分野 E|セキュリティ・倫理

特定商取引法・景品表示法・資金決済法(取引関連法規)

今の制度の過去問(3回分)には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-28-4 取引関連法規』

最終更新

よく出る形

  • 問われるとしたら:特定商取引法のクーリング・オフ(契約の解除)の a〜c の組合せの形
  • 問われるとしたら:事例で、景品表示法の有利誤認表示(取引条件の誤認)を選ぶ形
  • 問われるとしたら:事例で、取適法(中小受託取引適正化法)で委託側が行う対応を選ぶ形
  • 問われるとしたら:資金決済法の資金移動業(銀行以外の送金事業)の説明を選ぶ形

覚えること

  • 取適法(中小受託取引適正化法):委託事業者による、中小受託事業者への製造委託などの取引を適正にする法律
  • 取適法の改正:2026年(令和8年)1月施行の改正で、下請法から題名と用語が変わった
  • 取適法の明示:委託事業者は、給付の内容、代金の額、支払期日などを書面又は電磁的方法で明示する
  • 取適法の支払期日:給付を受領した日から起算して60日以内で、できる限り短い期間に定める
  • 取適法の禁止行為:受領拒否、支払遅延、代金減額、買いたたき、協議に応じない代金の決定など
  • 特定商取引法:訪問販売、通信販売、電話勧誘販売など7つの取引類型で、事業者の行為を規制する法律
  • クーリング・オフ:書面を受け取った日から、訪問販売と電話勧誘販売は8日以内なら、理由を問わず解除できる
  • 通信販売:クーリング・オフはない。返品は広告の特約に従い、特約がなければ受取後8日以内は可能
  • 特定デジタルプラットフォーム透明化法(ネット取引の場):指定された大規模提供者に、取引条件の開示と変更の事前通知を求める
  • 景品表示法:不当な景品類の提供と、誤認させる表示を規制し、一般消費者の利益を保護する法律
  • 優良誤認表示:品質、規格などを、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示
  • 有利誤認表示:価格などの取引条件を、実際よりも著しく有利だと誤認させる表示
  • ステルスマーケティング:広告であることを隠した表示。景品表示法による規制の対象
  • 商品の原産国に関する不当な表示:原産国について、一般消費者に誤認される表示
  • 資金決済法:前払式支払手段、資金移動業、暗号資産交換業などを定め、利用者を守る法律
  • 資金移動業:銀行などの金融機関以外の者が、為替取引(送金)を業として行う。登録が必要
  • 前払式支払手段:代金を前払いして、商品やサービスの支払に使える電子マネーなどの手段
  • 暗号資産交換業:暗号資産の売買、交換、その媒介などを業として行う。登録が必要
  • 参考:暗号資産交換業は、令和8年法律第64号の改正で資金決済法から外れる(施行は2027年7月までの予定)
  • 参考:今のシラバス(Ver.6.5)の用語例にある独占禁止法、金融商品取引法、PL 法は、案の用語例にない

ひっかけ

  • 通信販売にクーリング・オフはない。訪問販売と電話勧誘販売は8日以内
  • 優良誤認は品質などの内容、有利誤認は価格などの取引条件の誤認

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

クーリング・オフに関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

消費者が事業者と契約した場合の、特定商取引法のクーリング・オフを考える。
  • a 自宅を訪れた事業者との訪問販売で契約したとき、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できる。
  • b 電話勧誘販売で契約したとき、法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できる。
  • c 通信販売で契約したときも、訪問販売と同じく、クーリング・オフにより、理由を問わず契約を解除できる。

正解:ア a、b

ポイント

特定商取引法のクーリング・オフが、どの取引にあるかを、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

クーリング・オフは、取引の類型によって、あるかないかが決まっています。通信販売には、クーリング・オフの規定がありません。広告に表示された返品の特約を見る仕組みは、別の決まりです。返品の決まりと混同すると、c を適切としてしまいます。

  1. a は適切です。訪問販売は、法定の書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず契約を解除できます。
  2. b は適切です。電話勧誘販売も、法定の書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず契約を解除できます。
  3. c は不適切です。通信販売には、クーリング・オフの規定がありません。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c も適切としていますが、通信販売にはクーリング・オフの規定がないので、c は不適切です。
  • ウ a も適切なのに入っておらず、不適切な c が入っています。
  • エ a、b が適切なのに入っておらず、不適切な c だけになっています。

覚えておくこと

  • クーリング・オフ:書面を受け取った日から、訪問販売と電話勧誘販売は8日以内なら、理由を問わず解除できる
  • 通信販売:クーリング・オフはない。返品は広告の特約に従い、特約がなければ受取後8日以内は可能

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

A 社の広告の表示が当たる、景品表示法の規制の対象はどれか。

A 社は、あるインターネット接続サービスの広告に、実際には新規契約者だけが対象の月額料金を、だれでもその料金で利用できるかのように表示した。

正解:ウ 有利誤認表示

ポイント

広告の表示が、景品表示法のどの規制の対象に当たるかを問う問題です。

考え方と解き方

景品表示法の誤認させる表示は、品質などの内容についてか、価格などの取引条件についてかで分けます。この事例の対象は料金なので、品質の誤認とは別です。品質も取引条件も同じ「だまし」と見ると、アを選んでしまいます。

  1. この表示は、新規契約者だけが対象の料金を、だれでも利用できるように見せており、価格などの取引条件を、実際よりも著しく有利だと誤認させる表示です。
  2. したがって、該当するのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 優良誤認表示は、品質、規格などを、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示の例です。
  • イ 商品の原産国に関する不当な表示は、商品の原産国について、一般消費者に誤認される表示の例です。
  • エ ステルスマーケティングは、広告であることを隠した表示の例です。

覚えておくこと

  • 有利誤認表示:価格などの取引条件を、実際よりも著しく有利だと誤認させる表示
  • 優良誤認表示:品質、規格などを、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示
  • 商品の原産国に関する不当な表示:原産国について、一般消費者に誤認される表示

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

A 社の対応として、取適法の趣旨に照らして最も適切なものはどれか。

A 社は、中小受託取引適正化法(取適法)にいう委託事業者に当たり、中小受託事業者の B 社にプログラムの作成を委託する。A 社は、取適法を守って取引を進めたいと考えている。

正解:エ 給付の内容、代金の額、支払期日などを、書面又は電磁的方法で明示する。

ポイント

取適法で、委託事業者が取引で行うべきことを問う問題です。

考え方と解き方

取適法は、委託事業者に、取引条件を明示することと、決まった期間内に支払うことを求め、不当な行為を禁じています。禁止行為は、買いたたきのような名前で覚えていると、協議に応じない決め方を見落とします。

  1. 取適法は、委託事業者に、給付の内容、代金の額、支払期日などを、書面又は電磁的方法で明示することを求めています。
  2. A 社は、委託の際に、これらの事項を明示した上で、取引を進めます。
  3. したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 支払期日は、給付を受領した日から起算して60日以内に定める必要があり、90日目では長すぎます。
  • イ 代金の協議を求められたのに、必要な説明をせずに一方的に代金を決めるのは、禁止されています。
  • ウ 通常支払われる対価に比べて著しく低い代金を不当に定めるのは、買いたたきに当たり、禁止されています。

覚えておくこと

  • 取適法の明示:委託事業者は、給付の内容、代金の額、支払期日などを書面又は電磁的方法で明示する
  • 取適法の支払期日:給付を受領した日から起算して60日以内で、できる限り短い期間に定める
  • 取適法の禁止行為:受領拒否、支払遅延、代金減額、買いたたき、協議に応じない代金の決定など

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

資金決済法に定められた資金移動業の説明はどれか。

正解:イ 銀行などの金融機関以外の者が、為替取引(送金)を業として行うこと。

ポイント

資金決済法の資金移動業が、どの事業の説明に当たるかを問う問題です。

考え方と解き方

資金決済法には、お金に関わる事業がいくつか定められています。前払いの支払手段、送金、暗号資産の売買に分けて覚えます。「資金」という言葉から、預かった資金の運用と取り違えると、エを選んでしまいます。

  1. 資金移動業は、銀行などの金融機関以外の者が、為替取引(送金)を業として行うことです。登録が必要です。
  2. したがって、資金移動業に該当するのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 前払式支払手段の説明で、資金移動業の説明ではありません。
  • ウ 暗号資産交換業の説明で、資金移動業の説明ではありません。
  • エ 銀行が行う預金と貸付けの業務の説明で、資金移動業の説明ではありません。

覚えておくこと

  • 資金移動業:銀行などの金融機関以外の者が、為替取引(送金)を業として行う。登録が必要
  • 前払式支払手段:代金を前払いして、商品やサービスの支払に使える電子マネーなどの手段
  • 暗号資産交換業:暗号資産の売買、交換、その媒介などを業として行う。登録が必要

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

前のテーマ次のテーマ:民法と契約(請負契約・準委任契約・守秘契約NDA・ライセンス契約)

同じ分野のテーマ(セキュリティ・倫理)