分野 D|タックスプランニング よく出る

インボイス制度

過去の公開問題では、インボイス制度に関する最も不適切な記述などを選ぶ問題が、5回分で3問出ています。

最終更新

よく出る形

  • インボイス制度の記述から、最も不適切なもの(記載事項は「でないもの」)を選ぶ(5回分で3問)
  • 適格請求書の記載事項の選択肢は、3問すべてにある
  • 登録の手続き・効力と、簡易課税との関係の選択肢は、2問にある。経過措置の計算は5回分には無い

覚えること

  • 適格請求書発行事業者:税務署長に登録申請書を出して登録を受けた課税事業者(登録を受けられるのは課税事業者のみ)
  • 登録の効力:登録簿に登載された日(登録日)から生じる。登録の通知を受けた日ではない
  • 免税事業者が登録を受けると課税事業者になり、基準期間の課税売上高にかかわらず納税義務は免除されない
  • 登録の経過措置:免税事業者は、2029年9月30日出どころまでの日を含む課税期間中なら、登録日から発行事業者になれる
  • 適格請求書の記載事項:発行事業者の氏名・名称と登録番号、取引年月日、取引内容(軽減税率の対象品目はその旨)
  • 適格請求書の記載事項:税率ごとに区分した合計額と適用税率、税率ごとの消費税額等、交付を受ける事業者の氏名・名称
  • 適格簡易請求書:小売業・飲食店業・タクシー業などが交付。適用税率か消費税額等の一方でよく、相手の氏名・名称は不要
  • 簡易課税との関係:発行事業者でも簡易課税を選べる。適格簡易請求書の交付にも簡易課税の適用は要らない
  • 請求書の名称は問わない:必要な事項が書かれていれば、納品書や領収書も適格請求書になる
  • 仕入税額控除の要件:一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の保存
  • 発行事業者以外(免税事業者・消費者など)からの課税仕入れは、原則として控除できない(経過措置・少額特例を除く)
  • 売手の義務:課税事業者の相手の求めに応じて適格請求書を交付し、その写しを保存する
  • 2割特例:納付税額を売上税額の2割出どころにできる(2026年9月30日出どころの日の属する課税期間まで)。登録した免税事業者が対象
  • 80%控除:免税事業者等からの課税仕入れは、仕入税額相当額の80%出どころを控除できる(2026年9月30日出どころまでの課税仕入れ)
  • 少額特例:基準期間の課税売上高が1億円出どころ以下または特定期間の課税売上高が5,000万円出どころ以下の事業者が対象
  • 少額特例:税込1万円出どころ未満の課税仕入れは、帳簿のみの保存で控除できる(2029年9月30日出どころまで)
  • 参考:2割特例の後、個人事業者のみ納付税額を売上税額の3割出どころとできる特例が始まる
  • 参考:基準日より後、免税事業者等からの仕入れの控除は70%出どころ、上限は1億円出どころに変わる

数字と計算

  • 例:売上に係る消費税額200万円の免税事業者が2割特例を使うと、納付税額は200万円×売上税額の2割出どころ=40万円
  • 例:免税事業者から買った課税仕入れの消費税額相当が10万円なら、控除できるのは10万円×80%出どころ=8万円

ひっかけ

  • 発行事業者の本店または主たる事務所の所在地は、適格請求書の記載事項に入らない
  • 簡易課税の適用と、適格簡易請求書を交付できる事業(小売業など)は別の話。取りちがえない

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:1 適格簡易請求書には、適格請求書と同じく、書類の交付を受ける事業者の氏名または名称を記載しなければならない。

ポイント

適格簡易請求書、簡易課税との関係、登録の影響などから、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

適格簡易請求書は、適格請求書より記載事項が少ない書類です。少なくなっている所が、税率や消費税額の書き方と、相手の名前の記載のどちらにあるかを取りちがえると、誤りになります。

  1. 適格簡易請求書は、小売業、飲食店業、タクシー業などを営む事業者が交付します。適用税率か消費税額等のどちらか一方を書けばよく、書類の交付を受ける事業者の氏名・名称は記載しなくてよいことになっています。
  2. 1)は、氏名・名称の記載が必要としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、適格簡易請求書には、書類の交付を受ける事業者の氏名または名称の記載は不要である、です。

ほかの選択肢

  • 2 免税事業者が登録を受けると課税事業者になり、基準期間の課税売上高にかかわらず、納税義務は免除されません。適切です。
  • 3 発行事業者は、課税事業者である取引相手の求めに応じて、適格請求書を交付する義務があります。適切です。
  • 4 適格請求書発行事業者の登録は、課税事業者であることが前提で、課税の計算方法とは別の話です。登録を受けても簡易課税制度を選べるので、適切です。

覚えておくこと

  • 適格簡易請求書:小売業・飲食店業・タクシー業などが交付。適用税率か消費税額等の一方でよく、相手の氏名・名称は不要
  • 免税事業者が登録を受けると課税事業者になり、基準期間の課税売上高にかかわらず納税義務は免除されない
  • 売手の義務:課税事業者の相手の求めに応じて適格請求書を交付し、その写しを保存する

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:2 仕入税額控除を受けるためには、原則として、一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の両方を保存する必要がある。

ポイント

仕入税額控除の要件と、発行事業者の義務を問う問題です。

考え方と解き方

仕入税額控除は、買手が受ける控除です。売手が発行事業者かどうかと、買手が何を保存するかを、分けて考えます。

  1. 仕入税額控除を受けるには、原則として、一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の両方の保存が必要です。
  2. 免税事業者や消費者など、発行事業者以外の者からの課税仕入れは、原則として仕入税額控除できません(経過措置・少額特例を除く)。登録を受けられるのは課税事業者だけで、発行事業者は交付した適格請求書の写しを保存します。2)は、帳簿と適格請求書等の両方の保存としているので、適切です。したがって、最も適切なのは 2 です。

ほかの選択肢

  • 1 帳簿だけの保存で、すべての課税仕入れが控除できるとしている所が違います。帳簿だけで足りるのは、少額の課税仕入れなど一定の場合に限られ、正しくは、原則として帳簿と適格請求書等の両方の保存が必要です。
  • 3 登録を受けられる者を免税事業者に限り、課税事業者は受けられないとしている所が違います。正しくは、登録を受けられるのは課税事業者です(免税事業者が登録を受けると課税事業者になります)。
  • 4 写しの保存を不要としている所が違います。正しくは、発行事業者は交付した適格請求書の写しを保存します。

覚えておくこと

  • 仕入税額控除の要件:一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の保存
  • 発行事業者以外(免税事業者・消費者など)からの課税仕入れは、原則として控除できない(経過措置・少額特例を除く)
  • 売手の義務:課税事業者の相手の求めに応じて適格請求書を交付し、その写しを保存する

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

適格請求書を交付できるのは、(ア)に限られる。登録を受けられるのは(イ)であり、買手が仕入税額控除を受けるためには、原則として、帳簿と(ウ)の保存が必要である。

正解:3 (ア)適格請求書発行事業者、(イ)課税事業者、(ウ)適格請求書等

ポイント

適格請求書を交付できる者と、登録を受けられる者、買手が保存するものを問う問題です。

考え方と解き方

適格請求書を出せる人、登録を受けられる人、買手が保存するものの3つを、別々に区別します。課税事業者であることと、登録を受けていることは、同じではありません。

  1. 適格請求書を交付できるのは、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者だけです。これが(ア)です。登録を受けられるのは課税事業者で、簡易課税を選んでいても登録できます。これが(イ)です。
  2. 仕入税額控除を受けるには、原則として、一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の保存が必要です。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 3 (ア)適格請求書発行事業者、(イ)課税事業者、(ウ)適格請求書等 です。

ほかの選択肢

  • 1 (イ)が違います。登録を受けられるのは課税事業者で、原則課税を選んだ事業者に限られません。簡易課税を選んだ課税事業者も登録できます。(ア)(ウ)は合っています。
  • 2 (ア)が違います。適格請求書を交付できるのは、すべての事業者ではなく、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者だけです。(イ)(ウ)は合っています。
  • 4 (ウ)が違います。仕入税額控除に必要なのは、契約書ではなく、適格請求書等の保存です。(ア)(イ)は合っています。

覚えておくこと

  • 適格請求書発行事業者:税務署長に登録申請書を出して登録を受けた課税事業者(登録を受けられるのは課税事業者のみ)
  • 仕入税額控除の要件:一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書等の保存
  • 簡易課税との関係:発行事業者でも簡易課税を選べる。適格簡易請求書の交付にも簡易課税の適用は要らない

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づく、B社の2026年3月期(2025年4月1日から2026年3月31日までの事業年度)の消費税の納付税額(地方消費税を含む)として、最も適切なものはどれか。なお、B社は、免税事業者であったが適格請求書発行事業者の登録を受けて課税事業者となり、納付税額を売上税額の2割とする特例(2割特例)の適用を受けるための要件を満たしており、この特例の適用を受けるものとする。

〈資料〉
・売上に係る消費税額:150万円
・課税仕入れに係る消費税額(すべて適格請求書の保存がある):90万円

正解:1 30万円

ポイント

2割特例を使ったときの、納付税額を求める計算問題です。

考え方と解き方

この特例は、仕入れの実額を使わず、売上に係る消費税額だけで納付税額が決まります。通常の計算と取りちがえる所と、納付する割合と控除する割合を取りちがえる所が、間違えるところです。

  1. この特例では、納付税額を、売上税額の2割とします。売上税額とは、売上に係る消費税額のことです。課税仕入れに係る消費税額は使いません。この特例は、2026年9月30日の日の属する課税期間まで使え、B社の2026年3月期はこの期間内です。
  2. 納付税額は売上税額の2割なので、150万円×売上税額の2割=30万円です。したがって、最も適切なのは 1 30万円 です。

ほかの選択肢

  • 2 60万円:特例を使わず、売上に係る消費税額から課税仕入れに係る消費税額を引いた額です(150万円-90万円)。この特例では、課税仕入れの額を使いません。
  • 3 120万円:売上に係る消費税額から控除するとみなされる額を、納付税額とした額です(150万円-30万円)。納付するのは、控除する額ではなく、売上税額の2割です。
  • 4 150万円:売上に係る消費税額を、そのまま納付税額とした額です。この特例では、その売上税額の2割が納付税額です。

覚えておくこと

  • 2割特例:納付税額を売上税額の2割にできる(2026年9月30日の日の属する課税期間まで)。登録した免税事業者が対象

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:インボイス制度の2割特例(納付税額を売上税額の何割とするか)・インボイス制度の2割特例を使える最終日(この日の属する課税期間まで)

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