分野 S|セキュリティ 重点分野
アクセス制限と暗号化(最小特権・ストレージ暗号化)
今の制度の過去問(6回分)では、セキュア OS のアクセス制御と管理者権限の問題、ストレージの抜き取りへの対策の問題が 2 問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『4 技術的管理策に関する技術・手法(情報アクセスの管理)/情報へのアクセス制限』
最終更新
問われ方
- セキュア OS のアクセス制御と管理者権限管理の組みを選ぶ形
- ストレージを抜き取られた時に効く対策を選ぶ形
- 問われるとしたら:持ち出しに備えた暗号化の対象と、権限設定との使い分けを選ぶ形
覚えること
- 最小特権:利用者やプログラムに、業務に必要な最小限の権限だけを与えること
- 管理者権限は、管理の分野ごとに別のアカウントに分け、必要最小限の特権を与える
- 全権限をもつ特権アカウントに集めると、乗っ取られた時の被害が大きい
- セキュア OS:管理者が定めた方針でアクセス権を一元的に制御し、所有者は変更できない
- 所有者がアクセス権を保持し制御する方式は、設定の誤りで公開範囲が広がり得る
- HDD パスワード:ストレージ自体に掛けるので、別の PC につないでも解除しない限り読めない
- OS のログインパスワードや権限設定は、ストレージを別の PC に接続されると回避される
- ストレージ暗号化:ストレージ全体を暗号化。抜き取られても別の PC で読めない
- ファイル暗号化:ファイル単位で暗号化。送付や共有する特定のファイルを守る
- データベース暗号化:データベースのデータを暗号化して保存。ファイルが持ち出されても読めない
- 権限の設定は使える人を絞り、暗号化は持ち出されても読めなくする。目的で使い分ける
- 暗号化した物とは別に鍵を保管し、鍵を使える者を限る
- 異動や担当の終了で不要になった権限は、速やかに外す
ひっかけ
- 権限の設定(人を絞る)と暗号化(持ち出されても読めない)の取りちがえ
- OS や BIOS のパスワードを、ストレージの抜き取り対策と誤る
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんが採用する対策として、最も適切なものはどれか。
正解:イ バックアップのデータを暗号化して媒体に書き出し、鍵は媒体とは別に管理する
ポイント
媒体が組織の外に出ても読まれない対策を、事例から選ぶ問題です。
考え方と解き方
権限の設定は、組織の仕組みの中で使える人を絞るもので、媒体が持ち出された後は効きません。管理者の立場では、まず『媒体が手元を離れた後も守れるか』を考えます。
- 目的は、媒体が輸送中に失われても中身を読まれないことです。媒体の中のデータそのものを暗号化すれば、読むには鍵が要ります。
- 鍵を媒体とは別に管理しておけば、媒体だけが手に入っても読めません。したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア データベースへの接続を絞る権限設定は、稼働中のデータベースを守るものです。媒体に書き出されたデータには効きません。
- ウ フォルダーの読取り権限は、書き出し元の OS の中での制御です。媒体を別の機器につなげば回避されます。
- エ 管理者アカウントを分けるのは最小特権の実現で、特権の乱用や乗っ取りの被害を抑えます。媒体の紛失には対応しません。
覚えておくこと
- データベース暗号化:データベースのデータを暗号化して保存。ファイルが持ち出されても読めない
- 権限の設定は使える人を絞り、暗号化は持ち出されても読めなくする。目的で使い分ける
- 暗号化した物とは別に鍵を保管し、鍵を使える者を限る
(テーマ・覚えること)
最小特権の方針として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 新任の担当者には、まず広い権限を付けておき、問題が起きてから狭める。
- b 異動した担当者の元の権限は、次の棚卸しの時期まで残しておく。
- c プログラムも、処理に必要な権限だけをもつアカウントで実行する。
正解:エ c
ポイント
最小特権を、権限の付け方・外し方・プログラムの実行から問う問題です。
考え方と解き方
最小特権は、必要な権限だけを、必要な間だけ与える考え方です。付けてから狭める順は逆で、不要になった権限を残すのも、必要最小限ではありません。管理者の立場では、人だけでなくプログラムの実行権限も対象に考えます。
- a は不適切です。広い権限を先に付けると、必要以上の権限をもつ期間ができます。b は不適切です。異動で不要になった権限は、速やかに外します。c は適切です。プログラムも、処理に必要な権限だけにします。
- したがって、適切なのは c の全てで、エ です。
ほかの選択肢
- ア a は不適切です。また、c が適切なので、a だけでは合いません。
- イ b は不適切です。また、c が適切なので、b だけでは合いません。
- ウ a、b はどちらも不適切です。c が適切です。
覚えておくこと
- 最小特権:利用者やプログラムに、業務に必要な最小限の権限だけを与えること
- 異動や担当の終了で不要になった権限は、速やかに外す
(テーマ・覚えること)
暗号化に関する説明として、最も適切なものはどれか。
正解:ア ストレージ暗号化は、ストレージ全体を暗号化するので、抜き取られても別の PC では内容を読めない。
ポイント
3 つの暗号化の対象と、権限の設定との区別を問う問題です。
考え方と解き方
暗号化は、何を対象にするかで呼び分けます。ストレージ全体、ファイル 1 つ、データベースの中のデータです。権限で人を絞る話と、通信経路の暗号化は別の話です。
- ストレージ暗号化は、ストレージ全体を対象に暗号化します。抜き取られても、鍵がなければ別の PC で内容を読めません。
- 他の説明は、別の対象や別の仕組みの説明です。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 一括でストレージ全体を暗号化するのは、ストレージ暗号化の説明です。ファイル暗号化は、ファイル単位で暗号化します。
- ウ 見られる人を読取り権限で絞るのは、アクセス権の設定の説明です。データベース暗号化は、持ち出されても読めなくするものです。
- エ 通信経路上のデータを暗号化して盗聴を防ぐのは、TLS や VPN の説明です。ストレージ暗号化は保存されたデータが対象です。
覚えておくこと
- ストレージ暗号化:ストレージ全体を暗号化。抜き取られても別の PC で読めない
- ファイル暗号化:ファイル単位で暗号化。送付や共有する特定のファイルを守る
- データベース暗号化:データベースのデータを暗号化して保存。ファイルが持ち出されても読めない
(テーマ・覚えること)
最小特権の考え方に沿った対応として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ ログの確認と再起動だけを許可した個別のアカウントを作り、期間が終わったら無効にする
ポイント
外部の担当者に渡す権限を、最小特権で選ぶ問題です。
考え方と解き方
最小特権は、必要な権限だけを必要な間だけ与えます。記録を取る、期間後に無効にする、のどちらも大切ですが、権限の広さがまず問われます。管理者の立場なら、作業の内容から必要な操作を先に洗い出します。
- 作業内容はログの確認と再起動です。その操作だけを許可した個別のアカウントなら、必要最小限の権限になります。
- 個別にするので担当者ごとの操作を区別でき、期間後に無効にすれば不要な権限も残りません。したがって、最も適切なのは ウ です。
ほかの選択肢
- ア 管理者の共通アカウントは、全権限をもつうえに担当者を区別できません。パスワードを変えても、作業中の権限は過大です。
- イ 操作の記録は後から確かめるためのもので、全権限という過大な権限は変わりません。
- エ 将来の範囲の増加に備えて広い権限を付けるのは、必要最小限ではありません。範囲が変わった時に見直して付け直します。
覚えておくこと
- 最小特権:利用者やプログラムに、業務に必要な最小限の権限だけを与えること
- 管理者権限は、管理の分野ごとに別のアカウントに分け、必要最小限の特権を与える
- 全権限をもつ特権アカウントに集めると、乗っ取られた時の被害が大きい
(テーマ・覚えること)
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