分野 D|タックスプランニング よく出る
法人税のしくみ・税率と申告
過去の公開問題では、5回分のうち3問が出ています。納税地、届出先、申告期限、青色申告の承認申請、軽減税率の記述から、正しいものを選ぶ問題が出ています。
最終更新
よく出る形
- 納税地、納税地の異動の届出、確定申告の期限、青色申告の承認申請、軽減税率から、正しい記述を選ぶ(5回分で3問)
- 誤りの記述は、納税地を代表者の住所地とする、届出先や期限、軽減税率の所得の線を取りちがえる、といった形
覚えること
- 納税義務者:内国法人(国内に本店がある法人)は国内外の所得に課税。外国法人は国内で生じた所得(国内源泉所得)が対象
- 納税地:原則として本店または主たる事務所の所在地。代表者の住所地ではない
- 納税地の異動の届出:異動前の納税地の所轄税務署長に届け出る(異動後の税務署長ではない)
- 事業年度:法令や定款などで定めた期間。法人が定款で決める(長い期間は区切る)
- 法人設立届出書:設立の日以後2か月出どころ以内に、定款等の写しを添えて納税地の所轄税務署長に提出
- 確定申告:原則として事業年度終了の日の翌日から2か月出どころ以内に提出し、納付する
- 中間申告:普通法人は、事業年度開始の日以後6か月出どころを経過した日から2か月出どころ以内に提出
- 青色申告:承認を受ける。新設法人は、設立の日以後3か月出どころを経過した日と最初の事業年度終了の日のうち早い日の前日まで
- 普通法人の税率:23.2%出どころ
- 軽減税率:資本金1億円出どころ以下の一定の中小法人は、年800万円出どころ以下の部分が15%
- 軽減税率の特例:所得が年10億円出どころ超の事業年度は、15%出どころの部分が17%になる
- 地方法人税:法人税額に10.3%出どころをかけて計算し、法人税とあわせて申告する
- 法人住民税:均等割(資本金等の額で決まる。市町村民税は従業者数も)と、法人税額に税率をかける法人税割がある
- 法人税割の標準税率:道府県民税は法人税額の1.0%出どころ、市町村民税は法人税額の6.0%出どころ
- 法人事業税:都道府県の税。原則として資本金1億円出どころ超は付加価値割・資本割・所得割、ほかは所得割
- 欠損金の繰越控除:青色申告書を提出した事業年度の欠損金は、10年出どころ間繰り越して控除(連続して申告書を出すことが条件)
- 欠損金の控除限度:大法人は所得金額の50%出どころ、中小法人等は所得金額の100%出どころ(全額)
- 税額の計算の流れ:利益に税務上の調整をして所得金額を求め、税率をかけて法人税額を出し、税額控除と中間納付額を引く
数字と計算
ひっかけ
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
法人税の基本的な取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:1 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人に対する法人税の税率は、原則として、所得金額のうち年800万円を超える部分について軽減税率が適用される。
ポイント
法人税の基本的な取扱いのうち、誤っている記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
法人税の基本は、納税地、届出先、申告期限、軽減税率の範囲を取りちがえやすいところです。軽減税率は、所得のうち低い方の部分に使われます。
- 中小法人の軽減税率は、所得金額のうち年800万円以下の部分に適用され、税率は15%です。年800万円を超える部分は、普通法人と同じ23.2%です。
- 1)は、軽減税率が適用される範囲を、年800万円を超える部分としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、所得金額のうち年800万円以下の部分について軽減税率が適用される、です。
ほかの選択肢
- 2 法人税の納税地は、内国法人では本店または主たる事務所の所在地です。代表者の住所地ではないので、適切です。
- 3 納税地が変わったときの届出先は、異動前の納税地の所轄税務署長です。決まりのとおりなので、適切です。
- 4 確定申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。決まりのとおりなので、適切です。
覚えておくこと
- 軽減税率:資本金1億円以下の一定の中小法人は、年800万円以下の部分が15%
- 納税地の異動の届出:異動前の納税地の所轄税務署長に届け出る(異動後の税務署長ではない)
- 確定申告:原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出し、納付する
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:法人税の中小法人の判定(資本金等)・法人税の軽減税率が使える所得の上限(年)・法人税の確定申告の提出期限・法人税の税率(普通法人・本則、年800万円超の部分を含む)・法人税の軽減税率(中小法人の年800万円以下の部分)
法人税の欠損金の繰越控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:2 青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金は、原則として、翌事業年度以後10年間繰り越し、各事業年度の所得金額から控除することができる。
ポイント
欠損金の繰越控除の期間と、控除できる限度を問う問題です。
考え方と解き方
欠損金の繰越控除は、何年繰り越せるかと、所得のどこまで控除できるかの2つで決まります。控除できる限度は、中小法人等かどうかで変わります。
- 青色申告書を提出した事業年度の欠損金は、翌事業年度以後10年間繰り越して、各事業年度の所得金額から控除できます。
- 控除できる額の限度は、中小法人等は繰越控除前の所得金額の100%(全額)、それ以外の法人は繰越控除前の所得金額の50%です。
- 2)は、この繰越期間の内容と同じです。したがって、最も適切なのは 2 です。
ほかの選択肢
- 1 青色申告書を提出していない事業年度の欠損金も対象としている所が違います。正しくは、原則として青色申告書を提出した事業年度の欠損金が対象で、期間は翌事業年度以後10年間です。
- 3 中小法人等の控除限度を所得金額の50%としている所が違います。正しくは、所得金額の100%(全額)です。50%は、中小法人等以外の法人の限度です。
- 4 中小法人等以外の法人の控除限度を全額としている所が違います。正しくは、繰越控除前の所得金額の50%までです。
覚えておくこと
- 欠損金の繰越控除:青色申告書を提出した事業年度の欠損金は、10年間繰り越して控除(連続して申告書を出すことが条件)
- 欠損金の控除限度:大法人は所得金額の50%、中小法人等は所得金額の100%(全額)
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:法人税の中小法人の判定(資本金等)・欠損金の繰越控除の限度(中小法人等、繰越控除前の所得金額に対して)・欠損金の繰越控除の限度(大法人、繰越控除前の所得金額に対して)・青色申告の欠損金の繰越期間(法人)
法人住民税の法人税割に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:4 (ア)1.0%、(イ)6.0%
ポイント
法人住民税の法人税割の標準税率を問う問題です。
考え方と解き方
法人税割は、法人税額に税率をかけて計算します。道府県民税と市町村民税のどちらの率が高いかと、国税の地方法人税の税率を混ぜないことが決め手です。
- 法人住民税の法人税割の標準税率は、道府県民税が法人税額の1.0%、市町村民税が法人税額の6.0%です。これが(ア)と(イ)です。
- したがって、最も適切なのは 4 (ア)1.0%、(イ)6.0% です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)と(イ)が入れかわっています。道府県民税は法人税額の1.0%、市町村民税は法人税額の6.0%です。
- 2 (イ)が違います。市町村民税の法人税割は法人税額の6.0%です。10.3%は、国税の地方法人税の税率です。
- 3 (ア)が違います。道府県民税の法人税割は法人税額の1.0%です。10.3%は、国税の地方法人税の税率です。
覚えておくこと
- 法人税割の標準税率:道府県民税は法人税額の1.0%、市町村民税は法人税額の6.0%
- 地方法人税:法人税額に10.3%をかけて計算し、法人税とあわせて申告する
- 法人住民税:均等割(資本金等の額で決まる。市町村民税は従業者数も)と、法人税額に税率をかける法人税割がある
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:地方法人税の税率(課税標準法人税額に対して)・法人住民税の法人税割の標準税率(道府県民税、法人税額に対して)・法人住民税の法人税割の標準税率(市町村民税、法人税額に対して)
下記の〈資料〉に基づく、当期の法人税額として、最も適切なものはどれか。なお、税額控除や中間納付額はないものとする。
・中小法人の軽減税率が適用できる普通法人(資本金の額は5,000万円)
・事業年度:1年
・当期の所得金額:1,500万円
正解:3 282.4万円
ポイント
所得金額を2つに分けて税率をかけ、中小法人の法人税額を求める問題です。
考え方と解き方
中小法人の軽減税率は、所得のうち低い方の部分だけが対象です。所得の全体に軽減税率をかけたり、2つの税率を入れかえたりすると、間違えます。
- 資本金が1億円以下の一定の中小法人は、所得金額のうち年800万円以下の部分に軽減税率15%、超える部分に23.2%がかかります。
- 年800万円以下の部分は、800万円×15%=120万円です。超える部分は、1,500万円-800万円=700万円で、700万円×23.2%=162.4万円です。
- 法人税額は、120万円+162.4万円=282.4万円です。したがって、最も適切なのは 3 282.4万円 です。
ほかの選択肢
- 1 120万円:年800万円以下の部分の120万円(800万円×15%)だけを求め、超える部分の700万円に23.2%をかけるのを忘れた額です。
- 2 225万円:所得金額の全額1,500万円に軽減税率15%をかけた額です(1,500万円×15%)。軽減税率は、年800万円以下の部分だけに使います。
- 4 290.6万円:税率を入れかえて、年800万円以下の部分に23.2%、超える部分に15%をかけた額です(800万円×23.2%+700万円×15%)。
覚えておくこと
- 普通法人の税率:23.2%
- 軽減税率:資本金1億円以下の一定の中小法人は、年800万円以下の部分が15%
- 税額の計算の流れ:利益に税務上の調整をして所得金額を求め、税率をかけて法人税額を出し、税額控除と中間納付額を引く
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:法人税の中小法人の判定(資本金等)・法人税の軽減税率が使える所得の上限(年)・法人税の税率(普通法人・本則、年800万円超の部分を含む)・法人税の軽減税率(中小法人の年800万円以下の部分)
このテーマの公開問題
- 2024年5月 第36問法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適…四答択一式
- 2024年9月 第36問法人税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち…四答択一式
- 2025年5月 第37問法人税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち…四答択一式・まずこの1問
この本文の数字の出どころ
- 地方法人税の税率(課税標準法人税額に対して) 10.3%
- 法人事業税の外形標準課税の対象となる資本金の線 資本金1億円超
- 新設法人の青色申告の承認申請の期限の基準(設立の日から) 3か月
- 法人税の中間申告の対象となる期間(事業年度開始の日以後) 事業年度開始の日以後6か月を経過した日
- 法人税の中間申告の提出期限(6か月経過日から) 6か月を経過した日から2か月以内
- 法人税の中小法人の判定(資本金等) 資本金1億円以下
- 法人住民税の法人税割の標準税率(道府県民税、法人税額に対して) 法人税額の1.0%
- 法人住民税の法人税割の標準税率(市町村民税、法人税額に対して) 法人税額の6.0%
- 法人税の軽減税率の特例(所得が年10億円を超える事業年度) 17%
- 法人税の軽減税率が17%になる所得の境(年) 年10億円超
- 法人税の軽減税率が使える所得の上限(年) 年800万円以下
- 法人設立届出書の提出期限(設立の日から) 2か月以内
- 法人税の確定申告の提出期限 事業年度終了の日の翌日から2か月以内
- 法人税の税率(普通法人・本則、年800万円超の部分を含む) 23.2%
- 法人税の軽減税率(中小法人の年800万円以下の部分) 15%
- 欠損金の繰越控除の限度(中小法人等、繰越控除前の所得金額に対して) 所得金額の100%(全額)
- 欠損金の繰越控除の限度(大法人、繰越控除前の所得金額に対して) 所得金額の50%
- 青色申告の欠損金の繰越期間(法人) 10年
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