分野 L|倫理・法規
デジタル関連法規(AI基本法・電子帳簿保存法)と標準化
今の制度の過去問(6回分)では、電子署名法の電子署名の効力を問う問題が1問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『5 その他デジタル関連法規・ガイドライン/その他デジタル関連法規』『5 その他デジタル関連法規・ガイドライン/標準化関連』
最終更新
問われ方
- 電子署名法の記述のうち、適切なものを選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、電子取引のデータの保存を選ぶ形
- 問われるとしたら:AI基本法の内容を a〜c の組合せで選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、情報流通プラットフォーム対処法の対応を選ぶ形
- 問われるとしたら:デジュレとデファクトの区別を選ぶ形
覚えること
- デジタル社会形成基本法:デジタル社会の形成の基本理念と施策を定めた法律
- 官民データ活用推進基本法:官民データの適正で効果的な活用を進める法律
- 官民データ:国や事業者などが事務や事業で管理・利用・提供する電磁的記録の情報
- 国と地方公共団体は、保有する官民データを容易に利用できるよう措置する(オープンデータ)
- AI基本法:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
- 内閣に人工知能戦略本部を置く。本部長は内閣総理大臣
- 人工知能基本計画は、本部が案を作り、閣議決定を経て政府が定める
- 活用事業者は、自らAIの活用に努め、国や地方公共団体の施策に協力する責務を負う
- 情報流通プラットフォーム対処法:特定電気通信による情報の流通で生じる権利侵害等への対処の法律
- 大規模特定電気通信役務提供者:総務大臣が指定する事業者
- 削除の申出:受付の方法を定めて公表し、遅滞なく調査して、定められた期間内に申出者へ通知
- e-文書法:法令で書面の保存や作成が求められる物を、電磁的記録で代えられるようにする法律
- e-文書法の対象は主務省令で定める物。電磁的記録による保存は、書面の保存とみなされる
- 電子帳簿保存法:国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存などを定めた法律
- 電子取引を行った場合、法人税などの保存義務者は取引情報の電磁的記録を保存しなければならない
- 電子署名:情報が本人の作成であることと、改変の有無を確認できる措置
- 電子署名法:本人だけが行える電子署名がある電磁的記録は、真正に成立したものと推定される
- 電子署名は暗号の方式を限らない。認証業務の認定は任意で、受けなくても行える
- デジュレスタンダード(デジュールとも):公的な標準化機関が手続きを経て定める標準(JISなど)
- デファクトスタンダード:市場で広く受け入れられ、結果として事実上の標準になった物
ひっかけ
- e-文書法(書面を電子化)と電子帳簿保存法(国税関係の保存)の取りちがえ
- デファクト(広まった結果)とデジュレ(手続きで制定)の取りちがえ
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
電子帳簿保存法の考え方に照らして、B さんの対応として最も適切なものはどれか。
正解:イ 電子取引の取引情報の電磁的記録なので、財務省令の定めに従って保存する。
ポイント
電子取引の取引情報を、保存する義務があるかを問う問題です。
考え方と解き方
電子取引を行った保存義務者は、取引情報の電磁的記録を保存します。書面でないから、金額が小さいから、相手が作ったから、という理由では外れません。この立場なら、まず自社が電子取引を行った保存義務者かを考えます。
- A 社は法人税の保存義務者で、電子メールで請求書のデータを受け取っているので、電子取引を行った場合に当たります。
- この場合、財務省令の定めに従って、取引情報の電磁的記録を保存しなければなりません。したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 書面でなくても、電子取引の取引情報の電磁的記録は保存の対象です。削除してよいわけではありません。
- ウ 保存義務者は、電子取引を行った者です。受け取った側の A 社も、電子取引を行った者として保存します。
- エ 条文に金額による除外はありません。小さい取引でも、電子取引を行った場合は保存します。
覚えておくこと
- 電子取引を行った場合、法人税などの保存義務者は取引情報の電磁的記録を保存しなければならない
- 電子帳簿保存法:国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存などを定めた法律
(テーマ・覚えること)
AI基本法の内容として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 内閣に、人工知能戦略本部を置く。
- b 人工知能基本計画は、各事業者が自社ごとに定める。
- c 人工知能戦略本部の本部長は、内閣官房長官である。
正解:エ a
ポイント
AI基本法の体制と、基本計画の定め方を問う問題です。
考え方と解き方
AI基本法の体制は、国の側の仕組みです。本部を置く機関、本部長、基本計画を定める主体を、主語(国か事業者か)で確かめます。管理者の立場では、研修資料に書く前に、条文の主語を確かめます。
- a は適切です。内閣に人工知能戦略本部を置きます。b は不適切です。基本計画は、本部が案を作り、閣議決定を経て政府が定めます。c は不適切です。本部長は内閣総理大臣です。
- したがって、適切なのは a の全てで、エ です。
ほかの選択肢
- ア b、c は、どちらも不適切です。
- イ b は不適切です。また、c も不適切なので、a、b では組合せが合いません。
- ウ c は不適切です。本部長は内閣総理大臣なので、a、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- 内閣に人工知能戦略本部を置く。本部長は内閣総理大臣
- 人工知能基本計画は、本部が案を作り、閣議決定を経て政府が定める
(テーマ・覚えること)
情報流通プラットフォーム対処法に基づく、運営事業者の対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 申出の受付の方法を公表し、遅滞なく調査して、定められた期間内に申出者へ通知する。
ポイント
指定を受けた運営事業者の、削除の申出への対応を問う問題です。
考え方と解き方
指定を受けた大規模事業者には、申出の受付、調査、通知の義務があります。受付の公表、調査、申出者への通知は、どれか一つが欠けても足りません。この立場なら、申出者として何を事業者に求められるかを先に考えます。
- 総務大臣の指定を受けた事業者は、申出の方法を定めて公表し、遅滞なく必要な調査を行います。
- 結果は、定められた期間内に申出者へ通知します。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 方法を定めて公表する義務があります。調査も、申出を受けたら遅滞なく行います。
- ウ 申出を受けたら、遅滞なく必要な調査を行います。通知する相手は申出者です。
- エ 受付の方法の公表だけでは足りません。結果は、定められた期間内に申出者へ通知します。
覚えておくこと
- 大規模特定電気通信役務提供者:総務大臣が指定する事業者
- 削除の申出:受付の方法を定めて公表し、遅滞なく調査して、定められた期間内に申出者へ通知
(テーマ・覚えること)
デジュレスタンダードの例として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ 公的な標準化機関が、定められた手続きを経て制定した規格に基づく、文字の符号化の方式
ポイント
デジュレとデファクトを、取りちがえずに選ぶ問題です。
考え方と解き方
決まり方で区別します。公的な機関が手続きで決めるのがデジュレ、使われた結果として標準になるのがデファクトです。
- デジュレスタンダードは、公的な標準化機関が定められた手続きを経て制定する標準です。
- 公的な機関が制定した規格に基づく方式を述べているのは ウ です。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア 広く使われた結果として標準になった物は、デファクトスタンダードの説明です。
- イ 企業が集まって仕様を作り、その企業どうしで使うことにした方式は、公的な標準化機関の手続きを経た標準ではありません。
- エ 市場に広まった結果として事実上の標準になった物は、デファクトスタンダードの説明です。
覚えておくこと
- デジュレスタンダード(デジュールとも):公的な標準化機関が手続きを経て定める標準(JISなど)
- デファクトスタンダード:市場で広く受け入れられ、結果として事実上の標準になった物
(テーマ・覚えること)
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