分野 E|セキュリティ・倫理
AI倫理とAIのリスク(ハルシネーション・説明可能なAI・生成AIの利用上の注意)
今の制度の過去問(3回分)では、ハルシネーションと、AI を使うときの留意点が、合わせて2問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-27-2 AIのリスク・脅威』
最終更新
よく出る形
- ハルシネーション(もっともらしい誤り)を表す用語を選ぶ(3回分で1問)
- AI を使うときの留意点の a〜c の組合せを選ぶ(3回分で1問)
- 問われるとしたら:事例で、生成 AI の出力や入力への対応を選ぶ形
- 問われるとしたら:HITL(人が判断に関わる)などの説明を選ぶ形
覚えること
- 説明可能な AI(XAI):AI の動作や判断について、人が納得できる説明を示せること
- ヒューマンインザループ(HITL):AI に任せきりにせず、適切な場面で人間の判断を介在させること
- AI サービスのオプトアウトポリシー:入力したデータを、AI の学習に使わせない取り扱いの方針
- ハルシネーション:事実と異なることを、もっともらしく出力すること
- 古い出力情報:学習した時点より後の変化が、出力に反映されないこと
- 根拠・出典不明の出力情報:出力の根拠や出典が示されず、確かめにくいこと
- 出力情報の再現性・一貫性の欠如:同じ質問でも、出力が変わることがあること
- 差別的表現:学習データの偏りなどから、差別的な内容が出力されること
- ディープフェイク:本物に似せた偽の画像や映像を作り、偽情報の拡散などに使うこと
- AI 利活用の留意点:人への危害、判断の偏り、プライバシーの侵害の可能性
- 機密や個人情報の入力:入力した内容が、AI の学習に使われ、出力に出るおそれがある
- 個人データの入力:入力前に、提供事業者が機械学習に利用しないことなどを確かめる
- AI の出力の扱い:そのまま使わず、公表資料などで確かめてから使う
- 参考:今のシラバスで AI の留意事項はストラテジ系。案では大分類7(倫理)に置かれる
ひっかけ
- 同じ質問に同じ答えが出ても、内容が事実とは限らない
- HITL は人間の判断を介在させること、XAI は判断の理由を示すこと
- ハルシネーションは、文章が自然でも内容が誤っていることがある
想定問題
4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんの対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 示された調査機関の公表資料を調べ、その数値が載っているかを確かめてから、資料に使う。
ポイント
生成 AI が出した数値や出典を、資料に使う前にどう扱うかを問う問題です。
考え方と解き方
生成 AI は、事実と異なることを、もっともらしく出力することがあります。具体的な名前や数値が付くと本物に見えますが、示された出典が実在するか、数値が載っているかは、別に確かめる必要があります。
- 生成 AI の出力は、そのまま使わず、公表資料などで確かめてから使います。
- B さんは、示された調査機関の公表資料を調べて、数値が載っているかを確かめます。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 同じ数値が出ても、事実である根拠にはなりません。確かめる先は、公表資料などです。
- ウ 具体的な名前が示されても、その出典が実在し、数値が載っていると確かめられたことにはなりません。
- エ 提案に合う数値でも、出典の確認を後回しにすると、誤った数値を資料に載せるおそれがあります。
覚えておくこと
- ハルシネーション:事実と異なることを、もっともらしく出力すること
- AI の出力の扱い:そのまま使わず、公表資料などで確かめてから使う
- 根拠・出典不明の出力情報:出力の根拠や出典が示されず、確かめにくいこと
(テーマ・覚えること)
生成 AI を使う上での留意点に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 学習データに偏りがあっても、生成 AI の出力に、差別的な表現が含まれることはない。
- b 実在する人物の顔や声に似せた偽の映像や音声を、生成 AI で作れるので、偽情報の拡散に悪用されるおそれがある。
- c 学習したデータに古い情報が多い場合、最新の制度の変更が反映されていない回答が出るおそれがある。
正解:ウ b、c
ポイント
生成 AI の出力に関するリスクを、a〜c で判定する問題です。
考え方と解き方
学習データの偏りが、出力の偏りにつながることを見落として、a を適切と判定すると誤ります。
- a は不適切です。生成 AI は、学習データの偏りなどから、差別的な内容を出力することがあります。
- b は適切です。本物に似せた偽の映像や音声(ディープフェイク)は、偽情報の拡散などに悪用されます。
- c は適切です。学習した時点より後の変化は、出力に反映されないことがあります。
- したがって、適切なのは b、c で、ウ です。
ほかの選択肢
- ア a を入れすぎ、c を入れ損ねています。a は不適切で、c は適切です。
- イ a を入れすぎています。学習データに偏りがあれば、差別的な表現が出力に含まれるおそれがあります。
- エ b を入れ損ねています。偽の映像や音声の悪用は、留意点の一つです。
覚えておくこと
- 差別的表現:学習データの偏りなどから、差別的な内容が出力されること
- ディープフェイク:本物に似せた偽の画像や映像を作り、偽情報の拡散などに使うこと
- 古い出力情報:学習した時点より後の変化が、出力に反映されないこと
(テーマ・覚えること)
ヒューマンインザループ(HITL)に該当するものはどれか。
正解:イ AI の出力に、適切な場面で人間の判断を介在させ、最終判断に関わること
ポイント
AI の運用で、人の関わり方を表す用語の意味を問う問題です。
考え方と解き方
どれも AI と人の関わりの話なので、理由を示す XAI と、人間の判断を介在させる HITL を取りちがえると、アを選びます。
- ヒューマンインザループ(HITL)は、AI に単独で判断させず、適切な場面で人間の判断を介在させることです。
- したがって、ヒューマンインザループに該当するのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 説明可能な AI(XAI)の説明です。AI の動作や判断について、人が納得できる説明を示す考え方です。
- ウ AI サービスのオプトアウトポリシーの説明です。入力したデータを学習に使わせない取り扱いの方針です。
- エ 人間の判断を介在させない運用の説明で、HITL とは逆です。HITL は、人間の判断を介在させます。
覚えておくこと
- ヒューマンインザループ(HITL):AI に任せきりにせず、適切な場面で人間の判断を介在させること
- 説明可能な AI(XAI):AI の動作や判断について、人が納得できる説明を示せること
(テーマ・覚えること)
A 社の対応として、最も適切なものはどれか。
正解:エ 入力の前に、提供事業者が、入力した内容を学習に利用しないかを確認する。
ポイント
個人情報を含む記録を生成 AI に入力するときの、A 社の対応を問う問題です。
考え方と解き方
出力の結果や料金のような、見えやすい項目の確認を、個人情報を守る確認と取りちがえると、イやウを選びます。入力したあとの確認も、入力した内容の扱いは分かりません。
- 顧客の氏名と連絡先は個人情報に当たります。生成 AI サービスでは、入力した内容が機械学習に使われ、のちの出力に現れるおそれがあります。
- 個人データを含む入力をする前に、提供事業者がその内容を機械学習に利用しないことなどを確かめます。
- したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 入力したあとの確認では、すでに入力した個人情報が学習に使われるおそれを防げません。確認は入力の前に行います。
- イ 利用料金の仕組みは利用条件の話で、入力した内容の扱いを確かめることにはなりません。
- ウ 読みやすさは出力の品質の話で、入力した内容の扱いを確かめることにはなりません。
覚えておくこと
- 機密や個人情報の入力:入力した内容が、AI の学習に使われ、出力に出るおそれがある
- 個人データの入力:入力前に、提供事業者が機械学習に利用しないことなどを確かめる
(テーマ・覚えること)
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