分野 E|セキュリティ・倫理

リスクアセスメント(情報資産台帳・リスク分析・リスク評価)

今の制度の過去問(3回分)では、ISMS の活動としての、情報資産の洗い出しとリスクの特定・分析・評価が、1問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『6-24-3 情報セキュリティリスクアセスメント』

最終更新

よく出る形

  • ISMS(情報セキュリティ管理の仕組み)で、リスクを調べる活動を選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:リスク特定(見つける)・分析(測る)・評価(判断する)の区別を選ぶ形
  • 問われるとしたら:情報資産(守る対象の情報)の洗い出しと台帳の記述を選ぶ形
  • 問われるとしたら:リスク値(リスクの大きさの数値)の計算や、a〜c の組合せの形

覚えること

  • 情報資産:組織が持つ、事業に必要で価値のある情報や、管理責任を伴う情報
  • 情報資産の例:情報システム、データ、紙の文書など
  • 情報資産台帳:洗い出した情報資産を見える化する一覧。管理部署や保存先も記録
  • 重要度(情報資産の分類):機密性、完全性、可用性の評価値のうち、最大値で判断する
  • リスクアセスメント:リスク特定、リスク分析、リスク評価のプロセス全体
  • リスク特定:リスクを発見、認識して、記述する
  • リスク分析:リスクの特質を理解し、リスクの大きさを決める
  • リスク評価:分析の結果をリスク基準と比べ、受容できるかを決める
  • リスク基準:リスクの重大さを評価するための、あらかじめ決めた目安
  • リスク値:重要度×被害発生可能性(IPA の手引きの方法)
  • 被害発生可能性:脅威(攻撃など)と脆弱性(弱点)から決める
  • リスクアセスメントのあとに、リスク対応を選ぶ

数字と計算

  • 例:重要度 2、被害発生可能性 2 の情報資産は、リスク値 2×2=4

ひっかけ

  • 特定は見つける段階、分析は大きさを決める段階、評価は基準と比べる段階
  • 重要度は、評価値の平均ではなく、最大値で決める
  • 重要ではないと思う情報資産も、洗い出しの段階では台帳に記載する

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

情報資産の洗い出しと台帳に関する記述として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ 情報システムやデータ、文書を洗い出し、管理部署と保存先を記録する。

ポイント

情報資産の洗い出しと、情報資産台帳の作り方を問う問題です。

考え方と解き方

情報資産は、情報システムの中のデータだけではありません。台帳は、まず洗い出して見える形にし、重要度はそのあとに組織で判断します。重要度を先に決めて除くと、守る対象が抜けます。

  1. 情報資産には、情報システム、データ、紙の文書などが含まれます。
  2. 台帳には、洗い出した情報資産を、管理部署や保存先とともに記録して、見える形にします。
  3. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 紙の文書も、組織が持つ情報資産なので、洗い出しの対象に含めます。
  • イ 重要かどうかは、洗い出して記入したあとに、組織で判断します。記入の前に重要ではないと決めて除くことはしません。
  • エ 重要度は、時間がたつと変化することがあります。記入するのは現時点の評価で、変わらないものとして扱うのは適切ではありません。

覚えておくこと

  • 情報資産:組織が持つ、事業に必要で価値のある情報や、管理責任を伴う情報
  • 情報資産台帳:洗い出した情報資産を見える化する一覧。管理部署や保存先も記録

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

リスクアセスメントのプロセスのうち、リスク評価に当たる作業はどれか。

正解:エ 決めたリスクの大きさを、あらかじめ決めた基準と比べ、受容できるかを判断する。

ポイント

リスクアセスメントの段階のうち、リスク評価に当たる作業を問う問題です。

考え方と解き方

大きさを決める段階と、基準と比べる段階は、どちらもリスクの大きさを扱うので、どちらが評価かを混同しやすくなります。

  1. リスク評価は、リスク分析の結果をリスク基準と比べて、リスクが受容できるかを決めるプロセスです。
  2. したがって、リスク評価に該当するのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア リスクの特質を理解し、大きさを決める作業は、リスク分析です。
  • イ リスクを発見して、記述する作業は、リスク特定です。
  • ウ 受容できないリスクに対応を選ぶ作業は、アセスメントのあとに行う、リスク対応です。

覚えておくこと

  • リスク評価:分析の結果をリスク基準と比べ、受容できるかを決める
  • リスク分析:リスクの特質を理解し、リスクの大きさを決める
  • リスク基準:リスクの重大さを評価するための、あらかじめ決めた目安

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

リスク値の求め方に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

B さんは、中小企業向けの手引きにもとづき、情報資産ごとのリスク値を求めている。リスク値は、重要度×被害発生可能性で求める。
  • a 重要度は、機密性、完全性、可用性の評価値のうち、最大値で判断する。
  • b 被害発生可能性は、脅威と脆弱性の状況から求める。
  • c 重要度が同じ情報資産は、被害発生可能性が違っても、リスク値は同じになる。

正解:ア a、b

ポイント

リスク値を求めるときの、重要度と被害発生可能性の決め方を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

重要度の決め方を平均と考えると、a を不適切としてしまいます。

  1. a は適切です。重要度は、機密性、完全性、可用性の評価値のうち、最大値で判断します。
  2. b は適切です。被害発生可能性は、脅威と脆弱性の状況から求めます。
  3. c は不適切です。重要度が同じでも、被害発生可能性が違えば、積であるリスク値も違います。たとえば、重要度が 1 のとき、被害発生可能性が 2 なら 2、3 なら 3 です。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c も適切としていますが、被害発生可能性が違えばリスク値も違うので、c は不適切です。
  • ウ a も適切なのに入っておらず、不適切な c が入っています。
  • エ a、b が適切なのに入っておらず、不適切な c だけになっています。

覚えておくこと

  • 重要度(情報資産の分類):機密性、完全性、可用性の評価値のうち、最大値で判断する
  • 被害発生可能性:脅威(攻撃など)と脆弱性(弱点)から決める
  • リスク値:重要度×被害発生可能性(IPA の手引きの方法)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

対策の前と後で、リスク値の差はどれか。

ある情報資産の重要度は 3 で、現状の被害発生可能性は 3 である。情報システムの設定を見直す対策によって、被害発生可能性は 2 に下がった。リスク値は、重要度×被害発生可能性で求める。

正解:イ 3

ポイント

対策の前後のリスク値を、重要度×被害発生可能性で求め、その差を問う計算問題です。

考え方と解き方

差は、対策前と対策後のリスク値を、それぞれ求めて引いたものです。被害発生可能性の差だけを見ると、重要度を掛け忘れます。

  1. 対策前のリスク値は、3×3=9 です。
  2. 対策後のリスク値は、3×2=6 です。
  3. リスク値の差は、9-6=3 です。したがって、リスク値の差は 3 で、適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 1 は、被害発生可能性の差 3-2 だけを求めた値で、重要度を掛けていません。
  • ウ 6 は、対策後のリスク値 3×2 です。前と後の差ではありません。
  • エ 9 は、対策前のリスク値 3×3 です。前と後の差ではありません。

覚えておくこと

  • リスク値:重要度×被害発生可能性(IPA の手引きの方法)
  • 被害発生可能性:脅威(攻撃など)と脆弱性(弱点)から決める

(テーマ・覚えること)

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