分野 S|セキュリティ 重点分野

攻撃の流れと認証情報を狙う攻撃(総当たり・リプレイ)

今の制度の過去問(6回分)では、サイバーキルチェーンの説明とパスワードリスト攻撃の説明が、1問ずつ、合わせて2問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『2 攻撃手法/攻撃のライフサイクルとフレームワーク』『2 攻撃手法/資格情報・セッション管理の不備を狙った攻撃』

最終更新

問われ方

  • サイバーキルチェーンの説明を選ぶ形(6回分で1問)
  • 流出した認証情報を別のサービスで試す攻撃(パスワードリスト攻撃)を選ぶ形(6回分で1問)
  • 問われるとしたら:ログの特徴から、攻撃の名前を選ぶ形
  • 問われるとしたら:リプレイ攻撃とセッションハイジャックを見分ける形
  • 問われるとしたら:偵察、ラテラルムーブメントなどの a〜c の組合せの形

覚えること

  • サイバーキルチェーン:攻撃者の視点から、攻撃の手口を偵察から目的の実行までの段階に分けたもの
  • 偵察:攻撃の前に標的の情報を集める。フットプリンティング、ポートスキャンなど
  • フットプリンティング:公開情報などから、標的の組織やシステムの情報を集める
  • ポートスキャン:標的の開いている通信ポートを外部から調べ、動くサービスを探る
  • ラテラルムーブメント:侵入後、ネットワーク内の別のシステムへ移動し、制御を広げる
  • 辞書攻撃:辞書にある語などを候補にして、パスワードを次々に試す
  • 総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃):パスワードの候補を全ての組合せで試す
  • リバースブルートフォース攻撃:パスワードを固定し、ID の候補を総当たりで試す
  • 同じパスワードを多数の ID に試すと、ID ごとの失敗が少なく、回数制限にかかりにくい
  • クレデンシャルスタッフィング:流出した ID とパスワードの組を、別のサービスで試す
  • パスワードを使い回していると、流出した組で、別のサービスにも入られる
  • セッションハイジャック:ログイン中のセッションの識別情報を奪い、利用者になりすます
  • リプレイ攻撃:盗聴した認証の通信を、内容を変えずに再送して、認証を通る
  • クレデンシャルスタッフィングは、パスワードリスト攻撃と同じ手口

ひっかけ

  • 総当たり(1つの ID に候補を試す)とリバースブルートフォース(1つのパスワードを多数の ID に試す)の取りちがえ
  • リプレイ攻撃(再送)とセッションハイジャック(ログイン中の乗っ取り)の取りちがえ

想定問題

4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1科目A(四択)

B さんが疑うべき攻撃として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報セキュリティ管理者の B さんは、社外向けの Web サービスのログを調べた。1 台の端末から、約 300 件の異なる ID に対し、同じ 1 種類のパスワードでのログインが試されていた。どの ID も失敗は 1 回だけで、連続 5 回で ID をロックする仕組みには、1 件もかかっていなかった。

正解:イ リバースブルートフォース攻撃:1 つのパスワードを固定し、多数の ID に対して試している。

ポイント

ログの特徴から、認証情報を狙う攻撃の名前を見分ける問題です。

考え方と解き方

まず、何を固定し、何を変えているかを見ます。ID が多数で、パスワードが 1 種類なら、パスワードを固定した攻撃です。管理者の立場なら、ID ごとの回数制限にかからない点も、手口の特徴として押さえます。

  1. ログでは、パスワードは同じ 1 種類で、試された ID が約 300 件に及びます。パスワードを固定して ID の候補を試す手口です。
  2. ID ごとの失敗は 1 回で、ロックの基準に届かないのも、この手口の特徴です。したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア ブルートフォース攻撃は、特定の ID に候補を全ての組合せで試す手口です。今回は ID が多数で、パスワードが 1 種類なので、合いません。
  • ウ クレデンシャルスタッフィングは、流出した ID とパスワードの組を試す手口です。組ごとにパスワードが異なるはずで、同じ 1 種類のパスワードという観測と合いません。
  • エ 辞書攻撃は、辞書にある語などを候補にしてパスワードを試す手口です。今回は特定の ID ではなく、パスワードが固定されているので、合いません。

覚えておくこと

  • リバースブルートフォース攻撃:パスワードを固定し、ID の候補を総当たりで試す
  • 同じパスワードを多数の ID に試すと、ID ごとの失敗が少なく、回数制限にかかりにくい
  • 総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃):パスワードの候補を全ての組合せで試す

(テーマ・覚えること)

想定問題 2科目A(四択)

攻撃の手口に関する記述のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

情報セキュリティ管理者の B さんは、部門の勉強会の資料に、攻撃の手口の説明を次の a〜c にまとめた。
  • a サイバーキルチェーンは、防御側の視点から、対策の手順を並べたものである。
  • b ラテラルムーブメントは、侵入後に、ネットワーク内の別のシステムへ移動し、制御を広げることである。
  • c ポートスキャンは、標的の開いている通信ポートを外部から調べ、動くサービスを探ることである。

正解:エ b、c

ポイント

攻撃のライフサイクルの用語を、取りちがえずに選ぶ問題です。

考え方と解き方

サイバーキルチェーンは、攻撃者の視点で段階を並べたものです。防御側の手順と取りちがえないようにします。偵察やラテラルムーブメントは、その段階で行われる行為です。

  1. a は不適切です。サイバーキルチェーンは、攻撃者の視点から、攻撃の手口を段階に分けたものです。b は適切です。侵入後に別のシステムへ移動して、制御を広げる行為です。c は適切です。ポートスキャンは偵察の一つで、開いている通信ポートを調べます。
  2. したがって、適切なのは b、c の全てで、エ です。

ほかの選択肢

  • ア a は不適切です。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
  • イ a は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
  • ウ a は不適切です。また、b も適切なので、a、c では組合せが合いません。

覚えておくこと

  • サイバーキルチェーン:攻撃者の視点から、攻撃の手口を偵察から目的の実行までの段階に分けたもの
  • ラテラルムーブメント:侵入後、ネットワーク内の別のシステムへ移動し、制御を広げる
  • ポートスキャン:標的の開いている通信ポートを外部から調べ、動くサービスを探る

(テーマ・覚えること)

想定問題 3科目A(四択)

この攻撃として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報セキュリティ管理者の B さんは、社内の業務システムに、従業員のアカウントで外部の者がログインした事案を調べた。ログイン時に社外で取得された通信が、数日後に、同じ内容のまま業務システムへ送られていた。従業員は、通信が取得された日のうちにログアウトしていた。通信は暗号化されていて、攻撃者はパスワードを解読していなかった。

正解:ア リプレイ攻撃:盗聴した認証の通信を、内容を変えずに再送して、認証を通る。

ポイント

リプレイ攻撃とセッションハイジャックを、事例から見分ける問題です。

考え方と解き方

リプレイ攻撃は、取得した通信をあとから再送します。ログイン中に乗っ取るセッションハイジャックとは、時点がちがいます。管理者の立場なら、ログアウト済みの時点と、通信の内容が同じである点を先に確かめます。

  1. 通信は、ログアウトのあとに、内容が同じまま再送されました。パスワードは解読されていません。
  2. 盗聴した認証の通信を、内容を変えずに再送する手口は、リプレイ攻撃です。したがって、最も適切なのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ セッションハイジャックは、ログイン中のセッションの識別情報を奪う手口です。従業員はすでにログアウトしており、合いません。
  • ウ 辞書攻撃は、パスワードを次々に試す手口です。今回は、取得した通信がそのまま再送されており、パスワードを試した形跡がありません。
  • エ ブルートフォース攻撃も、パスワードを試す手口です。パスワードは解読されておらず、取得した通信が再送されたという観測と合いません。

覚えておくこと

  • リプレイ攻撃:盗聴した認証の通信を、内容を変えずに再送して、認証を通る
  • セッションハイジャック:ログイン中のセッションの識別情報を奪い、利用者になりすます

(テーマ・覚えること)

想定問題 4科目A(四択)

B さんが考える、不正ログインが成功した主な理由として、最も適切なものはどれか。

会員制サイトを運営する A 社の情報セキュリティ管理者の B さんは、不正ログインを調べた。短時間に多数の異なる ID へのログインが試みられ、1 つの ID への試行は 1 回ずつだった。試行の約 2%が成功した。A 社の会員情報の流出は確認されておらず、成功した ID の多くは、他社のサービスから流出した情報に載っていた。

正解:ウ 会員の一部が、他社のサービスと同じ ID とパスワードの組を使い回しており、流出した組を試されたため。

ポイント

流出した認証情報が使い回しから悪用される流れを、事例から選ぶ問題です。

考え方と解き方

1 つの ID への試行が 1 回ずつで、成功した ID が他社の流出情報に載っている点が決め手です。総当たりなら、同じ ID に多数の試行が出ます。管理者の立場なら、自社の流出がない点と、利用者側の使い回しの両方を見ます。

  1. A 社の会員情報は流出しておらず、成功した ID の多くは他社の流出情報に載っていました。流出した ID とパスワードの組を、別のサービスで試された形です。
  2. この手口が成立するのは、会員がパスワードを使い回している場合です。したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 総当たりなら、同じ ID に多数の試行が出ます。今回は 1 つの ID への試行が 1 回ずつで、合いません。
  • イ 偽のサイトへ誘導して入力させるのは、フィッシングです。ログの試行が多数の ID に及んでいる観測と、他社の流出情報に載っていた点とは合いません。
  • エ A 社の会員情報の流出は確認されていないので、サーバーへの侵入から持ち出された、という説明は合いません。

覚えておくこと

  • クレデンシャルスタッフィング:流出した ID とパスワードの組を、別のサービスで試す
  • パスワードを使い回していると、流出した組で、別のサービスにも入られる
  • クレデンシャルスタッフィングは、パスワードリスト攻撃と同じ手口

(テーマ・覚えること)

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