分野 L|倫理・法規
不正競争防止法(営業秘密の3要件・限定提供データ)
今の制度の過去問(6回分)では、社外秘情報の持出しを防ぐ対策として、情報の管理レベルのラベル付けを選ぶ問題が1問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『3 取引関連法規/不正競争防止法』
最終更新
問われ方
- 社外秘情報の持出しを防ぐため、知らなかったと言わせない対策を選ぶ形(6回分で1問)
- 問われるとしたら:事例で、営業秘密に当たるかを3要件から選ぶ形
- 問われるとしたら:限定提供データの説明を、営業秘密と取りちがえずに選ぶ形
- 問われるとしたら:不正競争に当たる行為を a〜c の組合せで選ぶ形
覚えること
- 不正競争防止法:不正競争に当たる行為を定め、営業秘密などを保護する法律
- 営業秘密:秘密として管理されている事業活動に有用な情報で、公然と知られていない物
- 営業秘密の3要件:秘密管理性、有用性、非公知性。全て満たす物が営業秘密
- 秘密管理性:秘密として管理されていること。社外秘の表示などで秘密と分かるようにする
- 有用性:事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること
- 非公知性:公然と知られていないこと。公表された情報は満たさない
- 3要件は全て必要:1つでも欠けると、営業秘密に当たらない
- 管理の例:管理レベルのラベル付け、閲覧できる者の限定、取扱いの周知
- 限定提供データ:業として特定の者に提供する、電磁的方法で相当量蓄積され管理された情報
- 限定提供データの範囲:営業秘密を除く、技術上又は営業上の情報
- ドメイン名の不正取得:不正の利益を得る目的等で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を取得・保有・使用
- コピープロテクト外し:コピー制限などの技術的制限手段の効果を妨げる装置やプログラムの提供は不正競争
ひっかけ
- 営業秘密は、社内で管理していても、公然と知られていれば当たらない
- 営業秘密は、有用でも、秘密として管理されていなければ当たらない
- 限定提供データ(特定の者への提供)と営業秘密(秘密管理)の取りちがえ
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
このノウハウが営業秘密に当たるかの判断として、最も適切なものはどれか。
正解:イ 学会誌で公表済みの部分があり、非公知性を満たさないので、営業秘密に当たらない
ポイント
営業秘密に当たるかを、3要件に当てはめて判断する問題です。
考え方と解き方
営業秘密は、3要件の全てを満たす物です。管理を厳しくしても、すでに公然と知られた部分は守れません。管理者の立場なら、要件を1つずつ事実に当てはめ、欠けている物がないかを先に考えます。
- ノウハウは製品の品質向上に役立つので有用性を、社外秘の表示と閲覧の制限があるので秘密管理性を満たします。
- しかし、主要な部分が学会誌で公表されているので、公然と知られており、非公知性を満たしません。1つでも欠けると営業秘密に当たらないので、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 秘密管理性と有用性は満たしますが、非公知性が欠けています。3 要件を全て満たしてはいません。
- ウ 公表したのがだれかは関係なく、公表された内容は公然と知られた状態です。非公知性は失われています。
- エ 品質向上に役立つ情報なので、有用性は満たします。当たらない理由は、有用性ではなく非公知性の欠如です。
覚えておくこと
- 営業秘密の3要件:秘密管理性、有用性、非公知性。全て満たす物が営業秘密
- 非公知性:公然と知られていないこと。公表された情報は満たさない
- 3要件は全て必要:1つでも欠けると、営業秘密に当たらない
(テーマ・覚えること)
不正競争防止法における限定提供データの説明として、最も適切なものはどれか。
正解:エ 業として特定の者に提供する、電磁的方法で相当量蓄積し管理した情報
ポイント
限定提供データの定義を、営業秘密と取りちがえずに選ぶ問題です。
考え方と解き方
限定提供データは、営業秘密として守れない、特定の者に提供するデータを守る仕組みです。営業秘密は秘密管理が柱、限定提供データは特定の者への提供と電磁的な蓄積・管理が柱、と軸で区別します。
- 限定提供データは、業として特定の者に提供する情報として、電磁的方法により相当量蓄積され、管理されている技術上又は営業上の情報(営業秘密を除く)です。
- したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 秘密として管理され、公然と知られていない情報は、営業秘密の説明です。限定提供データは、営業秘密を除く情報です。
- イ 限定提供データは、特定の者に提供する情報です。不特定多数に無償で公開している情報の説明ではありません。
- ウ 限定提供データは、電磁的方法で蓄積された情報で、営業秘密を除きます。紙の資料という点と、営業秘密を含めるという点が、定義と異なります。
覚えておくこと
- 限定提供データ:業として特定の者に提供する、電磁的方法で相当量蓄積され管理された情報
- 限定提供データの範囲:営業秘密を除く、技術上又は営業上の情報
(テーマ・覚えること)
不正競争防止法に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 不正の利益を得る目的で、他人の特定商品等表示に似たドメイン名を取得することは、不正競争に当たる。
- b コピー制限の効果を妨げる装置やプログラムを他人に提供することは、不正競争に当たる。
- c 営業秘密に当たる情報は、同時に限定提供データにも当たる。
正解:ウ a、b
ポイント
不正競争に当たる行為と、営業秘密・限定提供データの関係を問う問題です。
考え方と解き方
不正競争は、法律が列挙した行為が対象です。目的の有無や、保護の対象の線引きを、記述ごとに確かめます。
- a は適切です。不正の利益を得る目的又は損害を加える目的での、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名の取得は不正競争です。b は適切です。技術的制限手段の効果を妨げる装置やプログラムの提供は、不正競争です。c は不適切です。限定提供データは営業秘密を除く情報なので、営業秘密に当たる情報は限定提供データに当たりません。
- したがって、適切なのは a、b の全てで、ウ です。
ほかの選択肢
- ア a も適切なので、b だけでは足りません。
- イ b も適切なので、a だけでは足りません。
- エ c は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- ドメイン名の不正取得:不正の利益を得る目的等で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を取得・保有・使用
- コピープロテクト外し:コピー制限などの技術的制限手段の効果を妨げる装置やプログラムの提供は不正競争
- 限定提供データの範囲:営業秘密を除く、技術上又は営業上の情報
(テーマ・覚えること)
B さんが営業秘密として守るために行う対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 設計データに社外秘の表示を付け、閲覧できる者を限り、取扱いを従業員に周知する
ポイント
営業秘密として守るために、不足している管理を選ぶ問題です。
考え方と解き方
事例で欠けているのは、秘密として管理されていることです。管理者の立場なら、有用性や非公知性ではなく、従業員が秘密と分かる状態をつくることを先に考えます。
- 全従業員が閲覧でき、表示もないので、秘密として管理されているとは言えません。社外秘の表示、閲覧できる者の限定、取扱いの周知で、秘密管理性を満たします。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 更新は有用性を高める行動ですが、不足している秘密管理には当たりません。
- ウ 公表すると公然と知られ、非公知性を失います。守る目的に反します。
- エ 限定提供データは営業秘密を除く情報です。営業秘密として守る目的の対応にはなりません。
覚えておくこと
- 秘密管理性:秘密として管理されていること。社外秘の表示などで秘密と分かるようにする
- 管理の例:管理レベルのラベル付け、閲覧できる者の限定、取扱いの周知
- 非公知性:公然と知られていないこと。公表された情報は満たさない
(テーマ・覚えること)
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