分野 C|金融資産運用 よく出る

債券の利回り計算

過去の公開問題では、債券の利回りの計算や式を問う問題が、5回分で3問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 所有期間利回りを求める(5回分で2問)。1問は売却損のある計算、1問は計算と最終利回りとの大小の比較
  • 応募者・直接・所有期間・最終の4つの利回りの式を空欄に入れ、誤った式を選ぶ(5回分で1問)

覚えること

  • 前提:単利・年率で計算し、手数料・経過利子(前の持ち主に払う利子)・税金は考えない
  • 応募者利回り:新発債(新しく出る債券)を発行時に買い、償還(満期の払戻し)まで持つ場合
  • 応募者利回り=(表面利率+(100円-発行価格)÷償還期限)÷発行価格×100
  • 最終利回り:既発債(すでに出ている債券)を買い、償還まで持つ場合。使う要素は購入価格・表面利率・償還期間出どころ
  • 最終利回り=(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100
  • 所有期間利回り:購入後、償還前に売る場合。売却価格と購入価格の差を、持っていた年数で割る
  • 所有期間利回り=(表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有期間)÷購入価格×100
  • 直接利回り=表面利率÷購入価格×100(値上がり・値下がりの差は入れない)
  • 分母は購入価格(応募者利回りは発行価格)。売却価格や額面100円で割らない
  • 年数は、応募者利回りは償還期限、最終利回りは残存期間、所有期間利回りは持っていた期間
  • 額面(100円)より安く買うと、最終利回りは表面利率より高く、高く買うと低い
  • 売却価格が購入価格より低いと、差の部分はマイナス(▲)で分子に入れる

数字と計算

  • 例:表面利率1.0%、購入価格95円、3年後に98円で売却(残存期間6年)
  • 所有期間利回り=(1.0+(98-95)÷3)÷95×100=2.0÷95×100=約2.11%
  • 最終利回り=(1.0+(100-95)÷6)÷95×100=約1.83÷95×100=約1.93%

ひっかけ

  • 分母を売却価格にする、年数を残存期間にする、売却損益を入れない、が典型的な間違い
  • 直接利回りは償還差損益を含まないので、最終利回りとは別の値になる

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

債券の利回りの計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。

正解:2 最終利回りは、すでに発行された債券を購入して償還まで保有した場合の利回りで、分母には償還価格(額面100円)を用いて計算する。

ポイント

債券の利回りの意味と式について、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

4つの利回りは、何を分子に入れ、何で割るかが違います。分母を購入価格ではなく、償還価格(額面100円)にしてしまうのが、間違いやすい所です。

  1. 最終利回りは、既発債を購入して償還まで持つ場合の利回りで、(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100 で求めます。分母は購入価格です。
  2. 2)は、分母を償還価格(額面100円)としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、分母には購入価格を用いて計算する、です。

ほかの選択肢

  • 1 応募者利回りは、新発債を発行時に購入して償還まで持つ場合の、投資元本に対する1年当たりの収益の割合なので、適切です。
  • 3 直接利回りは、表面利率÷購入価格×100で、利子収入だけを見ます。償還差損益は入れないので、適切です。
  • 4 所有期間利回りは、償還前に売る場合の利回りで、売却価格と購入価格の差を所有期間で割って分子に入れるので、適切です。

覚えておくこと

  • 最終利回り=(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100
  • 直接利回り=表面利率÷購入価格×100(値上がり・値下がりの差は入れない)
  • 分母は購入価格(応募者利回りは発行価格)。売却価格や額面100円で割らない

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

債券の最終利回りと購入価格の関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。

正解:2 表面利率と残存期間が同じ固定利付債券を償還まで保有する場合、購入価格が額面より低いほど、最終利回りは高くなる。

ポイント

購入価格と最終利回りの関係について、最も適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

購入価格が額面より高いか安いかで、償還差損益の符号が変わります。ここを取りちがえると、利回りの大小が逆に見えます。

  1. 最終利回りは、(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100 です。購入価格が額面100円を下回るほど、償還差益が増え、分母の購入価格は小さくなるので、最終利回りは高くなります。
  2. 2)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。

ほかの選択肢

  • 1 額面より高い価格で購入すると、償還差損が出て、最終利回りは表面利率を下回ります。上回るとしている所が違います。
  • 3 直接利回りは、償還差損益を含めず、利子だけで計算します。含めて計算するとしている所が違います。
  • 4 同じ価格で額面より安く購入した場合、償還差益を残存期間で割るので、残存期間が長いほど、1年当たりの償還差益は小さくなります。大きくなるとしている所が違います。

覚えておくこと

  • 額面(100円)より安く買うと、最終利回りは表面利率より高く、高く買うと低い
  • 最終利回り=(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100
  • 年数は、応募者利回りは償還期限、最終利回りは残存期間、所有期間利回りは持っていた期間

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

固定利付債券の利回り(単利・年率)に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。

表面利率が0.60%、償還までの残存期間が4年の固定利付債券を、額面100円当たり99円で購入した投資家が、購入から2年後に額面100円当たり99.6円で売却した場合の所有期間利回りは(ア)であり、償還期限まで4年保有した場合の最終利回りよりも(イ)。

正解:4 (ア)0.91%、(イ)高い

ポイント

所有期間利回りの値と、最終利回りとの大小を問う、空欄の組み合わせの問題です。

考え方と解き方

同じ債券でも、所有期間利回りと最終利回りは、持つ期間が違うので値が変わります。片方だけ計算して大小を決めず、両方を計算して比べます。

  1. (ア)所有期間利回りは、(0.60+(99.6-99)÷2)÷99×100=0.9÷99×100=約0.91%です。
  2. (イ)最終利回りは、(0.60+(100-99)÷4)÷99×100=0.85÷99×100=約0.86%です。0.91%は0.86%より高いので、(イ)は「高い」です。したがって、最も適切なのは 4 (ア)0.91%、(イ)高い です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)と(イ)が違います。0.86%は最終利回りの値で、所有期間利回りは0.91%です。大小も、所有期間利回りの方が高くなります。
  • 2 (ア)が違います。0.86%は最終利回りの値で、所有期間利回りは0.91%です。(イ)の「高い」は合っています。
  • 3 (イ)が違います。所有期間利回り0.91%は最終利回り0.86%より高いので、「低い」ではありません。(ア)は合っています。

覚えておくこと

  • 所有期間利回り=(表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有期間)÷購入価格×100
  • 最終利回り=(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100
  • 年数は、応募者利回りは償還期限、最終利回りは残存期間、所有期間利回りは持っていた期間

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

表面利率が0.80%、償還までの残存期間が4年の固定利付債券を額面100円当たり98円で購入し、償還まで保有した場合の最終利回り(単利・年率)として、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等は考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。

正解:3 1.33%

ポイント

既発債を償還まで持つ場合の最終利回りを求める計算問題です。

考え方と解き方

最終利回りは、利子と、償還までの値上がり益を1年当たりに直した額を足し、購入価格で割ります。値上がり益を年数で割らずに足す、分母を額面にする、といった間違いが出やすい式です。

  1. 最終利回りは、(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100 で求めます。償還価格100円と購入価格98円の差は2円で、残存期間4年で割ると、1年当たり0.5円です。
  2. 分子は、0.80円+0.5円=1.30円です。購入価格98円で割ると、1.30÷98×100=約1.33%です。したがって、最も適切なのは 3 1.33% です。

ほかの選択肢

  • 1 0.82%:償還差益を入れず、利子だけを購入価格で割った額です(0.80÷98×100)。これは直接利回りです。
  • 2 1.30%:分母を購入価格98円でなく、額面100円にした額です((0.80+0.5)÷100×100)。分母は購入価格です。
  • 4 2.86%:償還差益2円を残存期間4年で割らずに、そのまま足した額です((0.80+2)÷98×100)。年数で割って1年当たりにします。

覚えておくこと

  • 最終利回り=(表面利率+(100円-購入価格)÷残存期間)÷購入価格×100
  • 直接利回り=表面利率÷購入価格×100(値上がり・値下がりの差は入れない)
  • 分母は購入価格(応募者利回りは発行価格)。売却価格や額面100円で割らない

(テーマ・覚えること)

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