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益金・損金と減価償却

過去の公開問題では、5回分の5問が出ています。損金に関する問題が3問、減価償却の問題が1問、益金の問題が1問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 損金に算入できるか、できないかを選ぶ(5回分で3問)。法人税・法人住民税の本税、事業税、反則金、寄附金、会議費が並ぶ
  • 減価償却の償却方法や少額減価償却資産を選ぶ(5回分で1問)。益金の算入・不算入を選ぶ問題も1問出ている

覚えること

  • 益金不算入:受取配当等は保有割合で変わる。完全子法人株式等は全額、関連法人株式等(3分の1超出どころ)は負債利子を引いた額
  • 受取配当等:その他の株式等は50%出どころ、非支配目的株式等(5%以下出どころ)は20%が益金不算入
  • 益金不算入:法人税の還付金は益金に算入しない。還付加算金は益金に算入する
  • 益金不算入:資産の評価換えで帳簿価額を増やしたときの評価益は、原則として益金に算入しない
  • 損金不算入:法人税・法人住民税の本税、罰金・科料・交通反則金(業務に関連して従業員に課された分の負担も)
  • 損金算入:法人事業税の本税は、原則として、その申告書を提出した日の属する事業年度の損金に算入する
  • 寄附金:国・地方公共団体への寄附金は全額を損金に算入。特定公益増進法人への寄附金は別枠の限度額まで
  • 交際費等:原則は損金不算入。資本金1億円出どころ以下の一定の中小法人は、次の2つの方法から選べる
  • 交際費等の方法:交際費等のうち年800万円出どころ(定額控除限度額)を超える部分が損金不算入
  • 交際費等の方法:交際費等のうち接待飲食費の50%出どころを超える部分が損金不算入
  • 交際費等から除く:1人当たり1万円出どころ以下の飲食費(書類の保存が要件。専ら社内の者の飲食は除く)
  • 会議に関連して通常要する茶菓・弁当などの費用は、交際費等に入らず、全額を損金に算入できる
  • 減価償却費:損金経理した金額のうち、償却限度額までが損金に算入される。損金経理が要件
  • 償却方法:建物は定額法のみ。建物附属設備・構築物も、いま取得するものは定額法のみ。機械装置などは、届出がなければ定率法
  • 少額減価償却資産:取得価額10万円出どころ未満は、使用可能期間の長短を問わず、損金経理すれば全額が損金
  • 一括償却資産:取得価額20万円出どころ未満は、選択すると3年出どころ間で均等に損金に算入できる
  • 中小企業者等の特例:青色申告の中小企業者等(資本金が一定以下など)で、従業員400人出どころ以下の法人が対象
  • 取得価額40万円出どころ未満を事業年度の合計300万円出どころまで全額損金。2029年3月31日までの取得が対象
  • 役員給与:損金に算入できるのは、定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与。不相当に高額な部分は損金不算入
  • 定期同額給与は毎月など一定の期間ごとに同額で、届出は不要。事前確定届出給与は、確定額を支給する旨の届出が必要
  • 事前確定届出給与の届出期限:原則、決議の日から1か月出どころを経過する日と、会計期間開始の日から4か月出どころを経過する日の早い日
  • 役員退職給与:不相当に高額な部分を除いて、損金に算入できる

数字と計算

  • 例:交際費等1,500万円(うち接待飲食費400万円)の中小法人。定額控除なら1,500万円-800万円出どころ=700万円
  • 接待飲食費の50%出どころなら1,500万円-400万円×50%=1,300万円。小さい700万円の方を選べる

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

法人税の益金・損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:3 法人が納付した法人事業税の本税の額は、原則として、その法人事業税の課税の対象となった事業年度の損金の額に算入する。

ポイント

益金に入るもの、損金に入るものを見分けて、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

事業税は、損金に入る税ですが、どの事業年度の損金に入れるかで間違えやすい税です。損金に入るかどうかと、入れる事業年度の両方を見ます。

  1. 法人事業税の本税は、損金に算入できます。入れる事業年度は、原則として、その申告書を提出した日の属する事業年度です。
  2. 3)は、課税の対象となった事業年度としているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、その法人事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入する、です。

ほかの選択肢

  • 1 法人税の還付金は益金不算入ですが、還付加算金は益金に算入します。決まりのとおりなので、適切です。
  • 2 特定公益増進法人への寄附金は、一般の寄附金とは別に計算した特別の限度額まで損金に算入されるので、適切です。
  • 4 保有割合が5%以下の非支配目的株式等の配当は、配当等の額の20%相当額が益金不算入になるので、適切です。

覚えておくこと

  • 損金算入:法人事業税の本税は、原則として、その申告書を提出した日の属する事業年度の損金に算入する
  • 益金不算入:法人税の還付金は益金に算入しない。還付加算金は益金に算入する
  • 寄附金:国・地方公共団体への寄附金は全額を損金に算入。特定公益増進法人への寄附金は別枠の限度額まで

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:受取配当等の益金不算入の割合(非支配目的株式等)・受取配当等の益金不算入で非支配目的株式等となる保有割合

想定問題 2四答択一式

法人税における少額の減価償却資産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、減価償却資産は令和8年度改正後の取得価額の線が適用される取得で、2029年3月31日までに取得して事業の用に供したものとし、法人は青色申告書を提出する中小企業者等(常時使用する従業員が400人以下)であるものとする。

正解:3 取得価額が40万円未満の減価償却資産は、その事業年度の取得価額の合計が300万円までであれば、取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入できる。

ポイント

少額の減価償却資産について、金額ごとの取扱いを問う問題です。

考え方と解き方

少額の減価償却資産には、金額の線ごとに別の取扱いがあります。10万円未満、20万円未満、中小企業者等の特例の3つの線と、損金に入れるしかたを取りちがえると間違えます。

  1. 取得価額10万円未満の資産は、使用可能期間の長短を問わず、事業の用に供した事業年度に損金経理すれば全額が損金に算入されます。取得価額20万円未満の資産は、一括償却資産として、3年間で均等に損金に算入できます。
  2. 青色申告書を提出する従業員400人以下の中小企業者等は、令和8年度改正後の取得分で、2029年3月31日までに取得した取得価額40万円未満の資産を、事業年度の合計300万円まで、全額損金に算入できます。3)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。

ほかの選択肢

  • 1 使用可能期間が1年未満のものに限るとしている所が違います。正しくは、使用可能期間の長短にかかわらず、取得価額10万円未満なら全額を損金に算入できます。
  • 2 一括償却の期間を5年間としている所が違います。正しくは、3年間で均等に損金に算入します。
  • 4 重ねて適用できるとしている所が違います。一括償却資産の損金算入の特例を受ける資産は、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の対象になりません。

覚えておくこと

  • 少額減価償却資産:取得価額10万円未満は、使用可能期間の長短を問わず、損金経理すれば全額が損金
  • 中小企業者等の特例:青色申告の中小企業者等(資本金が一定以下など)で、従業員400人以下の法人が対象
  • 取得価額40万円未満を事業年度の合計300万円まで全額損金。2029年3月31日までの取得が対象

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:中小企業者等の少額減価償却資産の特例の取得価額(令和8年4月1日以後の取得)・中小企業者等の少額減価償却資産の特例の年間合計の上限・中小企業者等の少額減価償却資産の特例の従業員数・中小企業者等の少額減価償却資産の特例の適用期限・一括償却資産の取得価額・一括償却資産の償却期間・少額の減価償却資産(全額を損金経理できる)の取得価額

想定問題 3四答択一式

法人税における役員給与に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

役員給与のうち、所定の時期に確定額を支給する旨を税務署長に届け出る給与を(ア)という。この届出は、原則として、株主総会等の決議の日から(イ)を経過する日と、会計期間開始の日から(ウ)を経過する日のうち、いずれか早い日までに行う。

正解:4 (ア)事前確定届出給与、(イ)1か月、(ウ)4か月

ポイント

事前確定届出給与の名前と、届出の期限を問う問題です。

考え方と解き方

役員給与は、給与の種類によって届出が要るかが分かれます。届出が要る給与の名前と、期限の起点ごとの月数の組み合わせを取りちがえると間違えます。

  1. 所定の時期に確定額を支給する旨を税務署長に届け出る給与は、事前確定届出給与です。これが(ア)です。定期同額給与は、毎月など一定の期間ごとに同額を支給する給与で、届出は不要です。
  2. 届出の期限は、株主総会等の決議の日から1か月を経過する日と、会計期間開始の日から4か月を経過する日のうち、早い日です。これが(イ)と(ウ)です。
  3. したがって、最も適切なのは 4 (ア)事前確定届出給与、(イ)1か月、(ウ)4か月 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。所定の時期に確定額を支給する旨を届け出る給与は事前確定届出給与で、定期同額給与は届出が不要です。(イ)の1か月と(ウ)の4か月は合っています。
  • 2 (イ)と(ウ)が入れかわっています。決議の日から1か月、会計期間開始の日から4か月を経過する日が、正しい期限の組み合わせです。(ア)は合っています。
  • 3 (ア)と(イ)・(ウ)の全部が違います。届出が要る給与は事前確定届出給与で、期限は決議の日から1か月、会計期間開始の日から4か月を経過する日です。

覚えておくこと

  • 定期同額給与は毎月など一定の期間ごとに同額で、届出は不要。事前確定届出給与は、確定額を支給する旨の届出が必要
  • 事前確定届出給与の届出期限:原則、決議の日から1か月を経過する日と、会計期間開始の日から4か月を経過する日の早い日
  • 役員給与:損金に算入できるのは、定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与。不相当に高額な部分は損金不算入

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:事前確定届出給与の届出期限(株主総会等の決議から)・事前確定届出給与の届出期限(会計期間開始から)

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づく、当期の交際費等の損金不算入額として、最も適切なものはどれか。なお、損金不算入額が最も小さくなる方法を選択するものとする。

〈資料〉
・資本金の額が3,000万円の中小法人(適用できる特例はすべて使える法人である)
・事業年度:1年
・当期の交際費等の額:1,300万円
・うち接待飲食費の額:900万円(専ら役員・従業員やその親族への接待等を除いた額)

正解:1 500万円

ポイント

中小法人の交際費等について、2つの方法で損金不算入額を求めて比べる問題です。

考え方と解き方

中小法人は、定額控除限度額の方法と、接待飲食費の50%の方法のどちらかを選べます。どちらも、交際費等から差し引く額を取りちがえるところで間違えます。

  1. 資本金が1億円以下の中小法人は、交際費等のうち年800万円を超える部分を損金不算入とする方法(定額控除限度額)と、接待飲食費の50%を超える部分を損金不算入とする方法を選べます。
  2. 定額控除限度額の方法は、1,300万円-800万円=500万円です。接待飲食費の50%の方法は、1,300万円-900万円×50%=1,300万円-450万円=850万円です。
  3. 損金不算入額が最も小さくなるのは定額控除限度額の方法で、500万円です。したがって、最も適切なのは 1 500万円 です。

ほかの選択肢

  • 2 800万円:定額控除限度額そのものを答えた額です。年800万円は損金に算入できる限度で、損金不算入額は、交際費等の1,300万円から差し引いて求めます。
  • 3 850万円:接待飲食費の50%の方法で求めた額です(1,300万円-900万円×50%)。この問題では、損金不算入額がより小さくなる定額控除限度額の方法を選べます。
  • 4 1,300万円:差し引く額を使わず、交際費等の全額を損金不算入とした額です。中小法人は、年800万円の定額控除限度額か接待飲食費の50%の方法を使えます。

覚えておくこと

  • 交際費等:原則は損金不算入。資本金1億円以下の一定の中小法人は、次の2つの方法から選べる
  • 交際費等の方法:交際費等のうち年800万円(定額控除限度額)を超える部分が損金不算入
  • 交際費等の方法:交際費等のうち接待飲食費の50%を超える部分が損金不算入

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:法人税の中小法人の判定(資本金等)・交際費等の接待飲食費の損金算入の割合・交際費等の定額控除限度額(資本金1億円以下等の法人、年)

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