分野 E|セキュリティ・倫理

著作権・特許法・商標法・不正競争防止法(営業秘密)

今の制度の過去問(3回分)では、著作権、産業財産権、不正競争防止法(限定提供データ)が、合わせて6問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-28-1 著作権法』

最終更新

よく出る形

  • サービスマーク(サービスに付ける目印)を説明する文を選ぶ(3回分で1問)
  • 実用新案(物の形や構造の考案)の対象を選ぶ(3回分で1問)
  • ビジネスの方法を保護する法律を選ぶ(3回分で1問)
  • 著作権の保護の対象になる物を選ぶ(3回分で1問)
  • 生成 AI の生成物で、許諾が要る可能性のある行為を選ぶ(3回分で1問)
  • 限定提供データ(会員向けなどに提供するデータ)の説明を選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:事例で、引用(他人の著作物の利用)の際に行うことを選ぶ形
  • 問われるとしたら:営業秘密(秘密にしている事業情報)の3要件の説明を選ぶ形

覚えること

  • 著作権:思想や感情を創作的に表現した物(著作物)に、創作した時に発生し、登録は不要
  • 著作権の対象外:プログラム言語、規約(通信プロトコルなど)、解法(アルゴリズム)
  • 引用:公表された著作物を、公正な慣行に合う正当な範囲内で、出所を示して使う(許諾は不要)
  • 生成 AI の生成物:類似性と依拠性があれば公開に許諾が要る。私的使用の複製は原則不要
  • 特許法:自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度な物(発明)を保護
  • ビジネスモデル特許:ビジネスの方法を IT で実現した物は、特許の対象になり得る
  • 実用新案法:物品の形状、構造、組合せに係る考案を保護。新規性などの実体審査なしで登録
  • 意匠法:物品などの形状、模様、色彩で、視覚を通じて美感を起こさせるデザインを保護
  • 商標法:商品や役務(サービス)を他と区別する、文字、図形、色彩、音などの標識を保護
  • トレードマークとサービスマーク:商品に付ける標識がトレードマーク、役務に付ける標識がサービスマーク
  • 不正競争防止法:著作権法や産業財産権では守れない営業秘密、限定提供データなどを保護
  • 営業秘密の3要件:秘密管理性(秘密として管理)、有用性(事業に有用)、非公知性(公然と知られていない)
  • 限定提供データ:業として特定の者に提供する、電磁的方法で相当量蓄積、管理された情報(営業秘密を除く)
  • 参考:案の用語例にある「引用」と営業秘密の3要件は、今のシラバス(Ver.6.5)の用語例にない

ひっかけ

  • 実用新案の対象は物品の形状、構造、組合せ。製造方法は対象外
  • サービスマークは、商品ではなく役務(サービス)に付ける標識
  • 著作権が守るのは表現で、アルゴリズムや通信プロトコルは守られない

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

A 社の対応として、最も適切なものはどれか。

A 社は、自社の Web サイトの解説記事で、他社が公表した調査報告書の一部を、著作権者の許諾を得ずに引用して紹介する。A 社は、著作権法の規定に沿った引用にしたいと考えている。

正解:エ 引用した部分の題名や著作者名などを、出所として明示する。

ポイント

他人の著作物を、許諾なしに引用するときに守ることを問う問題です。

考え方と解き方

引用は、決まった条件を守れば、著作権者の許諾なしにできる制度です。許諾が要らないなら自由に使えると考えると、出所を省いたり、分量が多すぎたりする誤りを選んでしまいます。

  1. 引用できるのは、公表された著作物で、公正な慣行に合い、報道、批評、研究などの目的上正当な範囲内で行う場合です。
  2. あわせて、出所を、利用の態様に応じて合理的と認められる方法と程度で示す必要があります。題名や著作者名を示すのが、その方法です。
  3. したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 引用の条件に、使用料の支払いは含まれていません。必要なのは、出所を示すことです。
  • イ 出所を示さない引用は認められません。引用元の記載を省くのではなく、示す必要があります。
  • ウ 引用は正当な範囲内で行う必要があります。自分の文章より引用が多くなる分量は、範囲を超えます。

覚えておくこと

  • 引用:公表された著作物を、公正な慣行に合う正当な範囲内で、出所を示して使う(許諾は不要)
  • 著作権:思想や感情を創作的に表現した物(著作物)に、創作した時に発生し、登録は不要

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

これらの保護に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社は、新しい家庭用ロボットの発売を準備している。
  • a ロボットの外観の形状、模様、色彩を、新しいデザインとして登録すれば、意匠法で保護できる。
  • b ロボットの商品名を表す文字や図形を、他社の商品と区別する標識として登録すれば、商標法で保護できる。
  • c ロボットの関節を動かす内部の構造を、新しいデザインとして登録すれば、意匠法で保護できる。

正解:ア a、b

ポイント

意匠法、商標法、実用新案法が、それぞれ何を保護するかを、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

産業財産権は、何を守るかで法律が分かれます。意匠はデザイン、商標は区別のための標識、実用新案は物品の形状、構造、組合せです。デザインと物の構造を同じと考えて、内部の構造も意匠で守れるとすると、c を適切としてしまいます。

  1. a は適切です。意匠は、物品などの形状、模様、色彩で、視覚を通じて美感を起こさせるデザインです。
  2. b は適切です。商標は、商品や役務を他と区別するための、文字、図形などの標識です。
  3. c は不適切です。意匠が保護するのは、視覚を通じて美感を起こさせる外観のデザインです。内部の構造は、意匠ではなく、実用新案法が保護する物品の構造に係る考案に当たります。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c も適切としていますが、内部の構造は意匠法が保護する外観のデザインではないので、c は不適切です。
  • ウ a も適切なのに入っておらず、不適切な c が入っています。
  • エ a、b が適切なのに入っておらず、不適切な c だけになっています。

覚えておくこと

  • 実用新案法:物品の形状、構造、組合せに係る考案を保護。新規性などの実体審査なしで登録
  • 意匠法:物品などの形状、模様、色彩で、視覚を通じて美感を起こさせるデザインを保護
  • 商標法:商品や役務(サービス)を他と区別する、文字、図形、色彩、音などの標識を保護

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

不正競争防止法における営業秘密の3要件のうち、非公知性の説明はどれか。

正解:ウ 公然と知られていない情報であること。

ポイント

営業秘密の3要件のうち、非公知性がどれかを問う問題です。

考え方と解き方

営業秘密の3要件は、名前が似ていて、どれがどの意味かを混同しがちです。限定提供データの条件(電磁的方法による蓄積と管理)まで営業秘密の要件と思いこむと、エを選んでしまいます。

  1. 営業秘密の3要件は、秘密管理性、有用性、非公知性です。
  2. 非公知性は、その情報が公然と知られていないことを指します。
  3. したがって、非公知性に該当するのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 秘密として管理されていることは、秘密管理性の説明です。
  • イ 事業活動に有用な情報であることは、有用性の説明です。
  • エ 電磁的方法による相当量の蓄積と管理は、限定提供データの定義にある条件で、営業秘密の要件ではありません。

覚えておくこと

  • 営業秘密の3要件:秘密管理性(秘密として管理)、有用性(事業に有用)、非公知性(公然と知られていない)
  • 限定提供データ:業として特定の者に提供する、電磁的方法で相当量蓄積、管理された情報(営業秘密を除く)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

著作権に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

正解:イ 著作権の保護を受けるには、著作物に著作権者の表示を付ける必要がある。

ポイント

著作権の発生と、保護の対象についての記述から、不適切な物を選ぶ問題です。

考え方と解き方

著作権は、登録や表示がなくても、創作した時に自然に発生します。商標や特許のように、手続をして初めて権利になると考えると、イを適切としてしまいます。

  1. 著作権は、著作物を創作した時に発生し、登録や表示などの手続を必要としません。
  2. したがって、最も不適切なのは イ です。正しくは、著作権の保護を受けるために、著作物に表示を付ける必要はありません。

ほかの選択肢

  • ア 著作権は、登録などの方式を必要とせずに、創作した時に発生します。
  • ウ 著作権法は、プログラム言語、規約及び解法には、保護が及ばないと定めています。
  • エ 著作物は、思想や感情を創作的に表現した物で、文芸、学術、美術、音楽の範囲に属する物です。

覚えておくこと

  • 著作権:思想や感情を創作的に表現した物(著作物)に、創作した時に発生し、登録は不要
  • 著作権の対象外:プログラム言語、規約(通信プロトコルなど)、解法(アルゴリズム)

(テーマ・覚えること)

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