分野 E|セキュリティ・倫理
リスク対応(リスク回避・移転・分散・保有)
今の制度の過去問(3回分)では、リスク共有の例と、リスク対応の分類の記述が、合わせて2問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『6-24-3 情報セキュリティリスク対応』
最終更新
よく出る形
- リスク共有(リスクを他者と分ける)の例を選ぶ(3回分で1問)
- リスク対応の分類の記述を選ぶ(3回分で1問)
- 問われるとしたら:事例で、回避・共有・保有のどれに当たるかを選ぶ形
- 問われるとしたら:リスク対応の例を判定する a〜c の組合せの形
覚えること
- リスク対応:リスクアセスメントの結果を受けて、対処方法を選ぶこと
- リスク回避:リスクを生じさせる活動を、始めない、または続けない
- リスク共有:他者とリスクの全部または一部を分け合う
- リスク移転:リスク共有の一つ。保険の加入などで、負担を他者に移す
- リスク分散:リスク共有の一つ。契約などで、リスクを他者と分けて持つ
- リスク保有:影響が小さい、または対策の費用が損害額を上回るとき、対策せず許容する
- リスク低減:対策を講じて、リスクの起こりやすさや影響を下げる
- 対応の例:保険の加入は共有(移転)、暗号化や持出し管理は低減
- 対応の選択肢は順番ではなく、リスクに応じて選び、組み合わせてもよい
- 参考:シラバス案の用語例は回避・共有・保有で、低減は載っていない
ひっかけ
- 保険に入るのは、リスク回避ではなく、リスク共有(移転)
- 他社のサービスを使うのは、リスクをなくすのではなく、負担を分ける対応
- バックアップセンターの設置や暗号化は、共有ではなく、低減
想定問題
4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
A 社の判断に当たるリスク対応はどれか。
正解:イ リスク回避
ポイント
事例の判断が、リスク対応のどれに当たるかを問う問題です。
考え方と解き方
リスク対応は、リスクを減らすのか、生じさせないのか、分けるのか、受け入れるのかで分かれます。A 社は、対策を足して減らすのではなく、リスクの元になる活動そのものを選ばなかった点が決め手です。
- A 社は、情報漏えい対策が十分にとれないと判断して、リスクを生じさせるサービスの開始そのものをやめました。
- リスクを生じさせる活動を、始めない、または続けないと決めるのは、リスク回避です。
- したがって、該当するのは イ です。
ほかの選択肢
- ア リスク共有は、保険や契約などで、リスクを他者と分け合う対応です。A 社は、他者と分けていません。
- ウ リスク保有は、許容して現状を維持する対応です。A 社は、リスクを受け入れず、サービスを始めませんでした。
- エ リスク低減は、対策を講じて起こりやすさや影響を下げる対応です。A 社は、対策を足すのではなく、活動をやめました。
覚えておくこと
- リスク回避:リスクを生じさせる活動を、始めない、または続けない
- リスク低減:対策を講じて、リスクの起こりやすさや影響を下げる
(テーマ・覚えること)
この契約によるリスク対応はどれか。
正解:ア リスク共有
ポイント
契約で損害の負担を分ける対応が、リスク対応のどれに当たるかを問う問題です。
考え方と解き方
委託すると対策が強くなると考えて、リスク低減を選ぶと誤ります。決め手は、損害の一部を委託先も負うという、負担の分け方です。
- 契約で、情報漏えいが起きたときの損害の一部を、委託先の事業者も負います。
- リスクの一部を他者と分け合う対応は、リスク共有です。
- したがって、該当するのは ア です。
ほかの選択肢
- イ リスク保有は、許容して現状を維持する対応です。B 社は、損害の一部を委託先と分けているので当たりません。
- ウ リスク回避は、リスクを生じさせる活動をやめる対応です。B 社は、データの保管を続けています。
- エ リスク低減は、自社が対策を講じて起こりやすさや影響を下げる対応です。この事例の決め手は、損害の負担を分けている点です。
覚えておくこと
- リスク共有:他者とリスクの全部または一部を分け合う
- リスク移転:リスク共有の一つ。保険の加入などで、負担を他者に移す
(テーマ・覚えること)
リスク対応の例として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 機密情報を置くサーバを外部のネットワークに接続しないのは、リスク共有に当たる。
- b 影響が小さく、対策の費用が想定される損害額を上回るリスクを許容し、現状を維持するのは、リスク保有に当たる。
- c OS の更新プログラムを適用して、脆弱性を突かれる可能性を下げるのは、リスク低減に当たる。
正解:ウ b、c
ポイント
リスク対応の例が、回避・保有・低減のどれに当たるかを、a〜c で判定する問題です。
考え方と解き方
外部に接続しない対応は、他者と分けているわけではなく、リスクの元になる使い方をやめています。接続しないことを、負担を分ける共有と考えると、a を適切としてしまいます。
- a は不適切です。機密情報を置くサーバを外部に接続しないのは、リスクの元になる使い方をやめるので、リスク回避です。
- b は適切です。影響が小さい、または対策の費用が損害額を上回るリスクを、許容して現状を維持するのは、リスク保有です。
- c は適切です。更新プログラムの適用という対策を講じて、脆弱性を突かれる可能性を下げるのは、リスク低減です。
- したがって、適切なのは b、c で、ウ です。
ほかの選択肢
- ア a は不適切なのに入っており、c が適切なのに入っていません。
- イ a も適切としていますが、外部に接続しないのはリスク共有ではなくリスク回避なので、a は不適切です。
- エ b が適切なのに入っておらず、c だけになっています。
覚えておくこと
- リスク回避:リスクを生じさせる活動を、始めない、または続けない
- リスク保有:影響が小さい、または対策の費用が損害額を上回るとき、対策せず許容する
- リスク低減:対策を講じて、リスクの起こりやすさや影響を下げる
(テーマ・覚えること)
リスク対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
正解:エ 一つのリスクに対して選べる対応は、回避か保有のどちらかに限られる。
ポイント
リスク対応の考え方について、不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
選べる対応を一つに限ると考えると、複数の対応を組み合わせる考え方を見落とします。
- リスク対応の選択肢は、一つに決めるとは限らず、複数の選択肢にまたがる対処を行うことがあります。
- エは、対応を組み合わせないとしているので不適切です。正しくは、一つのリスクに対して、複数の対応を組み合わせて用いることもあります。
- したがって、最も不適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 契約によるリスクの分散も、リスクを他者と分け合う対応なので、リスク共有に含まれます。
- イ リスク低減には、リスクの起こりやすさを下げる対応と、影響を下げる対応の、どちらも含まれます。
- ウ 影響が小さいリスクなどを、情報に基づいて許容する対応は、リスク保有です。
覚えておくこと
- リスク分散:リスク共有の一つ。契約などで、リスクを他者と分けて持つ
- リスク低減:対策を講じて、リスクの起こりやすさや影響を下げる
- 対応の選択肢は順番ではなく、リスクに応じて選び、組み合わせてもよい
(テーマ・覚えること)
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