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FPの倫理と関連法規

過去の公開問題では、FPができる業務とできない業務を関連法規から選ぶ問題が3問、職業倫理に照らして適切な行為を選ぶ問題が2問、5回分で合わせて5問出ています。

最終更新

よく出る形

  • FPができる業務とできない業務を、関連法規から選ぶ(5回分で3問)
  • 職業倫理に照らして適切な行為を選ぶ(5回分で2問)。守秘義務や説明の不足、利益の優先を取りちがえる

覚えること

  • 税理士の独占業務(資格者だけの業務):有償・無償を問わず、個別具体的な税額計算、申告書の作成・代行、税務相談(税理士法)
  • FPができる税務:一般的な税制の解説、仮定の数値例での計算、税理士の紹介
  • 社会保険労務士の独占業務:報酬を得て、年金の裁定請求(受取りの手続き)書類の作成・提出を代行(社会保険労務士法)
  • FPができる年金業務:年金の見込額の試算(繰上げ・繰下げの比較を含む)、一般的な制度の説明
  • 弁護士の独占業務:報酬を得る目的で行う法律事件の代理・和解・法律相談。遺産分割協議の代理も含む(弁護士法)
  • FPができる法律関係:一般的な法律知識の説明、任意後見受任者(将来の後見人役)になること
  • FPができる法律関係:公正証書遺言の証人になること(証人の欠格事由に当たらない場合)
  • 保険募集:保険契約の締結の媒介・代理には、募集人の登録が要る(保険業法)
  • 登録がなくてもできる保険業務:保険の一般的な商品内容や活用方法の説明
  • 投資助言:報酬を得て個別銘柄の投資判断を助言する(投資顧問契約)には、登録が要る(金融商品取引法)
  • 登録がなくてもできる投資業務:景気動向や企業業績などの一般的な情報の提供
  • 不動産取引:売買・貸借の媒介や代理を業として行うには、免許が要る(宅地建物取引業法)
  • 職業倫理:顧客の利益を優先する。顧客の同意なく、顧客の情報を第三者に伝えない(守秘義務)
  • 職業倫理:メリットだけでなくリスクや留意点も説明し、顧客の理解度に合わせた言葉で説明する
  • 職業倫理:断定的な判断を伝えない。自分の手数料などの利益を優先して商品を勧めない
  • 著作権:官公庁の広報資料は、転載を禁止する表示がなければ、説明の材料として出典を明記して許諾なしで転載できる

ひっかけ

  • 見込額の試算はできるが、報酬を得て請求書の作成・提出を代行することはできない
  • 具体的な相続税額の算出はできないが、税理士の紹介はできる

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。

正解:4 税理士の登録を受けていないFPが、相続の相談に来た顧客の求めに応じ、顧客の財産や家族構成をもとに、顧客の相続税額を具体的に算出して、その結果を説明した。

ポイント

FPができる業務とできない業務のうち、関連法規に照らして最も不適切な行為を選ぶ問題です。

考え方と解き方

資格や登録が要るかどうかは、何をしたかで決まります。一般的な説明や情報提供なのか、個別の顧客の税額を出すような独占業務なのかを、選択肢ごとに見分けます。

  1. 個別の顧客の相続税額を具体的に算出することは、税理士の独占業務(税務相談)にあたります。税理士の登録を受けていないFPはできません。
  2. 4)は、顧客の相続税額を具体的に算出しているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、仮定の数値例による一般的な計算方法の説明にとどめるか、税理士を紹介する、です。

ほかの選択肢

  • 1 生命保険の一般的な活用方法の説明は、保険の募集にあたらないので、募集人の登録がなくてもできます。適切です。
  • 2 景気動向や企業業績など、投資判断の材料になる一般的な情報の提供は、個別の銘柄の助言ではないので、登録がなくてもできます。適切です。
  • 3 年金の見込額の試算と説明は、請求書の作成や手続の代行ではないので、社会保険労務士の登録がなくてもできます。適切です。

覚えておくこと

  • 税理士の独占業務(資格者だけの業務):有償・無償を問わず、個別具体的な税額計算、申告書の作成・代行、税務相談(税理士法)
  • FPができる税務:一般的な税制の解説、仮定の数値例での計算、税理士の紹介
  • FPができる年金業務:年金の見込額の試算(繰上げ・繰下げの比較を含む)、一般的な制度の説明

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理に照らし、最も適切なものはどれか。

正解:1 顧客から保険商品の相談を受けたFPのAさんは、メリットに加え解約時の払戻金が少なくなることも、顧客の理解度に合わせて説明した。

ポイント

職業倫理に照らして、最も適切なFPの行為を選ぶ問題です。

考え方と解き方

選択肢ごとに、顧客の利益を優先しているか、顧客の情報を守っているか、断定せずに説明しているかを見ます。どれかが欠けた行為が、不適切な記述になります。

  1. メリットだけでなく、解約時に払戻金が少なくなることなどの留意点も、顧客の理解度に合わせて説明する行為は、職業倫理に沿います。
  2. 1)は、この説明のしかたと同じです。したがって、最も適切なのは 1 です。

ほかの選択肢

  • 2 将来の値上がりを確実だと断定し、元本割れはないと説明しています。断定的な判断を伝え、リスクの説明もないので、不適切です。
  • 3 顧客の同意を得ずに、預かった家計の資料を第三者に渡しています。顧客の情報を守る義務(守秘義務)に反するので、不適切です。
  • 4 紹介料を受け取れる商品だけを提案し、紹介料のことを伝えていません。自分の利益を優先し、顧客の利益を二の次にしているので、不適切です。

覚えておくこと

  • 職業倫理:顧客の利益を優先する。顧客の同意なく、顧客の情報を第三者に伝えない(守秘義務)
  • 職業倫理:メリットだけでなくリスクや留意点も説明し、顧客の理解度に合わせた言葉で説明する
  • 職業倫理:断定的な判断を伝えない。自分の手数料などの利益を優先して商品を勧めない

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

FPが顧客に対して行う業務に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。

顧客の求めに応じ、報酬を得て、公的年金の裁定請求書を作成し、手続を代行する業務は(ア)の独占業務であり、報酬を得て、顧客の代理人として他の相続人と遺産分割協議を行う業務は(イ)の独占業務である。

正解:4 (ア)社会保険労務士、(イ)弁護士

ポイント

独占業務(資格のある人だけができる業務)が、どの資格の業務にあたるかを問う問題です。

考え方と解き方

独占業務は、扱う書類や手続の種類で、どの資格の業務かが決まります。年金の請求手続と、相続人どうしの交渉は、別の資格の業務です。

  1. 報酬を得て公的年金の裁定請求書を作成し、手続を代行することは、社会保険労務士の独占業務です。これが(ア)です。
  2. 報酬を得る目的で、顧客の代理人として遺産分割協議を行う業務は、法律事件の代理にあたり、弁護士の独占業務です。これが(イ)です。したがって、最も適切なのは 4 (ア)社会保険労務士、(イ)弁護士 です。

ほかの選択肢

  • 1 (イ)が違います。遺産分割協議の代理は、税理士ではなく弁護士の業務です。税理士の業務は、税務の代理・書類の作成・相談です。(ア)の社会保険労務士は合っています。
  • 2 (ア)が違います。年金の請求書の作成・代行は、税理士ではなく社会保険労務士の業務です。(イ)の弁護士は合っています。
  • 3 (ア)と(イ)が入れかわっています。年金の手続は弁護士ではなく社会保険労務士、遺産分割協議の代理は社会保険労務士ではなく弁護士の業務です。

覚えておくこと

  • 社会保険労務士の独占業務:報酬を得て、年金の裁定請求(受取りの手続き)書類の作成・提出を代行(社会保険労務士法)
  • 弁護士の独占業務:報酬を得る目的で行う法律事件の代理・和解・法律相談。遺産分割協議の代理も含む(弁護士法)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

FPが顧客の求めに応じて行った業務に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。

正解:2 金融商品取引業者の登録を受けていないFPが、株式投資の相談に来た顧客の求めに応じ、顧客が選んだ個別の銘柄の買い時を、有償で助言した。

ポイント

個別の銘柄の助言を含め、FPができない業務を、関連法規に照らして選ぶ問題です。

考え方と解き方

投資の相談では、景気動向のような一般的な情報の提供と、個別の銘柄の売買の助言とで、登録が要るかどうかが分かれます。

  1. 個別の銘柄について、投資の判断やタイミングを業として助言するには、投資助言・代理業の登録が要ります(金融商品取引法)。登録のないFPが有償で行うことはできません。
  2. 2)は、個別の銘柄の買い時を有償で助言しているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 2 です。正しくは、景気動向や企業業績など、一般的な情報の提供にとどめる、です。

ほかの選択肢

  • 1 住宅購入の一般的な考え方の説明は、不動産の売買の媒介や代理ではないので、免許がなくてもできます。適切です。
  • 3 任意後見受任者になることに、資格や登録は要りません。有償でも、適切です。
  • 4 仮定の数値例を使った一般的な計算方法の説明は、個別の税額計算ではないので、税理士の登録がなくてもできます。適切です。

覚えておくこと

  • 投資助言:報酬を得て個別銘柄の投資判断を助言する(投資顧問契約)には、登録が要る(金融商品取引法)
  • 登録がなくてもできる投資業務:景気動向や企業業績などの一般的な情報の提供
  • FPができる法律関係:一般的な法律知識の説明、任意後見受任者(将来の後見人役)になること

(テーマ・覚えること)

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