分野 E|セキュリティ・倫理
労働基準法・労働契約法・36協定(労働時間と働き方)
今の制度の過去問(3回分)には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-28-3 労働関連法規』
最終更新
よく出る形
- 問われるとしたら:事例で、36協定(時間外労働の労使協定)を結ぶ相手を選ぶ形
- 問われるとしたら:フレックスタイム制、裁量労働制の a〜c の組合せの形
- 問われるとしたら:事例で、有期から無期労働契約への転換の申込みを選ぶ形
- 問われるとしたら:男女雇用機会均等法、育児・介護休業法で、不適切な記述を選ぶ形
覚えること
- 労働基準法:労働時間など、労働契約で最低限守る労働条件の基準を定めた法律
- 法定労働時間:原則として、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間まで
- 36協定:労働者の過半数の労働組合か過半数代表者と書面で協定し、労働基準監督署長に届け出る
- 時間外労働の限度:原則として、1か月45時間、1年360時間
- フレックスタイム制:始業と終業の時刻を労働者が決める制度。清算期間は3か月以内
- 裁量労働制:業務の進め方を労働者に任せ、労使協定などで定めた時間を働いたとみなす制度
- 労働契約法:労働者と使用者の合意にもとづく、労働契約の基本的な決まりを定めた法律
- 無期転換:有期労働契約が通算5年を超えた労働者が、満了日までに申し込むと、無期労働契約になる
- 無期転換の承諾:労働者が申し込むと、使用者は承諾したものとみなされる
- 労働安全衛生法:職場の労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成を目的とする法律
- 男女雇用機会均等法:性別を理由とする差別を禁止し、妊娠を理由とする解雇などを禁止
- 育児・介護休業法:育児休業、介護休業を定め、申出や取得を理由とする解雇などを禁止
- 育児休業:原則として、子が1歳になるまで取得できる
- 介護休業:対象家族1人につき、通算93日を限度に、3回まで分けて取得できる
- 過半数代表者:管理監督者でなく、投票や挙手などで選ばれた者。会社の指名は不可
- 参考:案には、今のシラバス(Ver.6.5)の用語例にある最低賃金がなく、均等法と育児・介護休業法が加わる
ひっかけ
- 36協定の相手は、管理職や希望者ではなく、労働者の過半数を代表する者
- フレックスタイム制の清算期間は3か月以内で、1年までではない
- 無期転換は、満了日までに申し込む。使用者の承諾は不要
- 介護休業は通算93日まで。通算1年までではない
想定問題
4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
A 社が行う手続として、最も適切なものはどれか。
正解:イ 従業員の過半数を代表する者と書面で協定を結び、所轄の労働基準監督署長に届け出る。
ポイント
法定労働時間を超えて働かせるために、会社が結ぶ36協定の相手と手続を問う問題です。
考え方と解き方
36協定は、時間外労働をさせるために、会社が労働者側と結ぶ協定です。労働組合がなければ、労働者の過半数を代表する者が相手になります。会社が相手を選べると考えると、誤ります。
- A 社には労働組合がないので、協定の相手は、従業員の過半数を代表する者です。過半数代表者は、管理監督者でなく、投票や挙手などで選ばれた者です。
- 協定は書面で結び、所轄の労働基準監督署長に届け出ます。
- したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 管理監督者(管理職)は、過半数代表者になれません。
- ウ 協定は、希望者の一人一人とではなく、投票や挙手などで選ばれた過半数代表者と結びます。
- エ 過半数代表者は、投票や挙手などで選ぶ必要があり、会社の意向で指名した者はなれません。
覚えておくこと
- 36協定:労働者の過半数の労働組合か過半数代表者と書面で協定し、労働基準監督署長に届け出る
- 過半数代表者:管理監督者でなく、投票や挙手などで選ばれた者。会社の指名は不可
- 法定労働時間:原則として、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間まで
(テーマ・覚えること)
これらの制度に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a フレックスタイム制の清算期間は、労使協定で定めれば、1年まで設定できる。
- b 専門業務型裁量労働制では、対象業務に就いた従業員は、労使協定で定めた時間を働いたものとみなされる。
- c フレックスタイム制では、始業及び終業の時刻を、従業員の決定に委ねる。
正解:ウ b、c
ポイント
フレックスタイム制と裁量労働制の内容を、a〜c で判定する問題です。
考え方と解き方
フレックスタイム制は「いつ働くか」を従業員に委ね、裁量労働制は「何時間働いたとみなすか」を決める制度です。清算期間の上限を覚えていないと、a を適切としてしまいます。
- a は不適切です。フレックスタイム制の清算期間は3か月以内で、1年までは設定できません。
- b は適切です。専門業務型裁量労働制では、労使協定で定めた時間を働いたものとみなします。
- c は適切です。フレックスタイム制は、始業と終業の時刻を、従業員の決定に委ねる制度です。
- したがって、適切なのは b、c で、ウ です。
ほかの選択肢
- ア a も適切としていますが、清算期間を1年まで設定できるという a は不適切です。
- イ a、b、c の全てを適切としていますが、a は不適切です。
- エ b も適切なのに入っておらず、c だけになっています。
覚えておくこと
- フレックスタイム制:始業と終業の時刻を労働者が決める制度。清算期間は3か月以内
- 裁量労働制:業務の進め方を労働者に任せ、労使協定などで定めた時間を働いたとみなす制度
(テーマ・覚えること)
B さんが行う対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 現在の契約期間の満了日までに、A 社に無期労働契約への転換を申し込む。
ポイント
有期労働契約から無期労働契約への転換で、労働者がすることを問う問題です。
考え方と解き方
有期労働契約の通算が5年を超えると、労働者に無期転換を申し込む権利が生じます。権利が生じるだけで自動では転換されないので、申込みが必要です。5年を超えれば自動で変わると考えると、ウを選んでしまいます。
- B さんの通算期間は6年で、5年を超えているので、無期転換を申し込めます。
- 申込みは、現在の契約期間の満了日までに行います。申し込むと、A 社は承諾したものとみなされます。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 契約が更新されずに満了した後では、申込みはできません。現在の契約期間の満了日までに行います。
- ウ 5年を超えただけでは転換されず、労働者の申込みが必要です。
- エ 申し込むと使用者は承諾したものとみなされるので、先に承諾を得る必要はありません。
覚えておくこと
- 無期転換:有期労働契約が通算5年を超えた労働者が、満了日までに申し込むと、無期労働契約になる
- 無期転換の承諾:労働者が申し込むと、使用者は承諾したものとみなされる
(テーマ・覚えること)
男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
正解:エ 事業主は、介護休業を、対象家族1人につき通算で1年まで取得できるようにしなければならない。
ポイント
男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の記述から、不適切な物を選ぶ問題です。
考え方と解き方
どちらの法律も、性別や妊娠、休業の申出を理由とした不利益な取扱いを禁じています。一方、介護休業の期間や回数は、数字で決められています。数字の記述を、長いほど手厚くて適切だと考えると、エを見逃します。
- 介護休業は、対象家族1人につき、通算93日を限度に、3回まで分けて取得できます。通算で1年まで取得できるという記述は、これと合いません。
- したがって、最も不適切なのは エ です。正しくは、介護休業は対象家族1人につき通算93日が限度です。
ほかの選択肢
- ア 男女雇用機会均等法は、昇進などについて、性別を理由とした差別的な取扱いを禁止しています。
- イ 男女雇用機会均等法は、女性労働者が妊娠したことを理由とした解雇などを禁止しています。
- ウ 育児・介護休業法は、育児休業の申出や取得を理由とした解雇などを禁止しています。
覚えておくこと
- 男女雇用機会均等法:性別を理由とする差別を禁止し、妊娠を理由とする解雇などを禁止
- 育児・介護休業法:育児休業、介護休業を定め、申出や取得を理由とする解雇などを禁止
- 介護休業:対象家族1人につき、通算93日を限度に、3回まで分けて取得できる
(テーマ・覚えること)
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