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贈与税の配偶者控除と相続時精算課税
過去の公開問題では、贈与税の配偶者控除が2問、相続時精算課税が2問、5回分で合わせて4問出ています。
最終更新
よく出る形
- 贈与税の配偶者控除の要件・控除額を問う(5回分で2問)。婚姻期間の数え方と、対象財産が誤りの中心
- 相続時精算課税の要件・税率・暦年課税との関係を問う(5回分で2問)
覚えること
- 配偶者控除:婚姻期間が20年出どころを経過した後の贈与で、居住用不動産か、その取得資金が対象
- 控除額:最高2,000万円出どころを、基礎控除110万円出どころとは別に控除(合わせて最高2,110万円)
- 同じ配偶者からの贈与には、一生に一度だけ使える。贈与税の申告も必要
- 居住:贈与を受けた年の翌年3月15日まで出どころに居住し、その後も住み続ける見込み
- 居住用不動産:国内の家屋かその敷地(借地権を含む)。家屋だけ、敷地だけの贈与でもよい
- 敷地だけの贈与は、夫・妻か同居の親族が居住用家屋を所有していること
- 相続税:配偶者控除額に相当する部分は、相続税の課税価格に加算されない
- 精算課税の贈与者:贈与の年の1月1日現在で60歳以上出どころの父母・祖父母など
- 精算課税の受贈者:贈与の年の1月1日現在で18歳以上出どころの、直系卑属の推定相続人(相続人になる人)または孫
- 選択:最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで出どころに、選択届出書を提出
- 選択は贈与者ごと。選ぶと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せない
- 選ばなかった贈与者(例:母)からの贈与は、暦年課税で計算する
- 贈与財産の種類・金額・回数に制限はない
- 計算:贈与額の合計-基礎控除年110万円出どころ-特別控除、残りに一律20%出どころ
- 基礎控除は2024年1月1日出どころ以後の贈与に使える。相続時の加算も基礎控除後の額
- 特別控除:贈与者ごとに累計2,500万円出どころまで。期限内に贈与税の申告をした場合に限る
- 相続時:贈与財産を贈与時の価額で相続財産に加算し、納めた贈与税相当額は相続税から控除
- 控除しきれない贈与税相当額は、相続税の申告により還付を受けられる
数字と計算
ひっかけ
- 婚姻期間が20年出どころを経過したかは、贈与の日で見る。贈与の年の1月1日現在で見る、は誤り
- 配偶者控除は、居住用不動産かその取得資金に限る。財産の種類や金額に制限はない、は誤り
- 精算課税は、贈与者にも受贈者にも年齢の要件がある。受贈者に年齢の要件はない、は誤り
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
正解:4 本控除の控除額は、基礎控除額とは別に、最高で2,500万円である。
ポイント
贈与税の配偶者控除の控除額、対象、回数、手続から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
配偶者控除の額は、ほかの特別控除の額と取りちがえやすい数字です。基礎控除とは別の枠であることと、額そのものを分けて覚えます。
- 配偶者控除の額は、最高2,000万円です。基礎控除110万円とは別に控除できるので、合わせて最高2,110万円まで控除できます。
- 4)は、控除額を2,500万円としているので、不適切です。2,500万円は、配偶者控除ではなく、相続時精算課税の特別控除額です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、基礎控除額とは別に、最高で2,000万円である、です。
ほかの選択肢
- 1 同じ配偶者からの贈与について配偶者控除を使えるのは、一生に一度だけです。適切です。
- 2 配偶者控除は、居住用不動産だけでなく、居住用不動産を取得するための金銭の贈与にも使えます。適切です。
- 3 配偶者控除は、贈与税の申告をすることで受けられる特例です。贈与税がかからない額でも、申告書の提出が必要なので、適切です。
覚えておくこと
- 控除額:最高2,000万円を、基礎控除110万円とは別に控除(合わせて最高2,110万円)
- 同じ配偶者からの贈与には、一生に一度だけ使える。贈与税の申告も必要
(テーマ・覚えること)
相続時精算課税制度(以下「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
正解:1 本制度を選択する場合は、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、選択届出書を提出しなければならない。
ポイント
相続時精算課税の選択の手続、特別控除、税率の形から、最も適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
選択届出書は、贈与のたびに出すのではなく、最初の贈与を受けた年の分として出します。いつ、何を出すのかと、特別控除を受けるための条件を取りちがえやすいです。
- 相続時精算課税を選ぶときは、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、相続時精算課税選択届出書を税務署に提出します。
- 1)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 1 です。
ほかの選択肢
- 2 特別控除は、贈与税の期限内申告をした場合に限り控除できます。申告をしなくても控除できるとしている所が違います。特別控除額は、贈与者ごとの累計2,500万円です。
- 3 選択は贈与者ごとにします。受贈者が一度選べば、すべての贈与者に適用されるとしている所が違います。
- 4 特別控除額を超えた部分の税率は、一律20%で、累進しません。超過累進税率としている所が違います。
覚えておくこと
- 選択:最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、選択届出書を提出
- 特別控除:贈与者ごとに累計2,500万円まで。期限内に贈与税の申告をした場合に限る
- 計算:贈与額の合計-基礎控除年110万円-特別控除、残りに一律20%
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:相続時精算課税の基礎控除(年)・相続時精算課税選択届出書の提出期間・相続時精算課税の特別控除額(累計)・相続時精算課税の税率
相続時精算課税制度に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:3 (ア)60歳以上、(イ)18歳以上、(ウ)一律20%
ポイント
相続時精算課税の贈与者・受贈者の年齢の要件と税率を、空欄の組み合わせで問う問題です。
考え方と解き方
年齢の要件は、贈与者と受贈者で数字が違います。税率の形と合わせて、3つの空欄を別々に覚えていないと迷います。
- 贈与者は、贈与の年の1月1日現在で60歳以上の父母・祖父母などです(ア)。受贈者は、同じ日に18歳以上の、贈与者の直系卑属である推定相続人または孫です(イ)。
- 特別控除額を超えた部分には、一律20%の税率が課されます(ウ)。したがって、最も適切なのは 3 (ア)60歳以上、(イ)18歳以上、(ウ)一律20% です。
ほかの選択肢
- 1 (イ)が違います。受贈者の年齢は、20歳ではなく、18歳以上です。(ア)と(ウ)は合っています。
- 2 (ア)が違います。贈与者の年齢は、65歳ではなく、60歳以上です。(イ)と(ウ)は合っています。
- 4 (ウ)が違います。税率は、超過累進ではなく、一律20%です。(ア)と(イ)は合っています。
覚えておくこと
- 精算課税の贈与者:贈与の年の1月1日現在で60歳以上の父母・祖父母など
- 精算課税の受贈者:贈与の年の1月1日現在で18歳以上の、直系卑属の推定相続人(相続人になる人)または孫
- 計算:贈与額の合計-基礎控除年110万円-特別控除、残りに一律20%
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:相続時精算課税の受贈者の年齢・相続時精算課税の基礎控除(年)・相続時精算課税の税率・相続時精算課税の贈与者の年齢
下記の〈資料〉に基づく、Aさんが2026年中に受けた贈与に係る贈与税額として、最も適切なものはどれか。なお、特別控除額は、これまで使っておらず、贈与税の申告は期限内に行うものとする。
・Aさん(30歳)は、2026年中に、父(65歳)から現金3,000万円の贈与を受けた
・父からの贈与について、相続時精算課税を選択している
・Aさんは、このほかの贈与を受けていない
正解:2 78万円
ポイント
相続時精算課税の贈与税額を、基礎控除と特別控除を引いて求める計算問題です。
考え方と解き方
引き忘れやすいのは、基礎控除と特別控除のどちらか一方です。2つの控除を、どちらも引いてから税率をかけます。
- 相続時精算課税の贈与税は、贈与額の合計から、基礎控除と特別控除を引き、残りに一律の税率をかけます。2026年の贈与は、2024年1月1日以後の贈与なので、年110万円の基礎控除が使えます。特別控除は、累計2,500万円までです。
- 3,000万円-110万円-2,500万円=390万円が、課税される金額です。
- 贈与税額は、390万円×20%=78万円です。したがって、最も適切なのは 2 78万円 です。
ほかの選択肢
- 1 48.5万円:390万円に、精算課税の一律20%ではなく、暦年課税の特例税率(15%、控除額10万円)をあてた額です(390万円×15%-10万円=48.5万円)。精算課税の税率は、一律20%です。
- 3 100万円:基礎控除を引かずに計算した額です(3,000万円-2,500万円=500万円、500万円×20%=100万円)。2024年1月1日以後の贈与には、年110万円の基礎控除があります。
- 4 578万円:特別控除を引かずに計算した額です(3,000万円-110万円=2,890万円、2,890万円×20%=578万円)。特別控除は、累計2,500万円まで引けます。
覚えておくこと
- 計算:贈与額の合計-基礎控除年110万円-特別控除、残りに一律20%
- 基礎控除は2024年1月1日以後の贈与に使える。相続時の加算も基礎控除後の額
- 特別控除:贈与者ごとに累計2,500万円まで。期限内に贈与税の申告をした場合に限る
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:相続時精算課税の基礎控除(年)・相続時精算課税の基礎控除が使える贈与の開始(相続時の加算が基礎控除後の額になる贈与も同じ)・相続時精算課税の特別控除額(累計)・相続時精算課税の税率・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が400万円以下のときの控除額・贈与税の速算表(特例税率)基礎控除後の課税価格が400万円以下のときの税率
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第52問相続時精算課税制度(以下「本制度」という)に…四答択一式
- 2024年9月 第52問贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に…四答択一式
- 2024年9月 第53問相続時精算課税制度(以下「本制度」という)に…四答択一式
- 2026年5月 第52問贈与税の配偶者控除(以下、「本控除」という)…四答択一式・まずこの1問
この本文の数字の出どころ
- 贈与税の配偶者控除の額 最高2,000万円(基礎控除110万円とは別)
- 贈与税の配偶者控除の婚姻期間 婚姻期間が20年を経過した後の贈与
- 贈与税の配偶者控除の居住の期限 翌年3月15日まで
- 相続時精算課税の受贈者の年齢 贈与の年の1月1日現在で18歳以上
- 相続時精算課税の基礎控除(年) 年110万円
- 相続時精算課税の基礎控除が使える贈与の開始(相続時の加算が基礎控除後の額になる贈与も同じ) 2024年1月1日以後
- 相続時精算課税選択届出書の提出期間 翌年2月1日から3月15日まで
- 相続時精算課税の特別控除額(累計) 2,500万円
- 相続時精算課税の税率 一律20%
- 相続時精算課税の贈与者の年齢 贈与の年の1月1日現在で60歳以上
- 贈与税の速算表(一般税率)基礎控除後の課税価格が400万円以下のときの控除額 25万円
- 贈与税の速算表(一般税率)基礎控除後の課税価格が400万円以下のときの税率 20%
- 贈与税(暦年課税)の基礎控除 110万円
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