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労働者派遣法・偽装請負・パワハラ防止法・公益通報者保護法

今の制度の過去問(3回分)では、労働者派遣と偽装請負が、合わせて2問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-28-3 労働関連法規』

最終更新

よく出る形

  • 派遣労働者の雇用関係(雇用契約を結ぶ相手)を選ぶ(3回分で1問)
  • 偽装請負(請負の形で発注者が指示すること)とみなされる作業形態を選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:事例で、二重派遣の禁止と派遣の仕組みを a〜c の組合せで選ぶ形
  • 問われるとしたら:事例で、請負の発注者が取るべき対応を選ぶ形
  • 問われるとしたら:パワハラ防止法(職場の嫌がらせの防止法)で、事業主の義務を選ぶ形
  • 問われるとしたら:公益通報者保護法(通報者を守る法律)の記述を選ぶ形

覚えること

  • 労働者派遣:派遣元が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令の下で、派遣先のために働かせること
  • 派遣労働者の雇用関係:雇用契約は派遣元と結び、派遣先とは雇用関係がない
  • 派遣契約:派遣元と派遣先が結ぶ契約。派遣労働者に業務の指示をするのは派遣先
  • 請負:請負事業者が自社の労働者に指揮命令をし、発注者は請負労働者に指示をしない
  • 偽装請負:請負契約の形で、発注者が請負労働者に直接、指揮命令をすること
  • 二重派遣の禁止:派遣先が派遣労働者を、さらに別の会社の指揮命令の下で働かせることは、労働者供給として禁止
  • パワーハラスメント:優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、就業環境を害する言動
  • パワハラ防止法(労働施策総合推進法):事業主は、労働者の相談に応じ、適切に対応する体制の整備などの措置を講じる
  • 不利益取扱いの禁止:相談したこと、対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇などをしてはならない
  • 公益通報者保護法:要件を満たす公益通報をした労働者の解雇は無効。降格、減給なども禁止
  • 公益通報の通報先:事業者内部、行政機関、被害の拡大防止に必要と認められる者
  • 公益通報者の範囲:現に働く労働者のほか、退職後1年以内の者、派遣労働者、役員なども含む
  • 事業者の体制整備:常時使用する労働者が300人を超える事業者は、通報に対応する体制の整備が義務
  • 偽装請負の判断:発注者が作業の割付、文書での詳細な指示、労働時間の管理をすれば偽装請負
  • 請負事業者への要求:発注者が請負事業者に作業工程の見直しを求めることは、偽装請負に当たらない
  • 参考:案の用語例にある「偽装請負」「二重派遣の禁止」は、今のシラバス(Ver.6.5)の用語例にない

ひっかけ

  • 派遣労働者と雇用関係があるのは派遣元で、指示をするのは派遣先
  • 偽装請負かどうかは、作業場所ではなく、だれが指揮命令をするかで決まる
  • パワハラに当たるのは、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動。適正な指導は当たらない
  • 公益通報者保護法の保護の対象は、現に働く労働者だけではない

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

派遣に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

B 社の従業員の C さんは、B 社と A 社の間で結んだ労働者派遣契約にもとづき、A 社で働いている。
  • a A 社は、C さんを、取引先の D 社の事務所で、D 社の指揮命令の下に働かせることができる。
  • b 労働者派遣契約を結んでいるのは B 社と A 社で、C さんは契約の当事者ではない。
  • c C さんに業務上の指示をするのは、派遣先の A 社である。

正解:ウ b、c

ポイント

派遣元、派遣先、派遣労働者の関係と、二重派遣の禁止を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

派遣では、雇用する会社と、指示を出す会社が別になります。派遣先は労働者を雇用していないので、その労働者を別の会社に派遣して働かせることはできません。a を、指示を出せる派遣先の権限の範囲と考えると、適切としてしまいます。

  1. a は不適切です。派遣先が、受け入れた派遣労働者を、さらに別の会社の指揮命令の下で働かせる二重派遣は、禁止されています。
  2. b は適切です。派遣契約は、派遣元の B 社と派遣先の A 社が結ぶ契約で、派遣労働者の C さんは当事者ではありません。
  3. c は適切です。派遣労働者に業務の指示をするのは、派遣先の A 社です。
  4. したがって、適切なのは b、c で、ウ です。

ほかの選択肢

  • ア a は不適切なので入りません。c が適切なのに入っていません。
  • イ a は二重派遣に当たる不適切な記述なので、全てを適切とはいえません。
  • エ b も適切なのに入っておらず、c だけになっています。

覚えておくこと

  • 二重派遣の禁止:派遣先が派遣労働者を、さらに別の会社の指揮命令の下で働かせることは、労働者供給として禁止
  • 派遣契約:派遣元と派遣先が結ぶ契約。派遣労働者に業務の指示をするのは派遣先
  • 派遣労働者の雇用関係:雇用契約は派遣元と結び、派遣先とは雇用関係がない

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

A 社の対応として、最も適切なものはどれか。

A 社は、B 社にソフトウェアの検証作業を請負契約で委託し、B 社の従業員が A 社内で作業している。A 社は、偽装請負にならないように、対応を考えている。

正解:イ 製品の不具合が見つかったので、A 社の担当者が、B 社に対して作業工程の見直しを求める。

ポイント

請負で、発注者が偽装請負にならないために取る対応を問う問題です。

考え方と解き方

請負では、請負事業者が自社の労働者に指揮命令をします。発注者が請負事業者に要求を出すのは契約の当事者間のやり取りですが、請負労働者に直接指示を出すと、実態は労働者派遣になります。事業者への要求と労働者への指示を同じと見ると、イを外してしまいます。

  1. 不具合を受けて、発注者が請負事業者に作業工程の見直しを求めることは、請負契約の当事者間のやり取りで、偽装請負には当たりません。
  2. 見直しを受けた B 社が、自社の従業員に指示をします。A 社は、B 社の従業員に直接指示をしません。
  3. したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 労働時間や休憩時間の指示と管理は、請負事業者が自ら行うことで、発注者の A 社が決めて管理すると偽装請負に当たります。
  • ウ 仕事の割り振りを A 社が決めて直接指示するのは、指揮命令に当たり、偽装請負です。
  • エ 作業の手順を A 社が文書で細かく定めて作業させるのも、A 社が指揮命令をするのと同じで、偽装請負です。

覚えておくこと

  • 偽装請負の判断:発注者が作業の割付、文書での詳細な指示、労働時間の管理をすれば偽装請負
  • 請負事業者への要求:発注者が請負事業者に作業工程の見直しを求めることは、偽装請負に当たらない
  • 請負:請負事業者が自社の労働者に指揮命令をし、発注者は請負労働者に指示をしない

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

パワハラ防止法(労働施策総合推進法)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

正解:エ 事業主は、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない。

ポイント

パワハラ防止法で、事業主に求められる義務と、パワハラの考え方を問う問題です。

考え方と解き方

パワハラは、優越的な関係を背景にした言動のうち、業務上必要かつ相当な範囲を超えた物です。範囲内の指導まで含めると、イを適切としてしまいます。事業主の義務は、相談に応じる体制の整備などの措置です。

  1. 事業主は、職場の優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えた物により、労働者の就業環境が害されないよう、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備などの措置を講じなければなりません。
  2. したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 事業主は、相談したことや、相談への対応に協力して事実を述べたことを理由として、解雇などの不利益な取扱いをしてはなりません。
  • イ 業務上必要かつ相当な範囲内の指導は、パワハラに当たりません。パワハラは、その範囲を超えた言動です。
  • ウ 法律の条文は、行為者の氏名を社内に公表することを、事業主の義務としていません。

覚えておくこと

  • パワーハラスメント:優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、就業環境を害する言動
  • パワハラ防止法(労働施策総合推進法):事業主は、労働者の相談に応じ、適切に対応する体制の整備などの措置を講じる
  • 不利益取扱いの禁止:相談したこと、対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇などをしてはならない

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

公益通報者保護法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

正解:ア 労働者が要件を満たす公益通報をしたことを理由とする、事業者による解雇は、無効となる。

ポイント

公益通報者保護法の保護の内容と、対象、事業者の義務を問う問題です。

考え方と解き方

公益通報者保護法は、通報した人が解雇などの不利益を受けないようにする法律です。保護される人や通報先、事業者の義務には幅や段階があるので、「限られる」と言い切った記述を適切とすると誤ります。

  1. 公益通報者保護法は、労働者が要件を満たす公益通報をしたことを理由とする事業者の解雇を無効とし、降格、減給などの不利益な取扱いも禁止しています。
  2. したがって、最も適切なのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ 公益通報者には、現に働く労働者のほか、退職後1年以内の者、派遣労働者、役員なども含まれます。
  • ウ 通報先には、事業者内部のほか、行政機関などが含まれ、行政機関への通報も保護の対象です。
  • エ 体制の整備が義務なのは、常時使用する労働者が300人を超える事業者で、300人以下の事業者は努力義務です。

覚えておくこと

  • 公益通報者保護法:要件を満たす公益通報をした労働者の解雇は無効。降格、減給なども禁止
  • 公益通報の通報先:事業者内部、行政機関、被害の拡大防止に必要と認められる者
  • 公益通報者の範囲:現に働く労働者のほか、退職後1年以内の者、派遣労働者、役員なども含む

(テーマ・覚えること)

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