人につき年110万円。父母それぞれから受けても合計で110万円
  • 特例税率:直系尊属(父母・祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日現在で18歳以上の人への贈与

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:贈与税(暦年課税)の基礎控除・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が1,000万円以下のときの控除額・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が600万円以下のときの控除額・贈与税の速算表(特例税率)の区分の境(1,000万円)・贈与税の特例税率が使える受贈者の年齢・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が1,000万円以下のときの税率・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が200万円以下のときの税率・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が600万円以下のときの税率

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