分野 D|タックスプランニング よく出る

決算書と法人税申告書

過去の公開問題では、決算書の特徴に関する最も不適切な記述を選ぶ問題が、5回分で3問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 決算書の特徴に関する4つの記述から、最も不適切なものを選ぶ(5回分で3問)
  • 損益計算書の利益の求め方の選択肢は、3問中2問にある
  • 貸借対照表の記述が2問、キャッシュ・フロー計算書(間接法)が1問。法人税申告書の別表は5回分には無い

覚えること

  • 貸借対照表:資産の部の合計額=負債の部の合計額+純資産の部の合計額
  • 資産の部:流動資産、固定資産(有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産)、繰延資産
  • 無形固定資産:特許権・商標権・ソフトウエア・借地権など、物理的な形態を持たない資産
  • 負債の部:流動負債(支払手形・買掛金など)と固定負債(社債・長期借入金など)
  • 純資産の部:株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金など)、評価・換算差額等、新株予約権
  • 純資産=資産-負債。負債が資産を上回る(債務超過)と、純資産の合計額はマイナスになる
  • 損益計算書:売上総利益=売上高-売上原価。営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
  • 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用(営業外損益を加減する)
  • 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失。当期純利益は、そこから法人税等を引く
  • キャッシュ・フロー計算書:営業活動・投資活動・財務活動の3区分。資金は現金及び現金同等物
  • 営業活動:税引前当期純利益から始め(間接法)、非資金項目と運転資金の増減を加減。法人税等の支払額も入る
  • 投資活動:固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却、貸付けとその回収
  • 財務活動:借入れと返済(短期借入金の増減を含む)、社債・株式の発行、配当金の支払
  • 投資活動・財務活動は、主要な取引ごとに総額で表示する(借入れと返済を相殺しない)
  • 当座借越:現金同等物と同様に利用している場合は、負の現金同等物として扱う
  • 法人税申告書の別表:別表一は申告書本体、別表四は所得の金額の計算(決算の当期利益に加算・減算して求める)
  • 別表:別表二は同族会社等の判定、別表五(一)は利益積立金額および資本金等の額の計算に関する明細書

数字と計算

  • 例:売上高5,000万円、売上原価3,000万円、販売費及び一般管理費1,200万円
  • 売上総利益は2,000万円、営業利益は800万円
  • 営業外収益100万円、営業外費用300万円を加減すると、経常利益は800万円+100万円-300万円=600万円

ひっかけ

  • 営業外損益を加減するのは、営業利益から経常利益を求める段階。営業利益の式には入らない
  • 負債が資産を上回れば純資産はマイナスになる。「マイナスにならない」と言い切る記述は誤り

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

決算書の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:4 損益計算書における営業利益の額は、売上総利益の額から、販売費及び一般管理費の額と営業外費用の額を差し引いた額である。

ポイント

貸借対照表の区分と、損益計算書の利益の求め方から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

利益は段階ごとに、足し引きする項目が決まっています。営業利益の段階で営業外費用まで差し引くと、次の段階の利益の式が混ざってしまいます。

  1. 損益計算書の利益は、売上総利益、営業利益、経常利益の順に求めます。営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた額です。営業外収益と営業外費用を加減するのは、営業利益から経常利益を求める段階です。
  2. 4)は、営業利益の式で営業外費用も差し引いているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、営業利益の額は、売上総利益の額から販売費及び一般管理費の額を差し引いた額である、です。

ほかの選択肢

  • 1 純資産の部の株主資本には、資本金、資本剰余金、利益剰余金などが入ります。適切です。
  • 2 流動負債には、通常の取引から生じる支払手形や買掛金などが入ります。適切です。
  • 3 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いて求めます。適切です。

覚えておくこと

  • 損益計算書:売上総利益=売上高-売上原価。営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
  • 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用(営業外損益を加減する)
  • 純資産の部:株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金など)、評価・換算差額等、新株予約権

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四答択一式

キャッシュ・フロー計算書の区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:1 法人税等の支払額は、営業活動によるキャッシュ・フローに表示される。

ポイント

キャッシュ・フロー計算書の3つの区分に、どの収入と支出が入るかを問う問題です。

考え方と解き方

お金の動きの区分は、支払う相手や理由の名前ではなく、営業・投資・財務のどれにあたるかで決まります。借入れや社債の発行は財務活動、貸付けや有価証券の取得は投資活動です。

  1. 営業活動には、本業の収入と支出のほか、法人税等の支払額が入ります。投資活動には、固定資産や有価証券の取得・売却、貸付けとその回収が入ります。
  2. 財務活動には、借入れと返済、社債・株式の発行、配当金の支払が入ります。1)は、法人税等の支払額を営業活動に表示するとしているので、適切です。したがって、最も適切なのは 1 です。

ほかの選択肢

  • 2 貸付金の回収による収入を、営業活動に表示するとしている所が違います。正しくは、貸付けとその回収は投資活動です。
  • 3 社債の発行による収入を、投資活動に表示するとしている所が違います。正しくは、社債の発行は財務活動です。
  • 4 現金同等物に含まれない有価証券の取得による支出を、財務活動に表示するとしている所が違います。正しくは、投資活動です。

覚えておくこと

  • 営業活動:税引前当期純利益から始め(間接法)、非資金項目と運転資金の増減を加減。法人税等の支払額も入る
  • 投資活動:固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却、貸付けとその回収
  • 財務活動:借入れと返済(短期借入金の増減を含む)、社債・株式の発行、配当金の支払

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

貸借対照表の区分に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

貸借対照表の資産の部は、流動資産、(ア)、繰延資産に区分される。(ア)は、有形固定資産、(イ)、投資その他の資産に区分される。負債の部は、流動負債と(ウ)に区分される。

正解:2 (ア)固定資産、(イ)無形固定資産、(ウ)固定負債

ポイント

貸借対照表の資産の部と負債の部の区分の名前を問う問題です。

考え方と解き方

区分の名前には、決まった言い方があります。似た意味の名前でも、長期資産や長期負債という区分名は使いません。

  1. 貸借対照表の資産の部は、流動資産、固定資産、繰延資産に区分されます。固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に区分されます。これが(ア)と(イ)です。
  2. 負債の部は、流動負債と固定負債に区分されます。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 2 (ア)固定資産、(イ)無形固定資産、(ウ)固定負債 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ウ)が違います。流動負債に入らない負債の区分名は固定負債で、長期負債ではありません。(ア)(イ)は合っています。
  • 3 (イ)が違います。固定資産の区分は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産で、減価償却資産という区分はありません。(ア)(ウ)は合っています。
  • 4 (ア)が違います。資産の部で、流動資産と繰延資産の間に入る区分名は固定資産で、長期資産ではありません。(イ)(ウ)は合っています。

覚えておくこと

  • 資産の部:流動資産、固定資産(有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産)、繰延資産
  • 負債の部:流動負債(支払手形・買掛金など)と固定負債(社債・長期借入金など)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づく、A社の当期の税引前当期純利益の金額として、最も適切なものはどれか。

〈資料〉
・売上高:8,000万円
・売上原価:5,200万円
・販売費及び一般管理費:1,900万円
・営業外収益:150万円
・営業外費用:400万円
・特別利益:50万円
・特別損失:180万円

正解:3 520万円

ポイント

損益計算書の利益を段階ごとに求めて、税引前当期純利益を出す計算問題です。

考え方と解き方

間違えやすい所は、特別利益と特別損失の扱いです。特別利益は加え、特別損失は引きます。経常利益で止めたり、特別利益を引いたりすると、答えがずれます。

  1. 売上総利益は、8,000万円-5,200万円=2,800万円です。営業利益は、2,800万円-1,900万円=900万円です。
  2. 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた額です。900万円+150万円-400万円=650万円です。
  3. 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた額です。650万円+50万円-180万円=520万円です。したがって、最も適切なのは 3 520万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 420万円:特別利益を加えずに引いた額です(650万円-50万円-180万円)。特別利益は加えます。
  • 2 470万円:特別利益を加え忘れた額です(650万円-180万円)。特別利益は加えます。
  • 4 650万円:特別利益と特別損失を加減していない、経常利益の額です。税引前当期純利益は、経常利益に特別損益を加減して求めます。

覚えておくこと

  • 損益計算書:売上総利益=売上高-売上原価。営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
  • 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用(営業外損益を加減する)
  • 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失。当期純利益は、そこから法人税等を引く

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

このテーマの公開問題

公開問題を解く(3問)
前のテーマ

同じ分野のテーマ(タックスプランニング)