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消費税の課税と納税義務・簡易課税

過去の公開問題では、消費税に関する最も不適切な記述を選ぶ問題が、5回分で4問出ています。

最終更新

よく出る形

  • 消費税の4つの記述から、最も不適切なものを選ぶ(5回分で4問)
  • 特定期間の記述と申告期限の記述は、それぞれ4問中3問の選択肢にある
  • 簡易課税の適用要件・届出・みなし仕入率が出る(4つとも簡易課税の問題が1問)。税額の計算問題は5回分には無い

覚えること

  • 課税の対象:国内で事業者が事業として対価を得て行う取引(資産の譲渡・貸付け、役務の提供)
  • 不課税:対価を得ない寄附・単なる贈与、出資に対する配当、国外取引(そもそも課税の対象でない)
  • 非課税:土地の譲渡・貸付け、有価証券の譲渡、預貯金・貸付金の利子、社会保険医療、居住用の住宅の貸付けなど
  • 免税:輸出取引(免税でも、その取引に対応する仕入れの消費税は控除できる)
  • 税率:標準10%出どころ(国税7.8%出どころ+地方消費税2.2%)、軽減8%(国税6.24%+地方1.76%)
  • 納税義務の免除:基準期間の課税売上高が1,000万円出どころ以下なら原則免除(課税事業者選択届出書を出すと免除されない)
  • 基準期間:個人事業者はその年の前々年、法人は前々事業年度。課税期間は、個人事業者が暦年、法人が事業年度
  • 特定期間:個人事業者は前年の1月1日から6月30日出どころ、法人は原則として前事業年度開始の日以後6か月出どころ
  • 特定期間の課税売上高と給与等支払額の合計額が、どちらも1,000万円出どころを超えると免除されない(どちらで判定するかは選べる)
  • 新設法人:設立1期目・2期目は原則免除。事業年度開始日の資本金が1,000万円出どころ以上なら免除されない
  • 簡易課税の適用要件:選択届出書を出した課税事業者で、基準期間の課税売上高が5,000万円出どころ以下
  • 簡易課税の届出:原則は課税期間の初日の前日まで。新たに事業を始めた課税期間は、その課税期間中でよい
  • 簡易課税の継続:事業廃止を除き、取りやめは効力が生じた課税期間の初日から2年出どころを経過する日の属する課税期間の初日以後
  • 簡易課税の計算:売上に係る消費税額×みなし仕入率が仕入れに係る消費税額。2種類以上の事業は事業区分ごとに計算して合計
  • みなし仕入率:第1種(卸売業)90%出どころ、第2種(小売業)80%出どころ、第3種(製造業・建設業など)70%
  • みなし仕入率:第4種(ほかの事業)60%出どころ、第5種(サービス業・運輸通信業・金融保険業)50%出どころ、第6種(不動産業)40%
  • 1種類の事業の課税売上高が全体の75%出どころ以上なら、その事業のみなし仕入率を全体に使える
  • 申告期限:法人は課税期間の終了の日から2か月出どころ以内(届出で1か月出どころ延長できる場合あり)。個人事業者は翌年3月31日
  • 参考:基準日より後に、期間を限った飲食料品の譲渡の税率引下げと、簡易課税の計算の特例が始まる

数字と計算

  • 例:小売業(第2種)の課税売上高(税抜)1,500万円。売上に係る消費税額は1,500万円×10%出どころ=150万円
  • 仕入れに係る消費税額は150万円×80%出どころ=120万円。納付税額は150万円-120万円=30万円

ひっかけ

  • みなし仕入率は事業区分(業種)で決まり、従業員数や売上の大きさでは決まらない
  • 個人事業者の基準期間は前々年、特定期間は前年の前半。前年と前々年を取りちがえない

想定問題

4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四答択一式

消費税の納税義務の判定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:3 個人事業者における特定期間とは、その年の前々年の前半の期間をいう。

ポイント

納税義務の判定に関する記述から、最も不適切なものを選ぶ問題です。

考え方と解き方

納税義務の判定では、期間のとり方と金額の組み合わせを見ます。個人事業者の特定期間を、前年ではなく前々年と取りちがえると、不適切な記述を見落とします。

  1. 個人事業者の特定期間は、その年の前年の1月1日から6月30日までです。前々年の前半とする3)は、不適切です。
  2. したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、個人事業者における特定期間とは、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいう、です。

ほかの選択肢

  • 1 事業年度が1年の法人の基準期間は、前々事業年度です。適切です。
  • 2 課税事業者選択届出書の効力が生じた課税期間は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも免除されません。適切です。
  • 4 設立1期目と2期目は基準期間がないため原則免除ですが、事業年度開始日の資本金が1,000万円以上なら免除されません。適切です。

覚えておくこと

  • 基準期間:個人事業者はその年の前々年、法人は前々事業年度。課税期間は、個人事業者が暦年、法人が事業年度
  • 特定期間:個人事業者は前年の1月1日から6月30日、法人は原則として前事業年度開始の日以後6か月
  • 新設法人:設立1期目・2期目は原則免除。事業年度開始日の資本金が1,000万円以上なら免除されない

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:消費税の納税義務が免除される基準期間の課税売上高・消費税の新設法人で納税義務が免除されない資本金・消費税の特定期間の長さ(法人)・消費税の特定期間(個人事業者)

想定問題 2四答択一式

消費税の課税の対象に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

正解:1 出資に対する配当金の受取りは、対価を得て行う取引に当たらないため、不課税取引に該当する。

ポイント

課税取引・非課税取引・不課税取引の区別を問う問題です。

考え方と解き方

消費税がかからない取引には、課税の対象にならない不課税と、課税の対象だが課税しない非課税があります。名前が似ているので、入れかえると誤りになります。

  1. 不課税は、事業として対価を得て行う取引に当たらないものです。対価を得ない寄附や単なる贈与、出資に対する配当、国外取引が当てはまります。
  2. 非課税は、課税の対象になる取引のうち、課税しないと決められたものです。国債などの有価証券の譲渡や社会保険医療が当てはまります。1)は、出資に対する配当を不課税としているので、適切です。したがって、最も適切なのは 1 です。

ほかの選択肢

  • 2 国債の譲渡は、有価証券の譲渡として非課税取引です。課税取引としている所が違います。正しくは、非課税取引です。
  • 3 国外取引は、国内で行う取引でないため課税の対象外で、不課税取引です。非課税取引としている所が違います。
  • 4 社会保険医療の給付は、課税の対象になる取引のうち課税しないと決められたもので、非課税取引です。不課税取引としている所が違います。

覚えておくこと

  • 課税の対象:国内で事業者が事業として対価を得て行う取引(資産の譲渡・貸付け、役務の提供)
  • 不課税:対価を得ない寄附・単なる贈与、出資に対する配当、国外取引(そもそも課税の対象でない)
  • 非課税:土地の譲渡・貸付け、有価証券の譲渡、預貯金・貸付金の利子、社会保険医療、居住用の住宅の貸付けなど

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四答択一式

消費税の簡易課税制度に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

簡易課税制度は、基準期間の課税売上高が(ア)以下の課税事業者が、届出書を提出して選択できる制度である。仕入れに係る消費税額は、売上に係る消費税額に(イ)を乗じて計算し、(イ)は(ウ)ごとに定められている。

正解:4 (ア)5,000万円、(イ)みなし仕入率、(ウ)事業区分

ポイント

簡易課税制度の適用要件と、みなし仕入率の決まり方を問う問題です。

考え方と解き方

簡易課税制度は、実際の仕入れを使わず、売上に係る消費税額に率をかけて仕入れに係る消費税額とみなす制度です。選べる金額の線と、率を決める基準の取りちがえが、誤りのもとです。

  1. 簡易課税制度を選べるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者です。これが(ア)です。
  2. 仕入れに係る消費税額は、売上に係る消費税額にみなし仕入率をかけて求めます。みなし仕入率は、事業区分(卸売業、小売業など)ごとに決まっています。これが(イ)と(ウ)です。したがって、最も適切なのは 4 (ア)5,000万円、(イ)みなし仕入率、(ウ)事業区分 です。

ほかの選択肢

  • 1 (ア)が違います。1,000万円は、基準期間の課税売上高がこの額以下だと納税義務が免除される額で、簡易課税制度を選べる額ではありません。(イ)(ウ)は合っています。
  • 2 (イ)が違います。課税売上割合は、簡易課税のみなし仕入率とは別の割合です。簡易課税では、事業区分ごとのみなし仕入率を使います。(ア)(ウ)は合っています。
  • 3 (ウ)が違います。みなし仕入率は、事業区分(業種)ごとに決まり、課税売上高の大きさでは決まりません。(ア)(イ)は合っています。

覚えておくこと

  • 簡易課税の適用要件:選択届出書を出した課税事業者で、基準期間の課税売上高が5,000万円以下
  • 簡易課税の計算:売上に係る消費税額×みなし仕入率が仕入れに係る消費税額。2種類以上の事業は事業区分ごとに計算して合計
  • みなし仕入率:第1種(卸売業)90%、第2種(小売業)80%、第3種(製造業・建設業など)70%

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:簡易課税制度を選べる基準期間の課税売上高・消費税の納税義務が免除される基準期間の課税売上高・簡易課税のみなし仕入率(第1種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第2種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第3種事業)

想定問題 4四答択一式

下記の〈資料〉に基づく、A社の当期の消費税額(地方消費税を含む)の納付税額として、最も適切なものはどれか。なお、A社は簡易課税制度の適用を受けており、いずれの事業も課税売上高の合計の75%以上を占めないものとする。また、〈資料〉の取引はすべて標準税率10%の課税取引であり、金額は税抜である。

〈資料〉
・卸売業(第1種事業)の課税売上高:2,000万円
・サービス業(第5種事業)の課税売上高:1,000万円

正解:2 70万円

ポイント

簡易課税制度で、事業区分が2つあるときの納付税額を求める計算問題です。

考え方と解き方

間違えやすい所は2つあります。2つの事業を1つの率にまとめてしまうことと、事業ごとの率を取りちがえることです。最後に、仕入れに係る消費税額を引く前の額を答えにしてしまうのも誤りです。

  1. 簡易課税では、売上に係る消費税額にみなし仕入率をかけた額を、仕入れに係る消費税額とみなします。売上に係る消費税額は、卸売業が2,000万円×10%=200万円、サービス業が1,000万円×10%=100万円で、合計300万円です。
  2. 2つの事業があるので、事業区分ごとに計算します。卸売業(第1種)は90%、サービス業(第5種)は50%です。
  3. 仕入れに係る消費税額は、200万円×90%+100万円×50%=180万円+50万円=230万円です。納付税額は、300万円-230万円=70万円です。したがって、最も適切なのは 2 70万円 です。

ほかの選択肢

  • 1 30万円:全体に卸売業の90%をかけた額です(300万円-300万円×90%)。2つの事業があるので、事業ごとに率を使い分けます。
  • 3 110万円:卸売業とサービス業のみなし仕入率を入れかえた額です(300万円-(200万円×50%+100万円×90%))。卸売業は第1種で90%、サービス業は第5種で50%です。
  • 4 230万円:仕入れに係る消費税額を、納付税額として答えた額です(200万円×90%+100万円×50%)。納付税額は、売上に係る消費税額300万円からこの額を引きます。

覚えておくこと

  • 簡易課税の計算:売上に係る消費税額×みなし仕入率が仕入れに係る消費税額。2種類以上の事業は事業区分ごとに計算して合計
  • みなし仕入率:第1種(卸売業)90%、第2種(小売業)80%、第3種(製造業・建設業など)70%
  • みなし仕入率:第4種(ほかの事業)60%、第5種(サービス業・運輸通信業・金融保険業)50%、第6種(不動産業)40%

(テーマ・覚えること)

数字の出どころ:簡易課税で1種類の事業の割合により全体に同じ率を適用できる割合・簡易課税のみなし仕入率(第1種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第2種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第3種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第4種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第5種事業)・簡易課税のみなし仕入率(第6種事業)・消費税の標準税率(国税と地方消費税の合計)

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