分野 E|セキュリティ・倫理

マルウェア対策とランサムウェア対策(パターンマッチング・バックアップ)

今の制度の過去問(3回分)では、ランサムウェア対策のバックアップが2問、マルウェア感染を防ぐ対策が1問、合わせて3問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『6-25-1 マルウェア対策』

最終更新

よく出る形

  • ランサムウェア(身代金要求型の不正プログラム)対策を選ぶ(3回分で2問)
  • マルウェア(悪意のあるソフト)の感染を防ぐ対策の a〜c の組合せを選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:マルウェア定義ファイル(検出用の特徴データ)の説明を選ぶ形
  • 問われるとしたら:パターンマッチング法(定義ファイルとの照合)などの区別を選ぶ形
  • 問われるとしたら:事例で、バックアップ(データの複製)から復元する判断を選ぶ形

覚えること

  • マルウェア:悪意のあるソフトウェア(不正プログラム)の総称
  • ランサムウェア:ファイルを暗号化して使えなくし、元に戻す代わりに身代金を要求するマルウェア
  • マルウェア定義ファイル:既知のマルウェアの特徴を集めた、検出用のデータ
  • 定義ファイルの更新:新しいマルウェアにも対応するため、常に最新の状態に保つ
  • パターンマッチング法:定義ファイルと照合して、既知のマルウェアを検出する方法
  • パターンマッチング法の弱点:定義ファイルにない新種は、検出しにくい
  • ビヘイビア法(振る舞い検知):プログラムの動作を監視し、不審な動作から検出する方法
  • ビヘイビア法の特徴:定義ファイルにない未知のマルウェアも、動作から検出できる可能性
  • ヒューリスティック法:プログラムの中身や動きから、マルウェアらしさを推し量って検出する方法
  • 感染を防ぐ対策:マルウェア対策ソフトの導入のほか、OS のセキュリティパッチの適用
  • バックアップ:被害に備えて、データの複製を取っておくこと
  • バックアップ分離:複製の一つを、保護対象のネットワークからアクセスできない場所に保管する
  • バックアップの保管:複製を複数取り、異なる種類の媒体に分けて保存する
  • イミュータブルバックアップ:保存後は一定期間、書き換えも削除もできないバックアップ
  • 復元の確認:バックアップから実際に復元できるかを、被害が出る前に確かめておく
  • 復元に使う物:暗号化が始まる前に取った、最も新しいバックアップ
  • 参考:今のシラバスの用語例にある「3-2-1 ルール」「WORM 機能」は、案の用語例にない
  • 参考:案の用語例の「バックアップ分離」と検出手法の3つは、今のシラバスの用語例にない

ひっかけ

  • ビヘイビア法も定義ファイルを使うと思うと誤る。見るのは実行中の動作
  • 感染した PC から書き込める場所のバックアップは、一緒に暗号化されるおそれがある
  • データの暗号化やパスワードの変更では、使えなくなったファイルは戻らない

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

B さんが復元に使うバックアップとして、最も適切なものはどれか。

A 社の PC で、ランサムウェアによってファイルが暗号化された。調べたところ、暗号化が始まったのは 3 日前の昼だった。A 社では、毎晩、全てのファイルのバックアップを取っており、B さんは、このバックアップからファイルを復元する。

正解:ウ 暗号化が始まった日の前日の夜に取った、バックアップ

ポイント

ランサムウェアで暗号化されたファイルを、どの時点のバックアップから復元するかを問う問題です。

考え方と解き方

バックアップには、取った時点のファイルがそのまま入ります。暗号化が始まったあとに取ったバックアップは、暗号化されたファイルを含むので、復元に使っても元に戻りません。

  1. 暗号化が始まったのは 3 日前の昼で、バックアップは毎晩取っています。始まる前に取った物のうち、最も新しいのは、始まった日の前日の夜に取った物です。
  2. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 始まった日の夜に取った物は、始まった昼より後に取っているので、暗号化されたファイルが入っています。
  • イ 始まった日の翌日の夜に取った物も、始まったあとなので、暗号化されたファイルが入っています。
  • エ 気づいた日の夜に取った物は、始まってから日がたっているので、暗号化されたファイルが入っています。

覚えておくこと

  • 復元に使う物:暗号化が始まる前に取った、最も新しいバックアップ
  • バックアップ:被害に備えて、データの複製を取っておくこと
  • ランサムウェア:ファイルを暗号化して使えなくし、元に戻す代わりに身代金を要求するマルウェア

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

不適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社のセキュリティ担当の B さんは、マルウェア対策ソフトの検出方法について、次のように整理した。
  • a パターンマッチング法は、既知のマルウェアの特徴との照合で検出するので、特徴が登録されていない新種は、検出しにくい。
  • b ビヘイビア法は、プログラムが実行中に行う動作を監視し、不審な動作が見つかったときに、マルウェアとして検出する。
  • c ビヘイビア法は、ファイルの中身を既知のマルウェアの特徴と照合して検出するので、プログラムを動かさなくても検出できる。

正解:エ c

ポイント

パターンマッチング法とビヘイビア法の検出の見方を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

手がかりを入れ替えた文は、どちらの方法の説明かが逆になっているだけで、用語は正しく使われています。読み流すと、c も適切に見えます。

  1. a は適切です。パターンマッチング法は、定義ファイルの特徴と照合するので、登録されていない新種は検出しにくくなります。
  2. b は適切です。ビヘイビア法は、プログラムの動作を監視して、不審な動作から検出します。
  3. c は不適切です。ファイルの中身を既知の特徴と照合する説明は、パターンマッチング法の物です。ビヘイビア法は動作を見る方法です。
  4. したがって、不適切なのは c だけで、エ です。

ほかの選択肢

  • ア a、b は適切な記述なので、不適切な物には当たりません。不適切な c が入っていません。
  • イ a、b、c の全てを挙げていますが、a、b は適切な記述なので、不適切な物には当たりません。
  • ウ b は適切な記述なので、不適切な物には当たりません。不適切なのは c だけです。

覚えておくこと

  • パターンマッチング法:定義ファイルと照合して、既知のマルウェアを検出する方法
  • パターンマッチング法の弱点:定義ファイルにない新種は、検出しにくい
  • ビヘイビア法(振る舞い検知):プログラムの動作を監視し、不審な動作から検出する方法

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

マルウェア定義ファイルに該当するものはどれか。

正解:ア 既知のマルウェアを見つけるために、対策ソフトが照合に使う、マルウェアの特徴を集めたデータ

ポイント

マルウェア対策ソフトが検出に使う、マルウェア定義ファイルが何かを問う問題です。

考え方と解き方

対策ソフトの画面には、検出の記録、隔離した物、除外の一覧も並びます。それらも定義ファイルの一部と思うと、イ・ウ・エを選んでしまいます。

  1. マルウェア定義ファイルは、既知のマルウェアを検出するために、ソフトが照合に使う、マルウェアの特徴を集めたデータです。
  2. したがって、マルウェア定義ファイルに該当するのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ 検出や駆除の結果を日時の順に残す物は、ログに当たります。照合に使う特徴は入っていません。
  • ウ 疑わしいファイルを隔離して保管する領域は、隔離(検疫)に当たります。照合に使う特徴を集めた物ではありません。
  • エ 検査の対象から外す物の一覧は、除外の設定に当たります。マルウェアの特徴を集めた物ではありません。

覚えておくこと

  • マルウェア定義ファイル:既知のマルウェアの特徴を集めた、検出用のデータ
  • 定義ファイルの更新:新しいマルウェアにも対応するため、常に最新の状態に保つ

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

ランサムウェアの被害に備えたバックアップに関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。

正解:イ バックアップの保存先は、手間を減らすため、PC に常につないだ共有フォルダにまとめておく。

ポイント

ランサムウェアの被害に備えるバックアップで、不適切な方法を選ぶ問題です。

考え方と解き方

保存の手間が減る、いつでも取り出せる、という便利さだけで保存先を決めると、感染したときに一緒に失う形を選んでしまいます。

  1. イは、保存先を、PC に常につないだ共有フォルダにまとめています。ランサムウェアは、感染した PC からアクセスできるネットワーク上のファイルも暗号化するので、バックアップも使えなくなるおそれがあります。
  2. したがって、最も不適切なのは イ です。正しくは、複製の一つを、保護対象のネットワークからアクセスできない場所にも保管します。

ほかの選択肢

  • ア 複製の一つをアクセスできない場所に保管すれば、感染してもバックアップが残るので、適切です。
  • ウ 被害が出る前に復元を確かめておけば、いざというときに戻せない事態を避けられるので、適切です。
  • エ 複製を種類の異なる媒体に分けて保存すれば、一つの媒体が使えなくなっても残るので、適切です。

覚えておくこと

  • バックアップ分離:複製の一つを、保護対象のネットワークからアクセスできない場所に保管する
  • バックアップの保管:複製を複数取り、異なる種類の媒体に分けて保存する
  • 復元の確認:バックアップから実際に復元できるかを、被害が出る前に確かめておく

(テーマ・覚えること)

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