分野 E|セキュリティ・倫理

暗号(共通鍵暗号・公開鍵暗号・ハッシュ関数)

今の制度の過去問(3回分)では、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式が2問、ハッシュ関数が1問、ブロックチェーンの適用例が1問、合わせて4問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『6-25-1 暗号技術』

最終更新

よく出る形

  • 共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式(暗号化と復号の鍵の方式)の特徴を選ぶ(3回分で1問)
  • メッセージを復号して読める鍵の使い方を選ぶ(3回分で1問)
  • ハッシュ関数(データから決まった長さの値を求める関数)の性質を選ぶ(3回分で1問)
  • ブロックチェーン(取引記録を鎖状につなぐ技術)を適用した例を選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:耐量子計算機暗号(PQC)の説明を選ぶ形
  • 問われるとしたら:共通鍵の数を求める計算の形

覚えること

  • 暗号化と復号:データを読めない形に変えるのが暗号化で、元の読める形に戻すのが復号
  • 共通鍵暗号方式:暗号化と復号に同じ鍵(共通鍵)を使う方式
  • 共通鍵暗号方式の特徴:処理は速いが、鍵を安全に渡す必要があり、相手ごとに鍵が要る
  • 公開鍵暗号方式:暗号化と復号で異なる鍵(公開鍵と秘密鍵)を使う方式
  • 公開鍵と秘密鍵:公開鍵は相手に渡す鍵で、秘密鍵は持ち主だけが持つ鍵
  • 公開鍵暗号方式の使い方:受け取る人の公開鍵で暗号化し、その人の秘密鍵で復号する
  • 秘密鍵で暗号化したデータ:対になる公開鍵で復号でき、公開鍵は誰でも使える
  • 公開鍵暗号方式の特徴:鍵の配布は容易だが、共通鍵暗号方式より処理が遅い
  • RSA 暗号:公開鍵暗号方式の代表的な方式の一つ
  • 共通鍵の数:n 人が互いに別々の共通鍵で通信するとき、n×(n-1)÷2 本
  • ハッシュ関数:データから、決まった手順でハッシュ値を求める関数
  • ハッシュ関数の性質:同じデータなら同じ値になり、ハッシュ値から元のデータには戻せない
  • ブロックチェーン:取引の記録を、前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぐ技術
  • ブロックチェーンの保管:記録を一つの管理者でなく、ネットワーク上の複数のノードで持つ
  • ブロックチェーンの特徴:過去の記録を書き換えると後ろのブロックと合わず、改ざんを見つけやすい
  • 耐量子計算機暗号(PQC):量子計算機を使っても解読されにくいことを目指した暗号
  • PQC が必要な理由:量子計算機の進展で、現在広く使う公開鍵暗号の安全性が下がるおそれ
  • 参考:今のシラバスの用語例にある「ハイブリッド暗号方式」「ディスク暗号化」は、案の用語例にない

数字と計算

  • 例:7 人から 8 人に増えると、共通鍵は 21 本から 28 本で、7 本増える

ひっかけ

  • 秘密鍵で暗号化した物は、だれでも公開鍵で読める。秘密を守る使い方ではない

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

耐量子計算機暗号(PQC)に該当するものはどれか。

正解:エ 将来、量子計算機が実用化されても、安全性を保つことを目指して作られた暗号

ポイント

耐量子計算機暗号(PQC)がどんな暗号かを、量子に関するほかの技術と区別して問う問題です。

考え方と解き方

名前に「量子」があるので、量子の性質を使う技術や、量子計算機の上で動く暗号と思うと、ア・イを選んでしまいます。

  1. 量子計算機の進展で、現在広く使われている公開鍵暗号の安全性が下がるおそれがあります。PQC は、量子計算機を使っても解読されにくいことを目指した暗号です。
  2. したがって、耐量子計算機暗号(PQC)に該当するのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 量子の性質を使って盗聴を検知しながら鍵を共有する技術は、量子鍵配送に当たります。解読されにくい暗号そのものではありません。
  • イ PQC は、量子計算機の上で動かす暗号ではなく、量子計算機を使う攻撃に耐えることを目指した暗号です。
  • ウ 公開鍵暗号を量子計算機で解読する手順は、PQC が備えようとしている攻撃の側の話で、暗号ではありません。

覚えておくこと

  • 耐量子計算機暗号(PQC):量子計算機を使っても解読されにくいことを目指した暗号
  • PQC が必要な理由:量子計算機の進展で、現在広く使う公開鍵暗号の安全性が下がるおそれ

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

ブロックチェーンとハッシュ関数に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の B さんは、取引の記録を共有する仕組みにブロックチェーンを使うことを検討し、仕組みを次のように整理した。
  • a ブロックチェーンでは、各ブロックが一つ前のブロックのハッシュ値を持つので、過去の記録を書き換えると、後ろのブロックと合わなくなる。
  • b ハッシュ関数は、入力するデータが少しでも異なれば、通常は、異なるハッシュ値を出力する。
  • c ブロックチェーンでは、取引の記録を、一つの管理者のコンピュータだけに保管する。

正解:ア a、b

ポイント

ブロックチェーンのつなぎ方と、ハッシュ関数の性質を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

記録は一か所にまとめて持つほうが確実、と感じると、c を適切としてしまいます。ブロックの並びを、ただの記録の順番と考えると、a の適切さを見落とします。

  1. a は適切です。各ブロックが前のブロックのハッシュ値を持つので、過去の記録を書き換えると、後ろのブロックと合わなくなります。
  2. b は適切です。ハッシュ関数は、入力するデータが少しでも異なれば、通常は異なるハッシュ値を出力します。
  3. c は不適切です。ブロックチェーンは、記録を一つの管理者でなく、ネットワーク上の複数のノードで持ちます。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ a、b、c の全てを挙げていますが、c は不適切です。記録を持つのは、一つの管理者でなく、複数のノードです。
  • ウ a が抜けています。a も適切で、c は不適切です。
  • エ c だけとしていますが、c は不適切で、適切な a、b が入っていません。

覚えておくこと

  • ブロックチェーン:取引の記録を、前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぐ技術
  • ブロックチェーンの保管:記録を一つの管理者でなく、ネットワーク上の複数のノードで持つ
  • ブロックチェーンの特徴:過去の記録を書き換えると後ろのブロックと合わず、改ざんを見つけやすい

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

共通鍵暗号方式で、通信する 2 人の組ごとに別々の共通鍵を使うとき、必要な共通鍵の総数はどれか。

A 社の 6 人の従業員が、互いに全員と、暗号化した情報をやり取りする。通信する 2 人の組ごとに、別々の共通鍵を 1 本ずつ用意し、その 2 人は、送るときも受け取るときも同じ鍵を使う。

正解:イ 15本

ポイント

通信相手ごとに共通鍵を用意するとき、鍵が全部で何本いるかを求める問題です。

考え方と解き方

人数に相手の数を掛けただけでは、A さんから B さんと、B さんから A さんを、別々に数えてしまいます。

  1. 共通鍵は 2 人の組ごとに 1 本なので、6 人から 2 人を選ぶ組の数を求めます。
  2. 6×5÷2=15(本)なので、適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 6 本は人数と同じ本数です。1 人が 1 本だけ持つ数え方で、相手ごとに鍵が要ることを数えていません。
  • ウ 30 本は 6×5 で、2 人の組を、向きごとに二度数えた値です。
  • エ 36 本は 6×6 で、自分自身との組まで数えた値です。

覚えておくこと

  • 共通鍵の数:n 人が互いに別々の共通鍵で通信するとき、n×(n-1)÷2 本
  • 共通鍵暗号方式の特徴:処理は速いが、鍵を安全に渡す必要があり、相手ごとに鍵が要る

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

A 社が行う暗号化の方法として、最も適切なものはどれか。

A 社は、取引先の C 社へ、大容量のデータを暗号化して定期的に送る。C 社とは、安全な方法で鍵を渡すことができる。暗号化と復号にかかる時間は、なるべく短くしたい。

正解:ウ 共通鍵暗号方式を使い、C 社と共有した共通鍵でデータを暗号化して、C 社に送る。

ポイント

大容量のデータを取引先に送るときの、暗号化の方法を選ぶ事例の問題です。

考え方と解き方

公開鍵暗号方式でも C 社に送れるので、鍵の渡し方だけで選ぶと迷います。大容量で、時間を短くしたい条件では、処理の速さで比べます。

  1. A 社と C 社は安全に鍵を渡せるので、共通鍵暗号方式が使えます。共通鍵暗号方式は、公開鍵暗号方式より処理が速く、大容量のデータを短い時間で暗号化し、復号したい条件に合います。
  2. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア C 社の公開鍵で暗号化したデータは C 社が復号できますが、公開鍵暗号方式は共通鍵暗号方式より処理が遅く、時間を短くしたい条件に合いません。
  • イ ハッシュ関数は、データからハッシュ値を求める関数です。ハッシュ値から元のデータには戻せないので、暗号化には使えません。
  • エ A 社の公開鍵で暗号化したデータは、対になる A 社の秘密鍵でしか復号できず、C 社は読めません。

覚えておくこと

  • 共通鍵暗号方式の特徴:処理は速いが、鍵を安全に渡す必要があり、相手ごとに鍵が要る
  • 公開鍵暗号方式の特徴:鍵の配布は容易だが、共通鍵暗号方式より処理が遅い
  • ハッシュ関数の性質:同じデータなら同じ値になり、ハッシュ値から元のデータには戻せない

(テーマ・覚えること)

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