分野 E|セキュリティ・倫理
マイナンバー法・GDPR・忘れられる権利
今の制度の過去問(3回分)には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-29-1 個人情報保護・プライバシー保護に関する法規・ガイドライン』
最終更新
よく出る形
- 問われるとしたら:事例で、GDPR(EU の個人データ保護の規則)が適用される場合を選ぶ形
- 問われるとしたら:忘れられる権利(消去権)の説明を選ぶ形
- 問われるとしたら:マイナンバー(個人番号)の取扱いの a〜c の組合せの形
- 問われるとしたら:特定個人情報に当たる物を選ぶ形
覚えること
- マイナンバー法:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
- 個人番号(マイナンバー):住民票コードを変換して得られ、住民票に係る者を識別するために指定される番号
- 個人番号の指定:市町村長が個人番号を指定して、本人に通知する
- 個人番号の変更:漏えいして不正に使われるおそれがあるとき、市町村長が、本人の請求または職権で新しい番号に代える
- マイナンバー制度の目的:行政運営の効率化、給付と負担の公正の確保、手続の簡素化による利便性の向上
- 利用を進める分野:社会保障、税、災害対策など
- 特定個人情報:個人番号を内容に含む個人情報
- 特定個人情報の提供:法律で認められた場合を除き、何人も提供してはならない
- 個人番号の提供の要求:法律で認められた場合を除き、同一世帯でない他人に求めてはならない
- 事業者による利用:税や社会保障の法令で書類に番号を記載する事務など、法令で定めた事務に必要な範囲に限る
- GDPR(一般データ保護規則):EU が定めた、個人データの取扱いと保護、自由な移転についての規則
- データ主体:個人データによって識別される、または識別できる自然人(個人)
- GDPR の適用:EU 域内に拠点がなくても、域内の人に商品やサービスを提供する場合などに適用される
- 忘れられる権利(消去権):目的に不要になった、同意を撤回した、違法に取り扱われたなどのとき、消去を求められる
- 忘れられる権利の例外:表現の自由、法的義務の遵守、公衆衛生などのために必要な取扱いには、及ばない
- 参考:今のシラバスの用語例にある「仮名化」「匿名化」は、案の用語例にない
ひっかけ
- 特定個人情報は個人番号を含む個人情報。運転免許証番号などを含むだけの情報は当たらない
- 個人番号を求められるのは法律で認められた場合だけで、会員確認などの目的では求められない
- 忘れられる権利は、どんな場合でも消去を求められる権利ではなく、例外がある
- GDPR は、日本の会社でも、EU 域内の人に商品やサービスを提供すれば対象になる
想定問題
4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
A 社が GDPR の対象になるかどうかの考え方として、最も適切なものはどれか。
正解:エ EU 域内の人に商品を提供しているので、域内に拠点がなくても、対象になる。
ポイント
EU 域内に拠点がない日本の会社に、GDPR が適用されるかを問う問題です。
考え方と解き方
GDPR は、拠点の場所だけでなく、EU 域内の人に何をしているかで適用が決まります。「日本の会社だから対象外」と考えると、域内の人へ商品を提供している事例で誤ります。
- GDPR は、EU 域内に拠点がない事業者でも、域内の人に商品やサービスを提供する場合などに適用されます。
- 事例の A 社は、EU 域内の人に商品を販売し、その個人データを取得しているので、拠点がなくても対象になります。
- したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 拠点がなくても、域内の人に商品やサービスを提供していれば、対象になります。
- イ 行動の監視だけでなく、商品やサービスの提供でも対象になります。事例は商品の提供に当たります。
- ウ 適用は、日本の法律で扱っているかどうかでは決まりません。EU 域内の人への商品やサービスの提供などで決まります。
覚えておくこと
- GDPR(一般データ保護規則):EU が定めた、個人データの取扱いと保護、自由な移転についての規則
- GDPR の適用:EU 域内に拠点がなくても、域内の人に商品やサービスを提供する場合などに適用される
(テーマ・覚えること)
GDPR の忘れられる権利(消去の権利)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 個人データが、収集された目的に対して必要なくなった場合などに、本人が消去を求められる。
ポイント
忘れられる権利(消去の権利)が使える場面と、その例外を問う問題です。
考え方と解き方
忘れられる権利は、消去を求められる場面が決まっていて、例外もあります。同意を得て集めた情報は消せない、と考えるとウを、行政機関だけの制度と考えるとイを選んで誤ります。
- GDPR の忘れられる権利(消去の権利)は、個人データが収集の目的に必要なくなった場合、同意を撤回した場合、違法に取り扱われた場合などに、本人が消去を求められる権利です。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 消去を求められる場面は、保有者が行政機関かどうかでは決まりません。目的に不要になった場合などです。
- ウ 同意を撤回し、他に取扱いの根拠がなければ、同意を得て集めた個人データでも、消去を求められます。
- エ 表現及び情報伝達の自由の行使に必要な取扱いには、この権利は及びません。
覚えておくこと
- 忘れられる権利(消去権):目的に不要になった、同意を撤回した、違法に取り扱われたなどのとき、消去を求められる
- 忘れられる権利の例外:表現の自由、法的義務の遵守、公衆衛生などのために必要な取扱いには、及ばない
(テーマ・覚えること)
A 社のマイナンバー(個人番号)の取扱いのうち、不適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 従業員から、源泉徴収票を作る事務のために、本人の個人番号の提供を受けて、その事務に使う。
- b ポイントカードの会員の確認のために、会員に個人番号の提供を求め、その番号を会員番号として使う。
- c 従業員の個人番号が漏えいして不正に使われるおそれがあるとき、A 社が新しい個人番号を指定して、従業員に通知する。
正解:ウ b、c
ポイント
事業者がマイナンバーを求めてよい場合と、使ってよい事務を、a〜c で判定する問題です。
考え方と解き方
個人番号は、使ってよい事務と、番号を指定・変更する人が決まっています。会員確認のような独自の目的で番号を求める、事業者が番号を付け替える、と考えると誤ります。
- a は適切です。税の法令で書類に番号を記載する事務のために、従業員から提供を受けて使えます。
- b は不適切です。会員の確認は、法令で定めた事務ではないので、個人番号の提供を求められません。
- c は不適切です。個人番号の変更は、市町村長が本人の請求または職権で行い、事業者は新しい番号を指定できません。
- したがって、不適切なのは b、c で、ウ です。
ほかの選択肢
- ア 適切な a を挙げていて、不適切な c を挙げていません。
- イ 適切な a も挙げています。
- エ 不適切な b を挙げていません。
覚えておくこと
- 事業者による利用:税や社会保障の法令で書類に番号を記載する事務など、法令で定めた事務に必要な範囲に限る
- 個人番号の提供の要求:法律で認められた場合を除き、同一世帯でない他人に求めてはならない
- 個人番号の変更:漏えいして不正に使われるおそれがあるとき、市町村長が、本人の請求または職権で新しい番号に代える
(テーマ・覚えること)
特定個人情報に該当するものはどれか。
正解:イ 従業員の氏名と個人番号(マイナンバー)を記載した、事業者が保管する書類の情報
ポイント
特定個人情報がどんな情報かを、ほかの番号を含む情報と区別して問う問題です。
考え方と解き方
公的な番号なら全て特定個人情報、と考えると、ア・ウ・エを選びます。運転免許証番号、旅券番号、基礎年金番号は個人識別符号に当たる番号ですが、特定個人情報の条件は「個人番号を含む」ことです。
- 特定個人情報は、個人番号(マイナンバー)を内容に含む個人情報です。
- したがって、該当するのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 運転免許証番号は個人識別符号ですが、個人番号ではないので、特定個人情報に当たりません。
- ウ 旅券番号も個人識別符号ですが、個人番号ではないので、特定個人情報に当たりません。
- エ 基礎年金番号も個人識別符号ですが、個人番号ではないので、特定個人情報に当たりません。
覚えておくこと
- 特定個人情報:個人番号を内容に含む個人情報
- 個人番号(マイナンバー):住民票コードを変換して得られ、住民票に係る者を識別するために指定される番号
(テーマ・覚えること)
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